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2010年4月26日 (月)

ECMの名作の数々を彩ったジャケットデザイン集

Dscf1915






Title●Sleeves of Desire(1996年)
■ディスクユニオンで購入

1960年代後半にドイツで産声をあげた「ECMレーベル」。基本的にはコンテンポラリー系ジャズのレーベルですが、ジャズという狭い枠組みにとどまらず、さまざまな民族音楽やロック、クラシックなどとジャズとの融合を積極的にはかり、独自の音楽観を作り上げてきました。いわば「音楽上の異種格闘技」のパイオニア的な存在です。70年代中盤に巻き起こった「クロスオーバー」「フュージョン」ブームも、ECMの存在なしでは語れないはずです。ちなみにECMはEdition of Contemporary Musicの略称です。

このECMからキース・ジャレット、ヤン・ガルバレク、ジョン・アバークロンビー、パット・メセニー、ビル・フリゼールなどのスターミュージシャンが巣立っていきました。また、誰も知らないような無名ミュージシャンをスカウトしてきて、いきなりメジャーデビューさせるという「先見性」のうえでも傑出していると思います。また、90年代は「癒し系音楽」、つまりヒーリングミュージックの旗手として脚光を浴びた時期もありました。

ECMは独自の音楽観とともに、それぞれのアルバムジャケットの美しさにも定評があります。「ジャケットも作品のの一部である」という考え方は、おそらくビートルズが初めて世の中に提唱したのではないかと個人的には思っていますが、ECMではその考え方がすべての作品に徹底されています。店頭でジャケットを眺めているうちに音のほうも間違いなく素晴らしいだろうと思い込み音も聴かないで買ってしまうことを「ジャケット買い」(通称・ジャケ買い)といいますが、ECMに至ってはその作品のほとんどが「ジャケ買い」の対象になってしまうと思います。事実、私も何度かジャケ買いを敢行して、素敵な作品に巡り会うことができました。

1996年にスイスの出版社から突如発行された本書は、そのECMのジャケットをてんこ盛りにして掲載したものです。興味深いところがただジャケットを掲載するだけでなく、デザイン上のパーツや加工前の原画までも紹介している点です。いわゆるひとつのメーキングですね。さらにうれしいことに、ECMの総帥マンフレッド・アイヒャー氏と仲違いのうえに喧嘩別れしてしまったリッチー・バイラークの諸作品も掲載されています。音楽性とジャケットとは別物だという判断でしょうか。

ECMをこよなく愛する人にとっては本書のジャケットデザインを愛でながら湧き出るサウンドを脳内で反芻してもよし、単純に美しいデザインデザインに酔いしれるのもよし、デザインに興味がある人はメーキングを見ながら研究素材にしてもよし。私は仕事の関係上、グラフィックデザイン的な視点で眺めています。確か発行当時は日本円で7000円くらいしましたが、絶版になったいまは驚くほどのプレミアがついています。なかには10万円で売り出している中古品業者もあるほど。当時でも決して安い買い物ではありませんでしたが、あの時無理して買ってよかったといまになって思います。もちろん売値が高騰しているからといって、手放すつもりは毛頭ありませんよ。

本書を現時点で入手するのは確かに困難ですが、本書の続編的な写真集が現在出回っています。この続編も日本円で6000円前後とやはり安いとはいえませんが、間違いなくそのうちに絶版になってしまうことでしょう。入手できるうちに買い求めたほうが良さそうです。夏のボーナスが無事に出たら買おうかなと計画中です。

キース・ジャレット「ケルン・コンサート」も載っていますDscf1910

廃盤扱いのジャケットも掲載されているのがうれしいところです
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