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2010年2月

2010年2月28日 (日)

低温火傷系ギタリストTim Millerのトリオ第2弾

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Musician●Tim Miller(guitars)
Title●Trio2(2005年)
■audiophileimportsより購入

新感覚派ギタリスト、Tim Miller(ティム・ミラー)です。前作「Trio」をただ「Trio 2」としたやる気があるのか、何も考えていないのかよくわからないタイトルからして、すでに「脱力感」が漂っていますね。内容は期待通りの「新感覚派」。テクニカル系ギタリストAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)のフォロワー、つまり「Holdsworthy」「Holdsworthian」に属するギタリストですが、前作で触れたようにむしろBen Monderあたりに通じる「NY系新感覚派サウンド」のニオイがプンプンと漂ってきます。その意味では、こうしたサウンドの源流とも言えるビル・フリゼールあたりに強い影響を受けているように思えます。メンバーは前作とまったく同じ人たちです。

さて、相変わらずつかみどころのないフレーズを連発するTim Millerですが、まさにドジョウすくいのように捕まえたと思ったらスルリの逃げられてしまうような感覚にとらわれてしまいます。逆に言えば、確固たる強烈な個性は発揮していないので、どのミュージシャンとも意外に馴染んでしまうという不思議な魅力を放っています。その意味でも、超売れっ子ギタリスト Ben Monderとの共通項が多く見られるのです。サウンドとしてはやや難解だった楽曲も、エレキとアコギを効果的に使い分けるなどして、立体的な構成になったので、聴きやすいかもしれません(しかし、聴く人間を選ぶことは確かですが)。相変わらずアルペジオを基軸にワントーンで丁寧にフレーズを積み上げる奏法で、決して激して叫ぶこともなく、大向こうを張ったフレーズを連発することもなく、律儀に変態フレーズを聴かせてくれます。

●Musicians
Tim Miller / Guitars
Joshua Davis / Bass
Take Toriyama / Drums

●Numbers
1,electric
2,by the sea
3,elements
4,flying
5,Night Sky
6,arc
7,thread
8,Grey to Blue
9,Trace
10,Drop of Ink
11,Recall
12. Open
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2010年2月27日 (土)

LENNY BREAU / VELVET TOUCH OF LENNY BREAU LIVE!(1969年)

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Musician●Lenny Breau(guitar)
Title●Velvet Touch of Lenny Breau Live!(1969年)
■Amazonから購入

日本ではほぼ知名度がゼロと思われるアメリカ人ギタリストLenny Breau(レニー・ブロー)のライブアルバムです。私自身、最近まで大変な勘違いをしてまして、名前のイメージからフランス人だとばかり思っていたら、アメリカ生まれだったのですね。おそらく両親がフランス出身なのでしょう。極端な寡作のうえに生涯、精神障害に悩んでいたそうで、1984年には何者かに殺害されてしまい、しかも未解決という数奇な一生を過ごしたミュージシャンです。非業な死という意味では、天才ベース奏者ジャコ・パストリアスに通じるものがあります。死者に対して大変失礼であることを承知でいえば、たとえばゴッホやベートーヴェンなど病から精神的な狂気の果てに、美しい旋律を生み出したかつての偉人とも共通項が感じられます。

さて、このLenny Breauですが、すでの60年代から7弦ギターや両手タップを駆使した超絶プレイを駆使していたということだけでマニア心をくすぐります。そんな彼が1969年カリフォルニアで行ったライブを収録したのがこの作品です。彼のプレイは基本的にはジャズですが、両親がカントリー音楽を演奏していた影響からジャズにカントリーとフラメンコが混在したようなイメージです。と書くとなんだかよくわかりませんが、凄まじいスピードでとんでもない難曲を軽々と弾きこなしてしまうプレイは、ただただ驚驚くだけ。少しでもギターをいじったことのある人なら、いかに彼のギタープレイが凄まじいかがご理解いただけるでしょう。

いまでこそ、両手タップのギタリストなど珍しい存在ではありませんが、60年代後半にそんなアイデアをもったプレイヤーが存在したこと自体が驚愕の一語です。ここで演奏される曲はブロウのオリジナルの曲から、「蜜の味(テイスト・オブ・ハニー)」、チャイコフスキーの編曲など、実に多岐にわたっていますが、映像で確認しない限り、どうやって演奏しているのか、皆目見当がつきません。それでいて、ギターは歌いに歌っていますから、決してテクニックのオンパレードとは感じさせません。8ではアコースティックギターも聴かせてくれますが、両手タップから生み出される絶妙なハーモニックスはため息が出るほどの美しさ。そのデリケートさはまさにアルバムタイトルの「ベルベットのような肌ざわり」です。5ではアルバム唯一のボーカル入りですが、お世辞も上手いとは言えない歌はご愛嬌という感じです。

すでにこの世を去ってしまったとは言え、これだけの独創的なアイデアとテクニックをもちながらも、日本では無名な存在に甘んじているのは、不思議でなりません。とまあ、手放しで誉めちぎってきましたが、前述のように精神障害を抱えていた影響からだと思いますが、すべての作品が漏れなく素晴らしいかと、そうとも言えません。やはり出来不出来があるのは残念です。

●Musicians
Lenny Breau / guitar
Ron Halldorson / bass
Reg Kelln / drum

●Numbers
1. Tuning Time
2. No Greater Love
3. Claw
4. Indian Reflections for Ravi
5. That's All
6. Blues Theme
7. Mercy, Mercy, Mercy
8. Spanjazz
9. Bluesette
10. Taste of Honey
11. Blues Theme, No. 2
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2010年2月26日 (金)

イタリアのジャコパス、Dino Kappa

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Musician●Dino Kappa(bass)
Title●Summit(リリース年不明)
■Jazzos.comより購入

以前ここでご紹介したイタリアのスコット・ヘンダーソンRocco Zifarelliつながりで購入しました。一般の通販サイトでは入手が困難なので、イタリアのジャズ専門サイトJazzos.comより入手。

この「イタリアのジャコ・パストリアス」と呼ばれるDino KapaをはじめギターのRocco Zifarelliほか全員がイタリア人で構成されていますが、まさにラテンテイストあふれる陽気なフュージョンサウンドを聴かせてくれます。3曲目「Night People」は想像するにWeather Reportをリスペクトした作品。タイトルからしていかにも、ですね。

これといって特徴的なプレイは聴かれないのですが、個人的にお目当てのRocco Zifarelliは自身のソロアルバムよりも控えめに徹しているのが意外といえば意外です。

●Musicians
Maurizio Baco / drum
Rocco Zifarelli / guitar
Claudio Ziti / keyboard
Gianni Savelli / sax & woodwinds
Dino Kappa / bass

●Numbers
1.Stage
2.Tam Tam
3.Night People
4.Polaris
5.Copacabana Beach
6.Latin Love
7.Hong Kong - Macao
8.Summit
9.Souvenir
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2010年2月25日 (木)

痛快なジャズセッション、ロン・マクルーラ

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Musicians●Ron McClure(bass)
Title●McJolt(1990年)
■ディスクユニオンで購入

かつてチャールス・ロイドの楽団で一躍有名になったベース奏者Ron McClure(ロン・マクルーラ)による数少ないソロアルバムです。参加メンバーはピアノにRichard Beirach(リッチー・バイラーク)、ギターにJohn Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)、ドラムにAdam Nussbaum(アダム・ナスバウム)というカルテット構成。気がつけばマクルーラ以外はECMレーベルの強者ばかりでメンバーの豪華さに心を奪われて購入してしまいました。正確に言うとピアノのバイラークは元ECMですね。

さて気のあったメンバー同士ということで、演奏自体も息がぴったりと合った好演が目白押しです。オープニングの「McJolt」はバイアークのオリジナルですが、かつてのECMの同僚であるアバークロンビーとの再会を心から喜んでいるのでしょう。実にリリカルなピアノを披露。負けじとアバークロンビーも豪快なソロを決めて応酬しています。2曲目の「Broken Dreams」は一転して静かな曲調に。それもそのはず、1989年にカリフォルニア州で起きた大震災で亡くなった人への鎮魂歌だからです。ひたすら優しいバイラークのソロが胸を打ちます。「Nardis」はご存知マイルス・デイヴィスの名曲。バイラークは自身のソロアルバムで幾度となく取り上げていますね。

そんなわけで本ブログでは珍しく真っ当でストレートアヘッドなジャズアルバムですが、いまひとつ知られていない名盤なので掲載させていただきました。

●Musicians
Ron McClure / bass
Richard Beirach / piano
John Abercrombie /guitar
Adam Nussbaum / drum

●Numbers
1.McJolt
2.Broken Dreams
3.Once I Had A Secret Love
4.Elm
5.All Blues
6.Solar
7.Beautiful Love
8.Nardis
9.Stella By Starlight

左からJohn Abercrombie、Ron McClure、Richard Beirach、Adam Nussbaum。みんな濃いおじさんです
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2010年2月24日 (水)

プロデューサーは内田裕也!Jeff Beckの1975年来日ライブ

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Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●World Rock Festival At Sapporo & Nagoya featuring Bernard Purdie(1975年)
■購入先不明

内田裕也といえば、60年代から70年代にかけて「タイガース」の発掘やバンド「フラワー・トラヴェリン・バンド」を手がけるなど、海外のロックを日本に取り入れながら日本のロックを確立するべく多方面に活躍していました。いまでも毎年大晦日に「年越しライブ」を開催するなど、いまだに「ロッケンロール」な存在です。

そんな内田裕也が「日本でも海外に負けない規模のロックコンサートを!」と手がけたのが、1975年の「World Rock Festival」。当時の記録がないの詳細は不明ですが、どうやら数カ所で開催されたようです。このイベントの目玉的存在だったのが、「Blow By Blow」をリリースしてスーパーギタリストの名声を欲しいままにしていたJeff Beckです。このライブ盤(ブートレグ)は札幌と名古屋の音源を収録したもの。レノン&マッカートニーの「She's A Woman」が始まる前に、内田裕也みずから「Jeff Beck!!」と紹介的な雄叫びを聴くことができます。

