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2010年4月27日 (火)

これからはネット配信へ移行?Bruce Bartlettの新作

Dscf1921






Musician●Bruce Bartlett(guitar)
Title●Live Standards(2002年)
■オフィシャルHPより購入

ボストンを中心に活躍するジャズ&ブルース系ギタリストBruce Bartlett(ブルース・バートレット)がライブ盤ばかり3作を一挙にリリースしました。驚くことに今回は3作とも、すべてネット配信になっていてリアルなCDはリリースしないようです。したがってネットからファイルをダウンロードし、さらに圧縮ファイルを解凍してAACファイルに変換する作業が必要になりました。支払いはPay Pal経由のみなのでPay Palアカウントを作る必要があります(クレジット決済)。ちなみに13米ドルでした。

内容は2002年のライブ音源でジャズスタンダードのカバーですが、相変わらずBruce Bartlettのソロが冴えわたっていてギター好きの人間にはたまりません。ただ、音質はあまり良好とはいえず、また一部に明らかにオリジナル音源が原因と思われる「音飛び」があります。デジタル音源に「音飛び」はもちろんありませんが、ほかに適当な表現がみつかりません。そんな問題もあってリアルCDとしてリリースできないと思われます。

最近では紙媒体に頼らない電子書籍が話題になっていて、ほどなく日本語の書籍がデジタル化されていくことになると思われます。それによって従来の「紙の書籍」も衰退するのではという予測もされています。しかし、音楽配信の場合は書籍のような「言語の壁」が一切ないので、リアルCDの市場は書籍以上の速さで縮小傾向に向かうことは確実です。特にニッチな市場を狙うマイナー系ミュージシャンは、売れないCDの在庫を抱えるリスクがないネット配信のほうが今後は主流になるでしょう。

しかし、問題点もいくつか考えられます。たとえばリアルCDに付き物のスリーブにはミュージシャン情報やレコーディングデータなどが詳細に記載されていますが、ネット配信に移行するとその点が疎かになってしまう危険性があるということです。「音だけ聴ければいいじゃん」という向きもありますが、いつ、どこで、誰が参加し、どんな楽器を弾き、どんな状況で録音されたかという情報はやはり欠かすことができません。事実、この作品も2002年のライブ音源ということはわかりますが、肝心の場所が記載されていません。

ついでにいえば、ライナーノーツと呼ばれるいわゆる解説文も、ネットに移行するとないがしろにされてしまう可能性も考えられます。そうなると、ミュージシャン本人の人となりや作品、楽曲の詳細な解説はもちろん、そのミュージシャンが影響を受けた人、逆に影響を与えた人などの人的な広がり、その作品を巡る当時の音楽や社会状況などの周辺情報を知る機会が減ってしまう危険性もあります。つまりライナー文を読んで、ほかのアルバムやミュージシャンも聴いてみたり、当時の時代を振り返ってみたりする楽しみが減ってしまうのではないでしょうか。

音楽のネット配信への流れはますます主流になることは間違いありませんが、単に音源だけを発信するのでなく、最低でもミュージシャン本人やアルバムの基本データも同時配信することは配信元の義務ではないかと思います。そうした付加情報を生み出して、いかにリスナー(消費者)の心をつかむかが生き残りの鍵ではないかと思います。

ついでにいえば、圧縮ファイルを配信する時は解凍方法も記載したほうが親切ですね。せっかくダウンロードしたのにファイルを解凍できずに途方に暮れてしまう「解凍難民」が今後多く発生する予感がします。事実、私も迷いました。

興味のあるかたはこちらへ。

●Musicians.
Bruce Bartlett / guitars
Marty Ballou / bass
Marty Richards / drums

●Numbers
1. All the Things You Are
2. Impressions
3. Have You Met Miss Jones
4. Turnaround
5. Blue Monk

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