Billy Rogersが生前に「正式に」残した音源であるジャズクルセイダース時代の音源は「Images」の1枚のみです。こちらはラリー・カールトンの後釜ギタリストとして加入した経緯もあってかなり控えめなプレイでした。結局、解雇同然の扱いでRogersは1枚のみに参加しただけでグループを去ることになります。その恨みつらみではありませんが、この作品ではこれでもかとばかりに弾きに弾きまくっています。目にも止まらぬ超絶技巧の連続、ちょっとした隙間を見つけるとガンガン入り込んでくる饒舌さは、ギター好きにとっては至福の連続に違いありません。かといってテクニック至上に陥ることなく、きっちりと歌いあげる魂のプレイの連続は確かにプロをも納得させる実力を全身で感じさせてくれます。
●Musicians Billy Rogers / guitar Jay Anderson / bass Jeff Hirshfield / drums Dave Stryker / rhythm guitar Linda Cunningham Giambalve / vocal on Good Morning Heartache
●Numbers 1. Billy's Bop 2. My Funny Valentine 3. Tell Me A Bedtime Story 4. How Insensitive 5. Egocentric Ions 6. I've Grown Accustomed To Her Face 7. ESP 8. Body And Soul 9. Fee Fi Fo Fum 10. Good Morning Heartache
Musician●Jimi Hendrix(guitar) Title●Axis:Bold As Love(1967年) ■ディスクユニオンで購入
不世出のロックギタリスト、Jimi Hendrixが1967年にリリースした2ndアルバムです。デビューアルバム「Are You Experienced?」のスマッシュヒットで勢いを得たジミヘンですが、いかんせんヒット曲の寄せ集めの感は拭えず、アルバムの完成度としてはいま一つでした。そこでコンセプトアルバムとして本腰を入れて作られたのがこの作品で、「ジミヘンらしさ」が全面に押し出されています。なんと制作期間は16日間だったそうです。何ヶ月もかけてじっくりと作り込むことは当たり前の今の感覚から考えるとトンでもない突貫工事ですが、そんなことは微塵にも感じさせない完成度を誇っています。要は時間さえかければ素晴らしい作品ができるとは限らない、内容が大切ということです。形やビジュアルばかりのい外面上のことばかりにこだわり、一番大切な魂を込めることをしない誰かさんに聞かせたいですね。
さて、オープニング「ESP」からラストの「Bold As Love」に至るまで一貫したコンセプトのもとで制作されたこの作品を聴くことによって、ジミヘンが傑出したギタリストであると同時に優れたコンポーザーであることが痛いほど理解できるはずです。「Wait Until Tomorrow」「Little Wing」「Spanish Castle Magic」などの多くのミュージシャンによってカバーされる名曲が生み出されたことからも明らかです。ただ、衝撃的だったデビュー作とロックギターの最高傑作と言っても過言ではない「Electric Ladyland」との間に挟まれる形になっているせいか、いかんせん地味な印象は拭えません。そういえば、ジミヘンのお勧めアルバムとしてこの「Axis:Bold As Love」をあげる音楽評論家はほとんどいませんね。でも、そんなことは百も承知のうえで、当欄としてはあえて強力にプッシュしたいと思います。
●Numbers 1. ESP 2. Up From The Skies 3. Spanish Castle Magic 4. Wait Until Tomorrow 5. Ain't No Telling 6. Little Wing 7. If Six Were Nine 8. You've Got Me Floating 9. Castle Made Of Sand 10. She's So Fine 11. One Rainy Wish 12. Little Miss Lover 13. Bold As Love
●Musicians Chad Wackerman / drums,percussins James Muller / guitar Daryl Pratt / vibraphone,mallinba Leonn Gaer / bass
●Numbers 1. Sophies's Beach 2. Spiral 3. Legs Eleven 4. Where You Come From 5. Newtown 6. No Time Like The Future 7. Tangara 8. Field Of Mars 9. Rhythm Clock 10.Balancing Acts
