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2010年9月 5日 (日)

インギーの名曲カバー集

Dscf6051







Musician●Yngwie Malmsteen(guitar)
Title●Inspiration(1996年)
■ディスクユニオンで購入

かなりメジャーなギタリストの登場です(笑)。スウェーデン出身のギタリスト、Yngwie Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)が自身が影響を受けたミュージシャンの楽曲をカバーしたアルバムです。幼少からティーンエイジにかけて聴いていた作品、ミュージシャンに対して並々ならぬ尊敬の念を伺うことができます。

そもそも「ALCATRAZZ」で一躍メジャーデビューを果たしたとき「ロックなど聴いたことはない。聴いていたのはバッハだけだ」などとうそぶいていたインギーですが、誰が聴いてもRitchie BlackmoreやJimi Hendrixからの強い影響を受けていることは明らか。おそらく「キャラ作り」のための強弁だったのでしょう。それから月日が流れて彼も人間的に丸くなったのでしょう。自らの音楽的ルーツを正直に吐露したという点で大いに好感がもてます。

さて、どんな楽曲が取り上げられているのでしょう。ここで登場する先達たちはカンサス、レインボー、パープル、RUSH、スコーピオンズ、ジミヘンなど納得のメンバー。現在の彼の原点が見えてきます。しかし、若いファンにとってはカンサスやUKなどというプログレ路線は少し違和感も感じられるかもしれません。しかしながら、昭和37年寅年生まれという年代を考えると、納得です。そもそも、現代のネオクラ路線を語るうえで70年代を席巻したプログレは欠かすことができないのです。

#1 Carry On Waywaard Son
1976年のKANSASの大ヒット曲です。オリジナルは確かバイオリンがフューチャーされていた記憶がありますが、ここではギターがその代わりに。オリジナルよりもテンポも速めです。意外と言えば意外なセレクトです。

#2 Pictures Of Home
第2期DPの名盤「Machine Head」(1972年)より。この時インギー氏は10歳ではないでしょうか。Highway Starでないあたりがヒネクレ度を象徴しています。

#3 Gate Of Babylon
1978年のRainbowの名曲。そもそもはRitchie Blackmoreが作ったジミヘンライクな楽曲なので、インギーはジミヘンの孫弟子のつもりなのかもしれません。

#4 Manic Depression
ジミヘンのデビューアルバム「Are You Experienced」(1967年)に収録されていた曲。インギーのジミヘンフリークぶりは有名で「Purple Haze」「Spanish Castle Magic」などをライブで演奏することがありますが、まあこれも彼の十八番といっていいでしょう。

#5 In The Dead Of Night
イギリスプログレ界の大御所が立ち上げた挙国一致内閣「UK」のアルバムオープニング曲。1977年リリース。これも意外と言えば意外なセレクトです。興味の的はAllan Holdswrthのフレーズをどのように弾きこなすかですが、案の定、ネオクラ風に決めてきました。そういえばインギーのアームの使い方はHoldsworthのそれを若干意識しています。でも、露骨に真似しないあたりが彼のプライドの高さを示しています。Edie Jobsonが間奏で弾いていた鍵盤楽器の速いパッセージをギターで弾くあたりは負けん気の強さを感じさせます。ただし、ボーカルはオリジナルの方が圧倒的に勝ち。John Wettonの憂いがこもったボーカルは誰にも真似できません。火傷しましたね。Johansson兄弟を配したあたりは原曲に対する深いリスペクトの念を感じます。

#6 Mistreated
第3期DPの名曲。1974年。Ritchie御大もかなりのお気に入りでしたが、やはり弟子筋も右に倣えということでしょうか。

#7 The Sails Of Charon
Uli Jon Rothが在籍していた当時のScorpionsの曲です。Uliが最後に参加した「Taken By Force」(1977年)に収録された曲。インギーはRitchie御大からの影響性で語られることが多いのですが、Uli Rothからの並々ならぬ影響も強く感じさせます。なんだよ、ワシと同じじゃないの…。

#8 Demon's Eye
インギーのお姉さんがプレゼントとして与えたのが第2期DPの「Fireball」(1971年)だったそうです。アルバムに先行してリリースされた「Strange Kind Of Woman」ですがそのB面に収録された曲がこれ。アルバム未収録なので個人的には知らなかった曲ですが、DPのベスト盤には収められているようです。カバーからオリジナルを知ることもあるわけです。

#9 Anthem
カナダを代表するプログレトリオRUSHによる1975年の作品。素人時代にバンドメンバーから聴かされてお気に入りになったようです。なんだ、結構影響受けやすいんですね。カナダでRUSHと言っても、もちろんFrank Marino率いるMahogany Rushとはまったく別物です。余談ですがRUSHの「Moving Pictures」はリリース当時、個人的にかなりのハードローテで聴きまくっていました。

#10 Child In Time
第2期DPの名盤「In Rock」収録曲で、HRへ転向したことを高らかに宣言した代表曲です。有名なギターソロもインギーは思い入れたっぷりにガンガンと弾いています。しかし、ソロが終わった後にそそくさとフェードアウトしてしまうアレンジは如何なものでしょう。あれこれ言われるのが嫌だったので、お先に失礼しま~す、という感じなのでしょうか。いささか敵前逃走(?)の感を受けます。

#11 Spanish Castle Majic
Jimi Hendrixによるセカンド「AXIS:Bold As Love」(1968年)からの選曲。先に触れたようにインギー自身、ライブで盛んにプレイしていることもあって、実に伸びやかなプレイを聴かせてくれています。日本盤のみのボーナストラックです。

とまあ、こんな感じですが彼の年齢(今年で年男)と音楽歴とを考え合わせると、実に真っ当な選曲だと思いますし、それらが彼の今を形成していることは言うまでもありません。最近の彼の動向はよく知らないのですが、願わくば「ALCATRAZZ」で衝撃的なデビューを飾ったときのあの真摯なプレイを思い出してほしいものです。個人的にはあのころがギタリストとしてのピークではないかと思っています。それからは、やっつけ仕事が多いもんなぁ。

●Musicians
Yngwie Malmsteen / guitars,bass.sitar,vocal
Jeff Scott Soto / vocal
David Rosenthal / keyboards
Marrcel Jacob / bass
Joe Lynn Turner / vocal
Mats Olausson / Keyboards
Mark Boals / vocal
Jens Johansson / keyboards
Anders Johansson / drums

●Numbers
1.  Carry On Waywaard Son
2.  Pictures Of Home
3.  Gate Of Babylon
4.  Manic Depression
5.  In The Dead Of Night
6.  Mistreated
7.  The Sails Of Charon
8.  Demon's Eye
9.  Anthem
10. Child In Time
11. Spanish Castle Majic
Dscf6052

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