HoldsworthとJohansson兄弟との強烈バトル!Heavy Machinery
Musician●Allan Holdsworth(guitar)
Title●Heavy Machinery(1996年)
■ディスクユニオンで購入
テクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が北欧のHM兄弟、Anders & Jens Johanssonとガチンコ勝負に挑んだ作品です。Johansson兄弟はスウェーデン時代にYngwie MalmsteenのSilver Mountainに加入し、Rising Forceにも在籍していましたね。また、John McLaughlinやJonas Hellborgの作品にも参加しています。
この頃からHoldsworthは自身の作品よりも他人とのセッション作品のほうが出来映えがいいという決してありがたくない評論がなされていたように思えますが、この作品などはその典型例とも言えるでしょう。アーティストとしては実に皮肉な状況ですが、確かにそう思えるから仕方がないのです。1996年といえばHoldsworth的には「None Too Soon」をリリースした頃でしょう。
Holdsworthはこのアルバムで最強兄弟に煽られたのでしょうか。とにかく回春した(?)Holdsworthのソロは近年まれにみる凄まじさ。始めから最後までとにかくもの凄い音の圧力と洪水です。「貴公子」マルムスティーンとの共演でもこれほどまでの凄みは感じませんでしたが、ベテランと中堅の意外な取り合わせがこんな迫力を生むとは!奇跡の融合とはまさにこのことかもしれません。じっと聴いているとJensの鍵盤とHoldsworthのギターとが激しくぶつかり合いながらも、次第に解け合うようにとんでもない音が作り出されていることに気がつきます。これはHoldsworthがレガート奏法の名手だからこそ、起きる奇跡の瞬間ですね。
これほどまでに素晴らしい共演なのに「第2弾」が絶対ないのがHoldsworthらしいところ。やはり希代の偏屈ものと言わざるを得ません。そんなところがマニアの心を刺激することも確かなのですが。ところでラスト曲「Macrowaves」はJensの美しいキーボードでクールダウンするのですが、20分以上にわたる「無音部」があります。そして最後は1分足らずのキーボードと激しいドラムが。何なんでしょうね。よく意味がわかりません(笑)。タイトル通り「人間には聞こえない音」でも隠されているのでしょうか。また、アメリカ盤とスウェーデン盤とではジャケットデザインが異なりますが、日本盤はスウェーデン盤ジャケットを採用しています。
●Musicians
Allan Holdsworth / guitar
Anders Johansson / drums
Jens Johansson / keyboards
●Numbers
1. Joint Ventures
2. Beef Cherokee
3. On the Frozen Lake
4. Mission Possible
5. Good Morning Mr. Coffee
6. Siouxp of the Day
7. On the Fritz
8. Tea for One and a Half
9. Never Mind Our Weather
10. Macrowaves
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