オーストラリア出身の凄腕James Muller「KABOOM」
Musician●James Muller(guitar)
Title●Kaboom(2005年)
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オーストラリアを代表するジャズギタリストJames Mullerによる現時点での最新アルバムです。2005年発売。James Mullerの日本での知名度は低いようですが、Allan Holdsworthバンドで活躍するドラム奏者Chad Wackerman(チャド・ワッカーマン)のソロアルバムに参加しているので、プレイを聴かれた人もおられるのではと思います。また、同じ豪州を代表する鍵盤楽器奏者Sean Wayland(ショーン・ウェイランド)との共演作もかなりあります。
このアルバムJames Muller名義としては確か4作目にあたります。これまで同国人でメンバーを固めることが多かったのですが、今回はMatt Penman(bass)、Bill Stewart(drums)という米国産の強力リズム隊を迎える形で、NYでレコーディングを行っています。元来、明快で歯切れのよいプレイが身上のMullerですが、米国メンバーに力を吹き込まれたかのごとくタイトでストレートアヘッドなプレイを十二分に聴かせてくれています。
Mullerはかなり大まかな分類をするとPetheny系のコンテンポラリー系ジャズプレイヤーですが、諸先輩方と比べるとかなりロック寄り。ため息が出るほどのスピード感と超絶技巧の数々は、多くのギターファンを納得させるほどの切れ味をもっています。6曲目「Chick Corea」という曲ですが、もちろんCorea本人は参加していませんが、実にリリカルかつスピーディーなギタープレイは、この作品の中でも一番の聴きどころです。ラストの定番「All The Things You Are」での斬新な解釈も実に美しく、かつスリリングです。Methenyなどのコンテンポラリー系ギター好きの方、必聴!
●Musicians
James Muller / guitar
Matt Penman / bass
Bill Stewart / drums
●Numbers
1. Honeycombos
2. Kaboom
3. Stacked
4. D Blues
5. Eindhoven
6. Chick Corea
7. Marcello
8. All The Things You Are
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コメント
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記事を拝読し、久々 kaboon を聴いてみました。
all the things は確かにかっこいいですね(^ ^)
Thrum(2002),All Out(1999)の中ではkaboonがサイドマンが最も充実していて聴きごたえがある気がします。
イメージ的には、Thrumの冒頭のカート・ローゼンウィケル風のダークなリリシズムや、同盤2曲目のジョンスコっぽい演奏の印象が強く、引き出しの多いギタリストだと思います。
ではではm(_ _)m
投稿: betta taro | 2010年10月 6日 (水) 10時16分
コメントありがとうございます。
kaboonいいですよね。バックが強力なので安心しきって暴れているMullerが実に恰好いいです。
最近はSean Waylandの「Pistachio」「Pistachio2」という輸入盤を購入しましたが、こちらはMullerとAdam Rogersという大好物2人が参加しています。こちらもお勧めですよ!
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年10月10日 (日) 13時52分