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2010年1月

2010年1月31日 (日)

いまだにCD化されないビートルズのオフィシャルライブ

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Musician●The Beatles
Title●Live at the Hollywood Bowl(1964年&1965年)
■購入先不明

たまにはメジャーなミュージシャンの話題も(メジャーにもほどがありますが)。

昨年、ビートルズのオフィシャルアルバムがリマスターのうえボックスセットとバラ売りで発売されて、けっこう大きな話題になりました。ファンの方ならご存じのように、ビートルズの音源のリマスターは今に始まったことではありません。その度に買い求める熱心なファンにとって、まず入手することが先決で、実はリマスター効果のほどはあとからついてくる問題のように思います。今回のリマスター効果は総じて評判が高いようで、3万円もするボックスセットが驚くほど売れて、一部店舗では品切れ状態が続いていたようです。

しかし、熱心なファンがリマスターというかCD化を熱望しているのは、彼らの唯一のオフィシャルライブであるこの「Live at the Hollywood Bowl」ではないでしょうか。1977年に発売されたこのライブ盤は、彼らが残したおびただしい数のライブ音源を「第5のビートルズ」とまでいわれた名物ディレクター、ジョージ・マーティン自身が厳選のうえにデジタルリマスタリングしてリリースしたもの。しかしながら、いまだにCD化の動きがなく、アナログ盤も次第にプレミア化しつつあります。1964年8月23日とその1年後の1965年8月30日の2ステージから収められています。

ご存知のように彼らのライブ音源は海賊盤として出回っていて個人的に数枚所有していましたが、歓声が大きすぎたり音質が悪かったりで、実際には聴くに耐えない代物がほとんど。そこにきて、ジョージ・マーティンがデジタルマスタリングを施して見事に「再生」してくれたんのですからたまりません。また、1曲の時間が短く、さらに1ステージが40分未満という彼らのライブですが、2ステージの音源を合体させるという「奇跡の編集」のおかげでアルバムとしての体裁も十分に整っています。

ビートルズの楽曲うんぬんを論じることはいまさらという感じですが、ギターにしてもベースにしても実はきっちりとプレイしている点に改めて驚かされます。いまさら望めないことは百も承知ですが、キャパ優先の野球場などではなく、きちんとした音響設備が整った場所でプレイしていたら、ライブバンドとしての評価も違ったものになったはずなのにと悔やまれます。それにしても、CD化って権利関係で難しいんでしょうね。ものすごい勢いで売れるはずなんですが。

●Numbers
Side A
1. Twist and Shout
2. She's a Woman
3. Dizzy Miss Lizzy
4. Ticket to Ride
5. Can't Buy Me Love
6. Things We Said Today
7. Roll Over Beethoven

Side B
1. Boys
2. Hard Day's Night
3. Help!
4. All My Loving
5. She Loves You
6. Long Tall Sally
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すぐれもののJeff Beck ライブDVD

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Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Performing This Week: Live at Ronnie Scott's(2007年)
■Amazonより購入

DVD発売前にNHK BShiで放映されてしまうというフライングがありましたが(個人的にはNHKのナイスプレーと思いますが)、何と長いキャリアの中で初めてJeff Beck本人がリリースを認めたオフィシャルDVDです。収録は2007年11月、ロンドンの有名なジャズクラブ「ロニー・スコッツ・ジャズクラブ」(かつてクラブ主催の新人ギタリストコンテストでアラン・ホールズワースがグランプリをとりましたね)。メンバーはヴィニー・カリウタ(d)、ジェイソン・リベロ(key)、タル・ウィルケンフェルド(b)という構成でラストになんとエリック・クラプトンが飛び入り参加します。

約25年前に軽井沢でロックフェスティバルが開かれ、ジェフ・ベック、カルロス・サンタナ、スティーヴ・ルカサーの三大ギタリストの共演があり海賊盤DVDを所有していますが、当時はまだまだ尖がっていたベックからは「孤高のミュージシャン」の匂いがプンプンと漂っていました。バンドというよりはベックとその他の人たちという感じですね。しかし、NHK BSとこのDVDで躍動するベックには、そんな面は微塵も感じられません。そう、見事にバンドの体をなしているのです。これは紅1点、当時弱冠21歳のタル・ウィルケンフェルドがもたらす影響が大きいのでしょう。こんなに感情豊かに楽しそうにプレイする人を初めて見ました。21歳が63歳を煽ったり、煽られたり、微笑みあったりしているうちにバンドとしての一体感がにじみ出てきます。もちろんベックの手元は執拗なまでにドアップになりますから、すべてのギター好きには堪らない作品に仕上がっています。そうそう、ゲストの女性歌手といい「男祭り」的な昔のイメージとまったく違う雰囲気にも驚かされます。じゃあ、さすがにベックも丸くなったのかと思いきや、プレイそのものは尖がったままだから凄いのです。

最後にDVDの特典としての本人インタビューが収録されています。もちろん日本版は日本語字幕付きなので安心してください。ちなみにわが家では地デジ化は完了しましたが、テレビはブラウン管のままです。まだまだこのまま粘りまっせ!


●Musicians
Jeff Beck / guitar
Tal Wilkenfeld
Vinnie Colaiuta / drums
Jason Rebello / keyboard

Joss Stone / vocal
Imogen Heap / vocal
Eric Clapton / guitar,vocal

●Numbers
1. Beck's Bolero
2. Eternity's Breath
3. Stratus
4. Cause We've Ended as Lovers
5. Behind the Veil
6. You Never Know
7. Nadia
8. Blast from the East
9. Led Boots
10.Angel (Footsteps)
11.People Get Ready
12.Scatterbrain
13.Goodbye Pork Pie Hat/Brush with the Blues
14.Space Boogie
15.Blanket
16.Big Block
17.Day in the Life
18.Little Brown Bird
19.You Need Love
20.Rollin' and Tumblin'
21.Where Were You
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ひとつの作品で2度美味しいうれしい作品(Michael Shrieve)

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Musician●Michael Shrieve(dr)
Title●Two Doors(1993年&1995年)
■Amazon USAより購入

フリージャズ系のドラマー、Michael Shrieve(マイケル・シュリーヴ)が1995年と1993年に別々に行ったセッションをひとつのアルバムにまとめたものです。

まず、1995年のセッションは、ギターに超ハイテクギタリスト、Shawn Lane(ショーン・レーン)、北欧が生んだ超絶ベーシスト、Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)とのトリオ構成。ショーン・レーンとヨナス・エルボーグといえばこの作品以外でも多くの共演をしていますが、1曲目の「Srellar Rays」や2曲目「Deep Umbra」という曲はタイトル名こそ変わっていますが、彼らが残している一連の作品でも聴くことができます。当然、ショーン・レーンの超人的な速弾きはここでも健在ですし、怪鳥音のようなボーカルも冴えわたっています。アルバムの名義こそMichael Shrieveですが、2人のクレジットで出しても一向にかまわないという感じです。