まあ、ブートレグということで録音状態はもちろん、音質も劣悪を極めますが、資料的には大変貴重なので取り上げてみました。たぶん、どこを探しても入手は困難なのではないでしょうか。

ところで、内田裕也と言えばトラブルメーカーであることは周知の事実ですが、最近では銀座の場外馬券売場でスリ被害に遭ったりしてました。大麻所有で暴行事件も起こしましたね。でも、一番の極めつけは「ウドー音楽事務所に日本刀を持って乱入事件」でしょう。確かその理由が「ウドーは海外のタレントばかり日本に呼んで国内のミュージシャンの活躍を妨害しているから」という趣旨だったと思います。でも、そんな本人がこのようにJeff Beckを呼んでいるわけで、矛盾もいいところです(一応、海外のミュージシャンも日本のミュージシャンも同じ扱いという趣旨ですが、Jeff Beckが観客動員での最大の決め手になったことは事実です)。でも、そんな言行不一致も意に介さないあたりが、「ロッケンロール的な生き方」「シェケナベイビー的行動論」なのでしょう。

●Musicians
Jeff Beck / guitar
Max Middleton / keyboards
Wilbur Bascomb / bass
Bernard Purdie / drums

●Numbers
Sapporo 1975/08/03
1.She's A Woman
2.Free Way Jam
3.Definitely Maybe
4.Air Blower
5.Superstition
6.Cause We've Ended As Lovers
7.You Know What I Mean

Nagoya 1975/08/05
8.Constipated Duck
9.She's A Woman
10.Air Blower
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2010年2月23日 (火)

Aホールズワース参加の発掘音源Propensity

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Musician●Danny Thompson(bass)
Title●Propensity(1978年)
■Amazonより購入

テクニカル系ギタリストの雄Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)との共演でも知られる鍵盤楽器奏者、ゴードン・ベックの音源を地道に発掘しているArt Of Lifeから2009年にリリース。参加メンバーはイギリス出身のダブルベース奏者Danny Thompson、やはリイギリス出身のフリー系ドラマーJohn Stevens、そしてテクニカル系ギタリストの大御所Allan Holdsworthというトリオ構成。録音は1978年9月、ロンドンとなっています。全2曲で収録時間20数分という小品です。したがってホールズワースの新作ではなく、あくまでも発掘音源ですからお間違えのないよう。

ホールズワースを中心に語れば1978年という年はブラフォードを脱退して、ジョン・スティーヴンスや先のゴードン・ベックたちとイギリスやフランスでセッション活動を行っていた時期から少しだけ後になりますが、この未発表音源もその流れからだと思われます。のちに「IOU」でソロアルバムをリリースするころは子どものミルク代にも困って機材を売ってお金に換えたというエピソードがあるほど彼自身経済的には困窮していたころです。ちなみに「IOU」とは借入金借用書という意味であることは有名な話です。

さて内容はフリーキーなインプロヴィゼーションの応酬という感じで、1曲目ではホールズワースは珍しく12弦アコギを操っています。2曲目はエレキに持ち替えていますが、いま聴かれる独自のレガート奏法やワイドストレッチが生みだす独特のヴォイシングは影を潜め、フリーキーなギターソロを全面に押し出しています。テイストとしてはGordon BeckやJohn Stevensとの共演作「Re-Touch」「Touching On」「Conversation Piece」あたりに通じるものがあります。したがって決して万人向けの作品とは言えませんが(ホールズワース自身がとても万人受けするミュージシャンとは思えませんが)、コアなファンにとっては聴く価値があるでしょう。それにしても30年以上もたってこんな発掘音源が日の目に出るなんて、思いもしませんでした。

●Musicians
John Stevens / drums
Danny Thompson / double-bass
Allan Holdsworth / guitars

●Numbers
1. Jools Toon
2. It Could Have Been Mono
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2010年2月22日 (月)

海賊盤ですみません。ビートルズの武道館ライブ

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Musician●The Beatles
Title●…3.44 am.29th June 1966(1966年)
■新宿レコードで購入(たぶん)

ジャンルとしてはこのブログにはふさわしくないかもしれませんが、ちょいちょい出てくるのがビートルズの音源です。

ご存知のように彼らは1966年に唯一の来日公演を行っていますが、当時の日本の状況はさまざまな書籍や映像で何度も紹介されています。たとえば数寄屋橋の交差点には右翼の街宣車が出動して、今は亡き赤尾敏が「青少年に害悪をもたらす云々」でアジ演説を行ったことは有名な話です。また、多くの学校で「ビートルズの公演を見に行かないよう」というビートルズ禁止例が発布されたことも有名な話です。いまではとても信じられませんね。そういえば、羽田空港に降り立った彼らはJALの法被をまとっていましたが、ナショナルフラッグとして栄華を極めた日航が、いまのような体たらくになるとは当時誰にも想像できませんでしたね。

ビートルズは武道館で何ステージか行いましたが、そのときの映像は1回のみという条件で、テレビ放送されました。その放送の視聴率はどうだったのかは不明ですが、大変な高率だったことは間違いないでしょう。のちに「解禁」されて地上波やWOWOWなどで放送されたりもしましたが、露出回数の極端な少なさから考えても、貴重な音源、映像であることに変わりありません。

さて、この武道館ライブですが、海賊盤としてさまざまなタイトルで出回っています。この「作品」はそのなかでも録音状態が比較的良好です。正規盤のように「加工」がなされていないだけ、逆に非常にリアルな感覚で接することができます。いまこの音源がブートCDとして出回っているかはわかりませんが、CDが流通し始めてからこうした音源は確実に少なくなっていることも事実です。

●Numbers
Side A
1.Documentary
2.Rock And Roll Music
3.She's A Woman
4.If I Needed Someone
5.Day Tripper

Side B
1.Baby's In Black
2.I Feel Fine
3.Yesterday
4.I Wanna Be Your Man
5.Nowhere Man
6.Paperback Writer
7.I'm Down

recorded live in Tokyo,Budo Kan 1st July 1966

一番下はは別ジャケットのブートです
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2010年2月21日 (日)

JOHN ABERCROMBIE / ARCADE(1979年)

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Musician●John Abercrombie(guitar,mandolin)
Title●Arcade(1979年)
■Tower Recordで購入

ECMを代表する知性派ギタリスト、John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)は70年代後半から80年代初頭にかけて、名門ボストン・バークリー音楽院からの盟友と組んで素晴らしい作品を残しています。この時期のアバクロの3作品を勝手に「アバクロ耽美系3部作」と呼んでいますが、その1作目が今回紹介する「Arcade」です。参加メンバーは、Richie Beirach(piano)、George Mraz(bass)、Peter Donald(drums)というカルテット構成。1978年の12月14日、15日にオスロで録音されています。しかも、15日にはトラックダウンも完了してしまうという素早い仕事で制作されています。

1曲目「Arcade」は後にオーバーダブされたアコギとアバクロお得意のマンドリンとの絡みで静かにスタート。後にスネークインしてくる硬質なバイラークのピアノとの相乗効果で緊張感あふれる展開へと一変します。マンドリンがひとしきり悲しい調べを叫んだのち、メインテーマへと収束しクールダウン。何とも心憎い展開です。

2曲目「Nightlake」はこれもアバクロが好んで導入するワルツ風の小曲。これもマンドリンがリリカルなソロを奏でたあとに、バイラークのこの世のものとは思えないほどの美しさを湛えたピアノが引き継ぐ形で劇的な展開を迎えます。いやいや、ただただ美しいだけです。

3曲目「Paramour」はアバクロの心優しいソロとバイラークのピアノが絡み合うという彼らお得意の展開。バイラークはかのビル・エヴァンス、アバクロはジム・ホールをそれぞれ私淑していますが、大先輩が残した足跡を彼らなりに解釈したうえで、素敵な楽曲へと昇華させています。中間のジョージ・ムラツのベースソロも曲の美しさを盛り上げるうえで最大限の効果をあげています。

4曲目「Neptune」はバイラークによる曲。北欧の冷たい空気感を想像させるバイラークのピアノから始まり、ムラツの優しいベースライン、そして浮遊感たっぷりのアバクロのサスティーンが利いたソロが美しく絡み合います。まさに耽美系の真骨頂といえるでしょう。

ラスト「Alchemy」もバイラークの曲です。曲調としては「Neptune」と同様にやや硬質なテーマからスタートしますが、アバクロのソロが入ってくると一転し、一面が耽美色で支配されます。そして、リズム隊が機能し始めると、やがて劇的なフィナーレへと誘われます。アバクロによるこれ以上は伸びきれないと思われる強烈なサスティーンソロに耳を傾けていると、やがて桃源郷の世界へと導かれていくはずです。

このように一切の「捨て曲」がない素晴らしい作品なのですが、ECM総裁マンフレッド・アイヒャー氏とバイラークとの曲の解釈を巡る確執から、バイラークが参加しているという理由だけで、長い間CD化もままならないまま廃盤状態にありました。それが2001年に日本限定でCD化されたことは、ファンにとって望外の喜びでした。この勢いで続く「Abercrombie Quartet」「M」の復刻も期待しているわけですが、10年近くたった今、その気配は一切うかがえません。「Abercrombie Quartet」「M」でも触れましたが、アイヒャー氏もいい加減大人になって、この素晴らしい3部作を再び世に送り出してほしいのですが…。

●Musicians
John Abercrombie / guitar,electric-mandolin
Richie Beirach / piano
George Mraz / bass
Peter Donald / drums

●Numbers
1.Arcade
2.Nightlake
3.Paramour
4.Neptune
5.Alchemy
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英国フリージャズの大御所John Stevensのセッション拾遺集

