英国ジャズロックの夜明け「Where Fortune Smiles」
Musician●John McLaughlin(guitar)
Title●Where Fortune Smiles(1969年)
■ディスクユニオンで購入
英国ジャズロックの主要メンバーJohn McLaughlinが中心になって録音されたジャズロックの定番中の定番、かつ最重要作品です。メンバーはMcLaughlinを中心に、John Surman(バリトンサックス)、Karl Berger(ヴィブラフォン)、Stu Martin(ドラムス)、Dave Holand(ベース)というメンバー。アルバム自体は1971年に発売されていますが、実際には1969年にレコーディングされています。1969年といえばJohn Surmanが中心になって夥しい数のセッション活動を行っていた年であり、このアルバムもその流れのなかでとらえることができるでしょう。一応、アルバム名義はMcLaughlinになってはいますが、実際にはメンバーによる共同制作のよう印象で、McLaughlinが3曲、Surmanが2曲という分担になっています。
冒頭の「Glancing Backwards」はSurmanによるもので、自身のソロアルバムでも好んでプレイされる名曲です。いきなりハイテンションにのぼりつめるSurmanの叫び声、負けじと鋭角的なソロを連発するMcLaghlin。この2人による火の出るようなインタープレイの応酬には、早くも悶絶死寸前です。この曲がアルバムの中ではもっとも聴きやすく、かつもっとも象徴的なナンバーだと言えるでしょう。
全体をとおして聴くとオドロオドロしいジャズ色が強い作品ですが、フリーキーなSurmanに対して、ジャズという枠に収まることなく縦横無尽に暴れまくるMcLaughlinのソロからはいわゆるジャズロックという評価を拒否するかのような強い意志を感じさせます。
アナログ盤は廃盤状態でたまに発見できてもとんでもない高価がついていますが、念願のCD化によって比較的容易に入手できるようになりました。数年前にディスクユニオン渋谷店で「英国ジャズロック祭り」が開催されましたが、必須アイテムとしてこの作品がラインアップされていたことは言うまでもありません。
●Musicians
John McLaughlin / guitar
John Surman / baritone sax
Karl Berger / vibraphone
Stu Martin / drums
Dave Holand / bass
●Numbers
1. Glancing Backwards
2. Earth Bound Hearts
3. Where Fortune Smiles
4. New Place,Old Place
5. Hope
« 謎のテクニカル系ギタリスト、Dave Athertonの1st | トップページ | Mahogany Rushの初期3作がおまとめで! »
「ジャズギター」カテゴリの記事
- David Gilmore / Transitions(2017年)(2017.04.08)
- Kurt Rosenwinkel / Caipi(2017年)(2017.04.02)
- Wolfgang Muthspiel,Mick Goodrick / Live At The Jazz Standard(2010年)(2016.08.06)
- John Abercrombie / Within A Song(2012年)(2016.07.03)
- Albert Vila / The Unquiet Sky(2014年)(2016.06.25)
« 謎のテクニカル系ギタリスト、Dave Athertonの1st | トップページ | Mahogany Rushの初期3作がおまとめで! »
コメント