一方、1993年のセッションメンバーは、ギターにビル・フリゼール、オルガンにウエイン・ホロビッツという布陣。ここで聴かれるサウンドは、まさにフリゼールのやりたい放題という感じで、彼自身のソロアルバムでもなかなか聴くことのできない過激なフレーズを連発しています。

この作品はショーン・レーンとビル・フリゼールという個性派ギタリスト2人が牛耳ることに結果的にはなっています。ギター好きにとっては思いがけない掘り出し物という感じです。

●Musicians
Michael Shrieve / drums
Jonas Hellborg / bass
Shawn Lane / guitar,vocal

Bill Frisell / guitars
Wayne Horvitz / organ

●Numbers
(DEEP UMBRA)
1. Stellar Rays
2. Deep Umbra
3. Sorcerer
4. Baraji
5. Caress of Lillith
6. Smiling Tarshishm
7. Juvalamu
8. Palace of Dreams
9. Locomotion
(FLYING POLLY)
10. Data Trash
11. Stella
12. Your Saviour
13. Pipeline
14. Crocodile
15. Lincoln Logs
16. First Train
17. Queen Bee
18. Flying Polly
19. Stella (Reprise)
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2010年1月30日 (土)

セルビア発ホールズワースフォロワーMisa Micevski

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Musician●Misa Micevski Group(guitar)
Title●Two Shores(2007年)
■iTunesから購入

旧ユーゴスラビアのセルビアにもアラン・ホールズワースがいました。セルビアを含めた東欧のミュージシャンに触れることは実は初めてです。いや、正確に言うとハンガリー出身のジャズギタリストのアッティラ・ゾラーは以前やたらと愛聴していましたから、かれこれ20年ぶりということになります。

今回紹介するセルビア出身のギタリスト、Misa Micevskiですが案の定、まったく正体不明。どうやら07年にベオグラードのスタジオで録音したらしいというデータがあるのみです。基本的にはギター、ベース、ドラムというトリオ構成で、ラスト曲のみのギターシンセが参加。アルバムクレジットに「ホールズワースとマクラフリンに捧ぐ」とあるように、2大テクニカル系ギタリストの強烈なフリークであり、熱心なフォロワーであることは間違いありません。実際に聴いてみるとまさに期待通りの「弾きまくり状態」で、ギターファンの一部で話題になっていたことに納得。Misa氏のギターはホールズワースを30歳ほど若返えらせて、さらにワイルドにした感じ。フレーズこそ流麗ですが、トーンは若干コモリ気味で軽くディストーションがかかっているのが結構個人的には好みです。

楽曲はプログレ&フュージョンという感じで、時折変拍子を効果的に取り入れたり、シンフォ的な幻想的な音世界を作り出すなど、作曲能力もなかなか。何よりもアルバム全体に漂う東欧らしい(?)ウェットな感覚が琴線に触れまくりました。しかし、あえて苦言を呈しますとリズム隊の貧弱さ。とくにアップテンポな曲になると、ドラムがドタバタと若干パニック気味に。ついでにベースもジタバタと煽られているように聞こえます。

セルビアだから…などと見くびっていると結構なしっぺ返しにあいますよ。まだ1作しかリリースしていないようですが、デビュー作にしてこの完成度ですから、次作に期待したいところです。

●Musicians
Misa Micevski / guitar,guitar synths
Srdjjan Milacic / bass
Dusan Novakov / drums
Dejan Hasecic / guitar synths solo on track 10 (Dance)

●Numbers
1. Two Shores
2. Family Song
3. Vigor Suite
4. Some Song
5. Mihailo
6. Lullaby
7. Hands of My Mother
8. It's Open
9. Svetlana
10.Dance

2010年1月29日 (金)

ジミヘンフォロワー、Robin Trowerの最高傑作ライブ!

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Musician●Robin Trower(guitar)
Title●Robin Trower Live!(1975年)
■HMVで購入

ジミ・ヘンドリックスのフォロワーたちはあまた存在しますが、いまなお現役で活躍しているプレイヤーは意外なほど少数かもしれません。どちらかと言うと「キワモノ」が多いためでしょうか。一過性の話題は呼ぶものの、二番が続かないようです。オリジナルが唯一無比、空前絶後の存在だっただけに、フォロワーたちは存在に近づけば近づくほど、逆にオリジナリティーの喪失に苦悩してしまうという、自縄自縛、いわばジミヘンパラドックスに陥ってしまうように思えるのです。

今回紹介するイギリス出身のギタリストRobin Trowerはその一人。「青い影」で有名な「プロコルハルム」のギタリストとして有名ですが、アートロック的なグループの音楽性とは相入れなかったのでしょう。脱退後はジミヘンフリークぶりを存分に発揮していました。そんなトロワーが全盛期だった頃のライブを収めたのがこの作品です。スウェーデンのストックホルムでのライブです。

ジミヘンのフォロワーというと、先に触れたようにどうしてもオリジナルの幻影に左右されてしまいがちですが、トロワーの特筆するべき点はきちんと自分のオリジナルとして消化できているところにあります。ジミヘンの場合は自らボーカルをとっていましたが、ボーカルはジェームス・デュアーに任せてギターに専念しているのが大きな違い。また、同じフォロワーであるウルリッヒ・ロートとは違って必ずしも「ジミヘン命」に拘泥していないことにも注目したいもの。

どの曲をとってもまったく捨て曲なしの素晴らしいライブですが、あえてベストを挙げれば幻影的な世界が目前に広がる「Daydream」でしょう。ジミヘンの「Little Wing」を彷彿とさせる名曲ですが、静から動、そして再び静寂の世界へと収斂させる構成が実にドラマティックです。味わい深いJames Dewarのボーカルも何とも言えない魅力を放っています。

●Musicians
Bill Lordan / drums
James Dewar / bass,vocal
Robin Trower / guitar

●Numbers
1.Too Rolling Stoned
2.Daydream
3.Rock Me Baby
4.Lady Love
5.I Can't Wait Much Longer
6.Alethea
7.Little Bit of Sympathy
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2010年1月28日 (木)

2人のテクニカル系ギタリストのソロが炸裂!MVP

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Musician●Brett Garsed & Shawn Lane(guitar)
Title●Centrifugal Funk / MVP
■ディスクユニオンで購入

1990年に製作されたシュラプネルレコードの総帥、マーク・ヴァーニーによる企画盤の第2弾です。第1弾は言うまでもなくアラン・ホールズワースとフランク・ギャンバレの夢の共演でしたが(共演といっても別録音なので2人は顔を合わせていないことは有名ですが)、マーク・ヴァーニーは同じ2人で今度はファンクアルバムを作ろうと考えたそうです。

しかし、当然のことながらホールズワースサイドからお断りが入り、急遽白羽の矢がたったのが、若手のショーン・レーンとブレット・ガースドの2人。当時はまだ若手で知名度はなかったようですが、結果的にこのアルバムに参加することで、2人にとってその後の大きなステップになったことは間違いありません。第1弾から引き続いてフランク・ギャンバレが参加しています。

