ジミヘンフォロワー、Robin Trowerの最高傑作ライブ!
Musician●Robin Trower(guitar)
Title●Robin Trower Live!(1975年)
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ジミ・ヘンドリックスのフォロワーたちはあまた存在しますが、いまなお現役で活躍しているプレイヤーは意外なほど少数かもしれません。どちらかと言うと「キワモノ」が多いためでしょうか。一過性の話題は呼ぶものの、二番が続かないようです。オリジナルが唯一無比、空前絶後の存在だっただけに、フォロワーたちは存在に近づけば近づくほど、逆にオリジナリティーの喪失に苦悩してしまうという、自縄自縛、いわばジミヘンパラドックスに陥ってしまうように思えるのです。
今回紹介するイギリス出身のギタリストRobin Trowerはその一人。「青い影」で有名な「プロコルハルム」のギタリストとして有名ですが、アートロック的なグループの音楽性とは相入れなかったのでしょう。脱退後はジミヘンフリークぶりを存分に発揮していました。そんなトロワーが全盛期だった頃のライブを収めたのがこの作品です。スウェーデンのストックホルムでのライブです。
ジミヘンのフォロワーというと、先に触れたようにどうしてもオリジナルの幻影に左右されてしまいがちですが、トロワーの特筆するべき点はきちんと自分のオリジナルとして消化できているところにあります。ジミヘンの場合は自らボーカルをとっていましたが、ボーカルはジェームス・デュアーに任せてギターに専念しているのが大きな違い。また、同じフォロワーであるウルリッヒ・ロートとは違って必ずしも「ジミヘン命」に拘泥していないことにも注目したいもの。
どの曲をとってもまったく捨て曲なしの素晴らしいライブですが、あえてベストを挙げれば幻影的な世界が目前に広がる「Daydream」でしょう。ジミヘンの「Little Wing」を彷彿とさせる名曲ですが、静から動、そして再び静寂の世界へと収斂させる構成が実にドラマティックです。味わい深いJames Dewarのボーカルも何とも言えない魅力を放っています。
●Musicians
Bill Lordan / drums
James Dewar / bass,vocal
Robin
Trower / guitar
●Numbers
1.Too Rolling Stoned
2.Daydream
3.Rock Me Baby
4.Lady Love
5.I Can't Wait Much Longer
6.Alethea
7.Little Bit of Sympathy
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