作品そのものは「Greek Theatre」「Theatre In Palace」「Hurrah」の3カ所でのライブ映像を中心に、ロンドン、パリ、NYでのプライベートショットをちりばめたもの。1979年当時の撮影技術を考慮しても、映像の質はお世辞にも褒められた出来ではありません。カメラアングルや安定度も不安定ですし、合間合間で挟まるソラリゼーションや反転などの映像処理も実に邪魔です。つまり、不満を言い出せばキリがないのですが、それでも渡辺香津美氏がYMOに在籍時に残した唯一の映像作品としての希少価値はすべての不満を解消してくれます。
●Numbers 1. Dig Dog 2. My Song 3. Fourteen 4. J.D Schaa 5. Seize The Rainbow 6. The Past Adventures Of Zydeco Honeycup 7. Sheraserhead's High-Top Sneakers
Musician●Umberto Fiorentino(guitar) Title●Things To Come(2002年) ■Gemm.comより購入
イタリア出身のテクニカル系ギタリスト、Umberto Fiorentino(ウンベルト・フィオレンティーノ)によるジャズスタンダードカバー集です。Fiorentino自身アルバム「Alice」では妙に内省的で陰鬱なプレイを聴かせたと思ったら「Ulisse」ではAllan Holdsworthばりのテクニカルなフュージョンギターを披露したりと、実にとらえどころがなく正体不明のギタリスト。今回は、スタンダードカバーという思いもよらぬ攻撃を仕掛けてきました。「餌食」になったのは「Autumn Leaves」「On Green Dolphin Street」「Bye Bye Blackbird」「All The Things You Are」。途中、途中でFiorentinoのオリジナルが挟まります。
●Numbers 1. Things To Come 2. Fearless Fosdick's Tune 3. Someday My Prince Will Come 4. Autaumn Leaves 5. Forgotten Shapes 6. On Green Dolphin Street 7. Anthropology 8. Bye Bye Blackbird 9. 3×4 10. All The Things You Are
●Numbers 1. Native Metal 2. Malfunction 3. Alien Hip-Hop 4. Sort Yourself Out 5. Pyramids On Mars 6. Dragon Bones 7. Trencherman 8. Out Of The Haze 9. Invasion Of The Ants 10. Running From The Aliens 11. Pentathlon
●Numbers 1. Print Of Time 2. One For The Road 3. Vertical Obsession 4. Clandestine Soul 5. Say What 6. Full Cycle 7. Double Entendre 8. Sorcery 9. Something' About You 10. Cannibal Pursuit
まずは「Hear My Train A Comin'」のアコースティックヴァージョンからスタート。この曲はドキュメント映画「Jimi Hendrix」でも映像を観ることができますが、ジミヘンが12弦ギター1本で実に哀愁たっぷりに歌い上げます。この曲を1曲目に据えた制作者のセンスには脱帽です。「Voodoo Chile Blues」の元曲は傑作「Electric Ladyland」に収録されている代表曲ですが、これは未発表ヴァージョン。「Electric Ladyland」でのテイクよりもラフでワイルドな感じです。そして、ラストは再度「Hear My Train A Comin'」で締めますが、今度は聴きなれたエレキヴァージョン。ウーン、実に泣かせる構成です。
●Numbers 1. Hear My Train A Comin'(acoustic) 2. Born Under A Bad Sign 3. Red House 4. Catfish Blues 5. Voodoo Chile Blues 6. Mannish Boy 7. Once I Had A Woman 8. Bleeding Heart 9. Jelly 292 10. Electric Church Red House 11. Hear My Train A Comin'(electric)
●Numbers 1. Purple Haze 2. Manic Depression 3. Hey Joe 4. Love or Confusion 5. May This Be Love 6. I Don't Live Today 7. Wind Cries Mary 8. Fire 9. Third Stone from the Sun 10. Foxey Lady 11. Are You Experienced? 12. Stone Free [*] 13. 51st Anniversary [*] 14. Highway Chile [*] 15. Can You See Me [*] 16. Remember [*] 17. Red House [*]
