低温火傷系ギタリストTim Millerの2ndソロ
Musisian●Tim Miller(guitar)
Title●Sides(2002年)
■Guitar Nineより購入
アメリカ出身のジャズギタリストTim Miller(ティム・ミラー)による作品です。Tim Millerはいわゆるコンテンポラリー系ギタリストとして語られることが多いようですが、テクニカル系ギタリストAllan Holdsworthとの類似性から「Holdsworthy系ギタリスト」とも括られるようです。
さてタイトルにつけたようにTim Millerのプレイは、基本的にはコンテンポラリー系にカテゴライズされると思います。John AbercrombieやBill Frisellあたりが得意とする浮遊感あふれるプレイを正しく継承しつつ、Allan Holdsworth的な変態&奇天烈フレーズを受け継いでいる…とこう書いている時点でかなりの「変態系」ということが十分におわかりいただけると思います。ソロデビュー作「...With The Distance」(1997年)は自主制作盤でしたので、これがオフィシャルなデビュー作ということに。
というわけで、いざ聴いてみると期待に違わぬ「変態フレーズ」のオンパレード。決して熱くはならず、肉体的にも精神的にも非常なクールな状態で、とんでもないヘンテコリンなフレーズを連発する点で、本家Holdsworthとの共通項が多々感じられますが、フレーズ的には本家よりもかなりジャズ寄りです。かといって同じ範疇に属するBen Monderほど自己主張が強いわけでなく、気がついたら隣にいたという「ヌエ」的な魅力を放っています。あれ?気がついたらAllan Holdsworthつながりで鍵盤楽器にSteve Huntが参加しています。この人はこの手の作品にはやたらと参加していますね。
このTim Millerがジャズギターの将来を背負って立つかというとかなり疑問を感じますが、かなり気になる存在であることは確かです。
●Musisians
Tim Miller / guitar
James Driscoll / bass
Rob Avsharian / drums
George Garzone / sax
Steve Hunt / keyboards
●Numbers
1. Sides
2. Looking To You
3. Improvisation
4. Sharp
5. The Night
6. Spark
7. Rubric
8. Improvisation 2
9. Passageways
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