始めの「Actual Proof」(ハービー・ハンコックの曲ですね)でこそ2人は静かに抑えていますが、徐々にエンジンが加速。少しでも音の隙間を見つけると強引に割り込んでくる音の嵐には圧倒されるばかりです。個人的には先輩格のギャンバレに押されてしまうのではないかと心配しましたが、それも杞憂に終わりました。とにかくここぞとばかりに弾き倒す痛快なギターアルバムに仕上がっています。

また、この作品の面白い点は、マイルス・デイヴィスの「ソー・ホワット」やジョー・ザヴィヌルの曲をカバーしているところで、オリジナルの良さを生かしながら大胆にアレンジを凝らしているところが興味深いです。

いずれにしろ、ギターファンにとってはもちろん、広くフュージョンファンにもぜひ聴いていただきたい名作です。ホールズワースが参加した第1弾はどちらかというとクールなイメージに徹してたのに対し、ファンキーな魅力で満載のこのアルバムも対照的で面白いですよ。

●Musicians
Brett Garsed / guitar
Frank Gambale / guitar
Freddie Ravel / keyboards
Jimmy Earl / bass
Joe Heredia / drums
Shawn Lane / guitar
Steve Tavaglione / saxophone
T.J. Helmerich / guitar

●Numbers
1. Actual Proof
2. So What
3. Hey Tee Bone
4. Tokyo Blue
5. Splatch
6. Elegant People
7. Love Struck
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ところでこの作品は、別ジャケットデザインも出回っています。
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2010年1月27日 (水)

エスニカル系ドラムとホールズワース系ギター(Rene Engel)

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Musician●Rene Engel(drums)
Title●Despite Opposition (1995年)
■Guitar Nineより購入

オランダ出身のフュージョン系ドラム奏者、Rene Engel(ルネ・アンジェル)によるファーストソロです。Rene Engelで検索すると「フランスのワイン」がヒットしますが、もちろん無関係です。ルネ・アンジェルは計3枚のソロアルバムを出していますが、テクニカル系ギタリストとの相性が良く、この作品の後にリリースした2作品にはオランダ出身のハイテクギタリスト、Richard Hallebeekが参加しています。

この作品にはHallebeekは参加していませんが、Frank BurksLeon Venderboschというまったく無名のギタリストが参加しています。まったく無名と書いてしまいましたが、Frank BurksはSid Hille というピアニストの作品「Dunjin's Dance」「To Be Frank」に参加しているので聴いたことがあります。といっても、こちらも大変マイナーですが。

さて、この作品ですがおそらくルネサイドから「ホールズワースっぽくね」というお願いがあったのだと思います。特にFrank Burksは懸命に応えようと頑張っています。特にオープニングの「Pick up」や2曲目「Room 22/7」はけっこういい線行っているのではないでしょうか。私はとても好きです。ただし、ドラム奏者の作品ですから、ドラムソロを聴くと眠くなる人にはあまりお勧めできません。特に後半はドラム率が高くなるので、かなりダレ気味です。ドラム好きの方、ごめんなさい。ホールズワース好き、Sヘンダーソン好きの方には、この後に出た「Spheres of Samarkand」「Nostalgia」をお勧めします。

●Musicians
Rene Engel / drums and keyboards
Frank Burks / Guitar
Leon Venderbosch / Guitar
Hessel de Vries / keyboards
Davy de Wit / bass
Manuel Hugas / bass
Nippy Noya / percussion

●Numbers
1、Pick up
2、Room 22/7
3、Sikat
4、Jarlentji
5、Despite Opposition
6、Meeting-Point
7、Arabics
8、Dance Chance
9、Exodrome
10、Meeting Point- Part 2
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2010年1月26日 (火)

RONNY HEIMDAL / TIMEQUAKE(1999年)

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Musician●Ronny Heimdal(guitar)
Title●Timequake(1999年)
■Abstract Logixより購入

希代のテクニカル系ギタリスト、アラン・ホールズワースのフォロワーを探索していると、ウジャウジャと湧いてくるように発見できます。しかし、多くは「ホールズワースっぽいね」程度で終わることが多いのです。今回、紹介するのは北欧はノルウェー出身のRonny Heimdal(ロニー・ハイデル)というギタリスト。例によって、正体はよくわからないのですが、「DIABOLOS IN MUSIKA」(略してDIM)というメタルバンドのギタリストだった人。DIMのアルバムは所有していましたが、あまり食指が伸びないので手放してしまったのですが、少しばかりミクスチャーというかグランジっぽいアレンジのメタルというのがあまり好きではありませんでした。どうやらDIMからボーカルが抜けて、トリオで結成されたのがこのユニットのようです。

となるとDIMの路線をそのまま踏襲しているのかと思いきや、一転してハード&テクニカルなフュージョンサウンドへと変貌を遂げています。少し冗談が過ぎたDIMの音作りから、一転してき真面目でストイックなサウンドに。まるで別人格に変わったかのようです。リーダーのRonny Heimdalはホールズワースフォロワーの名に恥じない「クリソツぶり」を発揮。ギターだけでなく、キーボードやプログラミングも駆使することで、ちょっとした宇宙的な広がりを感じさせます。肝心のギターは期待にたがわぬウネウネプレイは、本家の域を脅かすほどの完成度です。いやー、素晴らしい! あえて言うと、時折聴かれるプログラミングのピコピコサウンドが余計と言えば余計。ピコピコがなくても十分成立しています。

またRonny Heimdalは北欧のメタルバンド「Main Attraction」にもゲスト参加していますが、こちらはバンド自体がなぜか苦手なLAメタル風なので、あまりお勧めしません。

●Musicians    
Ronny Heimdal / guitars, keyboards, programming
Fritz A. Aga / bass
Zsolt Meszaros / drums

●Numbers
1.Zone 98B
2.Timequake
3.The Seventh Element
4.Neo Nostalgie
5.Turbo Tobben Overdrive
6.Five Corners
7.Ultra-Lystig
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2010年1月25日 (月)

「蠍団」連投!ジャーマンメタルの最高峰Virgin Killer

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Musicians●Scorpions
Title●Virgin Killer(1976年)
■ディスクユニオンで購入

「スコーピオンズ活動停止」のニュースのショックで連投をご容赦ください。70年代の彼らはまず「In Trance」(1975年)のジャケットデザインで当局から修正を迫られるという事件を起こしました。しかし、反骨精神の塊(?)である彼らは、翌年も同じようなことをしでかしてしまいます。1976年に発表された「Virgin Killer」はタイトルもさることながら、ジャケットデザインに欧米圏ではご法度の「少女ヌード」をあしらってしまい、すぐさま発禁処分を食らいます。慌てたレコード会社は差しさわりのないデザインに変更し、再発売するはめに。しかしながら、そうしたことに鷹揚な日本では、何年も「少女ヌードバージョン」で発売していました。

