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2010年9月

2010年9月30日 (木)

とてもソロ作品とは思えないTownerの「Blue Sun」

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Musician●Ralph Towner(12-string guitar,classical-guitar,guitar,piano,synthesizer,french horn,cornet,percussion)
Title●Blue Sun(1982年)
■ディスクユニオンで購入

ECMを代表するギタリスト、Ralph Towner(ラルフ・タウナー)による1982年のソロアルバムです。Ralph Townerと言えばOREGONでの活躍のほうが有名なような気がしますが、ガチンコのギターソロに触れられるという意味で、個人的にはソロ作品のほうが好きです。Ralph Townerのソロ作品としては「Solo Concert」が有名ですが、今回の「Blue Sun」も負けず劣らずの傑作だと思います。1982年12月、オスロのTalentスタジオで録音されています。プロデューサーは例によってマンフレッド・アイヒャー。

なにせすべての楽器をこなしてしまうマルチプレイヤーぶりにも驚きますが、作品全体を覆うTowner独自の透徹した世界観、音楽観は誰にも真似できるものではありません。北欧の凍てついた氷原を想起させるような音づくり、あくまでも美しさのみを追求した華麗なる12弦ギターによるソロ。どの曲のその部分を切り取ってみても、出てくるのはあくまでも強靱なまでのリリシズムの連続です。

いろいろと気ぜわしい世の中にあって、たまには非現実的な美しい世界に浸ってみるのも悪くはないと思います。ただし、あまりに彼の音楽にのめり込んでしまうと、現実の世界があまりにつまらなくクダラナいものに映ってしまいますので、くれぐれも聴き過ぎには要注意かも。会社や学校に行くのが嫌になってしまうかもしれません。

しかし例によってジャケットの美しいこと!もちろんジャケットだけが気に入って買ってしまっても、期待以上の美しい音世界が目前に広がります。

●Musician
Ralph Towner / 12-string giutar,classical-guitar,piano,synthesizer,french horn,cornet,percussion

●Numbers
1.  Bllue Sun
2.  The Prince And The Sage
3.  C.T.Kangaroo
4.  Mevlana Etude
5.  Wedding Of The Streams
6.  Shadow Fountain
7.  Rumours Of Rain
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2010年9月29日 (水)

知られざる名ギタリスト、Billy Rogers唯一の作品

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Musician●Billy Rogers(guitar)
Title●The Guitar Artistry Of Billy Rogers(1992年)
■ディスクユニオンで購入

元ジャズクルセイダースのギタリスト、Billy Rogers(ビリー・ロジャース)が1992年に残した唯一のソロアルバムです。正確に言うとBilly Rogersが薬物中毒が原因で亡くなった後、生前に親交があったDave StrykerがRogersが残していた音源を集めて編集してできあがったのがこのアルバムです。アルバムスリーブには、Pat Metheny、John Scofield、Joe Sample、Jack McDuff、Lonnie Smithなどの錚々たるジャズメンたちが賛辞の言葉が寄せられていますが、彼がいかに「Musician's Musician的な存在」であったかがわかります。

Billy Rogersが生前に「正式に」残した音源であるジャズクルセイダース時代の音源は「Images」の1枚のみです。こちらはラリー・カールトンの後釜ギタリストとして加入した経緯もあってかなり控えめなプレイでした。結局、解雇同然の扱いでRogersは1枚のみに参加しただけでグループを去ることになります。その恨みつらみではありませんが、この作品ではこれでもかとばかりに弾きに弾きまくっています。目にも止まらぬ超絶技巧の連続、ちょっとした隙間を見つけるとガンガン入り込んでくる饒舌さは、ギター好きにとっては至福の連続に違いありません。かといってテクニック至上に陥ることなく、きっちりと歌いあげる魂のプレイの連続は確かにプロをも納得させる実力を全身で感じさせてくれます。

Rogersは基本的にはハードバップ系のプレイヤーですが、速いパッセージはもちろん、唯一の歌入りであるラスト「Good Morning Heartache」では、涙があふれ出てくるくらいの美しいバラードも聴かせてくれます。まさに万能にして、天才ギタリストです。

かえすがえすもその夭折が惜しまれますが、知られざる天才ギタリストに巡り会えることができたことだけでも、我々は感謝しないといけないのかもしれません。

●Musicians
Billy Rogers / guitar
Jay Anderson / bass
Jeff Hirshfield / drums
Dave Stryker / rhythm guitar
Linda Cunningham Giambalve / vocal on Good Morning Heartache

●Numbers
1.  Billy's Bop
2.  My Funny Valentine
3.  Tell Me A Bedtime Story
4.  How Insensitive
5.  Egocentric Ions
6.  I've Grown Accustomed To Her Face
7.  ESP
8.  Body And Soul
9.  Fee Fi Fo Fum
10. Good Morning Heartache
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2010年9月28日 (火)

豪州出身のコンテンポラリー系ギタリスト、James Mullerの3rd

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Musician●James Muller(guitar)
Title●Thrum(2002年)
■ABC Music Recordより購入

豪州出身のコンテンポラリー系ギタリスト、James Muller(ジェームス・ミュラー)による2002年の作品です。おそらく3枚目のソロになると思います。James Mullerは例によって日本ではほとんど名前が知られていないと思われますが、オーストラリアでの先鋭的ジャズシーンではかなり有名なギタリストで、当然同国きっての腕達者です。やはり豪州出身のドラム奏者でFrank ZappaやAllan Holdsworthとの共演で知られるChad Wackermanのソロアルバムに参加しているので、「ああ、ちょっとHoldsworthっぽいギターを弾く人ね」と思い当たる方もいるのでは?豪州を代表する鍵盤楽器奏者Sean Waylandとの共演でも知られています。

James MullerはJohn AbercrombieやPat Methenyあたりからの強い影響力下にあるギタリストですが、オージージャズ特有の明快でからっとしたテイストが身上で、ロックタッチのプレイが実に魅力的です。フレージング、トーン、タメ、タイミングなどなど、どれをとっても超一流の輝きを放っています。本当ならもっと有名になっても不思議ではないのですが、いかんせん日本ではJazz系ギタリストは不当なまでに低評価を受けていることが残念でなりません。ちなみにラスト曲「Paul Bley」はもちろん、あのPaul Bleyのことです。日本で言えば「世良譲」「今田勝」をタイトル曲にすることと同じことですね。James Mullerのテイストを象徴するタイトルです。

●Musicians
James Muller / guitar
Roger Manins / tenor sax
Brett Hirst / bass
Simon Barker / drums

●Numbers
1.  Adelaide
2.  Master
3.  Happy Camper
4.  All Join Hands
5.  Green Eyes
6.  Play With This
7.  Hume
8.  Paul Bley
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2010年9月27日 (月)

Jimi Hendrixのセカンド「Bold As Love」

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Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Axis:Bold As Love(1967年)
■ディスクユニオンで購入

不世出のロックギタリスト、Jimi Hendrixが1967年にリリースした2ndアルバムです。デビューアルバム「Are You Experienced?」のスマッシュヒットで勢いを得たジミヘンですが、いかんせんヒット曲の寄せ集めの感は拭えず、アルバムの完成度としてはいま一つでした。そこでコンセプトアルバムとして本腰を入れて作られたのがこの作品で、「ジミヘンらしさ」が全面に押し出されています。なんと制作期間は16日間だったそうです。何ヶ月もかけてじっくりと作り込むことは当たり前の今の感覚から考えるとトンでもない突貫工事ですが、そんなことは微塵にも感じさせない完成度を誇っています。要は時間さえかければ素晴らしい作品ができるとは限らない、内容が大切ということです。形やビジュアルばかりのい外面上のことばかりにこだわり、一番大切な魂を込めることをしない誰かさんに聞かせたいですね。

さて、オープニング「ESP」からラストの「Bold As Love」に至るまで一貫したコンセプトのもとで制作されたこの作品を聴くことによって、ジミヘンが傑出したギタリストであると同時に優れたコンポーザーであることが痛いほど理解できるはずです。「Wait Until Tomorrow」「Little Wing」「Spanish Castle Magic」などの多くのミュージシャンによってカバーされる名曲が生み出されたことからも明らかです。ただ、衝撃的だったデビュー作とロックギターの最高傑作と言っても過言ではない「Electric Ladyland」との間に挟まれる形になっているせいか、いかんせん地味な印象は拭えません。そういえば、ジミヘンのお勧めアルバムとしてこの「Axis:Bold As Love」をあげる音楽評論家はほとんどいませんね。でも、そんなことは百も承知のうえで、当欄としてはあえて強力にプッシュしたいと思います。

●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Mitch Mitchel / drums
Noel Reding / bass

●Numbers
1.  ESP
2.  Up From The Skies
3.  Spanish Castle Magic
4.  Wait Until Tomorrow
5.  Ain't No Telling
6.  Little Wing
7.  If Six Were Nine
8.  You've Got Me Floating
9.  Castle Made Of Sand
10. She's So Fine
11. One Rainy Wish
12. Little Miss Lover
13. Bold As Love
Dscf1646

2010年9月26日 (日)

Chad Wackermanのソロ第4弾「Legs Eleven」

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Musician●Chad Wackerman(drums)
Title●Legs Eleven(2003年)
■Gemm.comより購入

