1974年と1984年のモントルー映像(Mahavishnu Orchestra)
Musician●Mahavishnu Orchestra
Title●Live At Montreux(1974年&1984年)
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いまなおジャズロック界の頂点に君臨する名ギタリスト、John Mclaughlin(ジョン・マクラフリン)率いるMahavishnu Orchestraによるライブ映像です。1974年、1984年とスイスで毎夏開催される「Montreux Jazz Festival」に出演したときの映像作品です。
1984年のメンバーはBill Evans(sax)、Marsha Westbrook(sax)、Mitchell Foreman(key)、Jonas Hellborg(bass)、Danny Gottlieb(drums)という構成。一方、その10年前のメンバーはMichael Walden(drums)、フランスの奇才Jean-Luc Ponty(violin)、チック・コリアの奥さんGayle Moran(key)をはじめとした総勢11名というまさに文字通りのオーケストラ構成。
1984年の映像はおそらく海賊盤を含めても初めての映像ではないでしょうか。オープニング「Radio-Activity」での凄まじいギターソロでまず驚かされます。極端に言ってしまえば、この1曲のためにこのDVDを購入しても十分なお釣りがくるのではないでしょうか。個人的にはのちにShawn Laneと名コンビを組むことになるJonas Hellborgの若い姿が大変印象的でした。
1974年の映像は「第2期Mahavishnu Orchestra」のもの。アルバム「火の鳥」をリリース後、第1期Mahavishnuはメンバーの逃亡という形で終焉を迎えますが、急遽新メンバーを迎えて再出発した直後の映像だと思われます。本音を言えば現状では海賊盤でしか見ることができない第1期のほうが魅力的なんですけどね。
いよいよインド思想に傾倒していったマクラフリンですが、その没頭ぶりがステージにも如実に表れています。ギターはもちろんギブソン・ダブルネック。6弦と12弦とを巧みに使い分けています。個人的にはMichael Waldenのトランス状態に陥ったかのような鬼気迫るドラミングが印象的。また、Gayle Moranの神秘的な姿も新鮮です。Jean-Luc Pontyの動く姿も珍しいのではないでしょうか。このDisc2には約50分の映像のほかに、マクラフリン自身がリマスターしたというオーディオトラックも収録されています。本音でいえば音声ではなくて映像も見たかったですね。
とはいえDVD2枚で収録時間は約220分間。濃密でしかも資料的価値としても貴重な作品です。私は廉価な輸入盤を購入しましたが、コストパフォーマンスとしても抜群だと思います。それにしても、モントルー物は新旧問わず内容が優れていますし、旧作がいきなりリリースされたりするので侮れません。
●Musicians
John Mclaughlin /guitar
Bill Evans / sax
Marsha Westbrook / sax
Mitchell Foreman / key
Jonas Hellborg / bass
Danny Gottlieb / drums
Michael Walden / drums
Jean-Luc Ponty / violin
Gayle Moran / key
●Numbers
Disc 1
1. Radio-Activity
2. Nostalgia
3. East Side,West Side
4. Clarendon Hills
5. Medley:Blues for L.W. / It's The Pits / Living on the Crest of a Wave / Jozy
Disc 2
1. Wings of Karma
2. Hymn to Him
3. Power of Love ※
4. Smile of the Beyond ※
5. Vision Is a Naked Sword ※
6. Sanctuary ※
7. Hymn to Him
8. Power of Love
9. Vision Is a Naked Sword
10.Sanctuary
※はAudio Disc
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