地味だけど味わい深いアバクロのデュオアルバム
Musician●John Abercrombie(guitar)
Title●Upon A Time(1982年)
■ディスクユニオンで購入
ECMを代表する知性派ギタリスト、John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)がドラム奏者George Marshと組んだギターとドラムという珍しい組み合わせのデュオアルバム。アバクロの作品の多くはほとんどがECMからリリースされていますが、この作品は珍しくNew Albion Recordsという他レーベルから。
このアルバムはそもそも「Drum Strum」というタイトルでアナログ盤でのみリリースされていましたが、後半6曲にMel Gravesというベース奏者とGeorge Marshのセッション音源を追加してCD化されました。今回はオリジナルの「Drum Strum」を中心にレポートします。
ギターとドラムのデュオといっても、実際はギター、エレキマンドリン、ピアノをアバクロ先生が担当、オーバーダブすることで作品に厚みと奥行きを与えています。ECMでの比較的きっちりとまとまった様式美とはテイストが違う、散文的でアバクロ先生の心情面がより濃厚に反映されたプレイが聴かれます。一言でいって顔に似合わず(?)大変メルヘンチックで、乙女の心情にも似た珠玉の小品という感じでしょうか。特に「Upon A Time」「Demi-Saison」でのあまりに美しいソロは、うっかりすると泣きそうになってしまいます。
レコーディングは欧州ではなくカリフォルニアで行われたようですが、いい意味でも悪い意味でも「ECMの呪縛」から解放された彼のプレイも捨てがたい魅力があります。
●Musicians
John Abercrombie / guitar,electric-mandolin,piano
George Marsh / drums,thumb piano
Mel Graves / bass
●Numbers
1. My Scottish Heart
2. Muchacha Dorada
3. Upon A Time
4. In The Woods
5. Demi-Saison
6. Baby Lucille
7. Vincent
8. Count
9. Chuck Man Rivers
10.Camel Walk
11.Olay It Again
12.Moonfire
13.Gypsy Wand Song
14.McNabb The Crabb
15.Chelsea Bridge
16.Lullaby Of The Leaves
下の写真2枚は「Drum Strum」アナログ盤です
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