TRIBAL TECH / DR.HEE(1987年)
Musician●Scott Henderson(guitar)
Title●Dr.Hee(1987年)
■ディスクユニオンで購入
いまをトキメくScott Henderson(スコット・ヘンダーソン)率いる初期「Tribal Tech」による1987年の作品です。「Spears」(1985年)につづくセカンドということになります。いまでこそブルースフィーリングあふれるプレイが中心になりつつあるスコヘンですが、ここで聴かれるプレイはまさに若さにまかせた豪快なプレイの連発で、スペイシーなフレーズが右に左に飛び交っています。特に1曲目のアルバムタイトル曲での超がつくウルトラプレイには、ただため息が出るばかりです。
この作品の時点では「Tribal Tech」としてのフォーマットはまだ定まっていなく(固定メンバーとなるのは4作目の「Ilictt」からです)、参加メンバーは超絶ベース奏者Gary Willisのほか、Pat Coil(キーボード)、Bob Sheppard(サックス)、Steve Houghton(ドラム)、Brad Dutz(パーカッション)という多人数の構成。そしてクレジットにはスペシャル・サンクスとして、なぜかアラン・ホールズワースの名前が見られます。実際、何をもってサンクスなのかは不明ですが、おそらく機材か何かを提供したのではないでしょうか。確かにスコヘン自身はホールズワースの強い影響を受けていることは確かです。
リリースは知る人ぞ知る「Passport」レーベルから。ご存知の通り、スコヘン初期のアルバムは全世界的に品薄で、この作品も大変入手困難です。たまにオークションなどで出品されていますが、1万円近くの値でトレードされているようです。どこか善意にあふれたレコード会社が版権を買い取って再リリースしてくれないでしょうか。それだけの価値は十分ある作品だと思うのですが。
そういえばこのアルバムと前作「Spears」に鍵盤楽器奏者として参加しているPat Coilのアルバムにスコヘンが参加していますね。こちらでも素晴らしいギタープレイを聴くことができます。
●Musicians
Scott Henderson / guitar
Gary Willis / bass
Pat Coil / keyboard
Bob Sheppard / sax
Steve Houghton / drums
Brad Dutz / perc.
Will Boulware / keyboard
●Numbers
1.Dr.Hee
2.Outskirts
3.Mango Prom
4.Solemn
5.Salsa Lastra
6.Twilight In Northridge
7.Seek And Find
8.The Rain
9.Ominous
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スコヘンがザヴィヌル・シンジケートに関わっているあたりの時期(あるいはその後参加?)の録音かと思われますが、なんだか影響が少し出てきたようなサウンド(気のせい?)かもしれません。誰か止めてくれ、ってくらいいい演奏をしますね。
それぞれの演奏はもちろん、グループとしてまとまりが強くなり、複雑になってきたように感じます。ウィル・ブールウェアって、ジャズのピアノ・トリオのアルバムを、確か持っていたような...。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年9月15日 (火) 21時47分
910さん
連日のコメントありがとうございます。
ザヴィヌル・シンジケートとの関連性というと、重なっているかいないかという意味で、微妙ですね。ただ、影響は間違いなく受けていますよね。
1stと比べると長足の進歩が感じられる好盤だけに、復刻を切に望みます。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2015年9月15日 (火) 22時07分