豪州出身のフュージョン系ドラム奏者、Chad Wackerman(チャド・ワッカーマン)によるソロアルバム4枚目です。2003年リリース。WackermanはFrank Zappa楽団で一躍名前を知られるようになり、また1980年代からはテクニカル系ギタリストAllan Holdsworthの作品に参加するようになって、日本でも知名度が上がってきています。ソロ1枚目、2枚目と職場の上司であるHoldsworthが参加し、せっかくのソロアルバムなのにすっかり「Holdsworth色」に染められてしまいましたが、3枚目からは同じ豪州出身の超絶ギタリストJames Muller(ジェームス・ミュラー)を迎えることによって、やっと本領を発揮してきたように感じます。上司が不在だとかえって仕事がはかどるのは、海外でも日本でも同じなんですね。

さて、前作「Streams」(2000年)の作風の延長線上にあるこの作品ですが、Zappa時代の変幻自在の芸風というよりも、いまどきのスムーズなフュージョンサウンドという塩梅です。上司Holdsworthが参加すると湿度が異常に高く陰気な感じになってしまうのですが、ギターがJames Mullerに代わるとカラッとした印象に仕上がっています。良質なフュージョンサウンドをお望みの方にお勧めしたいと思います。

個人的にはHoldsworth抜きであっても、かなり好きな作品です。Wackermanの伸びやかなプレイはもちろんですが、ギターのJames Mullerとの素敵な「出会いの場」を与えてくれました。もっともその「出会い」が経済的な負担につながることも確かではあります。

●Musicians
Chad Wackerman / drums,percussins
James Muller / guitar
Daryl Pratt / vibraphone,mallinba
Leonn Gaer / bass

●Numbers
1. Sophies's Beach
2. Spiral
3. Legs Eleven
4. Where You Come From
5. Newtown
6. No Time Like The Future
7. Tangara
8. Field Of Mars
9. Rhythm Clock
10.Balancing Acts
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2010年9月25日 (土)

北欧の鬼才ギタリストFredrik Thodendalのソロが炸裂!MeshuggahのNothing

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Musician●Meshuggah
Title●Nothing (2006年)
■Amazonより購入

たまにはメタル系の音源のご紹介も。前にも書いたように思いますが、最近のメタル(特にプログメタルやテクニカル系メタル)は古のプログレやフュージョン系音楽との親和性を感じさせるものがあります。そんなわけで、今回ご紹介するのはカルト的人気を誇るスウェーデン発のハイパー・プログメタル集団Meshuggah(メシュガー)が2002年に発表した「Nothing」をリミックス&リマスターしたアルバムです。2006年発売。

本稿を書くにあたってオリジナル盤と聴き比べましたが、リマスター効果によって音の分離が格段に向上し、聴きやすくなっています。 Meshuggahの作品の中ではもっとも「けたたましい」と言われるこの作品ですが、こうしてクリアーな音質で聴き直すと「そうでもないな」と感じられてくるから不思議です。

解説ではリーダー兼ギタリストのFredrik Thodendal(フレドリック・トーデンダル)がスタジオに篭ってギターパートをレコーディングし直したり、テンポを落としたりと細かな細工を施したとのこと。そこら辺の違いはよく聴き込まないとすぐには分からないと思います(実際、確かにソロパートは明かに違いますが、細かい部分までは判別できません)。そんな暇があったら「早く新作を出せよ!」というのがファン心理なのですが…。

と言いつつ、何と言ってもライブDVDが付いているだけでも、このアルバムを購入する意味があります。2005年イギリス公演でのライブ映像が3 曲、ビデオクリップが1曲収録されています。海賊盤以外ではバンド初のオフィシャルDVDになるはずで、「動くMeshuggah」が見られることはもちろん、謎多きFredrik Thodendalの8弦ギタープレイも迫力満点のドアップ映像で迫ってきます。これは超オススメ! カタログでは「PAL方式」などと記載されていて不安ですが、実際はリージョンフリーなので国産のDVDプレイヤーで再生できます。

●Musicians
Jens Kidman / vocal
Fredrik Thordendal / guitar
Marten Hagstrom / guitar
Thomas Haake / drums
Dick Lovgren bass

●Numbers
1.  Stengah
2.  Rational Gaze
3.  Perpetual Black Second
4.  Closed Eye Visuals
5.  Glints Collide
6.  Organic Shadows
7.  Straws Pulled At Random
8.  Spasm
9.  Nebulous
10. Obsidian
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下は旧盤ジャケットです
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2010年9月24日 (金)

Trilok GuatuのソロにMethenyが参加

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Musician●Trilok Gurtu(drums,tabla,per)
Title●Crazy Saints(1993年)
■Gemm.comより購入

インド人パーカッション奏者Trilok Gurtu(トリロク・グルトゥ)によるソロアルバムです。Trilok Gurtuはジャズ・フュージョン関連の作品でかなりの頻度で名前を目にします。有名どころでいえばJohn McLaughlinのロイヤル・アルバート・ホールでのライブ盤でしょうね。その豊富なキャリアと幅広い人脈からでしょうか。このソロアルバムには綺羅星のごとく豪華メンバーが参加しています。Pat Methny(ギター)、Joe Zawinul(キーボード)などのビッグネームも見られます。レコーディングは1993年5月から6月にかけてドイツで行われていますが、レーベルを見るとCMPレコード。確かChad WackermanなどのソロアルバムもCMPだったはずで、目立たないながらも良質なフュージョンアルバムを制作しているようです。

個人的な興味の的はPat Methnyなのですが7曲中2曲に参加。オープニング曲「Manini」ではインド風のヴォイスが厳かに流れる中、Trilok Gurtuのこれまたエスニカルなポリリズムが全体を支配し始めるともうたまりません。満を持してMethenyの登場ですが、これが実にツボを押さえたプレイで何とも幻想的な曲に仕上がっています。単純に「癒しのジャズロック」とも形容できますが、その実、じっくり聴き込むとなかなかの静かな迫力を秘めています。この1曲のためにアルバムを買っても十分お釣りが返ってくるのではと思うほどの名演、名曲です。

正直な話、Metheny目当てで買った作品ですが、思いがけない掘り出し物に当たりました。「インド音楽は抹香臭くてどうも…」という向きもあるかもしれませんが、あまりインド臭を感じさせないあたりが、アレンジ力の絶妙さなのでしょう。

●Musicians
Trilok Gurtu / drums,tabla,dol,kanjira,percussions
Shobha Gurtu / voice
Pat Metheny / guitar
Daniel Goyone / piano,keyboards
Marc Bertaux / bass
Louis Sclavis / bass clarinet,clarinet,soprano sax
Ernest Reijseger / cello
Joe Zawinul / keyboards.bass keyboards,piano

●Numbers
1.  Manini
2.  Tillana
3.  Ballad For 2 Musicians
4.  The Other Tune
5.  Blessing In Disguise
6.  Crazy Saints
7.  No Discrimination
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2010年9月23日 (木)

YMO在籍時の渡辺香津美の貴重映像「Trans Atlantic Tour」

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Musician●Yellow Magic Orchestra
Title●Trans Atlantic Tour(1979年)
■ディスクユニオンで購入

1970年代後半から80年代前半にかけて一斉を風靡したテクノポップユニット「Yellow Magic Orchestra」。リアルタイムな印象としてはその音楽性云々というよりも、日本人アーティストの実力が海外でも十分に通用することが証明されたという意味で大変驚いた記憶が鮮明です。なにせ、YMO登場以前に海外で通用した唯一のアーティストといえば坂本九ですから。

私が言うまでもなく国内で十分な手応えを得た彼らは1979年に大規模なワールドツアーを展開しています。この映像作品はそのツアーに帯同して収録された映像の数々です。ロンドン、パリ、ニューヨークという音楽的には「厳しい目」をもつ土地柄ばかりをセレクトしたツアーは無謀さと無限大の可能性の両方を秘めていました。結果から言ってしまえば、ツアー自体は大成功裡に終わり、彼らが一躍スターダムにのし上がる重要なステップになりました。それは映像を見れば一目瞭然です。

ギター好きの当欄としては、やはり一番の注目はギターの渡辺香津美の動く姿です。ご存じのとおり渡辺香津美は彼らのライブ盤「公的抑圧」にもサポートメンバーとして参加しましたが、レコード会社の契約上の問題から仕上がりのアルバムではせっかくの音源がすべてカットされるという不幸な出来事が起きました。つまり、そのステージ上に存在していたにも関わらず「いないもの」とされたのです。しかし、ここでの映像では渡辺氏の「動く姿」を存分に観ることができます。それだけでも、十分な価値があると言っても過言ではありません。

作品そのものは「Greek Theatre」「Theatre In Palace」「Hurrah」の3カ所でのライブ映像を中心に、ロンドン、パリ、NYでのプライベートショットをちりばめたもの。1979年当時の撮影技術を考慮しても、映像の質はお世辞にも褒められた出来ではありません。カメラアングルや安定度も不安定ですし、合間合間で挟まるソラリゼーションや反転などの映像処理も実に邪魔です。つまり、不満を言い出せばキリがないのですが、それでも渡辺香津美氏がYMOに在籍時に残した唯一の映像作品としての希少価値はすべての不満を解消してくれます。

演奏としてはツアー終盤の「Hurrah」でのテイクが秀逸の出来です。「Hurrah」の映像は単独作品としても発売され、VHFテープなら比較的容易に入手できるようです。

●Musicians
坂本龍一 / keyboard,voice
高橋幸宏 / drums,vocal
細野晴臣 / keyboard,bass
矢野顕子 / keyboard,piano,vocal
渡辺香津美 / guitar

●Numbers
[Live At Greek Theatre]
1.  Behind The Mask
2.  Cosmic Surfin'
3.  Rydeen
4.  1000 Knives

