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2010年4月 1日 (木)

Amazonnのレビューランキングが2つの表示形式に

6年くらい前から細々とAmazonに「商品レビュー」を書き込んでいます。ついこの間、自分の投稿数を見たら1500を超えていました。我ながらよく書いたものです。

この商品レビュー(Review)をご存じでない方のために簡単に説明しますと、Amazonが扱っている商品に対してアカウントをもっているカスタマー(利用者)が商品に対する「批評」を投稿できるシステムのことです。週刊誌などに載っている「書評」のようなものととらえていただけたらわかりやすいかもしれません。週刊誌の書評はそれなりの評論家なり、編集者なりの「プロ」が書きますが、このAmazonレビューはアカウントさえ取得すれば誰でも投稿可能なので、私のような「素人」でも気軽に参加することができます。

ところが、物事に対して何かを「批評」するという文化は、わが日本ではあまり根づいていないようです。自分の立場を明らかにして、主張するということに不慣れのような気がします。これは学校教育の中でそのようなプログラムが用意されていないこともありますが、そのような教育が社会的に必要とされてこなかったことも大きいのでは。互いに主張を戦わせるディベートが日本で根づかないことと似ているような気がします。何事もすべてを「よしな」におさめるのが、日本的な美学なのです。

話がどんどん横にそれていきそうです。Amazonのレビューシステムが本日(4月1日)から変わりました。Amazonでは投稿レビューに対して「参考になった」「参考にならなかった」と投票させることで、ある基準をもって投稿者をランキングしています。しかし、そのランキングの根拠が不明瞭で、「賛成票」が多ければいいのか、投稿数が多ければいいのか、全体の投稿数に対する「賛成票獲得率」が高ければいいのか、いずれにしてもランキングの根拠が明示されていません。だいたい人様を勝手にランク付けしながら、その根拠を示さないのは失礼にもほどがあります。そんなAmazonの非常識さを攻めたてることは簡単ですが、それでも成立してしまうのはレビューに対する意識が成熟していないからなのでしょう。同じことを欧米でしたら、クレームの嵐でしょう。

そんな声がAmazonに届いたかはわかりませんが、とにもかくにも新システムです。今日から「従来型ランキング」に追加する形で「新しいレビュアーランキング」というものが表示されるようになりました。この「新しいレビュアーランキング」がどんなものかというと、

---------------------------------------------------------------------------
(Amazonの説明を抜粋)
●「参考になった」の投票がランキングにより影響を与えるようになりました。ほかのお客さまの参考にならないレビューをたくさん投票しても、ランキングは上がりません。

●投票された日付が新しいほど、ランキングに影響するようになりました。これにより、最近のお客さまでもベストレビューのランキングに入りやすくなりました。

●お客さまの投票がより正確にランキングに反映されるように変更を加えました。適切に投票された場合だけ、ランキングに反映されます。

●ほかのお客さまのために参考になるレビューの投稿をお待ちしております。
---------------------------------------------------------------------------

ということです。

また、今回の変更点としてベストレビュアーのランキングは1日1回更新されるとのこと。新しく投稿されたレビューと「参考になった」の投票をもとにランキングが変更されるとのことです。

では「従来型ランキング」はいったいなんだったのかということになりますが、想像するに今回の「改善」のポイントは、

■「参考になった票」が多くついたレビューを優先的にランキングに反映するということは、より売れ筋の商品が注目されるということ。多くの投稿と賛成票を獲得した商品は結果としてマジョリティーによる「お墨付き」を得ることになる。

■「参考になった票」があまりつかない商品がランキングに反映されないということは、逆に考えれば市場での注目度も低いということに。マイナーな商品ということですね。ここで得られたデータを運用すればAmazonが商品ラインアップを決めるときの、在庫管理データとして利用する可能性も考えられる。要は投稿数も投票数も少ないマイナー商品は在庫整理されることも。

■「参考になった票」「参考にならなかった票」を意図的に組織投票することによって自分や他人のランキングをいたずらに操作することを防止できる。

■新規投稿をランキングに優先的に反映することで、積極的な投稿を促すことができる。投稿するためには商品を購入する必要があるわけで、販売促進に結びつく。また、レビュー数をたくさん確保することで、その蓄積コンテンツを商品化することも将来的に考えられる。また、過去に投稿したままで放置している「幽霊レビュアー」を整理することができるので、レビューとしての信頼度も上がる。

という感じになるのではないでしょうか。

しかし、といっても従来型ランキングを一足飛びに廃止すると反動が怖いので、新型と従来型との同居というソフトランディングに落ち着いたのではないでしょうか。

私のとらえ方はそれこそ「下衆の勘ぐり」とAmazonに一蹴されると思いますが、なぜにお金をかけてシステムを変えるのかという視点で考えてみました。それに前出のAmazonの説明は自己矛盾が何点かあります。いちいち指摘するのも疲れるのでやめますが。

しかし、Amazonの説明では、一番肝心の「ランキングの根拠」を示したことにはなりません。つまり、数的な根拠がまったく明示されていないのです。たとえは極端ですが、大学受験の模擬テストを受けて偏差値が出てきたときに、その算出方法を示さないまま「あんたの偏差値はこうだから、志望大学合格は無理だよ」と言い放つようなものです。単純に投稿数に対する「賛成票」「否定票」の比率でランキングすれば済む話だと思うのですが、そんなに単純に事が進まないのが「大人の世界」なのでしょう。たぶん本当のことを公表すると、困る大人がたくさん出てくるのでしょう。でもそんな曖昧なことがまかり通るから、日本では批評文化が醸成されていかないのです。

私はというと従来型ですと120位前後をウロウロとしていましたが、新しいランキングだと何と50台にジャンプアップ。赤丸急上昇というやつです。優良レビュアーへの仲間入りです。しかし、最近はAmazonレビューよりも、こちらを優先しているので新規投稿も滞り気味です。したがってほどなくランキングも下降するでしょう。

私を含めて日本人はランキングが大好きなようです。深夜のTV番組はランキングものばかりです。その心理を巧みについているAmazonですが、曖昧な基準のままで押し通すのはいかがなものでしょうね。

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