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2010年3月14日 (日)

MAHAVISHNU ORCHESTRA / THE INNER MOUNTING FLAME(1971年)

084






Musician●Mahavishnu Orchestra with John Mclaughlin 
Title●The Inner Mounting Flame(1971年)
■ディスクユニオンで購入

ラリー・コリエルのことを書いたので、やっぱりもう一人の大御所John Mclaughlin(ジョン・マクラフリン)のことにも触れないわけにはいきません。マイルス・デイヴィス楽団への参加で一躍有名になった彼は、その後トニー・ウィリアムスのライフタイムへ加入し、ますますその名がしられるようになります。この時期のマクラフリンといえば「インドへの傾倒」で知られていますが、そもそも60年代後半からインドに興味をもっていたようで1970年には「マイ・ゴールズ・ビヨンド」というインド臭が充満する作品を残しています。どうやらこの時期にインド人思想家スリ・チンモイ師の門下生になったようで、ライフタイムで渡米中にヒッピー文化やドラッグの影響を受けたことも手伝って、マハヴィシュヌ・オーケストラ結成の青写真を描いていたようです。

そんな経緯を受けて満を持して結成された「Mahavishnu  Orchestra」ですが、「マハ=偉大な創作者」「ヴィシュヌ=インド古来から伝承されるヴィシュヌ神」という意味があります。メンバーはハンガリー出身の鍵盤楽器奏者Jan Hammer、Jerry Goodman(violin)、Rick Laird(bass)、そして千手観音ドラム奏者Billy Cobhamという当時としては超一流の強者ばかり。そして完成したのが邦題では「内に秘めた炎」とされたこの作品です。では、きっとインド哲学に根ざした内省的な音楽なのかと思いきや、ふたを開けてみたらそこには徹頭徹尾ハードさを極めた「ハードコアフュージョン」。マクラフリン自身がこのようなハードな音を求めたのかは定かではありませんが、この最強メンバーを考えれば必然ともいえる帰結だったのかもしれません。

まずは1曲目「Meeting Of The Spirit」のギターにはぶっ飛びます。当時としては人類の限界に近いとも思われる早弾きは、いま冷静になって聴き直しても、やっぱり凄い!ロック系のリッチー・ブラックモアやジェフ・ベックも一応は「早弾きギタリスト」とされていましたが、同時期での比較では頭2つくらいは確実に抜き出ています。やはり、マイルス楽団でもまれた経験が生きているのでしょう。実際、ジェフ・ベックは同じイギリス出身ということもあって、マクラフリンの対してコンプレックスを抱いていたそうで、打倒マクラフリンを胸に秘めてギター修行に邁進したそうです。その結果、「Blow By Blow」「Wired」という傑作が生まれたのですから、当時のマクラフリンがほかのギタリストに与えた影響ははかりしれません。

ところで、初期のCDはあまり音質がよくなかったのですが、97年にリマスターされたものを買い直してみました。いやいや、いままで聴こえていなかった音までが、耳に飛び込んできて驚きました。リマスター盤はあまり効果がないケースもあるので実はあまり触手が伸びないのですが、これは大正解でした。

●Musicians
John Mclaughlin /guitar
Jan Hammer / piano
Jerry Goodman / violin
Rick Laird / bass
Billy Cobham / drum

●Numbers
1.Meeting Of The Spirit
2.Dawn
3.The Noonward Race
4.A Lotus On Irish Streams
5.Vital Transformation
6.The Dance Of Maya
7.You Know You Know
8.Awakening
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ジャズロック」カテゴリの記事

コメント

確かにトラック1のエンディング近くとかトラック8の後半とかのオルタネートピッキングは、反復フレーズながら凄まじいスピードで弾ききっていますね。

コリエルは何故か苦手な私ですが、マクラフリンは大変レスペクトしております。

ゴリゴリにハードな作品から、繊細なエバンス曲集まで非常に幅広く活動していても、何故かスジが一本通っている感じがし、なおかつ、紳士然とした態度も好感度大です。

同じ様に幅広い活動をしているコリエルの場合は、なぜか節操がない感じがするのは私だけ…

ちなみに、チック・コリア(無節操?)とハービー・ハンコック(スジが通っている?)にも相通じたものを感じている今日この頃でした(^ ^;

Betta taroさま

さっき思い出したのですが10数年前にブルーノート東京までマクラフリンを聴きに行きました。HOT路線の頃ですが目の前であのプレイを聴かされると、あとは盲目的にファンになってしまいます。

マイルス時代は「ジャックジョンソン」もいいのですが、実は「Live Evil」でのプレイが好きだったりします。

追記です。

コリエルは「ボレロ」以降、興味が失せてしまいました(笑)。確かに節操ないですよね。息子を猫可愛がりするのも、どうだかなと思っています。

生マクラフリン見られたのですか羨ましいです!
4th dimensionで来日とかしてくれるとよいのですが…

コリエルはスムースジャズにまで手を出してますよね。
ジュリアン・コリエルは確かにある程度は上手いとは思いますが… 同感です。

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