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Musician●John Stevens(bass)
Title●Re-Touch(1977年)
■ディスクユニオンで購入

英国フリージャズの大御所John Stevensは1977年に計3回のセッション活動を行いましたが、うち2回にはテクニカル系ギタリストAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が参加し、5月セッションが「Touching On」、11月のセッションが「Conversation Piece」というタイトルでリリースされています。この「Re-Touch」は「Touching On」に収録されなかった音源を拾遺集的に収めたものです。したがって当たり前のことですが、「Touching On」と同じ雰囲気を醸し出していて、フリーフォームの中で各人が壮絶なインプロヴィゼーションの応酬を展開しています。

したがってわかりやすい商業ベースに乗る作品ではなく、聴く人間をかなり選ぶ音源です。
3曲目の「One,Two,Albert Ayler」は1977年の音源ではなく、1971年5月のセッションのもの。メンバーはTrevor Watts(soprano sax)、Julie Watts(vocal,guitar)、Ron Herman(bass)という構成。こちらも完全なフリージャズですが前衛度では1977年を遙かに上回ります。24分という長尺ということもあって、フリーが苦手な人にとってはかなり冗漫に感じられると思われます。

●Musicians
John Stevens / drums
Jeff Young / piano
Barry Guy / bass
Ron Mathewson / bass
Allan Holdsworth / guitar

●Numbers
1.No Fear
2.Re-Touch
3.One,Two,Albert Ayler※
Ronny Heimdal
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2010年2月20日 (土)

イギリスフリージャズ界の大御所、John Stevens(Conversation Piece)

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Musician●John Stevens(dr)
Title●Conversation Piece(1977年)
■ディスクユニオンで購入

英国フリージャズの大御所John Stevens(ジョン・スティーヴンス)は1977年にミュージシャンを集めて計3回のセッション活動を行っていますが、そのうち11月のセッションでの音源がこのアルバムになります。参加メンバーはJohn Stevensのほか、Gordon Beck(piano)、Jeff Clyne(bass)、Allan Holdsworth(guitar)というカルテット構成。ちなみのピアノのGordon Beckは映画「フレンチ・コネクション」の音楽を担当していました。

詳細は同年5月のセッションを収録した「Touching On」で触れていますが、ここでも完全フリーフォームのインプロヴィゼーション(即興演奏)が主体で、楽曲云々とあれこれと書くことはあまり意味をなさないのかもしれません。「Conversation Piece Part1」「Conversation Piece Part2」と2パートに分かれた構成ですが、どちらがどうのというよりも、耳を傾けていると各メンバーがその時の状況に合わせて瞬時にフレーズを叩き出す緊張感で窒息しそうです。

ちなみの3曲目「Fill」と4曲目「Home」はホールズワース不参加の9月のセッション活動のときの音源。「Touching On」では「AH!」という曲も9月の音源ですが、よりフリー色が濃厚でアブストラクトな展開に終始しています。ホールズワースファンにとっては、収録時間が長いこともあってやや冗漫な感じかも。

●Musicians
John Stevens / drums
Gordon Beck / piano
Jeff Clyne / bass
Allan Holdsworth / guitar

●Numbers
1,Conversation Piece Part1
2,Conversation Piece Part2
3,Fill
4,Home
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2010年2月19日 (金)

イギリスフリージャズ界の大御所、John Stevens(Touching On)

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Musician●John Stevens(dr)
Title●Touching On(1977年)
■ディスクユニオンで購入

英国フリージャズの大御所、John Stevens(ジョン・スティーヴンス)は1977年にミュージシャンを集めて計3回のセッション活動を行っていますが、そのうち5月のセッションでの音源がこのアルバムになります。参加メンバーはJohn Stevensのほか、Jeff Young(piano)、Ron Mathewson(bass)、Allan Holdsworth(guitar)というカルテット構成。

ギタリストのAllan Holdsworthに焦点を当てると、ちょうど元キング・クリムゾンの名ドラム奏者、ビル・ブラフォード率いる「Bruford」のメンバーだった時期で、UK以前ということになるのでしょうか。かたやプログレッシヴロック業界に身を置きつつ、同時期にこのようなフリージャズにも人脈を築いていたという意味で大変興味深いものがあります。

演奏内容はというと、まさにセッション活動を一発録音したものであって、楽曲云々というよりは、完全なフリーフォームによる激しいつばぜり合いという感じ。ホールズワースはプログレというある意味窮屈な枠組みから解放されて、自由奔放にソロを連発しています。しかしながら、もとよりコマーシャリズムから遠く離れた立ち位置のミュージシャンたちが行ったセッション活動だけに、かなり聴く人を選別するアルバムであることは確かです。

ちなみに同年11月に行われた第3回セッションでは、ホールズワースのほかにGordon Beck(piano)、Jeff Clyne(bass)が参加していますが、「Conversation Piece」というアルバムタイトルでリリースされています。また9月の第2回セッションでは、ホールズワースは不参加で、Robert Calvert(saxes)、Jeff Young(bass)、Dave Cole(guitar)、Nigel Moyse(guitar)、Nick Stephens(bass)、Ron Herman(bass)という多人数構成。このアルバムの4曲目「AH!」がこのときの収録のものになります。ちなみに「AH!」はホールズワースのイニシャルということで、不参加の彼に敬意を表しているとか。

ホールズワース参加のこの時期一連の作品は、1992年にジムコからCD化されましたが、廃盤状態にありました。確か去年にリマスター盤が紙ジャケットで再発売されています。興味のある方は、またしても廃盤にならないうちに入手してみてはいかがでしょうか。

●Musicians
John Stevens / drums
Jeff Young / piano
Ron Mathewson / bass
Allan Holdsworth / guitar

●Numbers
1,Touching On
2,Home
3,Finally
4,AH!
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2010年2月18日 (木)

低音火傷系ギタリストTim Miller

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Musician●Tim Miller(guitars)
Title●Trio(2005年)
■audiophileimportsより購入

テクニカル系ギタリスト、アラン・ホールズワースのフォロワーたちを「Holdswrthy」とか「Holdsworthian」と呼ぶようですね。昨日、Googleの翻訳サイトを見ていて初めて知りました。さて「Holdswrthy」「Holdsworthian」たちはどちらかというと、ロック・メタル寄りのミュージシャンが多いように思えるのですが、今回紹介するTim Miller(ティム・ミラー)はジャス寄りの人です。どうやらあの有名なバークリー音楽院でギター講師を務めているようで、若手ギタリストの本吉大我さんの師匠のようです。

さて今回紹介するのはTim Miller名義では3作目。タイトルどおりトリオ構成です。実際に聴いてみると、「Holdswrthy」のニュアンスは十分ですが、若手の新進気鋭Ben Monderあたりとの共通点を強く感じます。これは、楽曲が主にアルペジオを中心に展開されるということと、ソロもワントーンの実にシンプルなものだという理由からでしょう。その意味ではさかのぼればビル・フリゼールあたりから始まった浮遊感あふれるヴォイシングとソロにも通じるような気がします。それでいて弾き出すフレーズはねじり曲がった変態フレーズというところがマニア心をくすぐります。

というわけで特別に派手なパフォーマンスを見せることもなく、ひたすら律儀にフレーズをつなげていくプレイは、まさに職人気質。一度聴いただけでは彼の良さはあまりわからないと思いますが、次第に魅力のとりこになっていくという意味では、「低温火傷系」とでも名づけておきます。しかし、曲タイトルもほとんどが単語程度で、まるで俳句のようですね。枯れています。

●Musicians
Tim Miller / Guitars
Joshua Davis / Bass
Take Toriyama / Drums

●Numbers
1. Intro
2. Untied
3. Shift
4. Paris
5. Sparkle
6. Straight Lines
7. Trees, The Sun
8. Density One
9. TR
10. Two View
11. Density Two
12. MG
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2010年2月17日 (水)

けっこう面白い存在の「Lu 7」というホールズワースフォロワー

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Musician●Lu 7
Title●L'esprit de L'exil(2004年)
■HMVで購入

栗原務(ギター)と梅垣留奈(キーボード)の2人ユニット「Lu 7」のファーストアルバムです。バンドの正体がまるでわからないのですが、参加ミュージシャンがやたらと豪華です(たぶん)。糸賀徹(ボーカル)、嶋村一徳(ドラム)、鈴木裕文(パーカッション)、関根安里(キーボード)、永井敏己(ベース)、バカボン鈴木(ベース)、長谷川和美(ボーカル)、マーク・アーヴィン・ハミルトン(ベース)という構成です。

予備知識をもたないまま聴いてみたのですが、帯に書かれているように「サイバー・エスニック・サウンド」、つまりわかりやすく翻訳しますと「無国籍な電気サウンド」という感じで、作曲はおもに梅垣が担当しています。ゆったりと流れる気持ちよいメロディーに乗せて、栗原のギターが響きわたりますが、アラン・ホールズワースフォロワー丸出しのプレイを聴いていると、ホールズワース御大がお忍びでレコーディングに参加しているのではないかという錯覚さえ覚えます。まぁ、よくぞ真似たものです。ここまで徹底されると、かえって清々しい思いですね。とは言え、梅垣が作り出すメロディーは女性らしくてセンスがいいので、本家ほどの変態性はあまり感じさせません。アレンジ力の勝利ですね。個人的にはタイトルにフランス語を混在させるワザは何となくいけ好かないのですが、これは単純にフランス語の知識が皆無だからという理由にすぎません。

●Musicians
栗原務 / guitar
梅垣留奈 / keyboard
糸賀徹 / vocal
嶋村一徳 / drums
鈴木裕文 / percu.
関根安里 / keyboard
永井敏己 / bass
バカボン鈴木 / bass
長谷川和美 / vocal
マーク・アーヴィン・ハミルトン / bass

