ロックスターを撮り続けたJim Marshallが死去
アナログ時代、音もさることながら、ジャケットデザインは重要な意味をもっていました。ジャケットも作品の一部といっても過言ではないと個人的には思います。特にいまほど動く映像が乏しい時代では、音を聴きながらジャケットを凝視してかぎりなく妄想を広げた経験は誰しもが記憶にあるのではないでしょうか。
多くのミュージシャンを撮影し、数多くの作品がジャケットを飾ってきた写真家Jim Marshall(ジム・マーシャル)が2010年3月24日、亡くなりました。享年74歳。死因は不明だそうです。写真なしのベタ記事ですが一般紙にも死亡記事が掲載されていましたので、ご覧になった方もいるかと思います。
Jim Marshallが注目を集めはじめたのは、60年代中盤、ビートルズのラストコンサートに帯同した頃だと思われます。従来のアーティスト写真というと、真正面から撮影したオフィシャルな雰囲気のものが多かったのですが、Jim Marshallはあえてリハーサル風景やオフショットなどを好んで撮影し、「素のミュージシャン」を表現しようと試みました。それが「スターの素顔を見てみたい」というファンの願いと見事に一致して、絶大の支持を集めました。スターが飾り気のない素顔をさらせるのも、Jim Marshallとの強い信頼関係があったからなのでしょう。
結果として、ビートルズをはじめとしてジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ザ・フー、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、エリック・クラプトンなどのロック畑から、マイルズ・デイヴィス、ジョン・コルトレーンなどのジャズ畑、そしてジョニー・キャッシュなどと幅広いジャンルのミュージシャンがファインダーの中で素顔をさらしてきました。
私が所有するJim Marshallの作品は、ジミ・ヘンドリックスのライブ盤「In The West」と「Collection」です(下写真)。「In The West」はおそらく伝説のコンサートと言われた1967年のモンタレー・ポップフェスティバルの時のものと思われます。同フェスティバルではジミヘンがギターにライターオイルをかけて炎上させるという前代未聞のパフォーマンスをしましたが、その瞬間を収めた写真もJim Marshallによるものです。
Jim Marshallの写真集で代表作といえるのが「Proof」 。機会があれば入手したいと思います。また、写真だけなら彼自身のオフィシャルサイト でも閲覧することができます。
数々のミュージシャンとともに一時代を築いた素晴らしい写真家の功績を讃えるとともに、ご冥福をお祈りいたします。
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