テクニカル系ギタリストの新星!Derryl Gabelの1st
Musician●Derryl Gabel(guitar)
Title●Visions & Dreams(2002年)
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日本ではまったくと言っていいほど無名ながら、次代を担う若手実力派のテクニカル系ギタリストがどんどん登場してきています。今回ご紹介するDerryl Gabelもその中の一人です。聴いた感じとしてはScott Hendersonの音をベースにして、Allan HoldsworthとFrank Gambaleを足したような感じでしょうか? 紹介文には影響を受けたミュージシャンとしてGreg HoweやBrett Garsedの名前も見られます。まさに個人的な好みとしてはドンぴしゃではないですか! Progressive Arts Musicというレーベルからリリースされています。版元のネーミングもいいですね。
Derryl Gabel自身の詳しいプロフィールが見当たらないので、年齢やキャリアはどのくらいかも不明なのですが、ジャケットの写真を見る限りはまだ若そうです。とにかく若さにまかせて全曲とも弾きまくりで、そのスピードたるやFrank Gambaleのデビュー当時を遥かに凌駕しています。テクニック面ではすでに完成期に達していると思われますが、惜しむらくは楽曲が単調で聴いているうちにだんだん飽きてくる点が、難点といえば難点かもしれません。また、音の隙間を少しでも見つけると遠慮なく入り込んでくる無遠慮さはテクニカル系では付き物とは言え、あまりにも遊びと余裕がないので聴いているとだんだん息苦しくなてくる難点も抱えています。そこらあたりは、キャリアを積むうちに解消されることを願います。とは言えオープニング「Miles From Home」からガンガン弾きまくるスタイルは、ギター好きには堪らない魅力ですね。
この「Visions & Dreams」は一般でも入手可能ですが、HP上では「Giant Steps」(2002年)という作品もリリースされています。そのタイトルが示している通り、ジョン・コルトレーンにインスパイアされた作品で、コルトレーンの曲を超絶技巧で弾きまくっています。ただし、あまり音質も良好とは言えません。デモ音源なのかもしれません。クレジットを見たらすべての楽器を自分でこなすマルチな人であることが判明しました。経費を極力抑えるということも当然ありますが、若手が世に出る手段としてこういう「密室系」がどんどん増えてきていますね。「密室系」の先鞭をつけたのはRon ThalことBumblefootではないでしょうか。
●Musicians
Derryl Gabel / guitars,bass,drums-programming
Mychal Lukers / drum-programming
●Numbers
1. Miles From Home
2. Alright
3. Spending Time With You
4. Friends
5. Visions and Dreams
6. Tell Me
7. Song For Jessie
8. Blue Fingers
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