●Numbers
1,Itumono Hajimari
2.Canary Creeper
3.Golem
4.Bluetail off Passage
5.Air Flow
6.Secret Recipe
7.L'esprit de I'exil
8.Mariana's Garden
9.Danse Rituelle du Feu
10.Ripple
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2010年2月16日 (火)

MILES DAVIS / LIVE DIRECTIONS SWITZERLAND 22.10.71(1971年)

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Musician●Miles Davis(trumpet)
Title●Live Directions Switzerland 22.10.71(1971年)
■Gemm.comより購入

20年ほど前やたらとマイルス・デイヴィスのブート盤を聴き漁っていました。当時はCD業界が活況だったこともあり、マイルスに限らず、多くのブート盤が市場に出回っていました。ロック界ではストーンズ、レッド・ツェッペリン、ジャズ界ではマイルスがブート盤の帝王的存在だったと思います。多いときには月に3枚もの「新作」がリリースされるときもありました。

マイルスはマイルスでも70年代初頭の「エレクトリック・マイルス時代」ではマイルス自身が実に精力的にライブ活動を行っていたこともあり、ブート盤も豊富に出回っていますが、キース・ジャレットが在籍している音源は意外と少ないようです。今回紹介するのは1971年10月22日、スイスでのライブを収めたアルバムで、参加メンバーはKieth Jarrett(organ,E piano)、Gary Bartz(alto sax)、Michael Henderson(bass)、Lem Chandler(drum)、Don Alias(perc)、Mtume(perc)という構成。なぜかドラムはジャック・デジョネットではありませんが、理由は定かでありません。

さてお目当てのキース・ジャレットですが、短命に終わってしまったチック・コリアとの双頭キーボード時代では何となく中途半端な印象を受けましたが、コリアが楽団を去ったあとはまさに水を得た魚のように実に生き生きとプレイしています。ここでの御大と対等に渡り合うほどのド迫力ぶりです。まさに70年代ジャズロックシーンの先鞭をつけた重要な音源です。

さてこのアルバムがブート盤なのかどうかはよくわかりませんが、ジャケットそのものは正規盤並の豪華さです。事情を知らない人は、オフィシャルな音源と勘違いしてしまいそうです。しかし冷静に考えてみると、アナログ盤時代は間違いなくブート扱いだったわけで、単純にCDに移植しただけではやはりオフィシャルな音源とは言えませんね。こういうケースは、たとえばジミ・ヘンドリックスでもさんざんブートで出回っていた音源が、そしらぬ感じで「幻の音源を発掘」という触れ込みで「新発売」されるケースが多々あるわけです。「死人に口なし」ではありませんが、もし御大が存命なら絶対にOKを出さないと思います。

●Musicians
Miles Davis / trumpet
Kieth Jarrett / organ,E piano
Gary Bartz / alto sax
Michael Henderson / bass
Lem Chandler / drum
Don Alias / perc
Mtume / perc

●Numbers
1.Directions
2.Honky Tonk - Sivad
3.What I Say
4.Sanctuary
5.Funky Tonk
6.Yes or No
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2010年2月15日 (月)

妙なホールズワースフォロワー、Whoopgnashの2nd

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Musician●Whoopgnash
Title●Full Scape(2002年)
■メーカーサイトより購入

アメリカ出身のプログレ系インストトリオ「Whoopgnash」をご紹介します。Whoopgnashというのは造語だとか。これまた日本では無名に近いミュージシャンですが、このアルバムを含めて3枚ほどのアルバムとDVDもリリースしています。これは2002年リリースのセカンドアルバムになります。メンバーはギターのJohn Erickson、ドラムのBill Paul、ベースのJeff JarrardDan Weston(ベース奏者が2人ということではなく、交替で担当)というトリオ構成です。

ギターのJohn EricksonはAllan Holdsworthフォロワー丸出しという感じの人で、彼の弾きまくりの楽曲の連続です。弾きまくりというとギターマニアにとっては堪らない魅力をもつ表現ですが、まったく押し引きもノリシロもなく、ただただ弾きまくられるといくら何でも飽きてくるというものです。一応はプレグレ系としましたが、John Ericksonのまったく止まることを知らないギターソロに、それっぽい雰囲気のドラムとベースが献身的に追いかけているという感じなので、楽曲がどうのというレベルで語ることは難しいです。とはいいつつ、本家Holdsworthもそんな一面がなきにしもあらずなので、本家の欠点だけを思い切り強調したような存在と表現すればいいでしょうか。その意味では、同じHoldsworthフォロワーであるElliot Freedmanあたりと酷似しています。

●Musicians
John Erickson / guitar,baritone guitar,slight keyboard
Bill Paul / drum
Jeff Jarrard / bass
Dan Weston / bass

●Numbers
1.There's No Sound In Flutes
2.The General
3.Sketchers In The Rye
4.In Memory Of
5.I Sure Hate Ta' See A Widda' Go Down Like That
6.Eine
7.Flat Blimmed High-Rider
8.Industrial Standards
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2010年2月14日 (日)

借金返済のために作られたAホールズワースの「IOU」

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Musician●Allan Holdsworth(guitar)
Title●I.O.U(1982年)
■ディスクユニオンで購入

英国出身のテクニカル系ギタリスト、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)のことを書き始めると個人的な思いもあって、誌面が尽きないのですが、ホールズワース自身がいったん表舞台から姿を消し、再度浮上するきっかけになったのが、自主制作盤「I.O.U」です。I.O.Uとはつまり、I Owe You、借用金証明という意味ですが、このアルバムが制作された当時、ホールズワースはほとんど仕事がない状態で、生活費を捻出するために大事な機材を質草にするほど、経済的に困窮していたそうです。

そんな危機的状況から脱出するために、まさに起死回生の策がこの「I.O.U」だったのです。しかし、そんな笑えない状態をアルバムタイトルにするあたりが、いい意味で皮肉屋のイギリス人らしいところです。ご存じのようにホールズワース名義では1970年代にCTIから「ヴェルベット・ダークネス」というアルバムがファーストということになりますが、彼自身は「忘れ去りたい駄作」といっています。

さて、ホールズワースの特徴は何といってもアームを駆使したウネウネフレーズとあまりに流麗すぎるレガート奏法。そして独自の解釈から編み出されたキーボードのようなコードヴォイシングです。もちろん、これ以前のアルバムでもその片鱗は十分に見せつけていたのですが、「俺にはこれしかないんじゃ」と開き直って前面に押し出したのは、この作品からではないでしょうか。しかし、あまりにも独創的な奏法なので、誰にも信じてもらえないと思ったのか、クレジットにはわざわざ「このアルバムではキーボードの類は一切使われていません」とわざわざ断り書きが印刷されたほどです。そういえば、Queenのファーストアルバムでも同じような断り書きがありましたね。

そんな状況で作られたアルバムですから、気合いが漲っているかと思いきや、作品はいたってクール。自身がもてるテクニックをふんだんに盛り込みながらも、伝わる印象は非常に冷静で計算し尽くされた仕上がりです。このアルバムによって多くのギターファンから熱烈な支持を集め、結果としてエディ・ヴァンヘイレンの援助によって「Road Games」が世に出る契機になったことはいうまでもありません。80年代のホールズワースを語るうえで重要な位置づけを担う作品であり、また個人的にもフェイヴァリッドな1枚です。ちなみに、ボーカルのPaul WilliamsはTempest時代からの盟友です。

このアルバムは日本ではディスクユニオンが初めて輸入。最初のアナログ盤のジャケットは黒でしたが、のちにEnigmaから再発売されたときはなぜか赤に変わっていました。昨年、紙ジャケットで再発売されたものは、オリジナルの黒に戻っていました。この再発売シリーズはファンにとって大変悩ましいもので、全部揃えるのには大変な出費を伴います。悩みに悩んだ末(?)、一番のお気に入りのこの作品を改めて買った次第です。ですからオリジナルのアナログ、初CD化のもの、そして今回の紙ジャケットの3枚を所有していることになります。自分でも大変な物好きだと呆れています。

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar
Paul Williams / vocal
Paul Carmichael / bass
Gary Husband / drums

●Numbers
1. The Things You See
2. Where Is One
3. Checking Out
4. Letters Of Marque
5 .Out From Under
6. Temporary Fault
7. Shalloe Sea
8. White Line
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Ann-Marita / Intuition(2007年)

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Musician●Ann-Marita(Vo)with Brett Garsed(E Guitar)
Title●Intuition(2007年)
■メーカーサイトより購入

オーストラリア出身の超絶ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)の奥さんAnn-Marita(アン・マリータ)のソロ第2弾です。連投ですみません。Ann-Maritaはノルウェー出身でありながらカントリー歌手という変わり種。どういう接点かわかりませんが、旦那のBrett Garsedのサポートを受けてソロ活動をしています。ジャケット写真をご覧になればお気づきのように、Annさんはなかなかの美形です。ついでに旦那も見方によってはリチャード・ギア似の美男子ですから、まさに理想のカップルと言えるのではないでしょうか。

肝心の音ですが、やはりファーストと同様に、純粋なカントリー音楽。Annさんのボーカルは確かに上手いのですが、この手の音楽に興味がない方には聴き通すことはけっこう大変かもしれません。旦那のギターも完全に脇役に徹していているために、いつもの超絶技巧を期待すると完全に裏切られます。まあ、いいか。

●Musicians
Ann-Marita / vocals
Brett Garsed / guitars,resonator guitar,mandlin,background vocal
Angus Burchall / drums
Craig Newman / bass
Stuart Fraser / guitars
Chong Lim / keyboard
Steve Williams / harmonica

●Numbers
1. Woman's Intuition
2. What the Hell (Goes on in There)
3. Under the Iowa Sky
4. Three Magic Words
5. Company Town
6. State Line
7. Wish I Was More Like That
8. Gettin' on That Bus
9. Two-Faced
10.Mrs. You
11.Done Doin' Time
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2010年2月13日 (土)

Ann-Marita / Same(2003年)

