奇天烈なジャズロックTerry Plumeri
Musician●Terry Plumeri(Bass)
Title●Ongoing(1978年)
■ディスクユニオンで購入
フリー系ベース奏者Terry Plumeri(テリー・プリュメリ)による1978年の作品。Terry Plumeriというプレイヤーは今回初めて知ったわけですが、調べてみるとジャズ&クラシック界では結構知られた存在のようです。
サウンドというと典型的な70年代フリージャズという感じがありあり。Terry Plumeriはウッドベースを時に静かに刻み、時に激しく揺さぶり、時に幽玄な世界を現出させています。このアルバムの聴きどころは2点あります。まずはECMを代表する2大ギタリスト、John AbercrombieとRalph Townerの参加です。Abercrombieはエレキで、Townerは例によってアコギで臨んでいますが、ECMでのリリカルなテイストというより、退廃的でダルなプレイに徹しているあたりはまさにジャズロックという感じですね。
もう1点の聴きどころはストリングスの導入です。ストリングスを使うことは特に目新しいことではありませんが、「The National Symphony String Quintet」を起用するという本格的なもの。ただし、作品の完成度を高めることに貢献しているかというと、若干というか、かなり浮いてしまっているように思えます。そこら辺のチグハグさが奇天烈といえば奇天烈なのですが、この作品に限らずすべてが試行錯誤の連続とも言える70年代ジャズロックの特徴として、大目に見てほしいなと思います(これはあとで知ったのですが、Terry Plumeri自身が楽団の構成員なのですね。なるほど)。
ところで調べてみたら2007年に「Water Garden」という別タイトル、別ジャケットで復刻してました。これじゃ、まるで別物で気がつきませんわ。
●Musicians
Terry Plumeri / acousic bass,Vo
Marc Cohen / piano,perc
Michael Smith / kalimba,perc,dr
John Abercrombie / guitar
Ralph Towner / acoustic guitar
James Carter and Jacqueline Anderson / violin
Carlos Quian / viola
Fred Zenone / cello
Richard Webster / bass
The National Symphony String Quintet
●Numbers
Side A
1.Bornless One
2.Ongoing
3.Laura Rose
Side B
1.Two Poems for Dance:Rush Hour and Dusk
2.Gypsy
3.Water Garden
下2枚はCDジャケットです
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