女ホールズワースという表現はダメでしょうか。Catherine Delgadillo
Musician●Catherine Delgadillo(guitar)
Title●Paradise Swamp (2007年)
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一部のホールズワースマニアで話題になっていましたが、ついに女性にもHoldsworthyが登場しました。Catherine Delgadillo(キャサリン・デルガディーロ)というアメリカ出身のギタリストです。満を持してのデビューアルバムのようです。
ジャケットを見ると、いまどき珍しい「紗(しゃ)」がかかったソフトフォーカスのポートレートで、中の写真を見ても写っているのは横顔ばかりで正直この人の正体がわかりません。素顔をどんどん晒していく風潮にあって真逆の露出方法ですが、素顔を出したくないのか、出したくない素顔なのか、それとも巧妙な戦略なのかはわかりません。また、ベース奏者として同じファミリーネームの人がクレジットされていますが、「such a great husband/father/musician/magician」などと謎めいたコメントしか書かれていないので、本人との続柄も不明です。兄か従兄弟か、まさか祖父ということはないと思いますが。
さて、肝心のサウンドのほうは「Holdsworty」的な弾きまくりを期待すると結構裏切られます。確かにトーンやフレーズ回しからは御大ホールズワースの影響を感じますが、同じフォロワーでもNico StufanoやAlex Machacek、Richard Hallebeekなどのような強烈な印象は感じさせません。うっすらとしたHoldsworthyというイメージでしょうか。
それでも変拍子を多用したり、クラシカルな要素を取り入れているあたりは、高いセンスを感じますし、諸先輩方の良き伝統を正当に受け継いでいるなという印象です。メロディアスな曲も個人的には好みです。
あえて苦言を呈しますと、曲テンポが速くなるとややもたれ気味になるという点。これはバックのリズム隊によるところも大きいと思います。さらに苦言を呈すると、ぜひ素顔を全開にしてほしいという点。Mジャクソンのバックを務める女性やJベックのお気に入りタル・ウィルケンフェルド、露出過剰気味の安達久美さんのように実力に加えて美貌までをも手に入れた人もいますが、やはり外見よりは実力が優先される世界です。恥ずかしがっていないで、次作ではガツンとお披露目を期待しています。
●Musicians
Catherine Delgadillo / guitars,keyboards
Kevin Delgadillo / drums
Bill Hare / bass
Mark Hokenson / bass
Mac Hine / bass
●Numbers
1. Paradise Swamp
2. Turning Point
3. Drifted Away Pt1
4. Drifted Away Pt2
5. Catch Me
6. Bad Hair Day
7. Against The Grain
8. Through The Window
9. Abother Level
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