低体温系テクニカル系ギタリストTim Millerの自主制作盤(?)
Musician●Tim Miller(guitar)
Title●...With The Distance(1997年)
■メーカーサイトより購入
名門バークリー音楽院でギター講師を務めるテクニカル系ギタリスト、Tim Miller(ティム・ミラー)によるおそらく初ソロアルバムです。ティム・ミラーはいわゆるアラン・ホールズワースのフォロワー「Holdsworthian」「Holdsworthy」の系譜を踏んでいますが、どちらかと言えばジャズ寄りでほかのフォロワーとは一線を画しているように思えます。同じフォロワーであるNico Stufanoをさらにジャズに近づけたというスタンスでしょうか。
ティム・ミラーの特徴は繊細なアルペジオとワントーンによる息の長いソロ。そして摩訶不思議な変態フレーズにあると思います。かといって本家ホールズワースのように我を忘れたかのような「弾き倒し状態」「弾きまくり状態」というわけではなく、適度にツボを押さえたというか、押さえすぎたプレイが特徴的。したがって耳に入ってくるプレイはいたって地味。地味すぎて下手をすると聴き逃してしまいそうです。浮遊感を重視するあたりはビル・フリゼールの影響も感じさせます。
といいつつ、何となく聴き続けているとなぜか気になる存在です。私は個人的にそういうギタリストを「低体温系」「低温火傷系」と呼んでいます。初期のウォルフガング・ムースピールやベン・モンダーあたりもそんな感じですね。以前ですとTim Miller自身のサイトで購入できましたが、最近ではこのアルバムの存在すら無視されているのが残念です。もしかしたら自主制作だったのでしょうか。
ちなみに「ADMレコード」というところからリリースされています。しかし、トリオという構成にこだわっている点と曲名のほとんどが単語という点は、いまと変わりません。
●Musicians
Tim Miller / guitar,guitar synth
James Driscoll / bass,key
Rob Avsharian / drums,key
●Numbers
1.Blues
2.Tristich
3.Heinder
4.Slate
5.Words
6.Vehicle
7.Cloaked
8.Darker
9.Stream
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