JOHN McLAUGHLIN / HEART OF THINGS LIVE(1998年)
Musician●John McLaughlin(guitar)
Title●Heart of Things Live(1998年)
■ディスクユニオンで購入
英国ジャズギター界の帝王John McLaughlin(ジョン・マクラフリン)が1997年にリリースした「Heart of Things」はリズム隊にスーパードラマーDennis Chambersと若手の売れっ子ベース奏者Matthew Garrison(Jimmy Garrisonの息子)を起用することで作品全体に画期的なポリリズムをもたらしました。また、サックス奏者にGary Thomasを起用することで、McLaughlin御大が安心して暴れまくる環境を自ら作り上げたことも大きなポイントです。すっかり「回春」してしまったMcLaughlinは同時期に精力的なライブ活動を行っていますが、その一環でレコーディングされたのが、このパリライブです。1998年11月4日~5日のテイクを収録。At La Cigaleという会場での音源です。
メンバーは「Heart Of Thing」とほぼ同じですが、スタジオ盤での鍵盤楽器奏者がJim BeardからOtmaro Ruizへチェンジし、パーカッション奏者としてVictor Williamsが加わっています。さて、肝心の内容ですが「The Heart Of Things」からの選曲が多く、スタジオ盤と聴き比べるライブ盤ならではの楽しみがあります。正直に言って作り込まれたスタジオ盤よりも、完成度に目をつぶっても鬼気迫るライブ音源のほうが数段上だと思います。特に「Acid Jazz」ではこのまま壊れてしまうのではないかと思われるほど御大は暴れまくります。安易に「Acid」を名乗る若手ミュージシャンに対して、「ホントのAcidはこれじゃ!」とばかりに怒りの鉄槌を下すがごとく。いや、もう、世紀末になって凄まじいライブに出会ったものです。
●Musicians
John McLaughlin / guitar
Gary Thomas / tenor sax,soprano sax
Otmaro Ruiz / keyboard
Matthew Garrison / bass
Dennis Chambers / drums
Victor Williams / percussion
●Numbers
1. Seven Sisters
2. Mother Tongues
3. Fallen Angels
4. Divide
5. Tony
6. Acid Jazz
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コメント
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盤のレビューが素晴らしいので、また音源入手してしまいました。
昨日は久々長めに車を運転してたので、まずは、カーステレオで聴きましたが…
真にHOTな作品ですね。
近作の4th Dimension と、そのライブ盤は既に持ってますが、路線的には似ているものの…
マクラフリンがまだ若い?ためかHOT度がぜんぜん違いますね!
毎度ながら、ナイスな作品の情報ありがとうございます。
ちなみに、録音バランスのためか剛腕すぎるためか デニチェン の音が異様に大きく、運転中に思わずVOLを絞るトラックもありましたが(^ ^;
今度は、ステレオでじっくり聴きたい作品です。
ではでは~
PS 行きは上述の盤を、帰りは(真反対の?)ブランドン・ロスの「コスチューム」を聴いたのですが…
日ごろもっぱら聞いている、もろジャズ作品ではないものの、美意識に満ちみちた、ジャズの語法をつかった奔放かつ繊細なアドリブを聞くことができるという、こちらも素晴らしい作品でした(^ ^)
投稿: betta taro | 2010年11月28日 (日) 06時21分
コメントありがとうございます。
マクラフリンはHOT路線で完全に若返った感じですね。ライブなどに頻繁に出演するようになったのもHOT以降からだと思われます。
確かにデニチェンは出過ぎる場面もありますが、ベースとのリズム隊の活躍によって新しい息吹が吹き込まれているように思われます。
最新作ももろにHOT路線ですが、個人的にはこのまま突っ走ってほしいです。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年11月28日 (日) 13時07分