Holdsworthがこっそりサイドメンを務めたEsther PhillipsのアルバムがこっそりCD化
Musician●Esther Phillips(vocal)
Title●Capricorn Princess(1976年)
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1970年から80年代にかけて活躍したR&B系女性歌手、Esther Phillips(エスター・フィリップス)による1976年の作品です。R&Bはジャンルとしてはあまり馴染みがないのですが、一部のテクニカル系フュージョンファンにとっては、このアルバムはお宝的な存在になっています。というのも、参加メンバーが実に豪華で、Allan Holdsworth(ペダルスティールギター)、Jeff Berlin(ベース)、John Tropea(ギター)、Randy Brecker(トランペット)、Mike Brecker(テナーサックス)、Steve Gadd(ドラム)、Pee Wee Elis(テナーサックス)、Steve Khahn(ギター)、Eric Gale(ギター)、Anthony Jackson(ベース)などという超がいくつも付く豪華メンバー。バックメンバーだけでアルバムが何枚も作れるほどの勢いです。Jeff Berlinは言うまでもなくほどなくBrufordでHoldswrthと合流するあのアメリカ人超絶ベース奏者です。ちなみにEsther Phillips自身は薬物とアルコールの過剰摂取が原因で、すでに鬼籍に入っています。
当欄での個人的な目当ては、Allan Holdsworthですが、3曲目「Boy,I Really Tied One On」という曲にペダルスティールギターで参加しています。元歌はジャニス・イアンですね。ペダルスティールギターという楽器はあまり馴染みがありませんが、ハワイアンスティールギターに似たものなのでしょうか。Esther Phillipsのダンサブル&ソウルフルなボーカルが特徴的ですが、いかんせんハワイアンスティールギターがよくわかりません。ちなみにEric Galeのギターは辛うじて聴きとることができます。Holdsworthフリークにとってギターではない楽器で参加というのもかなり微妙な線ですし、ペダルスティールギターを聴かされてもHoldsworthらしさをそこに求めることは無理があります。クレジットがなければ、誰が弾いているのか皆目見当がつかない、というのが実際のところです。Holdsworthのキャリアの中で位置づけると、ちょうどTony WilliansのNewlifetimeに参加した後、Bruford加入の前という感じでしょうか。なぜR&Bのアルバムに参加したのか、その経緯はまるでわかりません。ちょっとしたアルバイト感覚だったのかもしれません。
しかし、参加メンバーの煌めくばかり豪華さと何はともあれ間違いなくHoldsworthの参加作品ということで、マニア筋にのみお勧めします。ふだんはR&Bに馴染みがない私でも、Esther Phillipsのちょっとハスっぱなボーカルはそれなりに楽しめます。こうでもしないとEsther Phillipsの存在すら知らなかったりするわけですから、出会いに感謝しないといけません。
このアルバムはCD化もされることなくアナログ盤のみが頼りでしたが、突如として7月頭にCD化されました。情報はTwitter仲間の方からです。おそるべし、Twitterの情報伝播力!実はしっかりアナログ盤も所有していることは言うまでもありません。
●Musicians
Esther Phillips / vocals
Allan Holdsworth / pedal steel guitar
Jeff Berlin / bass
John Tropea / guitar
Randy Brecker / trumpet
Mike Brecker / tenor sax
Steve Gadd / drums
Pee Wee Elis / tenor sax
Steve Khahn / guitar
Eric Gale / guitar
Anthony Jackson / bass
and more
●Numbers
1. Magic's In The Air
2. I Haven't Got Anything Better To Do
3. Boy,I Really Tied One On
4. Candy
5. A Beautiful Friendship
6. Higher And Higher
7. All The Way Down
8. Dream
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コメント
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失礼します。このアルバムに参加したのはプロデューサーのクリード・テイラーに頼まれたからだそうです。ちなみに、アランはトニー・ウィリアムズのNew Lifetimeにいた時に、トニーの家で暮らしており、そこにあったペダルスチールで実験をしており、それがライヴのアンビエンスのような演奏にも大きな影響を与えているとのこと。「Tokyo Dream」は、ペダルスチールが元になったナンバーだそうです。
投稿: はまぞおくん | 2010年9月10日 (金) 08時47分
はまぞおくん さま
はじめまして。コメントありがとうございます。
貴重な情報ありがとうございます。なるほど、やはりバーター的な依頼だったのですね。
ペダルスチールが「Tokyo Dream」につながるとは意外でした。
今後ともご贔屓のほどよろしくお願いいたします♪
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年9月11日 (土) 10時00分