謎のテクニカル系ギタリスト、Dave Athertonの1st
Musician●Dave Atherton(guitar)
Title●Purist(1997年)
■Guitar Nineより購入
アメリカ出身のテクニカル系ギタリスト、Dave Athertonによる1stアルバムです。例によってまったく情報がなく(ネットでもほとんどヒットしません)、来歴などはさっぱり判明しないのですが、テクニカル系ギタリストに強いGuitar NineがGreg Howe系として強力にプッシュしていたこともあり、ものは試しとばかり購入してみました。ギター、ベース、ドラムというシンプルなトリオ構成という潔さにも興味を惹かれました。
さて、おそるおそる聴いてみると、さすがGuitar Nine。案の定、Greg Howeのフォロワーでありました。若干ネオクラシカルの匂いを漂わせながらも、出てくるフレーズはシュラプネル系にも通じる爽快なテクニカル系ギタリストのそれです。ただGreg Howeほどテクニカルに走るのではなく、それなりにギターを歌わせるタイプで、楽曲もかなりしっかりと出来上がっています。個人的にはかなり好みのタイプです。愚直なまでに丹念に音を繋いでいくプレイは、派手さこそありませんがギター好きにとっては十分な説得力をもっています。適度に哀愁を帯びたソロワークは間違いなく日本人好みです。
とは言え、この1stと2nd「Leaving The Scene」(2000年)をリリースしてからはまったく音沙汰がないのは、メジャーになりきれない「何か」があるのでしょう。確かに日本ではテクニカル系ギタリストは一部を除いて異常なまでの冷たい扱いを受けています。CD屋はもちろん、ネットですらなかなかヒットしないことには、いくら素晴らしいものをもったギタリストでも知られることなく埋もれてしまう運命にあります。おそらくアメリカのどこかで元気に活躍していることを密かに願いつつ、紹介してみました。
●Musicians
Dave Atherton / guitar
Mike Todd / bass
John DiGiulio / drums
Jonathan Mover / drums
●Numbers
1. Reanimator
2. Distant Planet
3. Purist
4. Sunrise River
5. Malinconia
6. Genesis Man
7. St. Gall
8. Vis-a-vis
9. Sisyphus
10. Pipe Major Geo. Stoddart
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