そんないきさつはともあれ、このアルバムは第2期スコーピオンズが送り出したジャーマンメタルの最高傑作だと確信します。ウルリッヒ・ジョン・ロートは徹頭徹尾ハードな音に終始しています。なかでもオープニングの「Pictured Life」のイントロのあまりの美しさに度肝を抜かれた人も多かったのではないでしょうか。ウリのギターテクニックはこの時期にすでに完成期を迎え、クラウス・マイネのヴォーカルも冴えわたっていただけに、個人的にはバンドの最高傑作だと思います。しかしながら、ルドルフ・シェンカーをはじめ他のメンバーは完全に蚊帳の外に追いやられてしまった感がありありと伺えます。それだけこの二人の力量が突出しているということなのです。表題曲の「ヴァージン・キラー」での鬼気迫るウリの暴力的なフレーズは、後世に語り次がれるほどの傑作でしょう。ただし「ヘル・キャット」「ポーラー・ナイト」ではウリがヴォーカルをとっていますが、いかんせん声量が貧弱で、せっかくの名曲が台無しに。あえて重箱のスミをつつくとこの点だけが珠にキズです。

冒頭で触れたように、少女ヌードを使ったジャケットとアルバムタイトルとの相関から、発売当初から物議をかもし、ヨーロッパでは発禁処分に。オリジナルジャケットで出回っていたのは、日本をはじめわずかな国のみという状況がいまなお続いています。つい最近になって、廉価盤で再発売されましたが、やはり国内盤はオリジナルデザインを使用しています。欧米では、宗教的な倫理観が背景にあってこうしたことについてはかなり厳格なようですが、よろず神のわが国では寛容なようです。私は少し抵抗感があって(本当はレジに持っていけなかっただけの話で、親に見つかるとまずいと思ったのです)輸入盤を買いました。

●Musicians
Rudolf Schenker / guitar,vocal
Ulrich Roth / lead guitar,vocal
Klaus Meine / vocal
Francis Buchholz / bass
Rudy Lenners / drum

●Numbers
1. Pictured Life
2. Catch Your Train
3. In Your Park
4. Backstage Queen
5. Virgin Killer
6. Hell Cat
7. Crying Days
8. Polar Nights
9. Yellow Raven

下の2枚は発禁処分以後のジャケットです
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「蠍団」(スコーピオンズ)が活動停止!初心者にお勧めの初期作品ボックス

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Musician●Scorpions
Title●In Trance & Virgin Killer(1974年&1975年&1976年)
■ディスクユニオンで購入

今日、何気なくYahoo!トピックを読んでいて目に飛び込んできたのが、「スコーピオンズ、活動停止」というニュース。ご存じのとおり、ドイツ、いや世界を代表する大ベテランのメタルバンドです。若い世代にはピンとこないかもしれませんが、ギターのルドルフ・シェンカーを中心に1965年から活動をスタート。かつては実弟のマイケル・シェンカーも在籍した経緯もあったり、ギター仙人のウルリッヒ・ジョン・ロートを世に送り出したということで、メタルの歴史を語るうえで非常に重要な位置づけを担ってきました。1972年にアルバムデビューですから40年近いキャリアということで、ルドルフ・シェンカーとボーカルのラウス・マイネは還暦を迎え、以前のようなパフォーマンスを維持できなくなったというのが活動停止の大きな理由でしょう(実際は1965年にRシェンカーが結成したグループはすでにスコーピオンズを名乗っていたそうですから、今年で45周年ということになります)。どんなバンドでも必ず終焉を迎えることは頭では理解できていても、自分が若いころにリアルタイムで聴いていたバンドが、世を去ることはやはり感慨深いものがあります。彼らは1978年に来日していますが、中野サンプラザでのライブ音源は「Tokyo Tapes」というこれまた素晴らしいライブ盤で聴くことができます。

今回紹介するのは「蠍団」=スコーピオンズの初期3作品をリマスターのうえボックスセットにしたものです。一応、製品的には初期の3rd「In Trance」(1975年)と4th「Virgin Killer」(1976年)の2枚の豪華ボックスセットという形にはなってはいるのですが、「Fly to The Rainbow」をボーナストラックとして加えるという「荒技」にはしびれます(詳しくは後述)。ライナーと「In Trance」のジャケットポスターがオマケとしてついています。

まず肝心のリマスター効果ですが、旧規格盤との比較のうえでは間違いなく向上しています。ただ大いに生まれ変わったかというと、あまり過剰な期待をかけないほうがいいようです。もとより2枚ともアナログ時代からそれほど音質が良かったわけではなく、いまの技術をもってしても当然限界があります。もちろん音圧は上がり、またこもりがちだった音の分離もクリアーになっています。旧規格では聴き逃してしまうような曲のエンディングの細かいニュアンスまで忠実に再現されています。タイトルで「いまひとつ」としたのは私の期待値があまりに大きかったためで、全体的には満足感が高いリニューアルです。

さてボーナストラックですが「In Trance」ではSpeedy's Coming、They Need A Million、Drifting Sunを収録。「Virgin Killer」ではFly People Fly、This Is My Song、Far Away、Fly To The Rainbowというように、つまり2nd「Fly to The Rainbow」(1974年)の全7曲が分けて収録されています。ボーナストラックというと未発表曲かアウトテイクというのが定番だと思いますが、まさか正規の音源が入るとは想像できませんでした。それでも、音質が向上しているという点で満足です。ウルリッヒ・ロート在籍時のアルバムとして「Taken By Force」(1977年)がありますが、勢いに乗ってリマスターしてほしいですね。「Taken By Force」を含めたウリ在籍時の4枚とも、いまの「蠍団」しか知らない若い世代にぜひお勧めします。この実質3枚セットのボックスセットは格好の教科書になるはずです。

さて、オマケについていたポスターを見てびっくり!発売後、30年以上も前から私が見てきたものは、実は「修正済み」のものだったのですね。今回、ポスター、CDジャケットとも「修正前」のものになっています。「Virgin Killer」の発禁、ジャケット差し替えは有名な話ですが、「In Trance」の件は初めて知りました。

というわけで、くどくて恐縮ですが彼らを知らない人も、あまり馴染みがない人も、もちろんリアルタイムで聴いていたメタル中年も、ぜひ手にとって聴いていただきたい傑作です。


●Musicians
Achim Kirschning / keyboards
Francis Buchholz / bass
Jurgen Rosenthal / drums
Klaus Meine / vocals
Rudolf Schenker / guitar
Rudy Lenners / drums
Rudy Lenners / percussion
Ulrich Roth / guitar

●Numbers
CD 1
(In Trance)
1. Dark Lady
2. In Trance
3. Life's Like a River
4. Top of the Bill
5. Living and Dying
6. Robot Man
7. Evening Wind
8. Sun in My Hand
9. Longing for Fire
10.Night Lights
(Fly to The Rainbow)
11.Speedy's Coming
12.They Need a Million
13.Drifting Sun

