痛快なジャズセッション、ロン・マクルーラ
Musicians●Ron McClure(bass)
Title●McJolt(1990年)
■ディスクユニオンで購入
かつてチャールス・ロイドの楽団で一躍有名になったベース奏者Ron McClure(ロン・マクルーラ)による数少ないソロアルバムです。参加メンバーはピアノにRichard Beirach(リッチー・バイラーク)、ギターにJohn Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)、ドラムにAdam Nussbaum(アダム・ナスバウム)というカルテット構成。気がつけばマクルーラ以外はECMレーベルの強者ばかりでメンバーの豪華さに心を奪われて購入してしまいました。正確に言うとピアノのバイラークは元ECMですね。
さて気のあったメンバー同士ということで、演奏自体も息がぴったりと合った好演が目白押しです。オープニングの「McJolt」はバイアークのオリジナルですが、かつてのECMの同僚であるアバークロンビーとの再会を心から喜んでいるのでしょう。実にリリカルなピアノを披露。負けじとアバークロンビーも豪快なソロを決めて応酬しています。2曲目の「Broken Dreams」は一転して静かな曲調に。それもそのはず、1989年にカリフォルニア州で起きた大震災で亡くなった人への鎮魂歌だからです。ひたすら優しいバイラークのソロが胸を打ちます。「Nardis」はご存知マイルス・デイヴィスの名曲。バイラークは自身のソロアルバムで幾度となく取り上げていますね。
そんなわけで本ブログでは珍しく真っ当でストレートアヘッドなジャズアルバムですが、いまひとつ知られていない名盤なので掲載させていただきました。
●Musicians
Ron McClure / bass
Richard Beirach / piano
John Abercrombie /guitar
Adam Nussbaum / drum
●Numbers
1.McJolt
2.Broken Dreams
3.Once I Had A Secret Love
4.Elm
5.All Blues
6.Solar
7.Beautiful Love
8.Nardis
9.Stella By Starlight
左からJohn Abercrombie、Ron McClure、Richard Beirach、Adam Nussbaum。みんな濃いおじさんです
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コメント
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Ron McClureさんは前作のYesterday's Tomorrow (1989年)でもアバクロ先生と共演していますね。
ドラムにALDO ROMANOを迎えたトリオでのパフォーマンスですので、アバクロ先生のプレイという点ではより楽しむ事ができますね。
投稿: betta taro | 2010年2月25日 (木) 13時32分
補足です。
Ron McClureとの共演ではアバクロ先生は、両作品ともにギターシンセを使っていますね。
アバクロ先生のギターシンセ演奏という点では、おそらくボストンライブが頂点なのでしょうが…
シンセ音にいまひとつ説得力がない様に感じるのは私だけでしょうか。
McJoltの中ですと、たとえばSolarでは、ギターシンセの音がどうもハマってない様な気がします。
ジャズギタリストとしてはアバクロ先生はMy Best Favoriteなのですが…
投稿: betta taro | 2010年2月25日 (木) 21時09分
betta taroさま
「Yesterday's Tomorrow」は確か所有しているはずですが、行方不明になってしまい内容も忘れてしまいました。
私もギターシンセはあまり好みではありません。メセニーしろアバクロにしろ、ホールズワースにしろ、やはり生の弦に限ると思います。
アバクロはそんななかでも、比較的まだ聴けるほうだとは思います。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年2月26日 (金) 23時59分
>私もギターシンセはあまり好みではありません。
>メセニーしろアバクロにしろ、ホールズワースにしろ、やはり生の弦に限ると思います。
→私も同感です。
ギターシンセを効果的に使ったパフォーマンスというと、マクラフリン・トリオ名義の大名盤?”Live at the Royal Festival Hall”位しか思い浮かびません。
ちなみにこの盤を聴き、真面目にマクラフリンがジャズを弾くと、もの凄い事を知りました(^ ^;
それまではマクラフリンというと、ビッチェズ・ブリューでメチャクチャを弾いてる人とか… スーパー・ギター・トリオで一番目立たない人というイメージしかなかったので、目からウロコでした(^ ^)y
投稿: betta taro | 2010年2月27日 (土) 12時27分