JON ST. JAMES / FAST IMPRESSIONS(1986年)
Musician●Jon St. James
Title●Fast Impressions(1986年)
■ディスクユニオンで購入
今回ご紹介する、アメリカ出身と思われるマルチプレイヤーJon St. James(ジョン・セント・ジェームス)をご存じの方はおられますでしょうか。私は寡聞にして存じません。試しにいろいろと調べてみましたが、やはりよくわかりません。ただ、シンセ、ギター、ドラム、ボーカルなと何でもこなせるマルチプレイヤーということと、「Trans-Atlantic」(84年)と「Fast Impressions」(86年)という2枚のアルバム(いずれもアナログ)を残していることだけが判明しました。個人的に追いかけているテクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が何故だか2枚ともに参加しているのです。
今回、ご紹介するのは2枚目の「Fast Impressions」。リリースと同時期にディスクユニオンお茶の水店で「漁盤行為」に没頭していた時に発見し購入したものです。1986年という時期は、ホールズワースはというとちょうどEnigma Recordsから「Atavachron」をリリースした時期で、賛否両論分かれたシンタックスを導入したころです。このアルバムも同じEnigmaからリリースされていることからして、おそらく何らかの契約条件があったのでしょう。ちょっと手伝ってよ的なバーター取引が。当時はバーターなどの概念を知らなかったのですが、今となってはすごく理解できます。人間、必ずしも好きなことだけして生活はできないのですね。というわけで、ホールズワースは2曲のみ参加。
さて、肝心のこの作品ですが「Electronic Pop」「Synth Pop」というジャンルに分類されているようで、まさにシンセとキーボードによるポップなつくり。かといってYMO初期のような斬新さも感じられず、ただ牛の何とかのようにダラダラと音が連続していき、聴いていると確実に眠りにつくことができます。ホールズワースはギターとシンタックスで臨んでいますが、無味無臭のピコピコサウンドにホールズワース節がうねうねとスネークインしてくるという奇天烈な仕上がりになっています。他にも数人のギタリストが参加していますが、特筆できるほどのプレイは聴かれません。
そんなわけで、どこをどう探してもおそらく現状では入手不可能な「珍盤」ですが、血眼になって捜す価値があるかというとかなり微妙です。私ももう1枚の「Trans-Atlantic」をこの10何年も探し続けていますが、一向にヒットしません。
●Musicians
Jon St.James / guitar,keyboard,drums,percussion
Allan Holdsworth / guitar,synthe axe
Skip Hahn / guitar
Scott Bowers / guitar
Ray Gomez / giutar
Rusty Anderson / guitar
Joe Perez / tenor-sax
Stacey Q / synthesizer
●Numbers
1、The Paris Sanction
2、Portofino
3、The Third Man
4、Fast Impressions
5、Down Time
6、Miranda
7、Rainy Taxi
8、Club Midi
9、St. Somewhere
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