CD 2
(Virgin Killer)
1. Pictured Life
2. Catch Your Train
3. In Your Park
4. Backstage Queen
5. Virgin Killer
6. Hell Cat
7. Crying Days
8. Polar Nights
9. Yellow Raven
(Fly to The Rainbow)
10.Fly People Fly
11.This Is My Song
12.Far Away
13.Fly to the Rainbow

中を開けるとこんな感じです。一番下は「In Trance」のポスターです
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痛快なロックインスト(Brett Garsed参加)

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Musician●Bobby Rock(dr)
Title●Out Of Body (1996年)
■CD Babyより購入

ネルソン兄弟によるビジュアル系ロックバンド「Nelson」をはじめ、アン・ルイスの「Kロック」などに参加し、その人脈からテクニカル系ギタリストの作品に多く参加している、Bobby Rock(ボビー・ロック)のソロ第2弾です。ギターに「Nelson」時代からの盟友、Brett Garsed(ブレット・ガースド)が参加しています。

Bobby Rockは非常に直線的なドラムを叩く人で、テクニカル系というより完全にパワー優先のロック志向のプレイヤーだと思います。私としてはドラムはよくわからないので、お目当ては当然Brett Garsedに絞られています。全曲が完全なインストで、面白いのがイエスの名曲「Roundabout」エアロスミス「Walk This Way」エドガー・ウインター「Frankenstein」が取り上げられている点です。特に「Roundabout」は本来、キーボード奏者のリック・ウエイクマンのパートもすべてBrett Garsedが担当するという「力ワザ」を発揮していて、ギター好きにとっては大変うれしい作品です。何も考えずに、能天気に聴くロックとしてはうってつけですね。おそらく「Out of Body」という曲だと思いますが、やはり盟友である両手タップの怪人、T.J.Helmerich(ヘルメリッチ)が参加しているようです。

ちなみにBobby Rockはもう1枚、ボーカル入りのアルバム「Groovin` In Tongues」も出していますが、ここにもBrett Garsedが参加しています。ただ、ボーカルに興味のない人には面白くないと思われます。

●Musicians
Bobby Rock / drums
Brett Garsed / guitar
Carl "The Fox" Carter / bass
T.J. Helmerich / guitar

●Numbers
1、Fearless
2、Roundabout
3、A Meditation
4、Out of Body
5、Harnozowa
6、Sledge
7、Lightworker
8、Far Journeys
9、Tunnels Pt. 1
10、Walk This Way
11、Liquid
12、Tunnels Pt. 2
13、Red Earth
14、A Meditation (Solo Reprise)
15、Frankenstein
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2010年1月24日 (日)

和とジャズの邂逅、Nguyen Le「Saiyuki」

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Musician●Nguyen Le(E Guitar)
Title●Saiyuki(2009年)
■Amazon UKより購入

ベトナム系フランス人ギタリスト、Nguyen Le(グエン・レ)の最新作です。ワールドミュージックではお馴染みのACTレコードからリリース。2009年の暮れにAmazon UKでピックアップしました。これまでNguyen Leはベトナム音楽、ジャズ、ロック、マグレブ音楽、ライ音楽などのさまざまな音楽の融合を試みてきましたが、今回は日本人の琴奏者「みやざきみえこ」さんを迎えて、日本的な要素の導入を行っています。勉強不足で大変申しわけないのですが、「みやざきみえこ」さんの名前を存じ上げず、今回初めて知った次第です。

「みやざきみえこ」さんですが、どうやら東京芸大音楽学部邦楽科を卒業され、在学中は皇族を前に御前演奏を経験。プロとしてデビューしてからはショパン、バッハなどのクラシックをモチーフにした作品をリリースしたり、CMやNHKの子ども番組にも出演しているそうです。また、琴演奏だけでなく、ボーカルも担当するそうです。最近ではパリを中心に活躍していることから、Nguyen Leが着目したのでしょう。

さて、Nguyen Leですが近年は自らのルーツであるベトナム音楽にますます傾倒している感じで、そこに「みやざきみえこ」がもつ和風テイストが加わることで、東南アジア音楽と極東音楽との融合という感じに仕上がっています。しかしながら、リズム隊はタブラがビートを刻んでいるので、いよいよもって国籍不明の「ワールドミュージック」という塩梅に。以前のNguyen Leですと、かならずジミヘンテイストな要素を織り交ぜて凶暴な一面を見せていましたが、このアルバムは終始粛々と、淡淡と、静的なイメージに徹しています。

確かに面白い作品ですが、この手の音楽に関心がない人にとっては退屈するかも。その意味ではかなり聴く人を選ぶ作品です。ところで「saiyuki」はたぶん日本語だと思うのですが、どんな意味なのでしょうね。

●Musicians
Nguyen Le / guitar
Mieko Miyazaki / koto, vocals
Prabhu Edouard / tablas, percussion, vocals
Hariprasad Chaurasia / bansuri flute (on track 2, 3 & 5))

●Numbers
1、Sweet Ganesh
2、Autumn Wind
3、Mina Zuki
4、Mayur
5、Sangam
6、Azur
7、Izanagi Izanami
8、Hen Ho
9、Nanae Goromo
10、Ila
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2010年1月23日 (土)

不思議ちゃん系ギタリストPHI YAAN-ZEKのメジャーデビューアルバム

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Musician●Phi Yaan-Zek(guitar)
Title●Solar Flare(2005年)
■CD Babyより購入

以前から「不思議系ギタリスト」として一部では知られていた(?)イギリス出身のギタリスト、Phi Yaan-Zekの記念すべきメジャーデビューアルバムです。2005年発売。どうやらインド人の父とフランス人の母とのハーフで、ウェールズで育ったようです。ギターオムニバス盤「The Alchemist」ジェイソン・ベッカーのトリビュート作品などに客演していましたが、何とかメジャーデビューに至ったようです。

参加メンバーも、Fabio Trentini(ベース)、Marrco Minnemann(ドラム)、Lalle Larsson(キーボード)、Peter Stacey(フルート)、Maggie Tomkins(アコーディン)、Missy(ヴォイス)、Iihaam Selih(ヴォイス)、Andy Banks(ドラム)、Zak Haipney(トランペット)、Kerry McKenna(ボーカル)というマイナーミュージシャンばかり。Lalle LarssonはRichard Hallebeekとの共演で一部には知られている程度ですね。7曲目の「Psychometamorph」という曲には、変態系ギタリスト、Bumblefootがフレットレスギターで特別参加していて、いつものぶっ飛んだソロを披露しています。

Phi Yaan-ZekはどちらかといえばSteve Vaiの流れを汲む変態&テクニカル系ギタリストというフレームで語ることができると思いますが、ねじ曲がった国籍不明の楽曲といい、どこから飛んでくるか全く予測不可能な変態フレーズといい、とても一般受けするタイプのプレイヤーではありません。ただやや散漫な構成で途中で集中力を欠く場面も見られるので、60分以上という長尺はけっこう退屈な場面もしばしばあります。Bumblefootと親交があることから、一瞬グランジ&オルタネイティヴ系に走るかと期待を持たせて、再びダルな雰囲気に戻るなど、いまひとつ作風が掴めません。かと言って、飛び抜けたテクニックで驚かすわけでもないので、何だか中途半端なポジションにいるように思えます。