作品に収められているほとんどはMullerオリジナルですが、「All The Things You Are」などの「定番曲」も。バラエティに富んだ構成、決して飽きることのない変幻自在のソロワーク。かなりの腕達者&コンポーザーだとみました。しかし、この手のギタリストはMetheny以外は不当に低評価されているのが日本の現状で、話題にのぼることなく埋もれてしまっているのが残念です。
●Musicians James Muller / guitar Chris Soole / tenor sax Rauul White / Keyboards Nick Sinclair / bass Bradley Polain / drums Adama Dicker / drums
●Numbers 1. Sprunkle It 2. Campington 3. Farewell 4. All The Things You Are 5. Did I Stutter 6. In A Sentimental Mood 7. Lazy Eye 8. No You Don't 9. S.S. 10. Poindexter
「Black Rock」(1982年)以降、ストリングスとの共演やヴァイオリンの導入など模索を続けてきたウルマーですが、ここでは「Black Rock」当時のメンバーと組むことによって、原点回帰を志向しています。オープニングの「Burning Like Love」は「Black Rock」を髣髴とさせるハードファンク。あまりにも格好いいリズムとゴリゴリ感満載のウルマーのギターと独特のボーカルとがばっちりと決まっています。最初から最後までこれでもか!とゴリゴリと押しまくるとてつもないパワーとリズム隊との絶妙なコンビネーションから生まれる独特のグルーヴ感は、近来まれにみるハイテンションぶりです。まるで息を吹き返したかのように暴れまくるウルマーは、「ジミヘンの再来」という陳腐な表現を乗り越えて、前人未踏の世界へと足を踏み出しているようです。
●Musicians James Blood Ulmer / guitar,vocals Ronald Dryton / guitar Amin Ali / bass Grant Calvin Weston / drums
●Numbers 1. Burning Like Love 2. Crying 3. Lady Of Colours 4. Tower Of Power 5. New York Day 6. Make It Right 7. Sigh Language 8. No Other Lover 9. Updown
Musician●Allan Holdsworth(guitar) Title●The Sixteen Men of Tain [Special Edition](2000年) ■ディスクユニオンで購入
テクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)による2000年の作品です。同タイトルの作品が先行して発売されましたが、ここで紹介するのはHoldsworth自身がプロデュース兼編集を担当した「スペシャル・エジション盤」です。何がオリジナルと違うのかというと、「Above And Below」という曲の別テイクが追加されたうえに、曲順も変更されています。この「本人編集」の意図がどこにあるかは、おそらく本人以外は説明できないと思いますが、多分思うところがあったのでしょう(笑)。一体、オリジナル盤のどこが気に入らなかったのでしょうか。聴くかぎりは明確な違いがわからないことはもちろんですが、元のプロデューサーも決して心中は穏やかでないと察します。奇人、変人Holdsworthの真骨頂と言えますね。
●Musicians Allan Holdsworth / guitar,synthaxe Dave Carpenter / bass Gary Novak / drums Walt Fowfer / trumpet on 0274,Texas Chad Wackerman / on Downside Up
●Numbers 1. San Onofre 2. 0274 3. Sixteen Men of Tain 4. Above and Below 5. Drums Were Yellow 6. Texas 7. Downside Up 8. Eidolon 9. Above and Below (Reprise) 10. Material Unreal
