ホールズワース先生が認めた奇才Steve Toppingの2nd
Musician●Steve Topping(guitar)
Title●Late Flower(2004年)
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元イエスのベース奏者クリス・スクワイアや元キング・クリムゾンのデヴィド・クロスなどとの共演で地味に知られている、Steve Topping(スティーブ・トッピング)のソロ第2弾です。出るぞ、出るぞ、と言われて久しかったのですが、満を持して2004年に発売されました。
CDの英文スリーブを読むと、テクニカル系ギタリストの大物Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が賛辞の言葉を寄せているように、彼のプレイはとにかく誰にも真似ができない完全オリジナルのサウンドです。たとえてみると、アラン・ホールズワースから連なる変態フレーズをベースに、ベン・モンダーやビル・フリゼールあたりの独特の浮遊感をブレンドしたという感じでしょうか。デビュー作の「Time And Distance」ではマハヴィシュヌ・オーケストラ時代のジョン・マクラフリンにインスパイアされたと思われる結構激しく、暴力的なプレイを聴かせてくれましたが、本作では一転して内省的で静かな楽曲が目立ちます。
とはいっても、決して凡庸になってしまったわけではなくフレーズの端々には尋常ならない変態性が見え隠れします。それにしても2曲目の「Lost Song」ではイントロからいきなりウネウネしまくりますが、全体としてはあまりにも美しいサウンドに仕上がるから不思議です。「動」のデビュー作に対して、こちらは「静」の部分を見せてくれ、たくさんの引き出しをもった多面性をもつミュージシャンだと思います。3作目ではどんな摩訶不思議な世界を聴かせてくれるか、いまから楽しみです。と書いてみたものの、このアルバムがリリースされてからはや6年。いつになったら新作が出るのでしょうね。
ファーストのほかには、アラン・ホールズワース・バンドでもおなじみのゲイリー・ハズバンドとのセッションアルバム「What It Is」もお勧めですが、こちらは結構ロックタッチで激しいプレイが聴かれます。おっと、こちらのドラム奏者もゲイリー・ハズバンドですね。初めて気がつきました。
●Musicians
Steve Topping / guitar
Jimmy Johnson / bass
Gary Husband / drum
●Numbers
1. Woody Chimer
2. Lost Song
3. Aigburth
4. Game of Lite
5. Strolling Boy
6. Jo
7. On My Hill/Late Flower
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コメント
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あぁ~
この音源持ってます。
どちらかというとユルい感じの楽曲が多いですね。
1stは持っていないので動的な側面を知らないのが残念です(- -;
是非漁って聴いてみたいです。
ちなみに、最近、日本人のトリオでTRI-Offensive(09年)というのを見つけました。日本人ばなれした菰口雄矢(g) 小森啓資(d) 岡田治郎(b)によるプログレッシヴ・ジャズ・ロック?です。
全員が上手いのですが、特に最も若手の菰口雄矢(g)はホールズワースのフレーズも弾けるスコヘンという感じで素晴らしいです!
Greg Howe-Victor Wooten-Dennis Chambers名義のExtractionの様なイメージの作品です。
完全に技量はワールドクラスのユニットです(^ ^)y
投稿: betta taro | 2010年3月 9日 (火) 22時53分
物欲にまけて「Time And Distance」をゲットしてしまいました(^ ^;
これはかっこいいですね~ 2作目とは違う印象です。
フレージングにも個性があり、パワーが溢れていて楽しめます。
貴重な情報ありがとうございましたm(_ _)m
投稿: betta taro | 2010年3月10日 (水) 08時14分
betta taroさま
>物欲にまけて「Time And Distance」をゲットしてしまいました(^ ^;
負けてしまいましたかぁ。
2ndとはまるで違いますよね。
そこらあたりがこの人の面白いところです。
「What It Is」という自主制作盤はかなりのロックタッチです。
TRI-Offensiveというグループは初耳です。情報ありがとうございます。Greg Howe似ならかなりのツボです(笑)
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年3月10日 (水) 11時17分