ちなみに彼はPhillipe Ansariという名前でも活躍しています。ここでのクレジットとどういう関係にあるかはまるでわかりません。

●Musicians
Phi Yaan-Zek / guitar
Fabio Trentini/ bass
Marrco Minnemann/ drums
Lalle Larsson / keyboardPeter Stacey / flute
Missy / voiceIihaam Selih / voice
Andy Banks / drums
Zak Haipney / trumpetKerry McKenna / vocal
Bumblefoot(Ron Thal)/ guitar

●Numbers
1.  Solar Flare
2.  Hyperspatial
3.  High
4.  Out in the Boonies
5.  So Far Away
6.  I Phi
7.  Psychometamorph
8.  Little Space Creatures
9.  Grasshopper Medicine
10. Passion Reborn
11. Solar Reprise

2010年1月22日 (金)

結局、オリジナルの画質だった86年のジェフ・ベックの軽井沢ライブ

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Musicians●Jeff Beck with Carlos Santana & Steve Lukather
Title●in Concert Live - The Nagano Sessions(1986年)
■Abstract Logicより購入

1986年というとまだバブル前の話です。当時は海外から大物ミュージシャンを呼んで野外の大会場でドーンとライブを開催するというのが大流行でした。いまはなき田園コロシアムでの「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」なんていうのは毎年のように開催されていましたね。ハービー・ハッンコックが毎年のように参加していましたが、これは有名な某学会の国際大会の日程に合わせてでの来日であることは、衆知の事実でした。

今回紹介するDVDは、1986年7月1日に軽井沢のプリンスホテル近くの特設会場で開催された「3大ギタリスト」(Jベック、Cサンタナ、Sルカサー)による夢の共演です。このライブの模様はTBSでテレビ放送され、ファンの熱視線を集めました。プリンスが絡んでいるということは、当然、堤財閥が権勢をふるっていたということで、思い起こせば西武ライオンズに清原和博が入団した年でもあります。堤さん、絶頂の頃ですね。

この映像そのものはさまざまなタイトルで海賊盤として昔から流通していたので、Jベックファンの方はさまざまな機会ですでにご覧になっていたと思われます。内容はすべからくテレビの映像をそのままコピーしたもので、ひどいものになると途中のCMもノーカットで収められていました。だから悪いということではありませんが、冷静に考えてみればマスターテープを入手しないかぎり、どんな版元が手がけても同じ内容になってしまうのは仕方がないんですよね。

このDVDを偶然発見したとこは「もしや、オリジナルからのリマスター?」と妄想してしまいましたが、届いたブツは海賊盤と同じ内容でした。当たり前か。画質が何となく良く見えるのも「そう願いたい」という私の願望が、目を曇らせているからなのかもしれません。

というわけで、すでに何回もご覧になっている方には、あまりお勧めできないDVDですが、劣悪な画質しか見たことがない方、You Tubeでは満足できない方には、とりあえずお勧めいたします。それにしても、Jベックの「Star Cycle」はあまりにもカッコいいです。ピックをほとんど使わないで、指先とアームだけでプレイし始めたのも、この頃からだと思います。ついでにいえば、ヤン・ハマーはこの時期を最後にライブ活動をやめてしまいましたので、タコ坊主のように身をクネクネさせる彼の勇姿をしっかりと目に焼き付けてください。

●Musicians
Jeff Beck / guitar
Carlos Santana / guitar
Steve Lukather / guitar
Buddy Miles / vocals
Graham Lear / drums
Alphonso Johnson / bass
Chester Thompson / keyboards
Orestes Vilato / timbales
Armando Peraza / percussion
Tom Coster / keyboards
Paul Rekow / percussion
Jan Hammer / keyboards
Simon Phillips / drums
Doug Wimbish / bass
Jimmy Hall / vocals

●Numbers
1、Primera Invasion
2、Black Magic Woman
3、Open Invitation
4、Star Cycle
5、Cause We've Ended As Lovers
7、Wild Thing
8、Freeway Jam
9、Going Down
10、Super Boogie
11、People Get Ready
12、Johnny B. Good

下2枚は海賊盤です
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2010年1月21日 (木)

ハイテクギタリストRichard Hallebeekが参加!Rene Engelのサード

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Musician●Rene Engel(drums)
Title●Nostalgia(2002年)
■Guitar Nineより購入

オランダ出身のエスニカル系ドラム奏者、Rene Engel(ルネ・アンジェル)によるソロ3弾目です。2002年のリリース。前作「Spheres Of Samarkand」(1998年)から4年ぶりのリリースということになります。前作に引き続きアラン・ホールズワースのフォロワーとして有名なオランダ出身のハイテクギタリストRichard Hallebeek(リチャード・ハレビーク)が参加しています。

前作のハードフュージョンというテイストでしたが、ここではパーカッションの比重が増したことでよりエスニカルな要素が強くなったように思われます。お目当てのハレビークは相変わらず流麗なレガート奏法を披露。Rene Engelが作り出すウネるようなポリリズムに乗って実に気持ちよさそうにプレイしています。特にギターに興味がない人でも、楽しめるような内容に仕上がっているのではないでしょうか。良質なフュージョンサウンドというのは、このような作品のためにある言葉だと断言できます。

アラン・ホールズワースやスコット・ヘンダーソンあたりが好きな人には強力推薦したい傑作です。

●Musicians
Rene Engel / drum
Richard Hallebeek / guitar
Maik Schott / key
David De Marez Oyens / bass
Davy De Wit / bass
Nippy Noya / perc

●Numbers
1、Adventures In Afghanistan
2、Tour De Force    
3、Enschede, may 13 2000    
4、Song For Mandela
5、Sikat Sekali Lagi, Nyong! (p3)    
6、Nostalgia
7、Nels    
8、Sikat Sekali Lagi, Nyong! (p4)    
9、Ode To Bach
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2010年1月20日 (水)

Richard Hallebeekが参加 Rene Engelの2ndソロ

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Musicians●Rene Engel(drums)
Title●Spheres Of Samarkand(1998年)
■Guitar Nineより購入

オランダ出身でニューエイジ系のドラマー、Rene Engel(ルネ・アンジェル)によるソロアルバムです。この人の正体はよくわからないのですが、どうやらアフリカ音楽に影響されたニューエイジ系やワールドミュージック畑のプレイヤーのようです。同じオランダ出身のギタリストRichard Hallebeek(リチャード・ハレビーク)が参加していますが、ご存じのように彼は強烈なホールズワースフォロワーとして有名です。ちなみにフランスワインでRene Engelというブランドがありますが、もちろん無関係と思われます。