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Musician●Ann-Marita(vo)with Brett Garsed(guitar)
Title●Same(2003年)
■メーカーサイトより購入

オーストラリア出身の超絶ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)の奥さんが実はミュージシャンであることはあまり知られていないようです。Ann-Marita(アン・マリータ)というノルウェー出身のカントリー歌手がその人で、2003年に初ソロをリリースしています。当然というか、ごく自然な形で旦那のBrett Garsedがギターで参加しているということで聴いてみました。

触れ込みにあるように、カントリー音楽ということで、それ以上でもそれ以下でもありません。正直に言いますと、そもそもカントリー音楽にはあまり食指が伸びないということもあって、旦那が参加していなければ購入していないかな、という感じです。

Garsedは奥さんのナチュラルな持ち味を殺さないように配慮しているのでしょうか。いつもの超絶技巧は極力抑えているように思います。したがっていつものBrett節を期待する人にはあまりお勧めできません。これは余談ですが、メーカーサイトから直接購入したところ、「Thank You!」と直筆サインが書かれたブロマイド写真が同封されてきました。ジャケットに写る写真よりも遙かに美形な奥さんです。

●Musicians
Ann-Marita / vocals
Brett Garsed / guitars,resonator guitar,mandlin,background vocal
Suzanne Marrissette / drums
Ric Fierabracci / bass
Stuart Fraser / guitars
Chong Lim / keyboard
Steve Williams / harmonica

●Numbers
1. Class Of '93
2. Face In The Crowd
3. Alive And Kickin'
4. (No Slowing) The Hands Of Time
5. The Ex-Boyfriend Song
6. That Girl
7. More Than Meets The Eye
8. You Said Forever
9. Sounds Good To Me
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2010年2月12日 (金)

THE ALCHEMISTS(1999年)

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Musicians●Various Musicians
Title●The Alchemists(1999年)
■Liquid Note Recordsより購入

テクニカル系ミュージシャンというとGreg Howe、Allan Holdsworth、Scott Hendersonなどのトップクラスになれば自分名義のアルバムをリリースすることに支障はありませんが、多くのミュージシャンはスポット的に参加したり、1枚出したらギター講師などをして生活費を稼いだりと、実際には暮らし向きはそれほど恵まれているわけではありません。そんな「恵まれない(?)ミュージシャンに活躍の場を!」という趣旨のもとにリリースされるのが「オムニバスアルバム」です。テクニカル系ミュージシャンに理解あるLiquid Note Recordsが1999年に発売した「The Alchemists」もそんな作品です。なかにはGuthrie Govan、Richard Hallebeek、Bumblefoot、Cyril Achard、Brett Garsedなどのそこそこ知られたミュージシャンもいます。

このアルバムの評判が良かったのかは不明ですが、続編「The Alchemists 2」も出ています。なかなか入手が難しいのですが、メーカーサイトや「Guitar Nine」なら入手できます。

●Guitarists
Richard Daude / Guitar
Guthrie Govan / Guitar
Terry Syrek / Guitar, All Instruments, Arrangement, Production
Stephen Ross / Guitar
Richard Hallebeek / Guitars, VG-88, Guitar Synth, Keyboards, Mixing, Mastering
Todd Duane / Guitar
Marc Pattison / Guitar
David Martone / Guitar, Engineering
Scott Hughes / Guitar
Magnus Olsson / Guitars, All Instruments (Except Keyboard Solo), Engineering, Arrangement
Bumblefoot / Fretless Guitar, Vocals, Production
Phi Yaan-Zek / All Guitars, Keyboards, Vocalising, Percussion
Lyle Workman / Electric and Acoustic Guitar, Keyboards, Mixing
Milan Polak / Acoustic and Electric Guitars, Bass, Keyboards
Mario Parga / Guitars, Bass, Drum Programming, Production
Derryl Gabel/ Guitar, All Instruments
Joboj / Guitar, Production, Engineering
Stefan Rosqvist / Guitars, All Instruments
Scott Stine / Guitar
Joy Basu / Guitar
David Kilminster / Guitar, Programming
Rusty Cooley / All Guitars, Drum, Bass and Keyboard Sequencing
Cyril Achard / Guitar
Brett Garsed / Guitar, Bass, Loops
Rob Johnson / Guitar
Stephan Forte / Guitar, Programming, Keyboards, Mixing
Vladimir Korovin / Lead Guitar

●Keyboad
Kevin Codfert/ Keyboard Solos
Lalle Larsson / Keyboard Solo, Piano Outro
David Bristow / Keyboards, Production, Engineering
Bobby Williamson / Keyboard Solo, Drum Sequencing

●Drum
John Homan
Rick May
Eric Lebailly
Virgil Donati
Daniel Adair
Toss Panos
Todd Hatchet
Sanford Oxenbery
Bas Cornelissen / Drums, Mixing, Mastering

●Bass
Karl Guther
Franck Hermany
David De Marez Oyens
Dave Spidel
Thorndike Applethorple / Bass, Backing Vocals
Doug Lunn
Doug Kelly

●Others
Cassius Khan / Tablas
Evelina Anderson / Vocal Part (Intro)
Ray Porrigsworth / Vibes, Backing Vocals
Arramagong Gayadari / Didgeridoo, Backing Vocals
Ilhaam Selih / Hello Voice On Intro
Zak Haipney / Virtual Flute
Dave Ristrim / Pedal Steel
Ed Goldfarb / String Transcription and Conducting
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2010年2月11日 (木)

これがビートルズの日本デビューアルバム(ですかね?)

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Musician●The Beatles
Title●ステレオ!これがビートルズ!Vol.1
■購入先不明

自宅を整理していたらビートルズのファーストアルバムの日本盤が出てきました。欧文タイトルが「Please Please Me」、和文タイトルが「ステレオ!これがビートルズ!Vol.1」とことさらに「ステレオ」と強調しているあたりが時代を感じさせます。記憶をたどっていくと、いまから34、35年前に入手しているはずです。定価が2200円ですから、いまの感覚ではおそらく5000~6000円程度の買い物になるのではないでしょうか。子どもにとっては、大変な出費であることは間違いありません。

内容はというと、いまさら説明不要なので割愛させていただきますが、さっそくデジタル化してiPodで聴いてみたところ、とにかく驚いたのが音質の良さです。音の分離が実に素晴らしく、各楽器が作り出す音が粒だっています。いまとなっては推測でしかないのですが、出回って間もない頃のCDよりは遙かに音がいいはずです。ついでにいえば、アナログ時代の海外輸入盤は、あまり音質が良好とは言えず特にアメリカ産は粗悪なものが目立っていたように思えます。ひどいケースでは、ジャケットから取り出した時点で、盤がすでに歪んでいて、針飛びが激しくて再生どころの騒ぎでなかったこともありました。何と言っても、品質面では国内盤が一番!自家用車ではありませんが、かつての日本の製造業は、高い技術に裏づけられた良質な製品を生み出していたわけで、この点は大いに自信をもっていいはずです。

中面を開けるとメンバーのポートレート写真や歌詞も印刷されてました。確かに当時としては安い買い物ではありませんが、満足度ははかり知れません。レコード帯は捨ててしまう習慣だったので存在しませんが、もし帯付きだったら、中古レコード屋でけっこう高価で売れるのでは?もちろん、そんな気は毛頭ありません。

●Numbers
Side A
1.Please Please Me
2.Anna
3.I Saw Her Standing There
4.Boys
5.Misery
6.Changes
7.Ask Me Why

Side B
1.Twist And Shout
2.A Taste Of Honey
3.Love Me Do
4.Do You Want To Know A Secret
5.Baby It's You
6.There's A Place
7.P.S. I Love You
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期待の若手ハイテクギタリスト國田大輔

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Musician●國田大輔グループ
Title●ファジー・ロジック(2006年)
■HMV Japanより購入

日本でもテクニカル系ギタリストが徐々にですが、活躍できる環境が整ってきたように思えます。ひと昔のように「大量生産、大量消費の時代」では、マニア向けだという理由だけで商業ベースに乗らなかった作品、アーティストが流通や販路の多様化によって、ジワジワと世に流れるようになってきているのではないでしょうか。やはり一番大きい要素は、ネット環境の充実によるところが大きいと思います。

今回紹介する國田大輔氏もニッチな存在でありながら、知名度を上げつつあるギタリストの一人です。さらに言えば若い世代でありながら、テクニカル系ギタリストとしてデビューした時点で、ニッチ中のニッチと言えるのではないでしょうか。

肝心の楽曲はというと、のっけから「Holdsworthianぶり」を十分に発揮しています。本家と比べるとギターの音色はややウェットでリヴァーヴが若干かかっています。ソロの展開も本家ほど変態チックではなくクセがないので聴きやすいかも。そんなわけでギターそのものは今後に大いに期待できますが、惜しむらくはバックメンバーがやや非力な点。ドタドタと何とかついていくという感じで、何となく不安感を抱いてしまいます。そこらあたりが解消されると、けっこうな存在になる予感がしてきます。ともあれ次作に期待しましょう。

しかし帯の「異次元のギタリスト、鮮烈のデビュー!」は何とかなりませんかね。他人のことを言えた義理ではありませんが。

●Musicians
Daisuke Kunita / guitar
Jiro Okada / bass
Eiji Tanaka / drums
Kan Sano / piano,keyboard
Eiji Otogawa / soprano sax

●Numbers
1.Intro
2.Fragments
3.On Again,Off Again
4.Tonal Gravity
5.Sharp
6.Flat Line
7.22 On 22
8.Acid Approach

これぞ「癒し系音楽」Tom Van Der Geldのソロ

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Musician●Tom Van Der Geld(vibraharp)
Title●Path(1979年)
■ディスクユニオンで購入

