これは買い!Bobby PreviteとMarc Ducretのデュオ
Musicians●Bobby Previte(ds,key,p)& Marc Ducret(g)
Title●In the Grass(1996年)
■ディスクユニオンで購入
フランス出身のフリージャズ系ギター奏者Marc Ducret(マルク・デュクレ) とアメリカ出身のニューエイジ系ドラム奏者Bobby Previte(ボビー・プリヴァイト)によるデュオアルバムです。ボビーさんはビル・フリゼールなどとの競作で知られていますね。
フリージャズ畑のデュオアルバムと聞くと、好きな人にとってはたまらなく素敵な音源となりますが、あまり馴染みがない人やフリーやアヴァンギャルドと聞いて先入観をもってしまう人にとっては「敷居の高い」作品かもしれません。ましてや命の次に大切なお金を払って購入することは、かなりの冒険であることは間違いありません。そうです、「一見さまお断り」的で排他的なイメージが強いのです。聴き方にも独自の作法があって、うっかりと禁じ手を使うとジロリと睨まれるような予感がします。
しかし、先入観で作品を判断するのはあまり良いこととは思えません。デュオアルバムということで退屈で、冗漫なのではという先入観は1曲目から吹っ飛んでしまいました。ライナーを見るとMarc Ducret は普通のエレキギターに加えて、フレットレスギター、バリトンフレットレスギターなどを使い分けて、多彩な音を出しています。対するBobby Previteもドラム、ピアノ、キーボードなどを巧みに使い分け、聴く者を退屈させることのない、非常にバラエティーに富んだ音の世界を作り出しています。ですから、最初の心配は完全に杞憂に終わったのです。
少し時代は異なりますが、聴き込んでいくとマイルス・デイビスの「In Concert」を聴いたときのような妙な高揚感、トランス感覚を味わうことができます。定型的なフォーマットに収まらないフリーならではの魅力です。
というわけで、確かに体力的に弱っている時にはキツいのですが、体力・気力的に充実している人には、ぜひチャレンジしていただきたいアルバムです。
ちなみにこの2人はライブ盤「My Man in Sydney」(1997年)や「Dangerous Rip」(1998年)でも共演しています。ボビーさん主宰の「Latin For Travelers」名義での作品です。こちらもお勧めですから興味がある方はぜひどうぞ。
●Musicians
Bobby Previte / drums,keyboard,piano
Marc Ducret / guitar
●Numbers
1. Fifty Is a Hundred, a Hundred Is a Thousand...
2. 7 Familles
3. Handy
4. Very Handy
5. Tight Lipstick
6. Du Du
7. Walking in the Dust
8. Very Handy Indeed
9....And the Rest Are What They Are
10.Qui Parle?
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