LコリエルのブルースフィーリングあふれるライブFairyland
Musician●Larry Coryell (guitar)
Title●Fairyland(1971年)
■Amazon UKより購入
ジョン・マクラフリンと並ぶジャズロック界の大御所、Larry Coryell(ラリー・コリエル)の初期ライブ音源です。1971年7月18日、スイス・モントルージャズフェスティバルに出演したときの熱演が収められています。コリエル関係の作品は実はまだCD化されていないものが多く、この作品もその1枚。ここにきてやっと「復刻」されました。以前ご紹介した「At The Village Gate」は1971年1月の録音ですから、かなり精力的なライブ活動を行っていたことになります。
前作はMervin Bronson(bass)とHarry Wilkinson(drums)というトリオ構成でしたが、ベースとドラムがそっくりと入れ替わっています。その影響からでしょうか。かなりブルース色が濃い仕上がりに。
1曲目「Souls Dirge」で聴かれるブルージーなギタープレイと、意外にも(?)味わい深いボーカルが何と言っても出色の出来ばえで、いつ聴いても飽きません。それを淡々と支えるChucl RaineyとPretty Purdieのリズム隊も抜群の仕事ぶりを聴かせてくれます。淡々
と、割と的確にプレイしています。
ただ時折荒れ狂うフィードバックやノイジーなギミックを聴くと、ジャズギターの革命児としての側面を感じさせてくれます。特にラストの「Beyond These Chilling Winds」での圧倒的パフォーマンスは、若いギターファンにもぜひ聴いてほしい歴史的な名演です。といいつつも、同年代のマクラフリンのほうがギタリストとしての引き出しが遙かに多く、適応力としては数段上だと思います。
実際、コリエルは決めフレーズが少ないので「困った時のワウワウ頼み」に走るケースは、「At The Village Gate」からあまり変化が見られません。そんなギタープレイヤーなのですが、欠点を補ってあまりあるブルースフィーリングと作曲能力は群を抜いています。コリエルの場合、80年代に入ってややパワーダウンの感も否めないので、よけいに70年代初期の輝きには再注目したいと思います。
ところでCD化にあたってイタリアのメーカーが手がけましたが、例によって仕事が遅いうえにプレス数が少なかったようです。滅多に見かけることがない貴重盤なので、発見し次第、即、ゲットをお勧めします。海外のサイトならあっさりと見つかることもあるようです。
●Musicians
Larry Coryell(guitar,vocal)
Chuck Rainey(bass)
Pretty Purdie(drums)
●Numbers
1. Souls Dirge
2. Eskadalemuir
3. Stones
4. Further Explorations for Albert Stinson
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