TRIBAL TECH / FACE FIRST(1993年)
Musician●Scott Henderson(guitar)
Title●Face First(1993年)
■ディスクユニオンで購入
アメリカのテクニカル系ギタリストScott Hendersonと超絶ベースGary Willisの双頭ユニット「Tribal Tech」による1993年の作品です。このユニットでは作品に至るまですでに何枚かのアルバムを出していますが、もはや王者の風格さえ漂わせています。参加メンバーは前出2名に加えてKirk Covinton(ドラムス)、Scott Kinsey(キーボード)という最強メンバーです。
Scott Hendersonの名前が一躍知られるようになったのは、Chick Corea率いるElectrik Bandのギタリストとして抜擢されてからだと思われますが、その前にはJeff Berlinのソロアルバムやジャン・リュック・ポンティのアルバムでの活躍で一部マニアの間で知られています。その間に盟友Gary Willisと「Tribal Tech」を結成し「Spears」「Dr.Hee」「Nomad」のアルバムを立て続けにリリースしています。さらに元Weather Reportの総帥Joe Zawinulが率いる「The Zawinul Syndicate」の作品にも参加しています。その後メンバーを一新したうえで1991年、1992年に「Tribal Tech」と「Illicit」をリリース。この「Face First」はユニットとしては6枚目にあたります。
このアルバムがこれまでのアルバムと顕著に違うのは、このアルバムを境に一挙にブルース色が強まり、また曲調もポップになったという点です。これはおそらく「The Zawinul Syndicate」での経験が影響していると思われますし、またHenderson自身が本来やりたかった音楽なのかもしれません。従来のユニットカラーととも言える「未来派ハイテクフュージョンサウンド」と「ブルース」とが適度にブレンドされたこのアルバムは個人的には一番好みです。しかし、最近はますますブルース色が強まっていますね。
●Musicians
Scott Henderson / guitar
Gary Willis / bass
Kirk Covington / drums
Scott Kinsey / keyboards
●Numbers
1. Face First
2. Canine
3. After Hours
4. Revenge Stew
5. Salt Lick
6. Uh...Yeah OK
7. The Crawling Horror
8. Boiler Room
9. Boat Gigs
10. The Precipice
11. Wounded
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このメンバーになってからの方がリアルタイムに聴いていた時期に近いので、Bluemoon時代の3枚「Illicit」「Face First」「Reality Check」が好きです。もう言うことなし、という感じの超絶技巧と素晴らしい曲という感じです。
このアルバム、確かにギターと曲調に変化があった感じですね。自分のブログでは書いてませんけれども、言われればなるほど、と思います。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年9月19日 (土) 08時44分
910さん、コメント&TBありがとうございます。
あらためて聴き直すと、やはりブルース色が強まってきていますね。
スコヘン個人としての活動とTribal Techとの活動とのすみ分けが
少し曖昧になってきているのかな?とも感じられます。
とはいえ、1曲目からバリバリ弾きまくるこの盤は大好きです。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2015年9月19日 (土) 12時15分