Bill Connorsのアコギ第2弾
Musician●Bill Connors(guitars)
Title●Swimming with a Hole in My Body(1980年)
■ディスクユニオンで購入
かつてはReturn To Forever(RTF)の初代ギタリストとして名を馳せたBill Connors(ビル・コナーズ)はRTF脱退後に単身ヨーロッパに渡りECMへ移籍しました。1974年リリースの「Theme to the Gaurdian」ではRTF時代とは真逆のアコギ1本勝負に出て我々を驚かせてくれました。
Connorsはその後、「北欧のコルトレーン」Jan Garbarek(ヤン・ガルバレク)などとの共演で活躍し、また自身2作目のリーダーアルバム「水と感傷」では実に瑞々しいプレイを聴かせてくれました。3作目にあたるこの作品では、再びアコギ1本勝負を敢行しています。1979年8月、オスロでレコーディングされています。
1st「Theme to the Gaurdian」では北欧の原野を思わせるような何とも叙情的な作風でしたが、この作品もその延長線上にあるといえます。前作ではどことなくたどたどしく感じられた表現力も、格段に向上しています。たぶんに同じECMのギタリスト、ラルフ・タウナーを意識したかのようなプレイも随所に聴かれます。
ただ1stで感じられた「心の叫び」のような静かな熱情は、テクニックの向上に反比例して薄らいだような感じがしないわけでもありません。確かに綺麗に仕上がっているアルバムだと思いますが、何となく消化不良の感があります。そのせいだとは思いませんが、このアルバムを最後にビル・コナーズはECMと袂を分かち、行方不明になってしまいます。
しかし、数年後の1984年、トンでもないサプライズとともにConnorsは「復活」します。まさかの「Holdsworthy」として。そのあまりに鮮やかすぎる「変節ぶり」には驚きを通り越して感動さえ覚えましたが、「Holdsworthy路線3部作」を残して、三度Connorsは姿を消してしまいます。そして、まさかの「約20年のブランク」を経て、今度はオールドスタイルのジャズギタリストとして「再々復活」。まるでゾンビのような生命力と、気まぐれな作風には常に驚かせてくれます。さて、前回の復活劇から数年経ちましたが、Connorsはどんなスタイルで攻めてくるのでしょうか。
タイトルに「アコギ」としましたが、桃太郎侍(by高橋英樹)の「阿漕(あこぎ)の悪行三昧」ではありません。「アコースティック・ギター」の略称です。念のため。
●Musician
Bill Connors / guitar
●Numbers
1. Feet First
2. Wade
3. Sing and Swim
4. Frog Stroke
5. Surrender to the Water
6. Survive
7. With Strings Attached
8. Breath
« Holdsworthフォロワーの最右翼、Alex Machacekの新譜 | トップページ | イタリアのテクニカル系ギタリスト、William Stravato »
「ジャズギター」カテゴリの記事
- David Gilmore / Transitions(2017年)(2017.04.08)
- Kurt Rosenwinkel / Caipi(2017年)(2017.04.02)
- Wolfgang Muthspiel,Mick Goodrick / Live At The Jazz Standard(2010年)(2016.08.06)
- John Abercrombie / Within A Song(2012年)(2016.07.03)
- Albert Vila / The Unquiet Sky(2014年)(2016.06.25)
« Holdsworthフォロワーの最右翼、Alex Machacekの新譜 | トップページ | イタリアのテクニカル系ギタリスト、William Stravato »
コメント