破壊力満点のバリトン!John Surman「The Trio」
Musician●John Surman(baritone & soprano sax,bass clarinet)
Title●The Trio(1970年)
■ディスクユニオンで購入
英国フリージャズ界を代表するバリトンサックス奏者、John Surman(ジョン・サーマン)による傑作中の傑作です。1970年リリース。メンバーはBarre Phillips(ベース)、Stu Martin(ドラム)というこれ以上望めない強力メンバーです。しかも2CDというお腹が満腹になりそうなボリュームです。
John Surmanは60年代後半から70年代前半にかけて同国のミュージシャンを集めて夥しい数のセッション活動を行っていますが、そこにはJohn Taylor(ピアノ)やJohn McLaughlin(ギター)などの英国ジャズロックシーンを語るうえで欠くことのできない重要人物が参加し、まさに百花騒鳴、百花繚乱の様相を呈していました。そんな先鋭的なセッション活動から生まれたこの最強トリオは、ジャズ、ロック、フリーなどという既成のジャンルの壁を木っ端微塵に破壊してしまう強烈なパワーが漲っています。
まあ、まずはオープニング「Oh,Dear」をお聴きいただければ、答えは簡単です。のたうち回るBarre Phillipsのベース、ドタドタと強引なリズムを打ち刻むStu Martinに割って入るように響きわたるJohn Surmanの雄叫び。ジャズの常識を完全に打ち砕く強烈な上昇&下降フレーズは、コルトレーンなどが生み出したフリーフォームとは、また違った斬新な音空間を作り上げています。
アナログ盤はかなりのプレミアがついて入手困難なのですが、CDは比較的容易に見つかると思います。知らない間に日本盤も出ているようですね。70年代ジャズロックを愛してやまない人にとっては、かなりの強力推薦アルバムです。
●Musicians
John Surman / baritone & soprano sax,bass clarinet
Barre Phillips / bass
Stu Martin / drums
●Numbers
CD 1
1. Oh,Dear
2. Dousing Rod
3. Silvercloud
4. Incantation
5. Caractacus
6. Let's Stand
7. Foyer Hall
8. Porte Des Lilas
9. Veritably
CD 2
1. In Between
2. 6's And 7's
3. Green Walnut
4. Billie The Kid
5. Dee Tune
6. Centering
7. Joachim
8. Drum
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