偽物でもここまで徹すると偉い!The Bruford Tapes
Musicians●Bruford(dr)
Title●The Bruford Tapes(1979年)
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ビル・ブラフォード率いる「Bruford」による通算3枚目のアルバムです。1979年7月12日、カナダのFM曲の公開録音の模様を収録したもので、「Bruford」名義のアルバムとしては唯一のライブ音源になります。発売当初はカナダと日本のみの限定リリースであった関係で、海外のマニア間ではプレミアつきでトレードされていたそうです。
ご存知の通り、前2作で超絶技巧を披露したギターのAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)はお約束通りに脱退してしまい、代わりに新人で無名のギタリスト「Unknown John Clark」が加入しています。Dave Stewart(キーボード)とJeff Berlin(ベース)は継続参加しています。
「Unknown John Clark」がホールズワースの代役を十分に勤め上げることができるか、という点のみに興味が集まってしまうという、ある意味では大変不幸な作品ですが、意外にも(?)大過なくJohn Clarkはプレイしています。前任者・ホールズワースの独特のヴォイシングやフレーズなどを驚くばかりの研究心で、すっかりコピーしている点に驚かされます。でも、「だからどうしたのよ」という批評から逃れられないという意味で大変不幸なのです。
しかしながら、やはりそれは代役の悲しさ。まさにこの作品に参加したのみで、文字通り「Unknown」で終わってしまったJohn Clarkのその後はどうなってしまったのでしょうか。それこそ「誰も知らない」という意味で、大変不幸なギタリストといえるでしょう。音質もけっして良いとは言えません。ただJohn Clarkの旺盛な研究心には大いに賞賛の声を贈りたいと思います。
そういえば、数年前にBrufordの初期2作品がリマスターされ再発売されましたが、ボーナストラックと称して、この「The Bruford Tapes」の音源が収録されていました。何ともあざとい商法ですが、John Clarkにとっては思いがけない「復活」となったわけで、その意味では世の中捨てたものではありませんね。
●Musicians
Bill Bruford / drums
Unknown John Clark / guitar
Dave Stewart / key
Jeff Berlin / bass
●Nunbers
1. Hell's Bells
2. Sample and Hold
3. Fainting in Coils
4. Travels with Myself - And Someone Else
5. Beelzebub
6. Sahara of Snow, Pt. 1
7. Sahara of Snow, Pt. 2
8. One of a Kind, Pt. 2
9. 9.5g
左上がUnknown John Clarkです
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