●Musicians Esther Phillips / vocals Allan Holdsworth / pedal steel guitar Jeff Berlin / bass John Tropea / guitar Randy Brecker / trumpet Mike Brecker / tenor sax Steve Gadd / drums Pee Wee Elis / tenor sax Steve Khahn / guitar Eric Gale / guitar Anthony Jackson / bass and more
●Numbers 1. Magic's In The Air 2. I Haven't Got Anything Better To Do 3. Boy,I Really Tied One On 4. Candy 5. A Beautiful Friendship 6. Higher And Higher 7. All The Way Down 8. Dream
Mucisian●John Coltrane(tenor sax) Title●Live In Seattle(1965年) ■Amazonより購入
後期Coltraneのライブの中でも傑作中の傑作が、この「Live In Seattle」ではないでしょうか。これまではCD1枚での音源が発売されてきましたが、未発表音源を追加した2枚組が発売されています。追加曲は「Body And Soul」「Afro-Blue」の2曲。CD1枚時代でも大変濃厚な内容で「お腹いっぱい」だったのですが、追加曲2曲もどうしてこれまで未発表だったのかが不思議なくらいこれまた大変濃厚な出来映えで、すべての曲を通して聴くにはそれなりの精神力と体力が必要ではないかと思います。
前作では1枚のアルバムを何と1曲のみで押し通すという“暴挙”に出た彼らですが、今回は全9曲構成になっているので、それなりにコンパクトで聴きやすくなったかというと、もちろん答えは「否」です。複雑怪奇なポリリズムはさらに混迷の度を強め、西洋とも北欧とも東洋ともカテゴライズ不可能な、無国籍なエクストリーム・メタルサウンドが次から次へと襲いかかってきます。初期の作品で聴かれたヤケクソ的な疾走感は前作あたりから急速に影を潜め、よりテクニカルにより無機質に前人未到の境地へと突進する彼らは、タイトルや意味ありげなジャケットデザインから推測されるように「Zen」(禅)の極みまで達してしまったかのようです。だからといって決して音楽自体が落ち着いてしまったわけではなく、聴く者の神経を次第に麻痺させる劇薬ともいえる破壊力満点のポリリズムは、さらに凄みを増した感がします。ジャンルはまるで違いますが、Mデイヴィスの70年代初頭の代表作「On The Corner」で聴かれた麻薬的かつ宗教的なポリリズムと合い通じるものを感じます
●Musicians Jens Kidman / vocal Fredrik Thordendal / guitar Marten Hagstrom / guitar Thomas Haake / drums Dick Lovgren bass
●Numbers 1. Combustion 2. Electric Red 3. Bleed 4. Lethargica 5. Obzen 6. This Spiteful Snake 7. Pineal Gland Optics 8. Pravus 9. Dancers to a Discordant System
Kosseのデビュー昨「One For All」(1989年)を聴くと一世を風靡したフュージョン系ギタリストの残党というイメージが強く、何だか中途半端なラリー・カールトンという印象を受けましたが、それ以降キャリアを重ねた彼はテクニカルにしてブルージィーという独自のプレイスタイルを確立させたようです。とにかく歯切れよい明快なプレイが身上で、ヨーロッパ人がStevie Ray Vaughan(SRV)を意識させたらこんな感じになるのではと思わせる奏法&プレイスタイルです。
ジャケット写真から想像するにまだまだ若そうなKosseですが、マーシャルアンプから飛び出すストラトの重厚なソロは彼がただ者ではない実力者であることを容易に想像させてくれます。1曲目「World Of Wonders」のいかにもSRVっぽいソロは、聴いていてゾクゾクときますね。おっと、ワウワウまで使うあたりは筋金入りのSRVフォロワーの感じが濃厚ですが、適度にセンス良くまとめるあたりは生真面目なドイツ人気質(?)を匂わせています。
というわけで、なかなかの実力派ギタリストであるKosseですが、最近の動向を探るとギターよりもボーカル、ギターソロよりも全体のアンサンブル重視とかなり変わってきているように思えます。このアルバムではジャケットにわざわざ「Instrumental Electric Guitar」と謳い気合いが入っていただけに、その後の「変節ぶり」には少々がっかりです。ところで若手有望ギタリストのアルバムにほとんど顔を出すスーパーセッションドラム奏者、Vinnie Colaiutaが参加しています。
●Musicians Lothar Kosse / guitar,keyboard,programming Vinnie Colaiuta / drums Gary Lunn / bass Matthias Heimlicher / keyboard,programming Phil Keaggy / guitar on Walk On Water