ドイツのレーベルECMの魅力のひとつに普通ではあまり実現性が高いとは思えないミュージシャン同士の共演が聴かれるところにあります。ヴィブラフォン走者というとゲイリー・バートンあたりがビッグネームですが、ほかにいるのかというと意外に思いつきません。Tom Van Der Geld(トム・ファン・デア・ゲルト)もそんな一人です。そもそも知名度が低いうえに極端な寡作であるため、ほとんどデータがないのです。そんなマイナーな存在にスポットを当ててくれるECMの慧眼にはいつも感心します。1979年にリリースされています。参加メンバーは、元リターン・トゥ・フォーエバーの初代ギタリスト、Bill Connors(ビル・コナーズ)と管楽器奏者のRoger Jannotta(ロジャー・ジャノッタ)というトリオ構成。

楽曲はというとまさに「典型的なECMサウンド」で、絹を紡ぐようなTom Van Der Geldのヴィブラに繊細なコナーズのアコギが絡まりあい、究極のヒーリングミュージックを現出させています。そこに、これまた繊細極まりないRoger Jannottaのフルートがスネークインしてくると、桃源郷の世界が目前に広がります。

とは言え、あまりに静寂な雰囲気は、時として眠気を誘うこともまた事実です。実際、このアルバムをデジタル変換してiPodで通勤途中で聴いていて、ついつい睡魔に襲われたことも一度や二度ではありません。心身とも若干お疲れ気味の方には、良質な睡眠薬としてもお勧めできます。

●Musicians
Tom Van Der Geld / vibraharp
Bill Connors / guitars
Roger Jannotta / flute, soprano saxophone, oboe

●Numbers
1.One
2.Eevee
3.Joujou
4.Michi
5.Joys And Sorrows

※アナログ盤でのみ入手可能
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2010年2月10日 (水)

スエーデン出身の謎のフュージョンギタリストRolf Eriksson

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Musician●Rolf Eriksson(E Guitar & A Guitar)
Title●Solfaglar(1981年)
■ディスクユニオンで購入

たまにジャケットデザインが妙に気になって買ってしまうことがあります。何千円もする物ならもちろん躊躇するのですが、アナログ盤でしかも1枚○○円という投げ売りセールだと、「まぁ、いいか」という感じで手にとってレジに向かってしまいます。そんな軽い感じですから、当たり外れも出てきます。多くの場合は「外れ」なのですが、それでもたまに掘り出し物に出会える偶然も、漁盤ライフの醍醐味だといえませんでしょうか。

今回紹介するスエーデン出身のフュージョンギタリストRolf Eriksson(ロルフ・エリクソン)のアルバムもそんな1枚です。ディスクユニオン某店のアナログコーナーで発見したのですが、まずは手にしないで数ヶ月間「放置プレイ」にしておきました。そのうち買い手がつかないままに投げ売りコーナーに格下げされたことに気がつき、「どうせこのまま捨てられる運命なら…」と急に気になって購入に至りました。

このRolf Erikssonというギタリストですが、どうやらスエーデンの地場ミュージシャンのようで、共演するメンバーも同じスエーデン人と思われます。1曲目の「Kasper」は繊細なアルペジオから入り「おお、さすが北欧的な繊細さ!」と喜んだのも束の間、聴き進めていくと急にフュージョンぽくなったり、ボサノバ的に変わったり、カリプソ的な陽気さを漂わせたりと、どうも「軸」が定まりません。インスト一本なのかと思いきや、急にラテンフレイバーなボーカルが入ってきたりと、ことごとく聴く人間の予想を裏切ります。ギターもよく聴いてみると、何となく「ラリー・カールトン風」を決めようとしているのですが、悲しいかな技量がそこまで追いつかないので、全体的に「なんちゃって感」が悲しいほどに漂うのです。だめだ、こりゃ。

というわけで、どうやら時代の波にうまい具合に乗ろうとアルバムを作ってみたものの、見事なまでにコケてしまうという典型的な失敗作とみました。このアルバム以外にリリースした形跡もないようですし、まさに「一発屋」の典型と言えるでしょう。とは言え、実際に手にとって聴いてみないことにはこんなことは言えないわけです。

●Musicians
Rolf Eriksson / guitar
Klaviaturer / vocal
Orjan Bystrom / bass
Roger Palm / drum

●Numbers
Side A
1.kasper
2.SolfaglarSmeker Din Vata Kropp
3.Ulla
4.Klara Kvallar,Sena Natter
5.Karneval I Birkastan

Side B
1.Allt Jag Alskar
2.Kristallblomster
3.Silverzayas Trandans
4.Sanningen Smaler
5.Tissel Tassel

※アナログ盤でのみ入手可能
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2010年2月 9日 (火)

2大ギタリストによる静かな対話(Abercrombie & Towner)

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Musicians●John Abercrombie & Ralph Towner(guitars)
Title●Five Years Later(1982年)
■ディスクユニオンで購入

何だか「ECMづいて」きましたが、何とぞご容赦を。このブログの目的のひとつとして「埋もれつつある名盤の発掘」ということを想定しています。さまざまな事情でいまだにCD化されない優れた作品に、微力ながらスポットを当ててみたいと考えているのです。ご存じのように多くの名作を世に送り出しているECMですが、よくよくみてみると「どうして?」と思えるほど、廃盤のままになっている名作が多いのです。

今回、ご紹介する作品もそんな隠れた名作のひとつです。John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)とRalf Townerラルフ・タウナー)といういずれもECMの屋台骨を長年支えてきた2大ギタリストの共演作にもかかわらず、いまだにCD化されていません。ご存じのようにこの2人はこのアルバムが発売される7年前の1978年に「サルガッソーの海」というギターデュオアルバムをリリースしています。そして5年後の再会がこの「Five Years Later」というわけです。

さて、作品ですが前作の路線を踏襲した実に内省的で叙情感たっぷりの内容に仕上がっています。かたやジャズ寄りでエモーショナルなアバクロ、かたやクラシック寄りで計算し尽くされた冷徹なタウナーと、実に対照的ともいえる個性を持ち合わせる2人ですが、一聴すると静かな対話に映りますが、水面下では実に激しい戦いが繰り広げられているかのようです。そう考えながら、印象深いジャケット写真を見ると、より深く楽しめるのではないでしょうか。さすが、ECMですね

ギター好きにとってはこの2大ギタリストが出ているだけで、涎がダラダラと垂れてきそうな作品ですが、ギターにあまり興味がない人にとってはもしかしたら退屈かも。そもそもギターデュオアルバム自体が、あまりセールス的に成功しないというデータがあります。そんなわけでこの2人の作品は「サルガッソーの海」だけで十分でないの?という営業面での思惑があるのかもしれません。優れた作品でありながら埋もれたままになっていることが残念でなりません。

●Musicians
Ralph Towner / 12 string guitar,classical guitar
John Abercrombie / electric guitar,acoustic guitar, electric 12 string guitar, mandolin guitar

●Numbers
1.Late Night Passenger
2.Isla
3.Half Past Two
4.Microtheme
5.Caminata
6.The Juggler's Etude
7.Bumabia
8.Cjild's Play

※アナログ盤でのみ入手可能
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2010年2月 8日 (月)

JOHN ABERCROMBIE / ABERCROMBIE QUARTET(1980年)

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Musician●John Abercrombie(E Guitar,Mandlin)
Title●Abercrombie Quartet(1980年)
■ディスクユニオンで購入

タイトルに「アバクロ」などと書きましたが、もちろんあのJ系タレントが着ていることで有名なファッションブランドのことではありません。ECMを代表する知性派ギタリスト、John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)のことです。アバクロは1960年代後半からプロ活動をしていますが、70年代に入ってからECMに移籍後に頭角を現してきました。そしてバークリー音楽院時代からの盟友、リッチー・バイラークと組んだ「Arcade」 「Abercrombie Quartet」「M」という耽美系3部作でいったん頂点に達します。ところが、バイラークとECMの総帥Mアイヒャーとの確執が原因で、この3部作に限ってCD化が許されず、実質廃盤状態にあります。数年前にやっと「Arcade」がCD化されたものの、ほか2タイトルはいまだに廃盤という憂き目にあっています。

さて邦題は「ブルーウルフ」とされたこの作品ですが、究極な耽美的美しさを追求した「Arcade」と比べると、ややまとまった印象を受けます。各ソロイストの力量を極限にまで引き出した前作とは違い、バンドとしてのバランスに考慮した印象を受けます。したがってそれなりに聴きややすくなりましたが、逆に面白味が半減したようにも思えます。とは言いつつ、決して凡庸に陥らないところが彼らの素晴らしいところで、タイトル曲「Blue Wolf」で聴かれるむせび泣くようなアバクロのマンドリンは一聴の価値十分です。

「Arcade」「M」に挟まれる感じで何となく地味な印象を受けるこの作品ですが、やはり中期ECMを語るうえではどうしても外せない重要な作品。返す返すも「大人の事情」のせいでCD化がならないことが残念でなりません。ちなみにこのブログのプロフィール写真はこのアルバムジャケットです。

●Musicians
John Abercrombie / guitar,electric mandolin
Richie Beirach / piano
George Mraz / bass
Peter Donald / drums

●Numbers
1.Blue Wolf
2.Dear Rain
3.Stray
4.Madagascar
5.Riddles
6.Foolish Dog

※アナログ盤でのみ入手可能
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2010年2月 7日 (日)

DVDが出てしまいましたが Jeff Beckのライブ第3弾

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Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Live at Ronnie Scott's Jazz Club
■Amazonから購入

2007年11月、ロンドンのジャズクラブ「ロニー・スコッツクラブ」で行われたJeff Beckの会心のライブ盤です。CD先行→NHKBSで放送→DVDリリースというあざとい商魂(?)はいかがなものかと思いますが、海賊盤的なテイストでリリースされてきたこれまでのライブ盤としては、第1弾、第2弾を遥かに凌駕する出来栄えだと思います。収録内容はDVDと同じですが、女性ボーカルを迎えた3曲(「ピープル・ゲット・レディ」「ブランケット」「ローリン・アンド・タンブリン」)とエリック・クラプトンとの共演2曲は権利の関係なのかは不明ですが、このCDには収録されていません。

