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2010年6月13日 (日)

NY新感覚派ギタリストBen Monderの登場!

Dscf1815






Musician●Ben Monder (guitar)
Title●Dust(1997年)
■ディスクユニオンで購入

NYの先進的なジャズシーンでは超がいくつもつく売れっ子セッションギタリスト、Ben Monder(ベン・モンダー)のソロ第2弾です。1997年リリース。

この人、日本ではあまり知られていないようですが、新感覚派ジャズミュージシャンの登竜門とも言える「New Tarent」レーベルの主要作品には、ほとんど参加していることからわかるように、次代のジャズを語るうえでは欠かせない重要人物です。また、マーク・ジョンソン、リー・コニッツ、ポール・モチアンなどの大御所ミュージシャンからも出演オファーが相次ぎ、いまNYジャズシーンでは最も多忙な人のようです。

基本的にはJim Hallを祖とするシンプルなトーンをベースにして、John AbercrombieやBill Frisellなどのコンテンポラリー系ギタリストからの強い影響が感じられる独特の浮遊感・透明感を加えたプレイが身上です。その意味ではECMあたりの世界観にも通じるものを感じます。これだけだと、よくいるイマドキのギタリストですが、Ben Monderの最大の特徴は、「超高速アルペジオ」にあります。

したがって派手なソロ回しが売り物のギタリストとは違って一見印象が薄いのですが、まるで精密機械のように紡ぎ出される独特なアルペジオは、聴き込んでいくと次第に虜になっていく一種の麻薬的な魅力があります。変なトランス状態に陥る合法的なドラッグ感覚ですね。

プレイスタイルとしては「俺が俺が」的な我が強いタイプではなく、意外とさまざまなスタイルの楽曲にはまるので、そんな変幻自在の柔軟性がセッションギタリストとして重宝されるのだと思います。それでいて、一聴してすぐにBen Monderのプレイだとわかるのは、無個性のように見せかけて実は唯一無比の強烈な個性を放っているからです。目立たないけれど、気がついたら強い影響を放つので、まるで「ヌエ」みたいなプレイヤーですね。

ソロ2作目にあたるこのアルバムでも、いつもの高速アルペジオに加えて、珍しくソロも披露しています。このソロワークが結構暴力的でトンガッたフレーズだったりします。非常に鋭角的なソロはKing CrimsonのRobert Fripp卿を彷彿とさせます。これだけ実力があるギタリストが日本ではまるで無名なのが不思議でなりません。確かにギター好きの人の間では結構話題になってはいますが、では商業的に成功するかというと、やっぱり対極に位置するタイプだと言わざるを得ませんね。

●Musicians
Ben Monder / guitar
Ben Street / bass
Jim Black / drums,percussion

●Numbers
1. Sleep
2. Silent Neighbors
3. Third Eybrow
4. Dust
5. In Memoriam
6. I'll Remember April
7. Gemini
8. Late Green
Dscf1816

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フリージャズギター」カテゴリの記事

コメント

Ben Monderいいですよね~

とにかくいろんな音源をあつめていますがデビュー盤のFluxと、Paul Motian のGarden of Edenの2枚が私にとってのベスト作品です(^ ^)y

betta taroさま

コメントありがとうござます。

Ben Monderの最新作ですが、何と芸風が変わっていて驚きました。
詳しくは近日中にここでアップしますね。

新譜情報ありがとうございます。
早速ポチッと購入しました。

USAアマゾンで試聴しましたが、アヴァンギャルドを超えて、フリーの領域に入ってしまったみたいですね。

レビュー記事楽しみにしています。

ではでは~

CDが届きました。
今まではアヴァン寸前でこらえていましたが、フリーに突入してしまいましたね~

でも、繊細でナイーブな演奏スタイルは相変わらずで、音使い及び音色も素晴らしいです。
薄いベールの向こうで弾いている様なクリーン音も健在ですね。
フリーが苦手な私もこれなら十分楽しめます。

また、演奏音量が小さい様で、エレキの生音が聞こえますね。
サックスの生音とバランスするギター音量… おそらく実効上は20W~30W位で弾いているのだと思います。まるで、目の前で弾いてくれている様でライブ感があって好ましく感じました。

次回作は、今回の延長線上でフリーなのか、元々の路線に回帰するのか興味津々です。

良い盤の情報を教えていただいてありがとうございましたm(_ _)m

beta taroさま

コメントありがとうございます。
フリーに限りなく近いのですが、
なんだか妙に生っぽい感じですね。
聴くたびに違った印象を受ける作品です。
1曲目のギターの弦の生音が特に。

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