1970年代ジャズロックの傑作「Feels Good to Me」
Musician●Bruford
Title●Feels Good to Me(1977年)
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King CrimsonやYESで活躍したスーパードラマー、Bill Bruford(ビル・ブラフォード)がクリムゾン脱退後、UKに参加する前の1977年にレコーディングした作品です。ブラフォード個人名義としては初めての作品であり、個人的のは最高傑作ではと思っています。メンバーはDave Stewart(keyboard)、Allan Holdsworth(guitar)、Jeff Berlin(bass)、そして特別参加としてゲイリー・ピーコックの元奥さんAnnette Peacock(vocal)という布陣。
1曲目「Beelzebub」はいきなり変拍子を駆使した超絶技巧がフルパワーで展開し、ド肝を抜かれます。ブラフォードを支える若きホールズワースとバーリンのプレイにもただ驚かされるばかり。ホールズワースはトニー・ウイリアムスのライフタイムあたりで完成したウネウネフレーズをこれでもか!と連発しています。ブラフォードの直線的な奏法はこういう変拍子を多用する曲にピッタリですね。
「Back To The Biginning」では妖艶な魅力を振りまくアネット・ピーコックが登場です。アンニュイなボーカルとホールズワースとの絡みも息を飲むほどの美しさです。
3曲目「Seems Like A Lifetime Ago」は一見牧歌的なPart1からプログレッシヴなアプローチのPart2への移行が何とも素晴らしく、ブラフォードの確かな作曲能力がここでも発揮されています。ちなみにPart1ではECMを代表するフリューゲルホルンの名手ケニー・ホイーラーが特別参加しています。豊潤な魅力をふりまき、作品の完成度をより高めるのに貢献しています。
この作品での最大のクライマックスは、何と言っても9曲目「Springtime In Siberia」からラストの「Adios A La Pasada(Goodbye To The Past)」に至るまでの見事すぎる展開でしょう。静から動、そしてクライマックスへの移行が何ともドラマティックで、かつ美しいメロディーによって彩られています。特にラストではピーコックとホールズワースが作り出す艶めかしいソロが交差し、得も言われぬ桃源郷の世界へと導いてくれます。途中聴かせるバーリンの超絶ベースにもため息が出ます。
●Musicians
Bill Bruford / drums
Allan Holdsworth / guitar
Jeff Berlin / bass
Dave Stewart / keyboard
●Numbers
1. Beelzebub
2. Back to the Beginning
3. Seems Like a Lifetime Ago, Pt.1
4. Seems Like a Lifetime Ago, Pt.2
5. Sample and Hold
6. Feels Good to Me
7. Either End of August
8. If You Can't Stand the Heat...
9. Springtine in Siberia
10.Adios a la Pasada [Goodbye to the Past]
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