[Live At Theatre In Palace]
1.  Radio Junk

[Live At Hurrah]
1.  Behind The Mask
2.  Zai Kung Tong Shonen
3.  Technopolis
4.  Solid State Survivor
5.  Day Tripper
6.  Firecracker
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2010年9月22日 (水)

Greg HoweのスーパートリオExtraction

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Musician●Greg Howe(guitar)
Title●Extraction(2003年)
■ディスクユニオンで購入

現代インストギターの最高峰、Greg Howe(グレッグ・ハウ)による2003年の作品です。今回はVictor Wooten(ベース)、Dennis Chambers(ドラム)というジャズフュージョンの最強ミュージシャンとトリオを構成。これでもか!と言わんばかりのバカテクが全曲にわたって展開されています。

Greg Howeはアルバムをリリースするたびに進化を遂げていくギタリストだと勝手に思っていますが、その超絶技巧ぶりは言うに及ばず、ギターを「歌わせたら」天下一品。歌うギターが最強のリズム隊に支えられているのですから、これはたまりません。アルバム中一番の注目はTony Williams Newlifetimeによる「Proto Cosmos」です(作曲は鍵盤楽器のAlan Pasqua)。いうまでもなく、ギタリストのAllan Holdsworthの十八番ナンバーに果敢に挑戦しています。Holdsworthとの違いを楽しむのもよし、ただただハイテクぶりに驚愕するのもよし。ちなみに全曲、全パートとも各メンバーのプライベートスタジオで録音されたものを「合体」していますので、3人は顔を合わせていないことになります。ライブでも聴きたかったですね。

最近ではあまり新作を出さないGreg Howeですがまだ老け込む年齢でもないはずです。次作に期待ですね。ハイテクフュージョン好きの方には強力推薦です。

●Musicians
Greg Howe / guitars,guitar-synthe,keyboards
Victor Wooten / bass
Dennis Chambers / drums

●Numbers
1.  Extraction
2.  Tease
3.  Crack It Way open
4.  Contigo
5.  Proto Cosmos
6.  A Delicacy
7.  Lucky 7
8.  Ease Up
9.  Bird's Eye View
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2010年9月21日 (火)

Sonny Sharrock晩年の傑作「Seize The Rainbow」

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Musician●Sonny Sharrock(guitar)
Title●Seize The Rainbow(1987年)
■ディスクユニオンで購入

かつてはマイルズ楽団の一員として活躍し、また自身のソロ作品「Black Woman」などで一躍有名になった「元祖ヘタウマ系ギタリスト」Sonny Sharrock(ソニー・シャーロック)による1987年録音作品です。Sharrockは1994年に亡くなってしまいますので、自身にとっては晩年の作品と言えるでしょう。

Sharrock自身、謎の多い人物で1970年代中盤までの活躍は確認されているものの、以降は「引退生活」に入っていたそうです。思えば1970年代中盤という時期はフリー&アヴァンギャルド系ジャズが衰退に向かうタイミングで、活躍したくてもその場が与えられなかったというほうが正確かもしれません。そんなSharrockを再び表舞台へと引っ張りだしたのが、フリー系ミュージシャンの重要人物であるBill Laswell(ビル・ラズウェル)。Laswellが率いる「Last Exit」にSharrockを三顧の礼をもって迎え入れることによって、再び本格的な演奏活動を再開します。Last Exitは1986年に来日し、そのライブ音源も残されていますが、NYの先鋭的ジャズシーンとSharrockの野太いギターが融合し、奇天烈なカオスの世界を聴かせてくれています。

Last Exitでの復活劇で完全に息を吹き返したSharrockは、まず1986年にギターソロ「Guitar」をリリース。その後、自身のバンド「Sonny Sharrock Band」を結成し、満を持してこのアルバムで「完全復活」の雄叫びを上げます。Last Exitをお聴きの方ならおわかりと思いますが、相変わらず野太く暴力的なギターソロは健在です。しかし、このアルバムではLast Exitほどフリーに走らず、楽曲そのものは意外とキャッチーで明快な曲調が中心なので、フリー系に馴染みがない方でも抵抗なく入っていけるのではないでしょうか。特にオープニング曲「Dig Dog」は思わず踊り出したくなるような軽快なロックナンバーで、Sharrockの新しい一面が感じられます。

とは言え、これはあくまでもブラフ的なオープニングでうっかり油断しているとSharrockの毒牙にかかってしまいます。暴力的にかきむしられるギター弦、巧いのか下手なのかよくわからないのたうち回るソロ、不規則なカッティング…まさにやりたい放題という感じです。ラスト曲「Sheraserhead's High-Top Sneakers」にはプロデューサー役を務めたBill Laswellも6弦ベースをもって参加しています。

●Musicians
Sonny Sharrock / guitar
Abe Speller / drums
Melvin Gibbs / bass
Pheeroan Aklaff / drums
Bill Laswell / bass

●Numbers
1.  Dig Dog
2.  My Song
3.  Fourteen
4.  J.D Schaa
5.  Seize The Rainbow
6.  The Past Adventures Of Zydeco Honeycup
7.  Sheraserhead's High-Top Sneakers
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2010年9月20日 (月)

イタリアのテクニカル系ギタリストUmberto Fiorentinoによる妙なスタンダードカバー作

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Musician●Umberto Fiorentino(guitar)
Title●Things To Come(2002年)
■Gemm.comより購入

イタリア出身のテクニカル系ギタリスト、Umberto Fiorentino(ウンベルト・フィオレンティーノ)によるジャズスタンダードカバー集です。Fiorentino自身アルバム「Alice」では妙に内省的で陰鬱なプレイを聴かせたと思ったら「Ulisse」ではAllan Holdsworthばりのテクニカルなフュージョンギターを披露したりと、実にとらえどころがなく正体不明のギタリスト。今回は、スタンダードカバーという思いもよらぬ攻撃を仕掛けてきました。「餌食」になったのは「Autumn Leaves」「On Green Dolphin Street」「Bye Bye Blackbird」「All The Things You Are」。途中、途中でFiorentinoのオリジナルが挟まります。

今回はスタンダードに敬意を表しているいるためでしょうか、ひたすらオーソドックスなプレイに徹しているようには見えます。しかし、じっくり聴くとやはり尋常ではありません。特にソロ部分にさしかかると「異常に早いJim Hall」という感じでバリバリと弾きまくっています。やっぱり、この人、かなりの変態ギタリストです。

●Musicians
Umberto Fiorentino / guitars
Gianluka Renzi / bass
Fabrizio Sferra / drums

●Numbers
1.  Things To Come
2.  Fearless Fosdick's Tune
3.  Someday My Prince Will Come
4.  Autaumn Leaves
5.  Forgotten Shapes
6.  On Green Dolphin Street
7.  Anthropology
8.  Bye Bye Blackbird
9.  3×4
10. All The Things You Are
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2010年9月19日 (日)

恐るべし!オージー人脈!On The Verg

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Musician●On The Verg
Title●Serius Young Insects(1999年)
■Guitar Nineより購入

当欄でも何回か触れていますが、音楽業界におけるオーストラリア人脈はけっこう侮れません。彼らの特徴として、バンドメンバーを同国人で固めることが多い点(これは当たり前のことかもしれません)と仲間がソロ作品ををリリースする時は仲間がこぞって駆けつけて協力するという相互扶助に満ちあふれている点の2点です。

「On The Verg」はオーストラリアが生んだスーパードラム奏者、Virgil Donati(ヴァージル・ドナティ)が中心となって結成されたユニットです。固定メンバーはSimon Hosford(ギター)、Evripides Evripidou(ベース)、Phil Turcio(キーボード)という布陣ですが、助っ人ミュージシャンとしてPlanet X人脈からRic Fierabracci(ベース)、Brett Garsed(ギター)、T.J.Helmerich(ギター)が参加しています。ミキシングは全曲ともHelmerichが担当しています。元はといえばHelmerichはスタジオエンジニアが本職ですよね。

アルバムジャケットを見るかぎり、テクノかトランス系の音楽を想像してしまいますが、ナカミは完全なハード系フュージョン。系統としてはDonati出身のPlanet Xをお聴きになった人ならおわかりになると思います。硬派なシンフォ系サウンドを基本として、徹頭徹尾にハードなプレイが全力疾走しています。ギターのSimon Hosfordという人は寡聞にして存じ上げませんでしたが、宇宙的でメタリックなプレイを聴く限りなかなかの腕達者とみました。ゲストギタリストのBrett GarsedとHelmerichはさすがというか貫禄のプレイを披露してくれています。Garsedは2曲、Helmerichは3曲に参加していますが、場の雰囲気、楽曲のイメージをがらりと変えてしまう「変態フレーズ」の連発はたまりませんね。

おっと、Donatiのことも少々。彼は「俺が、俺が」的に前に出てくるタイプではないので、このアルバムもドラム奏者が中心の作品とは言われるまで気がつかない可能性も否定できません。しかし、終始繰り出される凄まじいポリリズムと変拍子の洪水に身を任せているととてつもない快感が襲ってきます。特にGarsed & Helmerichとの変拍子&変態フレーズのセメぎあいは、一聴の価値ありです。

●Musicians
Vergil Donati / drums
Simon Hosford / guitar
Evripides Evripidou / bass
Phil Turcio / keyboard

Ric Fierabracci / bass
Brett Garsed / guitar
T.J.Helmerich / guitar

●Numbers
1.  Native Metal
2.  Malfunction
3.  Alien Hip-Hop
4.  Sort Yourself Out
5.  Pyramids On Mars
6.  Dragon Bones
7.  Trencherman
8.  Out Of The Haze
9.  Invasion Of The Ants
10. Running From The Aliens
11. Pentathlon
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2010年9月18日 (土)