サウンドとしては期待通りのハイテクフュージョンサウンドという感じで、アフリカンビートを貴重にしたエスニカルなサウンドが奇妙な雰囲気を漂わせます。お目当てのRichard Hallebeekは客演ということでソロアルバムよりも控えめな露出ですが、それでも時折、本家を脅かすがごとくの超絶技巧で暴れ回ります。クレジットには書かれていませんが、一部の曲ではギターシンセもプレイしているようです。

アラン・ホールズワースはもちろん、スコット・ヘンダーソン、ブラフォード、UKあたりが好きな人にはぜひお勧めしたいアルバムです。

●Musician
Richard Hallebeek / guitar
Rene Engel / drum
David De Marez Oyens / bass
Davy De Wit / bass
Maik Schott / key
Nippy Noya & Jeroen De Rijk / perc

●Numbers
1、Cullera
2、Devils Of The Desert
3、Hunting Song    
4、So Deep
5、Aranjuez
6、Curacao On My Mind    
7、Spheres Of Samarkand    
8、Sikat Sekali Lagi, Nyong! (Part 1)    
9、Fears
10、Sikat Sekali Lagi, Nyong! (Part 2)
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2010年1月19日 (火)

イタリアの知られざるジャズピアニスト、ダヴィデ・サントルソラ

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Musician●Davide Santorsola(p)
Title●Broceliande, Fairy Tales
■Gemm.comより購入

イタリアンジャズに精通されている方なら高名なミュージシャンかもしれませんが、Davide Santorsola(ダヴィデ・サントルソラ)というピアニストが1991年にリリースした作品をご紹介いたします。詳しいプロフィールは例によって不明なのですが、1961年イタリア生まれで、イタリア国内ではそれなりにメジャーなプレイヤーのようですが、いかんせん日本での知名度はゼロに近いのではないでしょうか。調べてみると、演奏活動のかたわら、翻訳家、教育者としても活躍していて、現在まで6枚のリーダー作をリリースしています。

ジャケットに「New Age」と印刷されているように、サウンドとしてはいわゆる「ニューエイジ系」のフュージョンで、心地よい音空間が目前に広がります。まぁ、聴いていて邪魔にならないという感じでしょうか。

そもそもこのアルバムを購入した理由は、アラン・ホールズワース・フォロワーとして知られるNico Stufanoが参加しているからで、お目当てのStufanoは全5曲に参加。エレキとアコギを巧みに使い分けていますが、ホールズワースというよりもむしろビル・フリゼールあたりに通じる浮遊感あふれるプレイを披露しています。

●Musicians
Davide Santorsola / piano,keyboard
Dino Acquafredda / A-guitar
Nico Stufano / E-guitar
Enzo Falco / drums

●Numbers
1. Chasing The Royal Eagle
2. The Silent Valley
3. The Night of St. Lawrence
4. Street Dancin'
5. Hymn
6. Moheli (Ritual)
7. The Last Frontier

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2010年1月18日 (月)

超絶技巧の嵐!嵐!Hellborg & LaneのライブDVD

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Musician●Jonas Hellborg(b) & Shawn Lane(g)
Title●Paris [DVD] (2004年)
■メーカーサイトより購入

北欧が生んだ超絶ベーシストJonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)とハイテクギタリストShawn Lane(ショーン・レーン)というお馴染みの「超絶コンビ」がインド人ボーカリストとパーカッショニストを従えてパリで行った壮絶なライブ映像DVDです。正直な話、この超絶コンビによる「インド趣味」は例えばアルバム「Icon」あたりを聴いていてもあまり興味をわかず、個人的には敬遠していましたが、そんな偏見もこのライブ映像を見て吹き飛んでしまいました。とにかく超絶技巧のオンパレードで、知らず知らずのうちに惹き込まれてしまいます。特にHellborgとLaneによる一糸乱れぬ超絶ユニゾンは、あの名盤「Time Is Enemy」あたりで聴かれたポテンシャルにも匹敵するほどの激しさを持っています。

Shawn Laneはエレキ、Hellborgはアコースティックベースと以前とはセッティングは変わっているものの、そのド迫力ぶりには、ただ口をアングリとしながら見守るばかりです。改めてこのコンビの凄まじさに驚嘆するのみです。そうするうちに、CDではあれだけ違和感を感じた「インド趣味」も、自然に受け入れられるようになるから不思議です。少しばかり「イッテしまっている」インド人のボーカル、ひたすら連打されるインドの打楽器など、このコンビにとっては「必然」だったのだと初めて得心できました。

この壮絶なライブ映像を見てから、例えば「Good People in Times of Evil」「Icon」を改めて聴き直してみると、改めてこのコンビの凄さを再認識できること受け合いです。ちなみにカタログでは「リージョン1」と表示されていますが、実際には「リージョンオール」になっているようで、国産のDVDプレイヤーでも問題なく再生できます。

●Musicians
Jonas Hellborg / bass
Shawn Lane / guiter
V.Selvaganesh / kanjeera+vocals
V.Umashankar / ghatam+vocals
V.Umamahesh / vocals

●Numbers
1.Who Would You Like to Be
2.Savitri
3.Leal Souvenir
4.Surbahar
5.Sankarabharanam
6.Aga of the Ladies
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2010年1月17日 (日)

変拍子好きな人の好物、Finneus Gaugeのファースト

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Musician●Finneus Gauge
Title●More Once More(1997年)
■Gemm.comより購入

「ECHOLYN」(エコリン)のキーボード奏者Chris Buzby(クリス・バズビー)を中心に結成された「FINNEUS GAUGE」(フィネアス・ゲイジ)のデビュー作です。1997年の作品。ギタリストにアラン・ホールズワースのフォロワー、Scott McGill(スコット・マクギル)を迎えています。

全体としては、ECHOLYNの流れを汲むテクニカル系ハードプログレという感じですが、とにかく変拍子の嵐! そして嵐! 複雑極まりない楽曲構成といい、この手のハードプログレファンにとっては美味しいところが一杯!という感じです。72分強の壮大な作品ですが、まず1回聴いただけでは複雑すぎて全体が把握できずにこんがらがってきます。いわば70年代後半のUKやブラフォードあたりの良質なプログレを、さらにひと捻り加えて複雑な構成にした感じの曲が、これでもかという感じで襲いかかってきます。Laura Martinという女性ボーカルが結構いい味を出していて、全体のダークな雰囲気との奇妙なズレが逆に心地良く思えます。

ギタリストのScott McGillはソロ作品になると気負い過ぎるためか、ダークな作風になってしまうのですが、ここでは強力なバックの助けを借りて実に伸び伸びとプレイしています。ホールズワースをややハードにして曇りがちにしたような独特のヴォイシングで、まぁこれまた弾きまくること!少しでも隙間を見つけると入り込んでくるように全曲にわたって入魂のプレイを披露しています。