というわけで、私のように先にCDを購入した人間にとっては、何だかトホホな作品になってしまいましたが、それでも内容は「素晴らしい!」の一言。DVDのコメントでも触れましたが、何と言ってもバンドとしてのまとまりが素晴らしく、やはり紅一点のベース奏者、タル・ウィルケンフェルドの存在が大きいようです。

DVDは自宅でじっくりと鑑賞することと割り切って、私はiPodにぶちこんで通勤電車でガンガンと楽しんでいます(笑)。

●Musicians
Jeff Beck / guitar
Tal Wilkenfeld
Vinnie Colaiuta / drums
Jason Rebello / keyboard

●Numbers
1. Beck's Bolero
2. Eternity's Breath
3. Stratus
4. Cause We've Ended As Lovers
5. Behind The Veil
6. You Never Know
7. Nadia
8. Blast From The East
9. Led Boots
10.Angels (Footsteps)
11.Scatterbrain
12.Goodbye Pork Pie Hat / Bush With The Blues
13.Space Boogie
14.Big Block
15.A Day In The Life
16.Where Were You
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偽物でもここまで徹すると偉い!The Bruford Tapes

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Musicians●Bruford(dr)
Title●The Bruford Tapes(1979年)
■Amazonより購入

ビル・ブラフォード率いる「Bruford」による通算3枚目のアルバムです。1979年7月12日、カナダのFM曲の公開録音の模様を収録したもので、「Bruford」名義のアルバムとしては唯一のライブ音源になります。発売当初はカナダと日本のみの限定リリースであった関係で、海外のマニア間ではプレミアつきでトレードされていたそうです。

ご存知の通り、前2作で超絶技巧を披露したギターのAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)はお約束通りに脱退してしまい、代わりに新人で無名のギタリスト「Unknown John Clark」が加入しています。Dave Stewart(キーボード)とJeff Berlin(ベース)は継続参加しています。

「Unknown John Clark」がホールズワースの代役を十分に勤め上げることができるか、という点のみに興味が集まってしまうという、ある意味では大変不幸な作品ですが、意外にも(?)大過なくJohn Clarkはプレイしています。前任者・ホールズワースの独特のヴォイシングやフレーズなどを驚くばかりの研究心で、すっかりコピーしている点に驚かされます。でも、「だからどうしたのよ」という批評から逃れられないという意味で大変不幸なのです。

しかしながら、やはりそれは代役の悲しさ。まさにこの作品に参加したのみで、文字通り「Unknown」で終わってしまったJohn Clarkのその後はどうなってしまったのでしょうか。それこそ「誰も知らない」という意味で、大変不幸なギタリストといえるでしょう。音質もけっして良いとは言えません。ただJohn Clarkの旺盛な研究心には大いに賞賛の声を贈りたいと思います。

そういえば、数年前にBrufordの初期2作品がリマスターされ再発売されましたが、ボーナストラックと称して、この「The Bruford Tapes」の音源が収録されていました。何ともあざとい商法ですが、John Clarkにとっては思いがけない「復活」となったわけで、その意味では世の中捨てたものではありませんね。

●Musicians
Bill Bruford / drums
Unknown John Clark / guitar
Dave Stewart / key
Jeff Berlin / bass

●Nunbers
1. Hell's Bells
2. Sample and Hold
3. Fainting in Coils
4. Travels with Myself - And Someone Else
5. Beelzebub
6. Sahara of Snow, Pt. 1
7. Sahara of Snow, Pt. 2
8. One of a Kind, Pt. 2
9. 9.5g

左上がUnknown John Clarkです
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2010年2月 6日 (土)

JOHN ABERCROMBIE / M(1981年)

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Musician●John Abercrombie(E Guitar)
Title●M(1981年)
■ディスクユニオンで購入

ECMを代表するギタリスト、John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)は70年代後半から80年代初頭にかけてバークリー音楽院からの盟友Richie Beirach(リッチー・バイラーク)と組んで3作ほど素晴らしい作品をリリースしています。アバークロンビーお得意のサスティーンを利かせた浮遊感あふれるプレイと、ビル・エヴァンス直系のバイラークによるリリカルなプレイとの絡みが実に美しく、個人的には「アバクロ耽美系3部作」として勝手に称賛しています。別の機会で詳しく述べるつもりですが、バイラークとECM総帥アイヒャー氏の確執の煽りをもろに受けたため、バイラーク参加のこの3部作も長らく廃盤状態になっていました。ところが3部作の1枚目「Arcade」 が突然CD化され一部ファンの間では「やっと雪解けムードか?」と騒がれましたが、続く「Abercrombie Quartet」と本作「M」はいまだに廃盤状態です。したがって、アナログの中古を入手する以外方法がないのです。

さて、3部作の最期を飾るこの作品ですが、一切の「捨て曲なし」のオール耽美系ジャズの傑作といって過言ではありません。これでもか、これでもかと究極の美しいフレーズを生み出すアバクロ、あくまでも透徹した世界を築くバイラークとの絡みは、譬えようもない美しさにあふれています。この両者の美しい会話にECM特有の透徹感と透明感が加味されることによって、素晴らしい作品に仕上がっているのです。1曲目「Boat Song」はアコギによる静かなスタートを切りますが、次第にアバクロの幽玄なソロとバイラークの静かながら内面に情熱を秘めた対話が繰り広げられます。凍てつく北欧の風景が目前に広がるような錯覚を覚えます。続くアルバムタイトル曲でもある「M」はまさにECMという感じで4人の職人が恐ろしいまでに研ぎすまされた美しい旋律を束ね、見事な佳曲に仕上がっています。B面のオープニングを飾る「Flashback」はバイラークによる曲ですが、長閑な雰囲気で始める冒頭からピーター・ドナルドによる合図から一転して変拍子を多用した激しいアップテンポの曲に。乱打を続けるバイラークとアバクロのソロとの応酬、そしてその2人の戦いをさせる強力リズム隊による緊迫した雰囲気は、このアルバムでの一番の聴きどころです。

しかしながら、前述のように「大人の事情」によっていまだに廃盤状態にあることは、文化的にとまでは言いませんが、少なくともECMにとっては大きな損失であることは間違いありません。何とか復刻がならないでしょうか。

これは余談ですが国内盤は確かTrioレコードから発売され、タイトルは「ラプソディー」と付けられましたが、帯に印刷されたレスポールを手にしたアバクロの写真が「裏焼き」(裏表が逆に印刷されるという編集上のミスで、見た目が左右反対になってしまいます)になっていました。知らない人が見たら、アバクロは左利きのギタリストということに誤解されてしまいますね。


●Musicians
John Abercrombie / guitar,e-mandolin
Richie Beirach / piano
George Mraz / bass
Peter Donald / drums

●Numbers
1.Boat Song
2.M
3.What Are The Rules
4.Flashback
5.To Be
6.Veils
7.Pebbles
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2010年2月 5日 (金)

超絶ギタリストBrett Garsedの初録音(Adrian's Wall)

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Musician●Adrian's Wall
Title●Caught in the Web(1987年)

■Gemm.comより購入

オーストラリア出身の超絶ギタリスト、Brett Garsed(ブレット・ガースド)がまだ注目される前のおそらく初録音アルバムです。「Adrian's Wall」というポップグループなのです。この「Adrian's Wall」、現在では活動していないようですし、初めて存在を知った謎のグループです。1987年、オーストラリア地元の「ZOOMレコード」というレーベルから発売されています。

ジャケットに写るおそらくリーダーと思われるボーカル担当のAdrian Campbellを見ると、ああ懐かしき80年代ユーロポップの雰囲気が丸出しのツンツン髪型。「デュラン・デュラン」や「カジャ・グーグー」あたりのポップバンドのテイストと書けば雰囲気が伝わるでしょうか。サウンドもまさに予想通りの典型的なポップスという感じで、内容的には特段語るべきほどではありません。お目当てのGarsedがこのアルバムに参加した経緯は不明ですが、それでもエレキ、アコギと八面六ぴの大活躍です。妙に脳天気なポップサウンドに、Garsed独自の超絶技巧が炸裂するという、なんだかアンバランスで奇妙な楽曲が続きます。

しかし考えてみれば、Garsedが一躍有名な存在になった元祖ビジュアル系ロックバンド「Nelson」もサウンド的には似たり寄ったりの感じだったわけです。まずはバンドオーディションで合格してギタリストとして加入→いくつかのバンドを渡り歩いて人脈を形成→その人脈をもとにユニットを結成→念願のソロデビュー、というギタリストとしての黄金の成長プロセスに当てはめれば、何ら特別なことではありません。では、この作品からBrett Garsedの原点が見えるのかというと、かなり微妙なところだと言わざるをえません。モノ好きな方は怖いもの見たさで聴かれては? こればかりは自信をもってお勧めできません。

●Musicians
Adrian Campbell / vo
Larry Groves / vo,key
Brett Garsed / g
Brian Hamilton / b
Robert dillon / dr
John Barrett / sax,flu
Bob Venier / tru
Lisa Bade / vo
Lisa Edwards / vo
Alejandro Pertout /perc

●Numbers
Side A
1,Night People
2.Afraid to be Afraid
3.Finally Deciding
4.Reach Out I'll be There

Side B
1.This Waiting(is killing me)
2.Soul Breaker
3.Time Stands Still
4.The Dancer
5.I Doubt it(will ever come true)

※アナログでのみ入手可能
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2010年2月 4日 (木)

ECM外のジャック・ディジョネット「Cosmic Kitchen」

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Musician●Jack DeJohnette(Dr)
Title●Cosmic Kitchen(1975年)
■ディスクユニオンで購入

