John Coltraneのシアトルライブ完全版!
Mucisian●John Coltrane(tenor sax)
Title●Live In Seattle(1965年)
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後期Coltraneのライブの中でも傑作中の傑作が、この「Live In Seattle」ではないでしょうか。これまではCD1枚での音源が発売されてきましたが、未発表音源を追加した2枚組が発売されています。追加曲は「Body And Soul」「Afro-Blue」の2曲。CD1枚時代でも大変濃厚な内容で「お腹いっぱい」だったのですが、追加曲2曲もどうしてこれまで未発表だったのかが不思議なくらいこれまた大変濃厚な出来映えで、すべての曲を通して聴くにはそれなりの精神力と体力が必要ではないかと思います。
参加メンバーは後期Coltraneの定番フォーマットとも言えるPharoah Sanders(tenor sax)、Donald Garrett(bass)が新規で加わったセクスセット構成。従来メンバーはJimmy Garrison(bass)、Elvin Jones(drums)、McCoy Tyner(piano)。1965年9月30日、シアトルでのライブ音源です。
1965年のColtraneは6月の「Ascention」を皮切りに、7月のパリライブ、8月の「Sunship」と日を追うごとに過激になる一方。狂気のPharoah Sanders新加入によって、従来メンバーとの軋轢は決定的なものとなりました。フリー路線を突き進むColtraneが求めるレベルに対して従来メンバーの力量では到底満足のいくものではなく、事実、Elvin Jonesは7月パリ公演ではステージを途中放棄する騒動を起こし、最終的にはElvin JonesとMcCoy Tynerはこのライブを期にグループを去ることになります。
すべての曲が濃厚な味わいの凄すぎるライブ音源ですが、何といっても極めつけが「Evolution」でのとても人類のものとは思えない壮絶な叫び声。フリー、アヴァンギャルドなどという凡庸な形容ではとても語り尽くせないほどの、想像を絶した破壊力はいまあらためて聴き直しても背筋がゾクゾクときます。2CD化にあたってデジタルマスタリングされたということなので、音質も格段にアップ。アナログを初めて聴いたときのあの衝撃が鮮やかに蘇ってきます。
●Musicians
John Coltrane / tenor sax,soprano sax
Pharoah Sanders/ tenor sax
Donald Garrett / bass
Jimmy Garrison / bass
Elvin Jones / drums
McCoy Tyner / piano
●Numbers
[CD1]
1. Cosmos
2. Out Of The World
3. Body And Soul ※
4. Tapestry In Sound
[CD2]
1. Evolution
2. Afro-Blue ※
※Bunus-Track
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