エレクトリックBコナーズ第3弾
Musician●Bill Connors(guitar)
Title●Assembler(1987年)
■ディスクユニオンで購入
元RTFで、ECM移籍後はアコギ路線、そしていきなり「Holdsworthy路線」という特異な経歴をもつギタリスト、Bill Connors(ビル・コナーズ)による1987年の作品です。「Holdsworthy路線」としては3作目。1987年6月にNYでレコーディングされています。
前々作「Step It」ではホールズワース系一色だったプレイも、次作「Double Up」ではやや自分色を押し出しはじめ、この作品ではやっと自分が思うようにプレイしているように聴こえます。前作から自らプロデュースを務め始めたことも大きな要素です。そういえばジャケットに写るギターも換わっています。
では、どこが具体的に変わったのかというと、ホールズワースの呪縛(?)からやっと解放されて自分らしさをより強く押し出せるようになったという点。「Holdsworthy」の特徴であるキーボード&ホーンライクなギターというよりも、よりギターらしいプレイに変わっています。また、ジャズ的な要素が強まり、同時にECM時代に培った叙情性が加わったことで、良質なフュージョンアルバムに仕上がっています。したがってギターはよりシンプルになり、極力ギミック的な要素を排することで、自分の思いを6本の弦に伝えているかのようです。
ビル・コナーズはこのアルバムの発表後、再度、表舞台から姿を消してしまいます。いったいどこに消えてしまったのだろうと心配させてから約18年。今度は「Return」という純粋なジャズアルバムをリリースして「復活」します。まさに文字通りの「Return」ですね。この「Assembler」に収録されている「It Be FM」をまったく違ったアレンジで、再演しています。互いを聴き比べて18年という歳月の重みを噛みしめてみるのも悪い話ではありません。
●Musicians
Bill Connors / guitar
Kim Plainfield / drums
Tom Kennedy / bass
●Numbers
1.Crunchy
2.Sea Coy
3.Get It To Go
4.Assembler
5.Add Eleven
6.Tell It To The Boss
7.It Be FM
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コメント
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Step it と Double Upは持っていたのですが…
こちらの記事を拝見し、物欲に負けてAssemblerと、Returnをゲットしてしまいました。
Returnにて、ホールズワース系の音がすっかりジャズよりに確かになっており、びっくりしました。
ビル・コナーズは路線のブレの大きい奏者なのだと実感しました。
投稿: betta taro | 2010年3月27日 (土) 22時18分
betta taroさま
何度もお金を使わせて申しわけありません。
「Return」は18年ぶりの作品ということで大いに興味をもって購入したのですが、ある意味、ものすごい裏切り方ですね。
もっとも彼は休むたびに裏切ってきているので、いまさら驚いたりはしませんが(笑)。次作がいつ出るのかも含めて待っていたいと思います。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年3月28日 (日) 20時34分