TRIBAL TECH / SPEARS(1985年)
Musician●Scott Henderson(guitar)
Title●Spears(1985年)
■ディスクユニオンで購入
いまをトキメク超絶ギタリストScott Henderson(スコット・ヘンダーソン)率いる「Tribal Tech」が1985年に発表したアルバムです。知る人ぞ知るというかいまは倒産してしまったPassportレーベルからリリースされています。
参加メンバーは、お馴染み超絶ベーシスト Gary Willisをはじめ、Pat Coil(キーボード)、Steve Houghton(ドラム)、Brad Dutz(パーカッション)、Bob Sheppard(サックス、フルート)という構成で、いまのTribal Techとは構成が異なります。スコヘン自身はチック・コリアとの共演などで徐々に頭角を現わしつつある時期でしたが、ほかのメンバーはまだ無名に近い存在。デビュー作ということもあって、全体に大変みずみずしいプレイが聴くことができます。ここでのスコヘンはいまのようなブルース中心の弾きまくりのプレイではなく、当時やたら流行っていていた「未来派ハードフュージョン」という趣。バンド全体の調和を重視しながら、決めるべき箇所は決めるという感じです。特に2曲目の「Punkin Head」では、得意の絶妙なトレモロを決めながら、目にも止まらない超絶技巧を披露しています。
いま改めて聴き直してみると、いまのスコヘンの暴れぶりからは想像できないくらい地味で控えめなプレイに徹しているので、やや拍子抜けするかもしれません。初期の作品では続く「Dr.Hee」や「Nomad」あたりで本領を発揮という感じでしょうか。いずれにしろこの作品を含めた初期3部作は彼の音楽的な成長を探るうえで欠かせないアイテムであることは間違いないところです。しかし、稀代のハイテクギタリストによる記念すべきデビューアルバムが、全世界的に品薄というのは非常に残念です。どこか良心的なメーカーが版権を買い取って復刻してくれないでしょうか。
そういえばCDではなく、いまでは過去の遺物となりつつある「カセットテープ」でも流通していました。
●Musicians
Scott Henderson / giutar
Gary Willis / bass
Pat Coil / keyboard
Steve Houghton / drums
Brad Dutz / per.
Bob Sheppard / sax
●Numbers
1. Caribbean
2. Punkin Head
3. Ivy Towers
4. Tribal
5. Spears
6. Island City Shuttle
7. Big Fun
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また新譜が底をついたので、過去盤聴きに行きます。流れとしてはトライバル・テックの [続きを読む]
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はじめまして。
こちらへのコメント、TBどうもありがとうございます。
当方からも以前TBさせていただいたこともありましたし、当方のブログから実はECMのLPしかないものなど、リンクをさせていただいております。
今、トライバル・テックのまとめ聴きをしておりまして、1作ごとの進化がけっこう興味深いです。自分はベース(フレットレスも含めて)少しですが弾く関係上、ゲイリー・ウィリスにやや重心を置いた聴き方をしているかもしれません。あの細かい速いフレーズでノリのいいファンクを弾きまくるベース、たまらないものがあります。1作目でも、グループの導入部としては、なかなか素晴らしいと思いました。
投稿: 910 | 2015年9月14日 (月) 21時43分
910さん
コメントありがとうございます。
ECMでLPしかないものと言えば、John Abercrombie関係ですね。
スコヘンは最新作があまりに素晴らしかったので、過去に戻って
聴き直しているところです。ついでに、過去記事を少しずつ修正している次第です。
ゲイリー・ウィリスはBrett Garsedなどロック色が強いギタリストと組んでも抜群のプレイをしますね。非常に守備範囲が広いプレイヤーだと思います。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2015年9月14日 (月) 22時25分