フランスのテクニカル系ギタリストCyril Achardによるプロジェクト「Taboo Voodoo」

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Musician●Taboo Voodoo
Title●Something's Cookin'(2002年)
■Amazon USAより購入

フランスを代表するテクニカル系ギタリストCyril Achard(シリル・エイチャード)が仕掛けたユニット「Taboo Voodoo」による唯一の作品です。2002年リリース。

Cyril Achardは数枚ほどアルバムを出していましてデビュー当時はハード&テクニカル系ギタリストのイメージが強かったのですが、最近ではどちらかというとアコースティック路線を歩んでいるようです。また、ボーカル入りと完全インストの場合があるのですが、個人的にはやはりオールインストの作品のほうが好みだったりします。この作品はCyril Achardの魅力がもっとも引き立つトリオ構成によるオールインストアルバムで、全曲が壮絶なまでに凄まじいハード&テクニカルフュージョン。たぶんバックが強力なのも好影響を与えているのでしょう。ドラムのMike Terranaは元イングヴェイ・マルムスティーン・バンド出身だそうです。そう言えばCyril Achardは時折ネオクラシカル的なフレーズを弾きますね

Cyril Achardはフランス人にしては(←大変失礼!)、大変きめ細やかで丁寧なプレイが身上のギタリストで、目まぐるしく展開する複雑な楽曲の中で実に華麗なソロワークを聴かせてくれています。ハード&テクニカル系フュージョンファンにとっては結構侮れない作品ですよ!

<追記>Twitter仲間の方からフランス読みだと「アシャール」では、とのご指摘。仏語はまるで縁がなく実はわからないのですが、確かにネット上では英語風の「エイチャード」と表記するか、まるで併記しないかのどちらかですね。ここではあえてHMV商品ページの表記とさせていただきました。ご指摘、感謝いたします。

●Musicians
Cyril Achard / guitar
Yvn Rougny / bass
Mike Terrana / drums

●Numbers
1.  Print Of Time
2.  One For The Road
3.  Vertical Obsession
4.  Clandestine Soul
5.  Say What
6.  Full Cycle
7.  Double Entendre
8.  Sorcery
9.  Something' About You
10. Cannibal Pursuit
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2010年9月17日 (金)

ジミヘンのブルース集

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Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Blues(1994年)
■ディスクユニオンで購入

永遠のギターヒーローJimi Hendrixの死後、多くの未発表音源が発掘されましたが、数ある編集盤の中でも最も優れていて、かつ一本も二本も筋が通った編集盤が、この「Blues」ではないかと思っています。正規リリース音源、未発表音源を含めてジミヘンのブルースナンバー11曲を厳選のうえ収録しています。

まずは「Hear My Train A Comin'」のアコースティックヴァージョンからスタート。この曲はドキュメント映画「Jimi Hendrix」でも映像を観ることができますが、ジミヘンが12弦ギター1本で実に哀愁たっぷりに歌い上げます。この曲を1曲目に据えた制作者のセンスには脱帽です。「Voodoo Chile Blues」の元曲は傑作「Electric Ladyland」に収録されている代表曲ですが、これは未発表ヴァージョン。「Electric Ladyland」でのテイクよりもラフでワイルドな感じです。そして、ラストは再度「Hear My Train A Comin'」で締めますが、今度は聴きなれたエレキヴァージョン。ウーン、実に泣かせる構成です。

ジミヘンはロックギターのカテゴライズで語らえることが多いように思いますが、あえて言うまでもなく優れたブルースマンです。下積み時代は数々のブルースバンドを渡り歩いて腕を磨いていました。そういえば、ジャケットには歴代の錚々たるブルースメンが並んでいます。この素晴らしいジャケットを見ているだけで、時間を忘れてしまいますね。Albert King、B.B.King、Chuck Berry、Buddy Guy、Howlin' Wolf、Robert Johnson…あまりに濃い顔を眺めているとなぜかゲップが出てきます。胃にもたれますね。

●Numbers
1.  Hear My Train A Comin'(acoustic)
2.  Born Under A Bad Sign
3.  Red House
4.  Catfish Blues
5.  Voodoo Chile Blues
6.  Mannish Boy
7.  Once I Had A Woman
8.  Bleeding Heart
9.  Jelly 292
10. Electric Church Red House
11. Hear My Train A Comin'(electric)
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2010年9月16日 (木)

ECMを思わせるコンテンポラリー系ピアノ、Mark Isaacs

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Musician●Mark Isaacs(piano)
Title●Closer(1997年)
■CD Baby より購入

英国ロンドン生まれ、オーストラリア育ちのコンテンポラリー系鍵盤楽器奏者、Mark Isaacs(マーク・アイザック)による1997年の作品です。この人の正体はよく存じ上げないのですが、資料によればNYのイーストマン音楽院を卒業して「オーストラリアン・チェンバー・オーケストラ」や「シドニー弦楽四重奏団」などに曲を提供しているそうです。

メンバーはギターにJames Muller、ベースにAdam Armstorong、ドラムにHamish Stuart、サックスにJason Cooneyという面子です。ギターのJames MullerははChad Wackermanのソロアルバムにも参加していますね。ほかのメンバーは存じ上げませんがおそらくオーストラリア人脈で固めているのではないでしょうか。

実はギタリストのJames Muller目当てで購入したのですが、Mark Isaacsは音を聴くかぎりBill Evansの系譜を汲むのコンテンポラリー系の鍵盤楽器奏者ですね。実にリリカルで叙情的なのですが、Evans系に共通する透徹したリリスズムに加えて、オージージャズ特有の明快でカラッとした要素が渾然となり実に心地良く感じられます。

リリースはカナダのコンテンポラリー系ジャズの専門レーベル「NAXOS JAZZ」から。このレーベルは地味ながらも良質な作品を多くリリースしているので、要チェックです。

●Musicians
Mark Isaacs / piano
James Muller / guitar
Adam Armstorong / bass
Hamish Stuart / drums
Jason Cooney / tenor sax

●Numbers
1.  Aussie Ange
2.  Josephine
3.  Jerusalem
4.  Closer
5.  Constellations
6.  Bramston Beach
7.  Chrysalis
8.  Gratitude
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2010年9月15日 (水)

Jimi Hendrixの衝撃的デビューアルバム

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Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Are You Experienced ?(1967年)
■ディスクユニオンで購入

不世出のロックギタリスト、Jimi Hendrixが1967年にリリースしたデビューアルバムです。彼が音楽の道を歩む前、軍隊を除隊になった理由としてパラシュート訓練中に怪我をしたことが原因というのが定説でしたが、実はオカマのふりをして除隊に成功したという新説が数年前に話題になっていました。死して早40年、いまだに話題を呼ぶミュージシャンもなかなかいません。

このアルバムがリリースされる前にロンドンで行ったライブは大変な前評判を呼んだそうで、会場にはポール・マッカートニー、エリック・クラプトンなどの当時のスターが駆けつけたとか。会場の天井からは何本ものエレキギターが吊るされ、ファズで歪みまくった音がシンクロして場内に響き渡っていたとか。この奇天烈極まる演出はいま考えても斬新ですし、まして40年以上前の出来事ですからモノ凄いインパクトを与えたことは間違いありません。また、これは勝手な想像ですが、ロンドンではなく本国アメリカでデビューしていたら、ころほどまでに有名にはならなかったのではないでしょうか。

そんな感じで大変な騒ぎの中で一見、曲調もバラバラで統一感がまるでないのですが、ジミヘンのエッセンスが詰まったこのアルバムは入門編としても、またじっくりと聴き込んでもまったく新鮮さは失われていません。「Purple Haze」「Foxy Lady」「Hey Joe」「Red House」などの初期の代表曲も収められていますから、これからジミヘンの音楽に触れようと考えている人にも自信をもってお勧めします。

ところでアメリカ盤とイギリス盤とでは、ジャケットデザインも曲順も異なります。同じことはビートルズの作品でもたびたび起きていたことですが、現在のように統一したイメージでマスで勝負する時代とは違って、各国のメーカーが思い思いに勝手に作っていたからでしょう。

●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Noel Redding / bass,vocal
Mich Michell /  drums

●Numbers
1.  Purple Haze
2.  Manic Depression
3.  Hey Joe
4.  Love or Confusion
5.  May This Be Love
6.  I Don't Live Today
7.  Wind Cries Mary
8.  Fire
9.  Third Stone from the Sun
10. Foxey Lady
11. Are You Experienced?
12. Stone Free [*]
13. 51st Anniversary [*]
14. Highway Chile [*]
15. Can You See Me [*]
16. Remember [*]
17. Red House [*]
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2010年9月14日 (火)

豪州出身のコンテンポラリー系ギタリスト、James Mullerの1st

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Musician●James Muller(guitar)
Title●No You Don't(1995年)
■ABC Music Recordより購入

最近、ロック、ジャズを問わずにオーストラリア系ミュージシャンばかりを聴いていますが、今回ご紹介するのは豪州出身の凄腕ギタリスト、James Muller(ジェームス・ミューラー)による初ソロアルバムです。James Mullerは同じ豪州のドラム奏者Chad Wackermanのソロ作品「Screams」「Leg Eleven」の2枚に参加して、そこそこ名前が知られるようになったと思いますが、この作品は1995年リリースですから、知名度としては無名に近い存在かもしれませんね。

