2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« 日本のプログレの最高峰「Mr.Sirius」 | トップページ | フリーキーな世界、Marc Ducret「Qui Parle?」 »

2010年4月13日 (火)

70年代ジャズロックの傑作「One of a Kind」

052






Musician●Bruford
Title●One Of A Kind(1979年)
■ディスクユニオンで購入

イギリスを代表するプログレバンドKing CrimsonやYESに在籍したドラム奏者Bill Bruford主宰「Bruford」のセカンドです。前作「Fells Good To Me」(1977年)からいったんUKを挟んで再度メンバーが集結したのがこのアルバム。しかし、紅一点のAnnette Peacockが今回は不参加なので、「男祭り状態」での制作なりました。メンバーはDave Stewart(キーボード)、Allan Holdsworth(ギター)、Jeff Berlin(ベース)ですが、前作で妖艶な魅力を振りまいていたアネット・ピーコックは今回は不参加で野郎4人だけの集団になりました。

基本的には前作の流れを汲んでいますが、実験的な要素が強かった前作に対して、よりまとまった印象を受けます。また、よりジャズ色が濃厚になり、各プレイヤーの技量に頼る場面がより多くなった感があります。

1曲目「Hell's Bells」は華々しいオープニングから、一転してフリーフォームに移行した途端にホールズワースのウネウネギターが縦横無尽に暴れまくります。そういえば、のちにEヴァン・ヘイレンとホールズワースがステージ共演したときエディがこの曲のイントロをギターで弾いていました。2曲目「One of a Kind,Pt.1」と「One of a Kind,Pt.2」は荘厳なイメージのキーボードから始まる曲ですが、これもPart2では完全なフリーフォームになり、各人が思う存分にテクニックの限りを尽くしています。

5曲目の「Fainting in Coils」は若干不安感を煽るプログレっぽいイントロですが、次第にホールズワースとバーリンによる凄まじい応酬が始まります。浮遊感あふれるギターと動きまくるベースとの絡みがとてもスリリングです。

6曲目(アナログだとB面1曲目)「Five G」は何といってもバーリンの超絶チョッパーが最大の聴きどころ。いまでこそチョッパーは珍しくも何ともありませんが、70年代ではスタンリー・クラークと並び賞されるほどの名演だと個人的には思います。目まぐるしく変わる曲調と変拍子の嵐はこのグループが一番得意とするところです。

ラストの「The Sahara Of Snow」はやはりメドレー形式の壮大な曲。タイトル通りの雄大な流れと衝撃的なエンディングと、聴きどころは満載です。好んでライブでも演奏されていましたね。クリムゾンやYES時代には露にも見せなかったブラフォードの傑出した作曲能力と、個性派プレイヤーを牛耳りながら使いこなす力量には改めて感服します。

作品としては派手で色気があった「Feels Good To Me」と比較してしまうと、比較的地味な印象を受けるのは確かです。でも、楽器をたしなむ人にとっては、各パートの超絶技巧に触れて悶絶しまくることは受けあいです。輸入盤扱いになりますが、ボーナストラック付き(ただしギタリストは、ホールズワースの後釜「Unknownジョン・クラーク」)のリマスター盤も発売されていますので、興味のある人はそちらもお勧めです。

●Musicians
Bill Bruford / drums
Allan Holdsworth / guitar
Jeff Berlin / bass
Dave Stewart / keyboard

●Numbers
1.Hell's Bells
2.One of a Kind,Pt.1
3.One of a Kind,Pt.2
4.Travels with Myself - And Someone Else
5.Fainting in Coils
6.Five G
7.Abingdon Chasp
8.Forever Until Sunday
9.Sahara of Snow, Pt. 1
10.Sahara of Snow, Pt. 2
11.Manacles [*] ボーナストラック
053

« 日本のプログレの最高峰「Mr.Sirius」 | トップページ | フリーキーな世界、Marc Ducret「Qui Parle?」 »

アラン・ホールズワース関連」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 70年代ジャズロックの傑作「One of a Kind」:

« 日本のプログレの最高峰「Mr.Sirius」 | トップページ | フリーキーな世界、Marc Ducret「Qui Parle?」 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
無料ブログはココログ