Kenny Wheelerの貴重なECM作品
Musician●Kenny Wheeler(trumpet,fluegelhorn)
Title●Deer Wan(1977年)
■ディスクユニオンで購入
イギリスを代表するベテラントランペット&フューゲルホルン奏者Kenny Wheeler(ケニー・ホイーラー)によるECM作品です。1977年リリース。Kenny Wheelerは60年代後半からジャズロックシーンで頭角を現しはじめ、自身初のリーダーアルバム「1976」では典型的なジャズロックサウンドを聴かせてくれました。その後、ECMに活動の場を移しますが、一転して耽美的な作風へと変わっています。本作品は記念すべきECM移籍第1弾にあたります。そんなわけで、参加メンバーも大変豪華な布陣です。Jan Garbarek、John Abercrombie、Dave Holland、Jack DeJonette、Ralph TownerというECMオールスターの様相です(Ralph Townerは1曲のみ参加)。
注目するべきはGarbarekとWheelerという管楽器2トップの競演ですが、Wheelerはおもにハートウォーミング部門、Garbarekはクール&スマート部門担当とそれぞれ棲み分けているようです。しかし、その役割分担も形式的なもので楽曲が盛り上がるにつれて2人のブローが渾然一体となって絡み合い、融合し、解け合っていき、えも言われぬ桃源郷の世界を現出させています。この2人に絡むギターのJohn Abercrombieも負けじと浮遊感いっぱいのソロで応酬。強力リズム隊の活躍も相まって、「Deer Wan」で大団円を迎えるという黄金の展開に身を任せていると、どんどん彼らの音楽観に引き込まれていく自分に気がつきます。1曲のみ参加のTownerの精緻なアコギも、作品に対して見事なスパイスとして効いています。山椒的な感じでしょうか。
●Musicians
Kenny Wheeler / trumpet,fluegelhorn
Jan Garbarek / tenor & soprano sax
John Abercrombie / guitar,electric-mandlin
Dave Holland / bass
Jack DeJonette / drums
Ralph Towner / 12-strings guitar
●Numbers
1. Peace For Five
2. 3/4 in the Afternoon
3. Sumother Song
4. Deer Wan
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コメント
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お邪魔します。
しばらしいアルバムですね。
私も大好きです。
70年代、80年代のガルバレクはつぎつぎとすばらしい奏者と演奏を重ねていきますね。
投稿: araiguma | 2010年8月 2日 (月) 22時41分
araigumaさま
コメントありがとうございます。
確かこのアルバムはなかなかCD化されず、中古アナログを必死に探しまくった記憶があります。
いまではありえない豪華メンバーに、ラストに向けて静かに盛り上がる展開。
名盤だと思います。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年8月 8日 (日) 10時02分