オージージャズというのは実はあまり聴いたことがないのですが、欧州系ジャズとはまた違って、明快でカラッとした印象を受けます。リズムもタイトな場合が多く、その意味ではロックタッチな楽曲に仕上がることが多いような気がします。James Mullerのギターは系統としてはPat MethenyやJohn Abercrombieなどのコンテンポラリー系ギタリストの系譜を汲んでいるようですが、先に触れたようにロックタッチのプレイも時折繰り出すので結構聴きやすいのではないかと思います。

作品に収められているほとんどはMullerオリジナルですが、「All The Things You Are」などの「定番曲」も。バラエティに富んだ構成、決して飽きることのない変幻自在のソロワーク。かなりの腕達者&コンポーザーだとみました。しかし、この手のギタリストはMetheny以外は不当に低評価されているのが日本の現状で、話題にのぼることなく埋もれてしまっているのが残念です。

●Musicians
James Muller / guitar
Chris Soole / tenor sax
Rauul White / Keyboards
Nick Sinclair / bass
Bradley Polain / drums
Adama Dicker / drums

●Numbers
1.  Sprunkle It
2.  Campington
3.  Farewell
4.  All The Things You Are
5.  Did I Stutter
6.  In A Sentimental Mood
7.  Lazy Eye
8.  No You Don't
9.  S.S.
10. Poindexter
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2010年9月13日 (月)

JBUの本領発揮!Black & Blues

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Musician●James Blood Ulmer(guitar)
Title●Black And Blues(1990年)
■ディスクユニオンで購入

フリー系ジャズの大御所、オーネット・コールマンが提唱した「ハーモロディック理論」の継承者、James Blood Ulmer(ジェームス・ブラッド・ウルマー)が1990年にリリースした渾身の1作です。

Ulmerは1942年生まれですからJimi Hendrixなどと同世代のベテランギタリストですが、日本で知られるようになったのは1980年代に入ってからという「超遅咲き」の典型です。一時期はレコード会社の戦略からか「ジミヘンの再来」と言われていましたが、これもジミヘンと同じ年という理由から。本来はジャズ畑の人で、オーネット・コールマンが提唱したハーモロディック理論を体現できる唯一のプレイヤーです。メンバーはRonald Dryton(ロナルド・ドレイトン、ギター)、後期コルトレーンのキーマン、ラッシド・アリの息子Amin Ali(アミン・アリ、ベース)、コールマン楽団でプレイしていたGrant Calvin Weston(グラント・カルヴィン・ウェストン、ドラム)という構成です。

「Black Rock」(1982年)以降、ストリングスとの共演やヴァイオリンの導入など模索を続けてきたウルマーですが、ここでは「Black Rock」当時のメンバーと組むことによって、原点回帰を志向しています。オープニングの「Burning Like Love」は「Black Rock」を髣髴とさせるハードファンク。あまりにも格好いいリズムとゴリゴリ感満載のウルマーのギターと独特のボーカルとがばっちりと決まっています。最初から最後までこれでもか!とゴリゴリと押しまくるとてつもないパワーとリズム隊との絶妙なコンビネーションから生まれる独特のグルーヴ感は、近来まれにみるハイテンションぶりです。まるで息を吹き返したかのように暴れまくるウルマーは、「ジミヘンの再来」という陳腐な表現を乗り越えて、前人未踏の世界へと足を踏み出しているようです。

●Musicians
James Blood Ulmer / guitar,vocals
Ronald Dryton / guitar
Amin Ali / bass
Grant Calvin Weston / drums

●Numbers
1.  Burning Like Love
2.  Crying
3.  Lady Of Colours
4.  Tower Of Power
5.  New York Day
6.  Make It Right
7.  Sigh Language
8.  No Other Lover
9.  Updown
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2010年9月12日 (日)

なぜだかホールズワース本人による編集盤「The Sixteen Men of Tain」

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Musician●Allan Holdsworth(guitar)
Title●The Sixteen Men of Tain [Special Edition](2000年)
■ディスクユニオンで購入

テクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)による2000年の作品です。同タイトルの作品が先行して発売されましたが、ここで紹介するのはHoldsworth自身がプロデュース兼編集を担当した「スペシャル・エジション盤」です。何がオリジナルと違うのかというと、「Above And Below」という曲の別テイクが追加されたうえに、曲順も変更されています。この「本人編集」の意図がどこにあるかは、おそらく本人以外は説明できないと思いますが、多分思うところがあったのでしょう(笑)。一体、オリジナル盤のどこが気に入らなかったのでしょうか。聴くかぎりは明確な違いがわからないことはもちろんですが、元のプロデューサーも決して心中は穏やかでないと察します。奇人、変人Holdsworthの真骨頂と言えますね。

エグゼクティヴ・プロデューサーにあの元UK、元King CrimsonのEddie Jobsonの名前がクレジットされています。メンバーはDave Carpenter(ベース)、Gary Novak(ドラム)を固定に、Walt Fowferというトランペット奏者が2曲、盟友Chad Wackermanが1曲のみに参加しています。

いまさらHoldsworthの作品をどうのこうのと論じることはあまり意味をなさないかもしれません。そう、いつものHoldsworth節のオンパレードであり、唯我独尊、天涯孤独ぶりの超個性的な作風&芸風は相変わらずです。ただ、あえて従来の作品との違いを見いだすとすれば、私のような一部のオールドファンからは悪評高いシンセタックスの使いどころがやっと腑に落ちるようになってきた、という点でしょうか。また、「客演は素晴らしいのだけれど、自身のオリジナルないま一つ」という悪評も一部にありますが、ここでの妙に生き生きとして溌剌としたプレイを聴くと、少しばかりは挽回できているのではないかと思います。

さて、Holdswworth自身名義のスタジオ盤としてはこの作品以降、まったく新作がリリースされる様子が伺えないまま10年も経ってしまいました。その間、3枚のライブアルバムと1枚のライブDVDがリリースされたり、1970年代におけるJohn Stevensとのセッション音源が発掘されたりしています。また、以前の記事でお伝えしたように「Snew」という妙なハードロックバンドとのセッション活動のうえにDeep Purpleの「Highway Star」をカバーしたりと、相変わらずの奇人、変人ぶりを見せています。

古くからのHoldsworthファンにとっては、そんな面は織り込み済みであることは言うまでもありませんが、いい加減に新作をリリースしてくれないでしょうか。

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Dave Carpenter / bass
Gary Novak / drums
Walt Fowfer / trumpet on 0274,Texas
Chad Wackerman / on Downside Up

●Numbers
1.  San Onofre
2.  0274
3.  Sixteen Men of Tain
4.  Above and Below
5.  Drums Were Yellow
6.  Texas
7.  Downside Up
8.  Eidolon
9.  Above and Below (Reprise)
10. Material Unreal
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2010年9月11日 (土)

ノルウェーが生んだ超絶プログメタルSpiral Architect

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Musician●Spiral Architect
Sceptic's Universe(2000年)
■Amazonより購入

北欧ノルウェー出身の超絶&変態プログレッシヴ・メタルバンド、Spiral Architect(スパイラル・アーキテクト)による唯一の作品です。アルバム自体は2000年に発表されていますが、バンドそのものは実際には80年代半ばから活動をスタートしていたそうです。結構なベテランということになります。ただ、度重なるメンバーチェンジのため、なかなかアルバムがリリースされず、満を持しての渾身の力作ということになります。バンド名のSpiral Architectが螺旋的な建造物ということでしょうか。

アルバムを一聴するとWatchtowerやPsychotic Waltzあたりの変拍子を多用した変態系プログレッシヴ・メタルという感じですが、最初から最後まで無機質にかつクールに押し通すあたりは、何となく北欧系バンドの美意識を感じさせます。まったく隙がない徹底した超絶技巧、めまいがするような複雑な楽曲構成、そして変態音楽好きの琴線を刺激してやまない変拍子の嵐の連発は、この手の音楽ファンにとってはご馳走のてんこ盛りという感じですね。あえて形容すると、Psychotic Waltzの変態性をさらに煮詰めて乾燥させたうえに、北欧風のソースを傷口に練り込んだ感じと表現すれば、彼らの変態性が伝わるでしょうか。

ところで当欄ではどうしてもギタリストに耳が行ってしまうのですが、変態系ギターフリークを十分に納得させてくれるのがSteinar Gundersenのプレイです。プログメタルでは必須事項ともいえるAllan HoldswrthやScott Hendersonあたりからの影響がありありのプレイの連続は、期待以上の出来映えで、大袈裟でなく新しいギターヒーローの出現を予感させます。たたみ掛けるような変態フレーズの嵐に身を任せていると、よくもまぁ、これだけ変なフレーズを考えつくなと妙な感動さえ覚えます。ベーシスト、Lars K.Norbergの地をのたうつような変態ベースもなかなかです。

Spiral Architectは次作を制作中との情報ですが、デビュー作に数年もかけるほどですから、一体いつになったら世の中に出るかは皆目見当もつきません。といいつつ10年も経ってしまいましたが、再びとんでもない変態サウンドを聴かせてくれることだけは間違いありません。気長にあまり期待しないで待つことにしましょう。

なお、私が所有している輸入盤は青ジャケットですが、日本盤は赤です。あんたらはビートルズか!