本ブログでは珍しく大物ミュージシャンの登場です。ご存じ、エレクトリック・マイルスで重要な働きを果たしたJack DeJohnette(ジャック・ディジョネット)がマイルス楽団を離れた後の作品です。ご存じのように、ディジョネットはのちにドイツのレーベルECMに在籍し、キース・ジャレットとゲイリー・ピーコックとの「スタンダードトリオ」で再度脚光を浴びますが、1975年にリリースされたこのアルバムは、ちょうど「ECM前夜」という感じの位置づけになるはずです。メンバーはディジョネットのほか、Alex Foster (as, ts)、John Abercrombie(guitar)、Peter Warren (b) というカルテット構成。ECMに移籍後に「Untitled」(1976年)、「New Rags」(1977年)というアルバムを「Directions」名義でリリースしていますが、Alex Foster とJohn Abercrombieはそのままスライドしています。

テイストというと、マイルス時代の遺産をいい意味でも悪い意味でも継承した感じの「正統派ジャズロック」という感じです。そしてファンキーな要素を前面に押し出したというイメージでしょうか。いきなりPeter Warrenによる黒っぽいベースが響きわたるあたりでゾクゾクとします。ギターのAbercrombieもディストーションを利かせるだけ利かせたロックタッチのソロで応酬しています。本来、野太いドラミングが魅力のディジョネットもここぞとばかりに連打の限りを尽くしています。まさに、脳天串刺し状態ですね。

ECM移籍以降は、Mアイヒャー氏のありがたい指導(?)のもとサウンド的にも洗練されていくのですが、ECM前夜の荒削りでワイルドな一面を知るうえで貴重な作品ではないかと個人的には思います。ちなみに、この作品はもちろん、まだファンク色が濃厚だったDirection時代の「Untitled」「New Rags」の2作品もいまだにCD化されていません。おそらくファンキーな要素が「ECMのブランドイメージ」に合わないのでしょう。CDで聴こうとするとLester Bowieが加入した「New Directions」以降ということに。ただ個人的には「Directions」のほうがよほど面白いのですが…

●Musicians
Jack DeJohnette / drums, piano, keyboard
Alex Foster  / a-sax, t-sax
John Abercrombie  / guitar
Peter Warren / bass

●Numbers
Side A
1. Cosmic Chicken
2. One for Devadip and the Professor
3. Memories
4. Statocruiser
Side B
1. Shades of the Phantom
2. Eiderdown
3. Sweet and Pungent
4. Last Chance Stomp

上2枚が「Untitled」、下2枚が「New Rags」です
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2010年2月 3日 (水)

70年代正統派ジャズロックTerry Plumeri

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Musician●Terry Plumeri(Bass)
Title●He Who Lives In Many Places(1971年)
■Amazon USAより購入

フリー系ベース奏者Terry Plumeri(テリー・プリュメリ)による1971年の作品。個人的にはこの70年代のジャズロックというものが大好物なのですが、理由は簡単で、この時期に制作されたサスペンス系、アクション系の映画音楽として盛んにこの手の音楽が導入されていたからです。実際、チャールズ・ブロンソン主演の「Death Wishシリーズ」やクリント・イーストウッド主演の「ダーティー・ハリー・シリーズ」では、ハービー・ハンコックやジミー・ペイジなどの当時の若手ミュージシャンが積極的に登用されているのです。映画そのものを楽しむこと以外に、音楽を聴いてわくわくと胸躍らすこともまた別の楽しみだったのです。

今回紹介するのはTerry Plumeriというベース奏者。例によって正体はよくわからず恐縮の限りですが、なにせこのアルバムに参加しているミュージシャンの豪華さに目が眩んで購入してしまいました。キーボードに先に挙げたHerbie Hancock、ベースにMichael Smith、ギターにJohn Abercrombie、パーカッションにEric Gravatt(白状すると、この人はよくは知りませんが)という布陣。どうやらベース担当のMichael Smithが2006年に亡くなり、追悼の意味を込めてCD化されたようです。

サウンドとしてはまさに期待通りの70年代ジャズロックの典型で、やたらと粘着質な旋律を刻むTerry Plumeriと歪み切ったハンコックのエレピ、そして珍しくファズを利かせたアバークロンビーのロック的なアプローチと、まさに聴きどころが満載。各プレイヤーの息詰まる迫真の攻防を見守っていると、時間が経つのも忘れてしまいます。きょうびの甘ったるいスムースジャズなどを好む人にとっては、まさに劇薬中の劇薬。刺激が強すぎるかもしれません。そのまま「ダーティー・ハリー」や「刑事コジャック」のテーマに使いたいくらいです。ちなみにギターのアバークロンビーは例のECMに参加以前のプレイで、70年代後半の嘆美的なプレイと比較しても面白いかもしれませんね。

アルバム自体はどうやら廃盤のようですが、海外のサイトを丹念に探すと見つかると思います。ジャズロック好きの方にぜひお勧めしたいと思います。

●Musician
Terry Plumeri / Acoustic Bass
Herbie Hancock / Acoustic & Fender Rhodes Piano
Michael Smith / Drum & Perc
John Abercrombie / Guitar
Eric Gravatt / Perc

●Numbers
1.Underwater
2.He Who Lives In Many Places
3.Timeworn
4.Dayspring America
5.Bees

下2枚はCDです。まるで別物ですね
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2010年2月 2日 (火)

奇天烈系ギタリストFiuczynskiの怪作

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Musician●David Fiuczynski(guitar)
Title●Jazzpunk(1999年)
■ディスクユニオンで購入

1990年代後半あたりから頭角を現してきた奇天烈系ギタリスト、David Fiuczynski(デヴィッド・フュージンスキー)。最近ではピアニスト、上原ひとみとの共演で見かけた人も多いのではないかと思います。フュージンスキーの特徴はジャズともロックともフュージョンともあえて自分の立ち位置を固定せず、まさに天衣無縫、自由自在に表現活動を展開している点にあります。そして万人が知るようにそのプレイはまさに変幻自在の極み。どこから飛んでくるかまったく予測不可能な奇天烈さが、マニアの琴線を刺激し続けています。

このアルバムは1999年にリリースされています。パット・メセニージミ・ヘンドリックス、ロナルド・シャノンジャクソン、ジョージ・ラッセル、チック・コリア、デューク・エリントンなどの古今東西、ジャズやロックの名曲をフュージンスキーなりの独自の解釈でプレイしていますが、当然のごとく原曲がもつ固定イメージなどはことごとく破壊され、まったく違う変態ワールドが目の前に広がります。このすがすがしいまでの「暴力性」、「音のラッダイト運動」こそフュージンスキーの真骨頂で、音の変態性を極めたい(?)人にとっては必携のアイテムです。

それにしても、1曲目のパット・メセニーの名作「ブライト・サイズ・オブ・ライフ」でのかっ飛んだプレイでいきなり強烈なアッパーパンチを繰り出したかと思えば、3曲目のショパンのプレリュードでのフレットレス・ギターによる破壊力満点の強烈なソロといい、「真面目な音楽愛好家たち」にとってはまさに耐えがたい(笑)プレイの連続。ここまで徹底して変態を極めるとむしろすがすがしささえ覚えます。ただし、美しい音楽に浸ることを愛する方、予定調和と秩序を重んじる方、そして心臓の弱い方はできれば聴かないままでいたほうがいいのではと思います。

●Musicians
Dave Fiuczynski / guitar
Matt Garrisson / bass
Eli Katz / drums

●Numbers
1. Bright Sise Life
2. Third Stone from the Sun
3. Prelude Opus Seno
4. Red Werrior
5. African Game Fragment
6. Fiesta
7. Star-Crossed Lovers
8. Jungle Gym Jam
9. Stars & Stripes Whenever
10. Hipgnosis
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2010年2月 1日 (月)

奇天烈なジャズロックTerry Plumeri

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Musician●Terry Plumeri(Bass)
Title●Ongoing(1978年)
■ディスクユニオンで購入

フリー系ベース奏者Terry Plumeri(テリー・プリュメリ)による1978年の作品。Terry Plumeriというプレイヤーは今回初めて知ったわけですが、調べてみるとジャズ&クラシック界では結構知られた存在のようです。

サウンドというと典型的な70年代フリージャズという感じがありあり。Terry Plumeriはウッドベースを時に静かに刻み、時に激しく揺さぶり、時に幽玄な世界を現出させています。このアルバムの聴きどころは2点あります。まずはECMを代表する2大ギタリスト、John AbercrombieRalph Townerの参加です。Abercrombieはエレキで、Townerは例によってアコギで臨んでいますが、ECMでのリリカルなテイストというより、退廃的でダルなプレイに徹しているあたりはまさにジャズロックという感じですね。

もう1点の聴きどころはストリングスの導入です。ストリングスを使うことは特に目新しいことではありませんが、「The National Symphony String Quintet」を起用するという本格的なもの。ただし、作品の完成度を高めることに貢献しているかというと、若干というか、かなり浮いてしまっているように思えます。そこら辺のチグハグさが奇天烈といえば奇天烈なのですが、この作品に限らずすべてが試行錯誤の連続とも言える70年代ジャズロックの特徴として、大目に見てほしいなと思います(これはあとで知ったのですが、Terry Plumeri自身が楽団の構成員なのですね。なるほど)。

ところで調べてみたら2007年に「Water Garden」という別タイトル、別ジャケットで復刻してました。これじゃ、まるで別物で気がつきませんわ。

●Musicians
Terry Plumeri / acousic bass,Vo
Marc Cohen / piano,perc
Michael Smith / kalimba,perc,dr
John Abercrombie / guitar
Ralph Towner / acoustic guitar
James Carter and Jacqueline Anderson / violin
Carlos Quian / viola
Fred Zenone / cello
Richard Webster / bass
The National Symphony String Quintet

●Numbers
Side A
1.Bornless One
2.Ongoing
3.Laura Rose

Side B
1.Two Poems for Dance:Rush Hour and Dusk
2.Gypsy
3.Water Garden

下2枚はCDジャケットです
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