●Numbers 1. World Of Wonders 2. When God Comes To Town 3. Sons Of Asaph 4. Rainmaker 5. Fall On Me 6. Zoo Zoo 7. Walk On Water 8. When I See You 9. Boom 10. Little Big One(Song for Simon)
#1 Carry On Waywaard Son 1976年のKANSASの大ヒット曲です。オリジナルは確かバイオリンがフューチャーされていた記憶がありますが、ここではギターがその代わりに。オリジナルよりもテンポも速めです。意外と言えば意外なセレクトです。
#2 Pictures Of Home 第2期DPの名盤「Machine Head」(1972年)より。この時インギー氏は10歳ではないでしょうか。Highway Starでないあたりがヒネクレ度を象徴しています。
#3 Gate Of Babylon 1978年のRainbowの名曲。そもそもはRitchie Blackmoreが作ったジミヘンライクな楽曲なので、インギーはジミヘンの孫弟子のつもりなのかもしれません。
#4 Manic Depression ジミヘンのデビューアルバム「Are You Experienced」(1967年)に収録されていた曲。インギーのジミヘンフリークぶりは有名で「Purple Haze」「Spanish Castle Magic」などをライブで演奏することがありますが、まあこれも彼の十八番といっていいでしょう。
#5 In The Dead Of Night イギリスプログレ界の大御所が立ち上げた挙国一致内閣「UK」のアルバムオープニング曲。1977年リリース。これも意外と言えば意外なセレクトです。興味の的はAllan Holdswrthのフレーズをどのように弾きこなすかですが、案の定、ネオクラ風に決めてきました。そういえばインギーのアームの使い方はHoldsworthのそれを若干意識しています。でも、露骨に真似しないあたりが彼のプライドの高さを示しています。Edie Jobsonが間奏で弾いていた鍵盤楽器の速いパッセージをギターで弾くあたりは負けん気の強さを感じさせます。ただし、ボーカルはオリジナルの方が圧倒的に勝ち。John Wettonの憂いがこもったボーカルは誰にも真似できません。火傷しましたね。Johansson兄弟を配したあたりは原曲に対する深いリスペクトの念を感じます。
#7 The Sails Of Charon Uli Jon Rothが在籍していた当時のScorpionsの曲です。Uliが最後に参加した「Taken By Force」(1977年)に収録された曲。インギーはRitchie御大からの影響性で語られることが多いのですが、Uli Rothからの並々ならぬ影響も強く感じさせます。なんだよ、ワシと同じじゃないの…。
#8 Demon's Eye インギーのお姉さんがプレゼントとして与えたのが第2期DPの「Fireball」(1971年)だったそうです。アルバムに先行してリリースされた「Strange Kind Of Woman」ですがそのB面に収録された曲がこれ。アルバム未収録なので個人的には知らなかった曲ですが、DPのベスト盤には収められているようです。カバーからオリジナルを知ることもあるわけです。
#10 Child In Time 第2期DPの名盤「In Rock」収録曲で、HRへ転向したことを高らかに宣言した代表曲です。有名なギターソロもインギーは思い入れたっぷりにガンガンと弾いています。しかし、ソロが終わった後にそそくさとフェードアウトしてしまうアレンジは如何なものでしょう。あれこれ言われるのが嫌だったので、お先に失礼しま~す、という感じなのでしょうか。いささか敵前逃走(?)の感を受けます。
#11 Spanish Castle Majic Jimi Hendrixによるセカンド「AXIS:Bold As Love」(1968年)からの選曲。先に触れたようにインギー自身、ライブで盛んにプレイしていることもあって、実に伸びやかなプレイを聴かせてくれています。日本盤のみのボーナストラックです。
●Musicians Yngwie Malmsteen / guitars,bass.sitar,vocal Jeff Scott Soto / vocal David Rosenthal / keyboards Marrcel Jacob / bass Joe Lynn Turner / vocal Mats Olausson / Keyboards Mark Boals / vocal Jens Johansson / keyboards Anders Johansson / drums