●Musicians
Steinar Gundersen / guitars
Lars K.Norberg / bass
Oyvind Hageland / vocals,keyboards
Kaj Gornitzka / rlthm guitars
Asgeir Mickelson / drums

●Numbers
1.  Spinning
2.  Excessit
3.  Moving Spirit
4.  Occam's Razor
5.  Insect
6.  Cloud Constructor
7.  Conjuring Callapse
8.  Adaptability
9.  Fountainhead
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2010年9月10日 (金)

Holdsworthがこっそりサイドメンを務めたEsther PhillipsのアルバムがこっそりCD化

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Musician●Esther Phillips(vocal)
Title●Capricorn Princess(1976年)
■Amazonより購入

1970年から80年代にかけて活躍したR&B系女性歌手、Esther Phillips(エスター・フィリップス)による1976年の作品です。R&Bはジャンルとしてはあまり馴染みがないのですが、一部のテクニカル系フュージョンファンにとっては、このアルバムはお宝的な存在になっています。というのも、参加メンバーが実に豪華で、Allan Holdsworth(ペダルスティールギター)、Jeff Berlin(ベース)、John Tropea(ギター)、Randy Brecker(トランペット)、Mike Brecker(テナーサックス)、Steve Gadd(ドラム)、Pee Wee Elis(テナーサックス)、Steve Khahn(ギター)、Eric Gale(ギター)、Anthony Jackson(ベース)などという超がいくつも付く豪華メンバー。バックメンバーだけでアルバムが何枚も作れるほどの勢いです。Jeff Berlinは言うまでもなくほどなくBrufordでHoldswrthと合流するあのアメリカ人超絶ベース奏者です。ちなみにEsther Phillips自身は薬物とアルコールの過剰摂取が原因で、すでに鬼籍に入っています。

当欄での個人的な目当ては、Allan Holdsworthですが、3曲目「Boy,I Really Tied One On」という曲にペダルスティールギターで参加しています。元歌はジャニス・イアンですね。ペダルスティールギターという楽器はあまり馴染みがありませんが、ハワイアンスティールギターに似たものなのでしょうか。Esther Phillipsのダンサブル&ソウルフルなボーカルが特徴的ですが、いかんせんハワイアンスティールギターがよくわかりません。ちなみにEric Galeのギターは辛うじて聴きとることができます。Holdsworthフリークにとってギターではない楽器で参加というのもかなり微妙な線ですし、ペダルスティールギターを聴かされてもHoldsworthらしさをそこに求めることは無理があります。クレジットがなければ、誰が弾いているのか皆目見当がつかない、というのが実際のところです。Holdsworthのキャリアの中で位置づけると、ちょうどTony WilliansのNewlifetimeに参加した後、Bruford加入の前という感じでしょうか。なぜR&Bのアルバムに参加したのか、その経緯はまるでわかりません。ちょっとしたアルバイト感覚だったのかもしれません。

しかし、参加メンバーの煌めくばかり豪華さと何はともあれ間違いなくHoldsworthの参加作品ということで、マニア筋にのみお勧めします。ふだんはR&Bに馴染みがない私でも、Esther Phillipsのちょっとハスっぱなボーカルはそれなりに楽しめます。こうでもしないとEsther Phillipsの存在すら知らなかったりするわけですから、出会いに感謝しないといけません。

このアルバムはCD化もされることなくアナログ盤のみが頼りでしたが、突如として7月頭にCD化されました。情報はTwitter仲間の方からです。おそるべし、Twitterの情報伝播力!実はしっかりアナログ盤も所有していることは言うまでもありません。

●Musicians
Esther Phillips / vocals
Allan Holdsworth / pedal steel guitar
Jeff Berlin / bass
John Tropea / guitar
Randy Brecker / trumpet
Mike Brecker / tenor sax
Steve Gadd / drums
Pee Wee Elis / tenor sax
Steve Khahn / guitar
Eric Gale / guitar
Anthony Jackson / bass
and more

●Numbers
1.  Magic's In The Air
2.  I Haven't Got Anything Better To Do
3.  Boy,I Really Tied One On
4.  Candy
5.  A Beautiful Friendship
6.  Higher And Higher
7.  All The Way Down
8.  Dream
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2010年9月 9日 (木)

John Coltraneのシアトルライブ完全版!

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Mucisian●John Coltrane(tenor sax)
Title●Live In Seattle(1965年)
■Amazonより購入

後期Coltraneのライブの中でも傑作中の傑作が、この「Live In Seattle」ではないでしょうか。これまではCD1枚での音源が発売されてきましたが、未発表音源を追加した2枚組が発売されています。追加曲は「Body And Soul」「Afro-Blue」の2曲。CD1枚時代でも大変濃厚な内容で「お腹いっぱい」だったのですが、追加曲2曲もどうしてこれまで未発表だったのかが不思議なくらいこれまた大変濃厚な出来映えで、すべての曲を通して聴くにはそれなりの精神力と体力が必要ではないかと思います。

参加メンバーは後期Coltraneの定番フォーマットとも言えるPharoah Sanders(tenor sax)、Donald Garrett(bass)が新規で加わったセクスセット構成。従来メンバーはJimmy Garrison(bass)、Elvin Jones(drums)、McCoy Tyner(piano)。1965年9月30日、シアトルでのライブ音源です。

1965年のColtraneは6月の「Ascention」を皮切りに、7月のパリライブ、8月の「Sunship」と日を追うごとに過激になる一方。狂気のPharoah Sanders新加入によって、従来メンバーとの軋轢は決定的なものとなりました。フリー路線を突き進むColtraneが求めるレベルに対して従来メンバーの力量では到底満足のいくものではなく、事実、Elvin Jonesは7月パリ公演ではステージを途中放棄する騒動を起こし、最終的にはElvin JonesとMcCoy Tynerはこのライブを期にグループを去ることになります。

すべての曲が濃厚な味わいの凄すぎるライブ音源ですが、何といっても極めつけが「Evolution」でのとても人類のものとは思えない壮絶な叫び声。フリー、アヴァンギャルドなどという凡庸な形容ではとても語り尽くせないほどの、想像を絶した破壊力はいまあらためて聴き直しても背筋がゾクゾクときます。2CD化にあたってデジタルマスタリングされたということなので、音質も格段にアップ。アナログを初めて聴いたときのあの衝撃が鮮やかに蘇ってきます。

●Musicians
John Coltrane / tenor sax,soprano sax
Pharoah Sanders/ tenor sax
Donald Garrett / bass
Jimmy Garrison / bass
Elvin Jones / drums
McCoy Tyner / piano

●Numbers
[CD1]
1.  Cosmos
2.  Out Of The World
3.  Body And Soul ※
4.  Tapestry In Sound

[CD2]
1.  Evolution
2.  Afro-Blue ※

※Bunus-Track
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2010年9月 8日 (水)

Shawn Lane亡きあとのHellbog「Kali's Son」

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Musicians●Jonas Hellborg(bass)
Title●Kali's Son(2005年)
■Amazonより購入

スウェーデンが生んだ超絶ベーシスト、Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)による2005年リリース作品です。参加メンバーはSelvaganesh(読めません。パーカション担当。Hellborg&LaneのパリライブDVDにもいました)とNiladri Kumar(これも読めません。シタール&ジタール担当)という名前からしてインド人ミュージシャンと思われる2人とのトリオ構成。

ご存知のようにHellborgは90年代中盤あたりから、超絶ギタリストShawn Lane(ショーン・レーン)と組んで素晴らしい作品の数々を世に残してきましたが、2003年9月に40歳という若さでShawn Laneが難病のため他界。Shawn Lane抜きでどんな作品に仕上がるかは、やや不謹慎な表現ですが興味の的であり、不安といえば不安でした。

しかし、オープニングの曲を聴いてそれらはすべて杞憂に終わりました。作風としてはShawn Laneとともに作り上げた「ICON」やパリ公演を収めたDVDの延長線上にあり、インド路線です。これまでShawn Laneが担当していた早弾き部門はシタール&ジタール奏者 Niladri Kumarが十分にカバーして余りあるほどです。もの凄いスピードでHellborgとのユニゾンを決めるあたりは、ギターとはまた違った新しい魅力を見つけたような気がします。Niladri Kumarというミュージシャン、今後に注目です。

●Musicians
Jonas Hellborg / bass
Selvaganesh / percussions
Niladri Kumar / sitar

●Numbers
1.  Kalis Son
2.  War Games
3.  Shri Shri Vikkuji
4.  Plastic Puja
5.  Kali Ghat
6.  Brightness
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2010年9月 7日 (火)

北欧のProg Metal「Meshuggah」の2008年作品

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Musician●Meshuggah
Title●Obzen(2008年)
■Amazonより購入

このところ、Prog MetalやDeath Metalをあらためて聴き直しています。確かに暑い時期には堪える感じであることは間違いないのですが、いや、なに「毒をもって毒を制す」です。なかでもヘヴィーローテーションなのが、OpethMeshuggahの北欧スウェーデンが生んだ2大メタルバンドです。Meshuggahにとっては2005年リリースの「Catch 33」以来、約3年ぶりの6枚目にあたります。

前作では1枚のアルバムを何と1曲のみで押し通すという“暴挙”に出た彼らですが、今回は全9曲構成になっているので、それなりにコンパクトで聴きやすくなったかというと、もちろん答えは「否」です。複雑怪奇なポリリズムはさらに混迷の度を強め、西洋とも北欧とも東洋ともカテゴライズ不可能な、無国籍なエクストリーム・メタルサウンドが次から次へと襲いかかってきます。初期の作品で聴かれたヤケクソ的な疾走感は前作あたりから急速に影を潜め、よりテクニカルにより無機質に前人未到の境地へと突進する彼らは、タイトルや意味ありげなジャケットデザインから推測されるように「Zen」(禅)の極みまで達してしまったかのようです。だからといって決して音楽自体が落ち着いてしまったわけではなく、聴く者の神経を次第に麻痺させる劇薬ともいえる破壊力満点のポリリズムは、さらに凄みを増した感がします。ジャンルはまるで違いますが、Mデイヴィスの70年代初頭の代表作「On The Corner」で聴かれた麻薬的かつ宗教的なポリリズムと合い通じるものを感じます

