坂本冬美にインスパイアされてキンクリの1stを買い直す
Musician●King Crimson
Title●In The Court Of Crimson King(1969年)
■Amazonより購入
以前の記事で、坂本冬美が歌って話題沸騰中の「また君に恋している」とKing Crimson(キング・クリムゾン)の「Moon Child」とが酷似していることを書きました。気になって調べてみたらたくさんの人が同様の指摘をされていました。当たり前ですね。なかには「坂本冬美がプログレに進出!」と題して、You Tubeの映像から詳細にわたって分析されている人も。脱帽です。そういえばその坂本冬美と曲の原作者のビリー・バンバンが近くNHKで共演するという情報が。坂本冬美ファンはもちろん要チェックですが、プログレファンにとっても見逃せませんね。
さて坂本冬美から刺激を受けた形でパクリ元「In The Court Of Crimson King」をチェックしてみたら、昨年末にリミックス&リマスター音源とアウトテイクを収めた編集盤がリリースされていることに気がつきました。再発売されたのは豪華ボックスセット、オーディオDVD付き、そして今回ご紹介する2009年リミックス音源と2004年リマスター音源がセットになった2CDの3種類です。1万円近くもする豪華ボックスセットはさすがに手が出ませんし、オーディオDVD付きは再生環境に問題があるので、この2CDセットへと自然に落ち着きました。
そもそもこの「In The Court Of Crimson King」のリミックス&リマスター音源が存在することすら知りませんでした。一粒で二度美味しく、しかもアウトテイクが収録されているのなら買わないわけにはいきません。Amazonに出店しているイギリスの業者で郵送料込みで1620円とは破格の安さです。発注したら約10日間で届きました。
さて、2009年ステレオリミックス(CD1)と2004年オリジナルリマスター(CD2)の違いですが、正直いってよくわかりませんでした。もちろん手持ちの旧バージョンよりは格段に良くなっていることは明らかです。いままで気がつかなかった音まで聴こえてきます。凄いなぁ。しかし冷静に考えてみると、そもそもiPod風情で5000円程度のイヤーフォンで聴き比べてそれぞれの違いを判別するのは無理があるのかもしれません。できればそれなりの再生環境で大音量で聴かないとわからないのではないでしょうか。あえて薄ぼんやりとした感想を申し上げますと、2009年リミックスはやや金属的で耳に突き刺さる印象を受け、一方、2004年リマスターは全体的に円やかで音と音とのバランスが好ましく感じました。個人的な好みで大きく変わると思いますが、2009年リミックスはやや作り込まれた感が強く、一方の2004年リマスターは自然な感じの音作りではないでしょうか。刺激的な音が好きな若者なら2009年のほうが好きかもしれません。ただ、アナログ原盤により近いのは2004年バージョンだと思われます。ちなみにリミックスとリマスターの使い分けもよくわからなかったりしますが、マスター音源からいじるのがリマスターで、リミックスはそれを細部調整するということでしたっけ?
お楽しみのアウトテイクですが、まあ「おまけ程度」と考えたほうがいいでしょう。どうやら倉庫に眠っていたアウトテイク音源が40年近く経って「発見」されたそうですが、要は「未完成」「未加工」なので過大な期待を寄せるのもどうかと思います。それにしてもビートルズのリマスター盤ボックスセットといい、キンクリのリマスター盤といい、中年オヤジの財布をしっかりとターゲットにした商法には正直ゲンナリとしますが、それでもやっぱり気になってしまうのは悲しい性だと言わざるを得ません。すみません。
●Musicians
Robert Fripp / guitars
Ian McDonald / reeds,woodwind,vibes,keyboards,mellotron,vocals
Greg Lake / bass,lead vocal
Michael Giles / drums,percussion,vocals
Peter Sinfield / word,illumination
●Numbers
Disc: 1(2009 Stereo Mix)
1. 21st Century Schizoid Man
2. I Talk to the Wind
3. Epitaph
4. Moonchild
5. The Court of the Crimson King
6. Moonchild 2009 Mix (Full Version - Bonus Track)
7. I Talk to the Wind (Alternate Duo Version - Bonus Track)
8. I Talk to the Wind (Alternate Mix - Bonus Track)
9. Epitaph (Bonus Backing Track)
10. Wind Session (Bonus Track From Album Session Recordings)
Disc: 2 (Original Master Edition 2004)
1. 21st Century Schizoid Man
2. I Talk to the Wind
3. Epitaph
4. Moonchild
5. The Court of the Crimson King
6. 21st Century Schizoid Man (instrumental)
7. 21st Century Schizoid Man (BBC Peel session)
8. I Talk to the Wind (BBC Peel session)
9. The Court of the Crimson King (single a side)
10. The Court of the Crimson King (single b side)
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コメント
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Moon Childとまた君に恋しているは本当に似てますね。
リミックスは各音声トラックのバランスや音色や定位をやり直す事です。
それによっては前に入ってた音がなくなったり、差し替えられたりという事もあるみたいです。
曲の一部を使って別の曲のようになってるのもリミックスで洋楽のシングルによく入ってましたね。
かなり定義としては曖昧なようです。
リマスターはマスター音源を音圧をあげたり、イコライジングしてるので基本的にはオリジナルと同じ内容になります。
投稿: choptopsbbq | 2010年5月 4日 (火) 12時42分
choptopsbbqさま
コメント&情報、ありがとうございます。そうですね、そういえばバブルの頃は「ディスコRemix」とか「ユーロRemix」とかふざけた作品も出回ってましたね。YESのアルバムがRemixバージョンで出回ったことを思い出しました。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年5月 4日 (火) 15時06分