Aホールズワース参加の発掘音源Propensity
Musician●Danny Thompson(bass)
Title●Propensity(1978年)
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テクニカル系ギタリストの雄Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)との共演でも知られる鍵盤楽器奏者、ゴードン・ベックの音源を地道に発掘しているArt Of Lifeから2009年にリリース。参加メンバーはイギリス出身のダブルベース奏者Danny Thompson、やはリイギリス出身のフリー系ドラマーJohn Stevens、そしてテクニカル系ギタリストの大御所Allan Holdsworthというトリオ構成。録音は1978年9月、ロンドンとなっています。全2曲で収録時間20数分という小品です。したがってホールズワースの新作ではなく、あくまでも発掘音源ですからお間違えのないよう。
ホールズワースを中心に語れば1978年という年はブラフォードを脱退して、ジョン・スティーヴンスや先のゴードン・ベックたちとイギリスやフランスでセッション活動を行っていた時期から少しだけ後になりますが、この未発表音源もその流れからだと思われます。のちに「IOU」でソロアルバムをリリースするころは子どものミルク代にも困って機材を売ってお金に換えたというエピソードがあるほど彼自身経済的には困窮していたころです。ちなみに「IOU」とは借入金借用書という意味であることは有名な話です。
さて内容はフリーキーなインプロヴィゼーションの応酬という感じで、1曲目ではホールズワースは珍しく12弦アコギを操っています。2曲目はエレキに持ち替えていますが、いま聴かれる独自のレガート奏法やワイドストレッチが生みだす独特のヴォイシングは影を潜め、フリーキーなギターソロを全面に押し出しています。テイストとしてはGordon BeckやJohn Stevensとの共演作「Re-Touch」「Touching On」「Conversation Piece」あたりに通じるものがあります。したがって決して万人向けの作品とは言えませんが(ホールズワース自身がとても万人受けするミュージシャンとは思えませんが)、コアなファンにとっては聴く価値があるでしょう。それにしても30年以上もたってこんな発掘音源が日の目に出るなんて、思いもしませんでした。
●Musicians
John Stevens / drums
Danny Thompson / double-bass
Allan Holdsworth / guitars
●Numbers
1. Jools Toon
2. It Could Have Been Mono
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