テクニカル系ギタリストの大物Allan Holdsworthばりの浮遊感あふれるプレイを聴かせるリーダー兼リードギターのFredrik Thordendal(フレドリック・トーデンダル)のプレイは、相変わらず変幻自在で、どこから飛んでくるか予測不可能。反則ワザ満載のギタープレイと唯一無比のポリリズムとの相乗効果は、もはや誰もついてくることができない高みまで達してしまったようです。プログメタルファンは言うに及ばず、変態&テクニカル系ギター好きのコアな音楽ファンにも強力推薦の1枚です。

●Musicians
Jens Kidman / vocal
Fredrik Thordendal / guitar
Marten Hagstrom / guitar
Thomas Haake / drums
Dick Lovgren bass

●Numbers
1.  Combustion
2.  Electric Red
3.  Bleed
4.  Lethargica
5.  Obzen
6.  This Spiteful Snake
7.  Pineal Gland Optics
8.  Pravus
9.  Dancers to a Discordant System
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2010年9月 6日 (月)

ドイツ出身にしてブルージィー。Lothar KosseのRainmaker

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Musician●Lothar Kosse(guitar)
Title●Raimaker(1999年)
■Guitar Nineより購入

ドイツ出身のテクニカル系フュージョンギタリスト、Lothar Kosse(ロザー・コス)による1999年の作品です。これまたおそらく日本では無名な存在かと思われますが、すでに10枚近くの作品をリリースしているキャリアを考えると、ドイツでは結構有名な存在なのかもしれません。

Kosseのデビュー昨「One For All」(1989年)を聴くと一世を風靡したフュージョン系ギタリストの残党というイメージが強く、何だか中途半端なラリー・カールトンという印象を受けましたが、それ以降キャリアを重ねた彼はテクニカルにしてブルージィーという独自のプレイスタイルを確立させたようです。とにかく歯切れよい明快なプレイが身上で、ヨーロッパ人がStevie Ray Vaughan(SRV)を意識させたらこんな感じになるのではと思わせる奏法&プレイスタイルです。

ジャケット写真から想像するにまだまだ若そうなKosseですが、マーシャルアンプから飛び出すストラトの重厚なソロは彼がただ者ではない実力者であることを容易に想像させてくれます。1曲目「World Of Wonders」のいかにもSRVっぽいソロは、聴いていてゾクゾクときますね。おっと、ワウワウまで使うあたりは筋金入りのSRVフォロワーの感じが濃厚ですが、適度にセンス良くまとめるあたりは生真面目なドイツ人気質(?)を匂わせています。

というわけで、なかなかの実力派ギタリストであるKosseですが、最近の動向を探るとギターよりもボーカル、ギターソロよりも全体のアンサンブル重視とかなり変わってきているように思えます。このアルバムではジャケットにわざわざ「Instrumental Electric Guitar」と謳い気合いが入っていただけに、その後の「変節ぶり」には少々がっかりです。ところで若手有望ギタリストのアルバムにほとんど顔を出すスーパーセッションドラム奏者、Vinnie Colaiutaが参加しています。

●Musicians
Lothar Kosse / guitar,keyboard,programming
Vinnie Colaiuta / drums
Gary Lunn / bass
Matthias Heimlicher / keyboard,programming
Phil Keaggy / guitar on Walk On Water

●Numbers
1.  World Of Wonders
2.  When God Comes To Town
3.  Sons Of Asaph
4.  Rainmaker
5.  Fall On Me
6.  Zoo Zoo
7.  Walk On Water
8.  When I See You
9.  Boom
10. Little Big One(Song for Simon)
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2010年9月 5日 (日)

インギーの名曲カバー集

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Musician●Yngwie Malmsteen(guitar)
Title●Inspiration(1996年)
■ディスクユニオンで購入

かなりメジャーなギタリストの登場です(笑)。スウェーデン出身のギタリスト、Yngwie Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)が自身が影響を受けたミュージシャンの楽曲をカバーしたアルバムです。幼少からティーンエイジにかけて聴いていた作品、ミュージシャンに対して並々ならぬ尊敬の念を伺うことができます。

そもそも「ALCATRAZZ」で一躍メジャーデビューを果たしたとき「ロックなど聴いたことはない。聴いていたのはバッハだけだ」などとうそぶいていたインギーですが、誰が聴いてもRitchie BlackmoreやJimi Hendrixからの強い影響を受けていることは明らか。おそらく「キャラ作り」のための強弁だったのでしょう。それから月日が流れて彼も人間的に丸くなったのでしょう。自らの音楽的ルーツを正直に吐露したという点で大いに好感がもてます。

さて、どんな楽曲が取り上げられているのでしょう。ここで登場する先達たちはカンサス、レインボー、パープル、RUSH、スコーピオンズ、ジミヘンなど納得のメンバー。現在の彼の原点が見えてきます。しかし、若いファンにとってはカンサスやUKなどというプログレ路線は少し違和感も感じられるかもしれません。しかしながら、昭和37年寅年生まれという年代を考えると、納得です。そもそも、現代のネオクラ路線を語るうえで70年代を席巻したプログレは欠かすことができないのです。

#1 Carry On Waywaard Son
1976年のKANSASの大ヒット曲です。オリジナルは確かバイオリンがフューチャーされていた記憶がありますが、ここではギターがその代わりに。オリジナルよりもテンポも速めです。意外と言えば意外なセレクトです。

#2 Pictures Of Home
第2期DPの名盤「Machine Head」(1972年)より。この時インギー氏は10歳ではないでしょうか。Highway Starでないあたりがヒネクレ度を象徴しています。

#3 Gate Of Babylon
1978年のRainbowの名曲。そもそもはRitchie Blackmoreが作ったジミヘンライクな楽曲なので、インギーはジミヘンの孫弟子のつもりなのかもしれません。

#4 Manic Depression
ジミヘンのデビューアルバム「Are You Experienced」(1967年)に収録されていた曲。インギーのジミヘンフリークぶりは有名で「Purple Haze」「Spanish Castle Magic」などをライブで演奏することがありますが、まあこれも彼の十八番といっていいでしょう。

#5 In The Dead Of Night
イギリスプログレ界の大御所が立ち上げた挙国一致内閣「UK」のアルバムオープニング曲。1977年リリース。これも意外と言えば意外なセレクトです。興味の的はAllan Holdswrthのフレーズをどのように弾きこなすかですが、案の定、ネオクラ風に決めてきました。そういえばインギーのアームの使い方はHoldsworthのそれを若干意識しています。でも、露骨に真似しないあたりが彼のプライドの高さを示しています。Edie Jobsonが間奏で弾いていた鍵盤楽器の速いパッセージをギターで弾くあたりは負けん気の強さを感じさせます。ただし、ボーカルはオリジナルの方が圧倒的に勝ち。John Wettonの憂いがこもったボーカルは誰にも真似できません。火傷しましたね。Johansson兄弟を配したあたりは原曲に対する深いリスペクトの念を感じます。

#6 Mistreated
第3期DPの名曲。1974年。Ritchie御大もかなりのお気に入りでしたが、やはり弟子筋も右に倣えということでしょうか。

#7 The Sails Of Charon
Uli Jon Rothが在籍していた当時のScorpionsの曲です。Uliが最後に参加した「Taken By Force」(1977年)に収録された曲。インギーはRitchie御大からの影響性で語られることが多いのですが、Uli Rothからの並々ならぬ影響も強く感じさせます。なんだよ、ワシと同じじゃないの…。

#8 Demon's Eye
インギーのお姉さんがプレゼントとして与えたのが第2期DPの「Fireball」(1971年)だったそうです。アルバムに先行してリリースされた「Strange Kind Of Woman」ですがそのB面に収録された曲がこれ。アルバム未収録なので個人的には知らなかった曲ですが、DPのベスト盤には収められているようです。カバーからオリジナルを知ることもあるわけです。

#9 Anthem
カナダを代表するプログレトリオRUSHによる1975年の作品。素人時代にバンドメンバーから聴かされてお気に入りになったようです。なんだ、結構影響受けやすいんですね。カナダでRUSHと言っても、もちろんFrank Marino率いるMahogany Rushとはまったく別物です。余談ですがRUSHの「Moving Pictures」はリリース当時、個人的にかなりのハードローテで聴きまくっていました。

#10 Child In Time
第2期DPの名盤「In Rock」収録曲で、HRへ転向したことを高らかに宣言した代表曲です。有名なギターソロもインギーは思い入れたっぷりにガンガンと弾いています。しかし、ソロが終わった後にそそくさとフェードアウトしてしまうアレンジは如何なものでしょう。あれこれ言われるのが嫌だったので、お先に失礼しま~す、という感じなのでしょうか。いささか敵前逃走(?)の感を受けます。

#11 Spanish Castle Majic
Jimi Hendrixによるセカンド「AXIS:Bold As Love」(1968年)からの選曲。先に触れたようにインギー自身、ライブで盛んにプレイしていることもあって、実に伸びやかなプレイを聴かせてくれています。日本盤のみのボーナストラックです。

とまあ、こんな感じですが彼の年齢(今年で年男)と音楽歴とを考え合わせると、実に真っ当な選曲だと思いますし、それらが彼の今を形成していることは言うまでもありません。最近の彼の動向はよく知らないのですが、願わくば「ALCATRAZZ」で衝撃的なデビューを飾ったときのあの真摯なプレイを思い出してほしいものです。個人的にはあのころがギタリストとしてのピークではないかと思っています。それからは、やっつけ仕事が多いもんなぁ。

