地味に地味に。Coryellのアコギ作品Standing Ovation
Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●Standing Ovation(1987年)
■Amazon Germanyより購入
1970年代のジャズロックシーンを牽引したギタリスト、Larry Coryell(ラリー・コリエル)による1987年の作品です。アルバムタイトルが示しているように、オベーションギター1本で作り上げた作品です。これまでも、一部ではアコースティックギターを使用することもあったCoryellですが、やはり彼の真骨頂はギンギンのエレキギターでグイグイ引っ張るプレイが身上ではないかと思っていました。そこにきてのアコギ1本のアルバムですから、やはりファンにとっては戸惑うのは無理もないかもしれません。
そんなわけで、一見かなり地味に映るこの作品ですが、オベーションギターから紡ぎ出される表情豊かなサウンドの数々は、一聴の価値があります。そういえば1980年代はCoryellをはじめとして多くのギタリストがこのオベーションを使っていて、一世を風靡していたような記憶があります。ギター小僧にとっては憧れの的でした。
時にロック調、時にスパニッシュ調、時にクラシカル調と、変幻自在、自由自在に弾き分けられたこの作品は、聴く者はもちろん、Coryell自身も存分に楽しみながらプレイしていることが十二分に伝わってきます。
わずか30数分という小粒な作品ですが、後の「ボレロ」などに代表されるアコースティック路線への導入的な意味をもつはずです。そのことはアルバムジャケットに書かれた「The Best LP I Ever Made」というコリエルによる自信の言葉で裏づけられているのではないでしょうか。
ところで、アナログ盤は比較的容易に入手できるのですが、CDはドイツのメーカーが細々と制作している模様です。したがって国内で探すよりも、海外サイトをチェックされてみては? 私はあっさりとAmazonドイツで発見しました。意外と安かったと思います。
●Musician
Larry Coryell / guitar
●Numbers
1. Discotexas
2. Excerpt
3. Ravel
4. Wonderful Wolfgang
5. Piano Improvisation
6. Sweet Shuffle
7. Moon
8. Park It Where You Want
9. Spiritual Dance
« ギターにBコナーズが参加のStanley Clarkeソロ | トップページ | 80年代型キンクリ第2弾「Beat」 »
「フュージョンギター」カテゴリの記事
- Cyril Achard / Confusion(1997年)(2016.08.28)
- 矢堀孝一 / Elevation(2001年)(2016.08.20)
- Larry Coryell / The Funky Waltz(1973年)(2016.08.14)
- Marco Sfogli / reMarcoble(2012年)(2016.07.18)
- Dewa Budjana / Hasta Karma(2015年)(2016.07.16)
« ギターにBコナーズが参加のStanley Clarkeソロ | トップページ | 80年代型キンクリ第2弾「Beat」 »
コメント