ドイツ出身にしてブルージィー。Lothar KosseのRainmaker
Musician●Lothar Kosse(guitar)
Title●Raimaker(1999年)
■Guitar Nineより購入
ドイツ出身のテクニカル系フュージョンギタリスト、Lothar Kosse(ロザー・コス)による1999年の作品です。これまたおそらく日本では無名な存在かと思われますが、すでに10枚近くの作品をリリースしているキャリアを考えると、ドイツでは結構有名な存在なのかもしれません。
Kosseのデビュー昨「One For All」(1989年)を聴くと一世を風靡したフュージョン系ギタリストの残党というイメージが強く、何だか中途半端なラリー・カールトンという印象を受けましたが、それ以降キャリアを重ねた彼はテクニカルにしてブルージィーという独自のプレイスタイルを確立させたようです。とにかく歯切れよい明快なプレイが身上で、ヨーロッパ人がStevie Ray Vaughan(SRV)を意識させたらこんな感じになるのではと思わせる奏法&プレイスタイルです。
ジャケット写真から想像するにまだまだ若そうなKosseですが、マーシャルアンプから飛び出すストラトの重厚なソロは彼がただ者ではない実力者であることを容易に想像させてくれます。1曲目「World Of Wonders」のいかにもSRVっぽいソロは、聴いていてゾクゾクときますね。おっと、ワウワウまで使うあたりは筋金入りのSRVフォロワーの感じが濃厚ですが、適度にセンス良くまとめるあたりは生真面目なドイツ人気質(?)を匂わせています。
というわけで、なかなかの実力派ギタリストであるKosseですが、最近の動向を探るとギターよりもボーカル、ギターソロよりも全体のアンサンブル重視とかなり変わってきているように思えます。このアルバムではジャケットにわざわざ「Instrumental Electric Guitar」と謳い気合いが入っていただけに、その後の「変節ぶり」には少々がっかりです。ところで若手有望ギタリストのアルバムにほとんど顔を出すスーパーセッションドラム奏者、Vinnie Colaiutaが参加しています。
●Musicians
Lothar Kosse / guitar,keyboard,programming
Vinnie Colaiuta / drums
Gary Lunn / bass
Matthias Heimlicher / keyboard,programming
Phil Keaggy / guitar on Walk On Water
●Numbers
1. World Of Wonders
2. When God Comes To Town
3. Sons Of Asaph
4. Rainmaker
5. Fall On Me
6. Zoo Zoo
7. Walk On Water
8. When I See You
9. Boom
10. Little Big One(Song for Simon)
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