●Musicians
Yngwie Malmsteen / guitars,bass.sitar,vocal
Jeff Scott Soto / vocal
David Rosenthal / keyboards
Marrcel Jacob / bass
Joe Lynn Turner / vocal
Mats Olausson / Keyboards
Mark Boals / vocal
Jens Johansson / keyboards
Anders Johansson / drums

●Numbers
1.  Carry On Waywaard Son
2.  Pictures Of Home
3.  Gate Of Babylon
4.  Manic Depression
5.  In The Dead Of Night
6.  Mistreated
7.  The Sails Of Charon
8.  Demon's Eye
9.  Anthem
10. Child In Time
11. Spanish Castle Majic
Dscf6052

2010年9月 4日 (土)

還暦を過ぎても衰えを知らないブルース魂。Rトロワーの2008年ライブ

Dscf6043






Musician●Robin Trower(guitar)
Title●TR@RO.08(2010年)
■Amazonより購入

元プロコルハルムのギタリストで脱退後はジミヘンフォロワーとして活躍する英国出身のベテランギタリスト、Robin Trowerの2008年ライブ音源です。以前、還暦祝いを兼ねたライブDVDがリリースされて衰えを知らないブルース魂を見せつけてくれましたが、このライブ音源でも相変わらずのプレイを聴かせてくれています。何と全17曲、2CDという圧倒的なボリュームにも驚きです。2008年3月29日、アメリカミシガン州にあるRoyal Ook Theatreという場所でのライブ音源。メンバーは最近では固定と思われる、Davey Pattison(ボーカル)、Grenn Letsch(ベース)、Pete Thompson(ドラム)という構成です。

曲はというとソロデビュー作から80年代の「Back It Up」くらいまでの「オールドナンバー」が中心で、長年Trowerフォロワーを務めている私(?)としてはもう感涙の涙、そして涙というラインアップです。ナツメロと言われようが、アナクロと呼ばれようが気にすることはありません。ここぞと響きわたるブルージー&幽玄なソロワークはまさに人間国宝モノです。ほぼ同世代のJeff Beckが限りなく進化を続けているのに対し、一方で「まったく変わらない」ことも大切なことだと痛感します。

●Musicians
Robin Trower / guitar
Davey Pattison / vocals
Grenn Letsch / bass
Pete Thompson / drums

●Numbers
[CD1]
1.  Twice Removed From Yesterday
2.  Shame The Devil
3.  For Earth Below
4.  No Time
5.  The Fool And Me
6.  Roads To Freedom
7.  Islands
8.  Day Of The Eagle
9.  Bridge Of Sighs
10. Rise Up Like The Sun
11. Victims Of The Fury
12. Gonna Be More Suspicious
13. Hannah
14. Little Bit Of Sympathy

[CD2]
1.  Too Rolling Stoned
2.  Go My Way
3.  Another Time Another Place
Dscf6044

2010年9月 3日 (金)

Garbarek+FrisellのECM第2弾「Wayfarer」

Dscf2123






Musician●Jan Garbarek(soprano & tenor sax)
Title●Wayfarer(1983年)
■ディスクユニオンで購入

ECMを代表するサックス奏者で「北欧のコルトレーン」の異名をもつJan Garbarek(ヤン・ガルバレク)による1983年の作品です。メンバーはギターにBill Frisell(ビル・フリゼール)、ベースにEberhard Weber(エバーハード・ヴェバー)、ドラムにMichael DiPasqua(マイケル・ディパスクア)という構成。Jan GarbarekとBill Frisellとの組み合わせは前作「Paths,Prints」(1982年)から継続の形になります。1983年3月、オスロのTalentスタジオで収録。プロデューサーは例によってECMの総帥、マンフレッド・アイヒャーが担当。

前作「Paths,Prints」ではギターのFrisell自身がECM参加からまだ間もない時期だったためか、幾分押さえ目のプレイに感じられましたが、この作品では北欧の水にすっかり馴染んだFrisellがかなり重要な働きをこなしています。凍てつくような北欧の氷原を思わせるGarbarekの悲痛な叫びに、Frisellのまったく捕らえどころのない奇天烈ギターが絡まりあう様はまさに絶品の仕上がりに。特にアルバムタイトル曲「Wayfarer」でのFrisellの中空をさまようなソロはゲスト参加にもかかわらず、他のメンバーを圧倒する存在感を示しています。いよいよ本領発揮という感じですね。ラスト「Singsong」は一見するとスローで静寂な曲ですが、ソロ部分にさしかかるとGarbarekとFrisellのソロが実に怪しく絡み合い、奇妙な桃源郷が目の前に現れます。

ECMサウンドと言えば一時期「癒しの音楽」として語られることが多かったように思えます。もちろん、この作品もそういった部分もありますが、舐めてかかるととんでもないしっぺ返しにあいそうです。静寂な語らいの中には実は激しいバトルが展開されているのです。ECMの奥深さを強烈に実感させる傑作です。

●Musicians
Jan Garbarek / soprano & tenor sax,wood flutes
Bill Frisell / guitar
Eberhard Weber / bass
Michael DiPasqua / drums,percussion

●Numbers
1. Gesture
2. Wayfarer
3. Gentle
4. Pendulum
5. Spor
6. Singsong
Dscf2124

2010年9月 2日 (木)

70年代英国ジャズロックの夜明け JohnSurman♪How Many Clouds Can You See ?

Dscf6039






Musician●John Surman(baritone & soprano sax,bass clarinet)
Title●How Many Clouds Can You See ?(1969年)
■ディスクユニオンで購入

イギリスを代表するバリトンサックス奏者John Surman(ジョン・サーマン)による1970年の作品です。Surmanは60年代後半から70年代初頭にかけて夥しい数のセッション活動を行っていますが、本作品はその中でも秀逸の出来映えです。参加メンバーは、SurmanをはじめJohn Taylor(ピアノ)、Barre Phillips(ベース)、Tony Oxley(ドラム)を中心に据えて、Mike Osbone、John Warrenなどの英国フリージャズ界のビッグネームが見られます。

同時期のアルバムとして「Way Back When」「John Surman」などの作品がありますが、このアルバムは中でも最も過激で一番フリー色が強いように思えます。一口にフリージャズといっても一定のテーマにしたがって次第に収束するパターンと、ワンテーマからスタートし限りなく拡散するパターン、そしてまったくのフリーフォームで押し通すパターンがあるかと思いますが、このアルバムはワンテーマを拡散させた内容。したがって同タイトルの楽曲でも、まったく違った印象を受けます。イメージが限りなく拡散、飛翔していく状況で、聴く者の不安感を煽りに煽るSurman独特のフレーズ。たぐいまれな破壊力をもつバリトンの叫びは、70年代英国ジャズロックの華々しい幕開けを予感させます。

Barre PhillipsやStu Martinと組んで作られたジャズロック不朽の名盤「The Trio」(1970年)につながる重要作品として、興味ある方はぜひチェックを!

●Musicians
John Surman / baritone & soprano sax,bass clarinet
John Taylor / piano
Barre Phillips / bass
Tony Oxley / drums

●Numbers
1. Galata Bridge
2. Caractacus
3. Premonition
4. Event
   a)Gathering
   b)Ritual
   c)Circle Dance
5. How Many Clouds Can You See?
Dscf6040

2010年9月 1日 (水)

Holdsworth系ギタリストJonathan Kreisbergのソロ

Dscf6023






Musician●Jonathan Kreisberg(guiitar)
Title●Jonathan Kreisberg Trio(1997年)
■Gemm.comより購入

1990年中盤、アメリカはフロリダ州を中心に活躍したジャズロックグループ「Wyscan」(ウィスカン)のギタリスト、Jonathan Kreisberg(ジョナサン・クレイズバーグ)による初ソロアルバムです。1997年リリース。メンバーはVincent Verderame(ベース)、Javier Carion(ドラム)というトリオ構成です。

「Wyscan」は後期GongやBrufordあたりを意識したジャズロックグループでしたが、もとよりKreisbergはジャズ志向がが強いプレイヤーだったそうです。満を持してソロデビューを果たしたこのアルバムでは、テクニカル系ギタリストの大御所Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)を強烈に意識したジャズフュージョンサウンドを展開しています。トリオ構成というのもHoldsworthの「IOU」を念頭においての布陣なのでしょう。フレージング、トーン、ヴォオス、どれをとってもHoldsworthを意識したプレイが随所に聴かれますが、特にオープニング「Tune For Tracy」では流麗な超絶技巧を披露。Holdsworthファンをも納得させる素晴らしいプレイです。ただし、本家と違い、トーンは結構ハードでロックタッチ、またアームも使いません。

デビューアルバムということで、自身の音楽的な方向性に若干の迷いがあったのでしょうか。フュージョンなのか、ポップなのか、ジャズなのか、全体を通しての統一感という点では理解不能な面も否めません。次作以降、急にジャズギター色を強めたことを考えると、一時の気の迷いだったのかもしれません。ちなみに4曲目「Come Together」はもちろん、ビートルズのあの曲のカバーです。何だかオドロオドロしいアレンジで、不気味に迫ってきます。

●Musicians
Jonathan Kreisberg / guitar,syntesizer
Vincent Verderame / bass
Javier Carion / drums

●Numbers
1.  Tune For Tracy
2.  Freshly Squeezed
3.  Pidipacao
4.  Come Together
5.  Phenomenon And On
6.  No Xenophobia
7.  Someday My Prince Will Come
8.  Heavy Air
9.. We'll Be Together
Dscf6024

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