エレクトリックBコナーズの第2弾「Double Up」
Musician●Bill Connors(guitar)
Title●Double Up(1986年)
■ディスクユニオンで購入
1980年代半ばになって突如として「Holdsworthy」となって復活したアメリカ出身のギタリスト、Bill Connors(ビル・コナース)の作品です。前作「Step It」 でECM時代での内省的なアコギ路線から急激にエレクトリック化しただけも驚きでしたが、聴こえてくるフレーズが当時「IOU」や「Road Games」でギターファンの熱い視線を集めていたAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)のそれとそっくりだった点です。トーン、フレーズはもちろん、曲もそういえばかなり本家を意識して作られたことは明らかでした。
1986年にリリースされたこの「Double Up」も基本的には前作と同じ路線ではありますが、Holdsworthy一辺倒だった前作よりは比較的「コナーズ色」を前面に押し出してきているように思えます。これは前作がSteve Khanがプロデューサーとして参加していたのに対して、今回はKhan抜きで制作されている点も大きいように思えます。メンバーはKim Plainfield(dr)とTom Kennedy(bass)というトリオ構成。デイヴ・ウェックルは抜けてしまったのですね。1994年にCD化されています。
さて元々は第2期Return To Forever(RTF)の初代ギタリストを務めただけにジャズ畑でもどちらかというとロック寄りのコナーズだけに、聴こえてくるフレーズは本家よりも直線的でわかりやすいのですが、この作品では前作よりもシンプルで聴きやすくなったように感じます。でもたとえば3曲目「Floor To Floor」などは本家を凌駕するほどの息の長いソロは、やはり「Holdsworthy」そのものですね。たぶん曲の90%は休みなしのソロ弾きまくり状態です。とはいえ、本家ほど唯我独尊に行きすぎないあたりが、RTFやECMで身につけた彼なりの処世術なのかもしれません。
そんなわけで、良質なフュージョンギターアルバムに仕上がっていますので、未聴の方はぜひ!
●Musicians
Bill Connors / guitar
Kim Plainfield / drum
Tom Kennedy / bass
●Numbers
1.Subtracks
2.Tud
3.Floor To Floor
4.Crunchy Cuts Up
5.Long Distance
6.Out By Twelve
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コメント
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「Swimming With a Hole In My Body」でしっとりと弾いてたと思ったら、大化けして「Step It」や「Double Up」をリリースしその見事?な転身ぶりには驚かされました。
予め知らなければ、Swimming~とStep itを、同一人物が弾いているとは思わないでしょうねぇ~ (^ ^;
「Holdsworthy」転身ギタリストの代表格ですね。
Jonathan Kreisbergや滝野聡さんの様に脱「Holdsworthy」組のギタリストもいて、Holdsworth周辺は興味深いですね!
投稿: betta taro | 2010年3月16日 (火) 19時01分
私もラジオで「Step Up」を初めて聴いたときはホールズワースの新譜だと勘違いしました(笑)
一種のブームでしたね。「Double Up」は少しだけコナースの色が出ているように感じました。
コナーズのECM時代の音源を聴き直してみようと思っているところです。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年3月17日 (水) 23時38分