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2010年3月10日 (水)

Aホールズワースの初録音'IGGINBOTTOM

130






Musician●'Igginbottom
Title●'Igginbottom Wrench(1969年)
■ディスクユニオンで購入

イギリスを代表するテクニカル系ギタリスト、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)がプロとしてスタートを切ったのが1969年。ヨークシャー州ブラフォードの若者が組んだバンド「'Igginbottom」(イギンボトム)のギタリストとしてデビューを飾っています。1969年というとビートルズがすでに実質的に解散状態で、King Crimsonが「クリムゾンキングの宮殿」でデビューを飾ろうかという時期です。そんななか「デッカ」から地味にデビューを果たした彼らですが、サウンドも実に地味。ロックなのか、ジャズなのかつかみどころのない不思議なサウンドは、まさにいまのホールズワースにも通じるものがあります。当時はこういう音楽を十把一絡げに「アートロック」と称していましたね。

詳しいクレジットがないのでよくわからないのですが、4人編成のうち、ホールズワース以外にスティーヴ・ロビンソンというギタリストがいるというツインリード態勢。左チャンネルがホールズワースで、右がロビンソンです。また、曲によってはホールズワースがボーカルを担当していますが、これがけっこう哀愁を帯びた味わい深い感じです。肝心のギターですが、すでにホールズワース節の基本型が完成の域に達していることの驚きます。アームこそ使用していないものの(ホールズワースがアームを駆使し始めるのは、テンペスト加入後に同僚のオリー・ハルゾールから手ほどきを受けたことになっています)、滑らかなフィンガリング、複雑なコードヴォイシングなどは、いまのそれとほとんど変わりありません。当時、ホールズワースは年齢的に20代前半ですが、ギターを本格的に始めたのが17歳ですからわずかキャリア数年のうちに、このような超絶技巧を身につけたことになります。

6曲目「Golden Lakes」はのちにアルバム「IOU」のオープニングを飾る「The Things You See」の元曲ですが、そういえば1979年にゴードン・ベックとの共演作でも披露していますね。5曲目「California Dreaming」はいうまでもなくママス&パパスの大ヒット曲。しかし、主メロディーは尊重しながら、大胆にアレンジされているので、原曲がもつ爽やかさなどはまるで感じられません。

どうしてもホールズワース中心の聴き方になってしまうのですが、実はもう一人のギタリスト、スティーヴ・ロビンソンも侮れません。タイプとしてはホールズワースに似ているのですが、ややロック寄りのフレーズを聴かせてくれます。グループ解散後、ロビンソンの行く末は不明ですが、そのまま活躍していたらけっこうビッグな存在になったのではないでしょうか。

冒頭で触れたように、とにかく「地味」な印象しかないアルバムですが、じっくり聴き直してみるとかなり「深い」プレイが随所に聴かれます。ホールズワースの原点を探るうえでも、当時のブリティッシュロックの状況を知る意味でも、重要な作品と言えるのではないでしょうか。

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar,vocal
Dave Freeman / drums
Mik Skelly / bass
Steven Robinson / guitar,vocal

●Numbers
1.The Castle ※
2.Out Of Confusion ※
3.The Witch ※
4.Sweet Dry Biscuits ※
5.Carifornia Dreaming
6.Golden Lakes ※
7.Not So Sweet Dreams ※
8.Is She Just A Dream ※
9.Blind Girl
10.The Donkey

※ホールズワースによるもの
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コメント

この音源はホールズワースの足跡をたどった際にゲットしました。

キンクリがチャートでアビーロードを超える以前のプログレ黎明期?独特の雰囲気を感じます。
ナイスとかアトミック・ルースターズ等と通じるエアー感と申しましょうか…

70年を過ぎるとキンクリ、イエス、ELPというブリティッシュ・プログレ御三家やUK等がいっせいに開花するプログレ黄金期に突入する訳ですね~ 
何故この時期にイギリスでプログレムーブメントが盛り上がったのかトリガーが良く分かりませんが…(? ?)

betta taroさま

コメントありがとうございます。

久しぶりにこの音源を聴き直しましたが、聴けば聴くほど不思議な作品ですね。ただ以前よりはこの良さががわかるようになったのは年齢のせいでしょうか。

このデッカ再発売はほかのミュージシャンも出たようですが、いまとなってはどんな面子かはわかりませね。

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