ギターにBコナーズが参加のStanley Clarkeソロ
Musician●Stanley Clarke(bass)
Title●Same(1974年)
■ディスクユニオンで購入
Return To Forever(RTF)の2代目ベース奏者Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)による2ndソロアルバムです(1stは「Children Forever」)。1974年発売ということでまだRTF在籍中ですが、ほんのちょっとしたアルバイト気分で録音したという感じではないと思います。というのも、参加メンバーがあまりに凄いからです。まずは説明不要のドラム奏者Tony Williams(トニー・ウィリアムス)、チェコ出身のJan Hammer(ヤン・ハマー)、そしてギターに第2期RTFの同僚、Bill Connors(ビル・コナーズ)という最強のメンバーです。さらにサウンドに厚みを持たせるためにストリングスとブラス軍団が加わります。NYのElectric Ladylandスタジオで録音されています。
第2期RTFももちろん素晴らしいのですが、やはり御大Chick Coreaの指導下に置かれていることには違いありません。そんな監視の目から解放されたStanley Clarkeは実に伸びやかな音を出しています。まるで課長が早退した午後の一時ですね。まず、1曲目の「Valcan Princess」からして秀逸の出来映え。RTFではあまりできなかったファンク色全開のClarkeをリードにメンバー全員が凄まじいプレイを炸裂させています。どうしてもRTFとの比較になりますが、サウンドがよりヘヴィーになっているのはブラスの導入とTony Williamsの加入の影響大であることは間違いありません。ギターのConnorsも課長の監視下から逃れて実に伸びやかなプレイを炸裂させています。Connorsはこの後にECMへ移籍しアコギ路線へと転向してしまいますので、エレクトリック時代の最後のプレイとなってしまいます。
親分の影響がありありと出ていた1stに比べると「Clarkeらしさ」が出ている作品だと思いますが、個人的な好みでいえば4曲目「Power」での見事過ぎる曲展開がベストです。ファンク色満開から、一転して未来派フュージョンへと転調するあたりはため息が出るほどの素晴らしさです。
ClarkeはJeff Beckとの共演作のほうが知名度が高いようですが、気合いの入り方といい、作品の出来としてはこちらのほうが数段上ではないかと勝手に思っています。
●Musicians
Stanley Clarke / bass,piano,vocals
Jan Hammer / moog synthesizer,piano,organ
Tony Williams / drums
Bill Connors / guuitars
●Numbers
1. Vaccan Princess
2. Yesterday Princess
3. Lopsy Lu
4. Power
5. Spanish Phases For String & Bass
6. Lifr Suite
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