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2010年7月19日 (月)

Aホールズワースの初期セッションアルバム「Belladonna」

Dscf2021






Musician●Ian Carr(trumpet,Flugellhorn)
Title●Belladonna(1972年)
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英国ジャズロックシーンを代表するトランペット奏者Ian Carr(イアン・カー)率いるニュー・クリアスによる1972年の作品です。よくよくクレジットを見たら、のちにやはりブリティッシュジャズロック界のスーパーグループ「Tempest」を結成するJon Hisemanがプロデュースを務めています。メンバーもスゴいですよ。Allan Holdsworth(guitar)、Roy Babbington(bass)、Gordon Beck(electric-piano)、Dave Macrae(piano)、Brian Smith(tenor & soprano sax)、Trevor Tomkins(percussions)という英国ジャズロック界のスターばかり。

ギター好きの私のお目当ては、当然ギターのAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)なわけですが、アルバムの完成度、ジャズロックとしての格好良さとしても、このアルバムは抜きん出ていると思います。たとえば、ダーティハリーや刑事コジャックなどの刑事もの映画のサウンドトラックにそのまま使えそうです。

Allan Holdsworthはこのアルバム制作に参加する前、地元のミュージシャンと一緒に結成した「イギンボトムズ」というアートロック志向のバンドに在籍していましたが、所詮はまだ無名の存在。そんな彼を発掘してきたIan CarrとJon Hisemanの慧眼ぶりには感心させられます。

Allan Holdsworthのギターソロが聴けるのは3曲目「Remadione」とラスト「Hector's House」の2曲。ほかの曲では「おとなしく」バッキングに徹しています。リズムカットを真面目にこなすHoldsworthというのも面白いかもしれません。「Remadione」ではややスローな展開からエフェクターを切り替えた瞬間から早弾きソロへチェンジする華麗なソロ回しが見事の一語。20代前半の若者が編み出したとは到底思えない、妙な色気さえ漂っています。アップテンポな「Hector's House」では最後になってやっと登場しますが、これがまた火が出るような凄まじいソロを聴かせてくれます。Holdsworthのギタープレイの凄さは「Tempest」への参加によって明らかになるわけですが、すでにこのアルバムでも、その片鱗を見せています。

のちのTempestやSoft Machineへとつながる重要な作品としても、ただ純粋に英国ジャズロックの名盤としてもお勧めしたい作品です。ご存じのようにベース奏者のRoy BabbingtonはのちにSoft Machineに加入しHoldsworthと共演していますし、鍵盤楽器のGordon Beckは映画「フレンチ・コネクション」のサントラを手がけたほか、Holdsworthと組んで数枚の作品を送り出しています。いわばこの作品は「若手ミュージシャンの虎の穴」的存在だったわけですね。

●Musicians
Ian Carr / trumpet,Flugellhorn
Allan Holdsworth / guitar
Roy Babbington / bass
Gordon Beck / electric-piano
Dave Macrae / piano
Brian Smith / tenor & soprano sax
Trevor Tomkins / percussions

●Numbers
1. Belladonna
2. Summer Rain
3. Remadione
4. Mayday
5. Supension
6. Hector's House
Dscf2022

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アラン・ホールズワース関連」カテゴリの記事

コメント

個人的には「最高作」と評価しています。
ホールズワースとマックラエのインタープレイに、
何度聴いても圧倒されています。

順さま

コメントありがとうございます。

この盤もCD化前はアナログ盤を必死に探したことが
懐かしいです。
英国ジャズロックを語る上では欠かせない名盤ですね。

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