●Numbers 1. Carry On Waywaard Son 2. Pictures Of Home 3. Gate Of Babylon 4. Manic Depression 5. In The Dead Of Night 6. Mistreated 7. The Sails Of Charon 8. Demon's Eye 9. Anthem 10. Child In Time 11. Spanish Castle Majic
元プロコルハルムのギタリストで脱退後はジミヘンフォロワーとして活躍する英国出身のベテランギタリスト、Robin Trowerの2008年ライブ音源です。以前、還暦祝いを兼ねたライブDVDがリリースされて衰えを知らないブルース魂を見せつけてくれましたが、このライブ音源でも相変わらずのプレイを聴かせてくれています。何と全17曲、2CDという圧倒的なボリュームにも驚きです。2008年3月29日、アメリカミシガン州にあるRoyal Ook Theatreという場所でのライブ音源。メンバーは最近では固定と思われる、Davey Pattison(ボーカル)、Grenn Letsch(ベース)、Pete Thompson(ドラム)という構成です。
曲はというとソロデビュー作から80年代の「Back It Up」くらいまでの「オールドナンバー」が中心で、長年Trowerフォロワーを務めている私(?)としてはもう感涙の涙、そして涙というラインアップです。ナツメロと言われようが、アナクロと呼ばれようが気にすることはありません。ここぞと響きわたるブルージー&幽玄なソロワークはまさに人間国宝モノです。ほぼ同世代のJeff Beckが限りなく進化を続けているのに対し、一方で「まったく変わらない」ことも大切なことだと痛感します。
●Musicians Robin Trower / guitar Davey Pattison / vocals Grenn Letsch / bass Pete Thompson / drums
●Numbers [CD1] 1. Twice Removed From Yesterday 2. Shame The Devil 3. For Earth Below 4. No Time 5. The Fool And Me 6. Roads To Freedom 7. Islands 8. Day Of The Eagle 9. Bridge Of Sighs 10. Rise Up Like The Sun 11. Victims Of The Fury 12. Gonna Be More Suspicious 13. Hannah 14. Little Bit Of Sympathy
[CD2] 1. Too Rolling Stoned 2. Go My Way 3. Another Time Another Place
同時期のアルバムとして「Way Back When」「John Surman」などの作品がありますが、このアルバムは中でも最も過激で一番フリー色が強いように思えます。一口にフリージャズといっても一定のテーマにしたがって次第に収束するパターンと、ワンテーマからスタートし限りなく拡散するパターン、そしてまったくのフリーフォームで押し通すパターンがあるかと思いますが、このアルバムはワンテーマを拡散させた内容。したがって同タイトルの楽曲でも、まったく違った印象を受けます。イメージが限りなく拡散、飛翔していく状況で、聴く者の不安感を煽りに煽るSurman独特のフレーズ。たぐいまれな破壊力をもつバリトンの叫びは、70年代英国ジャズロックの華々しい幕開けを予感させます。
「Wyscan」は後期GongやBrufordあたりを意識したジャズロックグループでしたが、もとよりKreisbergはジャズ志向がが強いプレイヤーだったそうです。満を持してソロデビューを果たしたこのアルバムでは、テクニカル系ギタリストの大御所Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)を強烈に意識したジャズフュージョンサウンドを展開しています。トリオ構成というのもHoldsworthの「IOU」を念頭においての布陣なのでしょう。フレージング、トーン、ヴォオス、どれをとってもHoldsworthを意識したプレイが随所に聴かれますが、特にオープニング「Tune For Tracy」では流麗な超絶技巧を披露。Holdsworthファンをも納得させる素晴らしいプレイです。ただし、本家と違い、トーンは結構ハードでロックタッチ、またアームも使いません。
●Musicians Jonathan Kreisberg / guitar,syntesizer Vincent Verderame / bass Javier Carion / drums
●Numbers 1. Tune For Tracy 2. Freshly Squeezed 3. Pidipacao 4. Come Together 5. Phenomenon And On 6. No Xenophobia 7. Someday My Prince Will Come 8. Heavy Air 9.. We'll Be Together
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