3人の名手による素敵な語らいGarbarek「Eventyr」
Musician●Jan Garbarek(tenor & soprano sax,flutes)
Title●Eventyr(1981年)
■ディスクユニオンで購入
ECMレーベルを代表する名手3人が集まって作られた「奇跡のような1枚」ともいえる傑作です。メンバーは「北欧のコルトレーン」の異名をもつJan Garbarek(ヤン・ガルバレク)、ECMを代表する知性派ギタリスト、John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)、ヴォイスとトーキングドラムを担当するNana Vasconcelos(ナナ・バスコンセロス)という豪華布陣です。1980年12月、オスロのTalentスタジオで収録されています。プロデューサーはECMの総帥、マンフレッド・アイヒャー。
Garbarekといえば寂寥感あふれる北欧の氷原を想起させる叫びが特徴的ですが、80年代に入ってからは本来の持ち味に加えて北欧のフォークトラッドや民族音楽などの要素を取り入れて独自の境地を切り開いています。このアルバムは、その端緒とも言えるかもしれません。
絶え間なく響きわたるGarbarekの雄叫びに、Abercrombieのエレキマンドリンが独自の浮遊感を加え、さらにVasconcelosのエスニカルなトーキングドラムがスパイス的な絶妙な味付けをもたらしています。悲愴感一辺倒ではなく、ところどころになぜかホッとさせる空間が用意されているのが、心憎いところです。
それにしても相変わらずジャケットは美しいの一語に尽きますね。ジャケットも作品の一部であるという徹底した考え方はECMならではのもの。もちろん作品が高い水準であることが大前提の話ですが。いわゆる「ジャケ買い」をしてしまっても、決して後悔をさせない美しい作品です。
●Musicians
Jan Garbarek / tenor & Soprano sax,flutes
John Abercrombie / guitar,electric-mandlin
Nana Vasconcelos / berimbau,talking drum,percussin,voice
●Numbers
1. Soria Maria
2. Lillekort
3. Eventyr
4. Weaving A Garland
5. Once Upon A Time
6. The Companion
7. Snipp,Snapp,Snute
8. East Of The Sun And West Of The Moon
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