●Musicians
Scott McGill / guitars, micro jammer
John Buzby / drums, backing vocals
Chris Eike / bass
Laura Martin / lead and backing vocals
Chris Buzby / keyboards, backing vocals

●Numbers
1. More Wants More
2. King of the Chord Change
3. Press the Flesh
4. Desire
5. Doogins (The Evil Spawn)
6. Customer Service
7. Mess of Finesse
8. Sidewalk Sale
9. Calling Card
10. Salvation
11. Abandon
12. Finding the Strengh
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2010年1月16日 (土)

バークリー音楽院講師Rick Peckhamの唯一のソロ

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Musician●Rick Peckham(guitar)
Title●Left End(2005年)
■CD Babyより購入

以前ここで、ギター講師を務めながら演奏活動を展開しているBruce Bartlettを紹介しましたが、同じようなことでしているプレイヤーを発見しました。今回紹介するアメリカ人ギタリストRick Peckham(リック・ペッカム)です。彼は現時点で現代音楽の最高峰と言っても過言ではない「バークリー音楽院」でギター講師を務めているようです。バークリーと言えば、ジョン・アバークロンビー、パット・メセニー、リッチー・バイラーク、ジョージ・ムラツなどECM系のミュージシャンを多数輩出していますね。ちなみにRick Peckham自身は同学院ギター部門ではNO2講師だそうですが、NO1講師は不明です。また、音楽ライター、作曲家などの一面ももっているようです。メンバーはいまやコンテンポラリー系の最高峰、Jim Black(d)とTony Scherr(b)というトリオ構成。

日本ではまったく無名と思われるRick Peckhamですが、この作品を聴いてみてびっくり!およそ先生による演奏とは思えない暴力性と過激さを内包した激しいプレイが展開されています。類似性を見出すとすれば、先に触れたBruce Bartlettに似ています。フリージャズ、ブルース、コンテンポラリー系などさまざまな要素を取り入れた独自のプレイは、ひときわ異彩を放っています。音のひとつ一つに対するこだわりとオリジナリティーも半端ではなく、その飽くなき探求心は新たな「変態ギタリスト」の誕生を予感させます。全体としては、プログレ風あり、コンテンポラリー系あり、ストレートアヘッドなブルージーな曲もありと、いまひとつ掴みどころがない先生のプレイですが、その異常なまでの音へのこだわりを考えると、次作に期待したいと思います。ちなみに先生が影響を受けたアーティストとして、バッハからレッドツェッペリンの名前が挙がっています。

最近では、Brett Garsedらが参加した「The Loner」というジェフ・ベックのトリビュート作品にも1曲参加しています。

●Musicians
Rick Peckham / guitar
Jim Black / drum
Tony Scherr / bass

●Numbers
1. Left End
2. 353-1001
3. Mr. Medium
4. hakey
5. Free 2
6. Gibbons
7. Soproific
8. You Know What That Means
9. Hammer Damage
10.Hawthorn
11.Real Time
12.Free 1
13.Evidence
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2010年1月15日 (金)

奇天烈系フリージャズギター、Marc Ducretのライブ第2弾!

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Musician●Marc Ducret(guitar)
Title●Live♯2(2006年)
■ディスクユニオンで購入

Marc Ducretのライブ盤、連投です。2004年にこっそり発売されて、瞬時に売り切れになってしまった自主制作盤「Live」の第2弾です。こちらもおそらく自主制作盤で、第1弾 と同様にディスクユニオンが国内独占で販売していました。さすがユニオン!

今回は[1][2]が2005年6月のポーランドライブ、[3]が2004年のフランスライブを収録したものです。メンバーは第1弾と同様にMarc Ducret(guitar)、Bruno Chevillon(ブルーノ・シュヴィョン、bass)、Eric Echampard(エリック・エシャンパール、drums)というシンプルなトリオ構成。

第1弾で十分すぎるほど衝撃を受けてしまったので、この第2弾は意外にも素直に受け入れてしまいましたが、変幻自在で予測不能な展開、凶暴を極めるMarc Ducretの咆哮、Eric Echampardが叩き出すタイトなリズムなどが混然一体となって襲いかかってきます。フリー系好きな方はもちろん、楽器をたしなむ方もぜひ!(もちろん、聴く人間を選ぶアルバムであることは確かですが)

さて、第1弾ではMarc Ducret手作りのコラージュがあしらわれたジャケットですが、今回は厚紙のような紙とCDが無造作にセットされているだけ。もちろんブックレットやライナーの類など皆無です。クレジットもありません。ついでに言えば「Live」もそうでしたが、CDの裏表の区別がつきづらく、蛍光灯に照らしてやっと判別できるという感じ。また、厚紙バージョンの代わりにメタル版がついているバージョンもあるそうですが、私はお金をケチって厚紙バージョンを購入しました。自主制作盤ということで、極端に予算を削ったのだと思いますが、余計なものを極力省くという意味では、エコ仕様とも言えます。

リアルなメディアとしてのCDは即、完売してしまいましたが、「Live」と同様にMarc Ducretのレーベルサイト「screwgunrecords」で購入(MP3)できます。

●Musicians
Marc Ducret / guitar
Bruno Chevillon / bass
Eric Echampard / drums

●Numbers
1. L'Ampleur Des Degats      
2. Le Menteur      
3. Tarot
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2010年1月14日 (木)

Apple社規格にもの申す!

前回はヘッドフォンコードでの「SONY規格」に考えるところを述べましたが、今度はApple社規格に対して僭越ながら。

iPodの登場以降、通勤通学電車の中の光景もかなりさま変わりしたように思えます。ウオークマン時代からの流れで言えば、カセットテープ、MD、CDなど必ず「メディア」が存在し、そしてその宿命として「必ずメディアを交換」する必要がありました。しかし、データを直接読み込むiPodなどではデータ交換や更新は原則としてPC上で行われるため、PCがない状態ではメディアの交換を必要とせず、したがって聴く人は音楽鑑賞のみに没頭できるのです。まあ、なんという画期的な商品なのでしょう。

ご存じのとおり、この携帯型音楽プレイヤー、またはネットワーク型音楽プレイヤーは、Apple社がiPodを送り出すことで先鞭をつけ、SONYやPanasonicなどが慌てて追随しました。iPodが市場を独占するようになったのは、やはりWindowsユーザーへの開放がもっとも大きな理由だと思います。鎖国政策を思わせる排他的な仕様に不満が多かったApple社にしては、Windowsユーザーへの門戸開放は大変な英断だったと思います。最近ではSONYが急激に追い上げていますが、いまだにiPodの「牙城」を崩すまでには至っていないようです。しかし、このようなiPodの爆発的な普及によって新たな問題が起きました。

端的に言うと「ヘッドフォンの画一化」です。ご存じのとおりiPod付属のヘッドフォンはなぜか「白」で統一されています。本体カラーはたとえばiPod-nanoでは9色ものバリエーションを誇り、服装やその日の気分で色を変える楽しみをユーザーに提供するなど、実にファッション性と自由性に富んでいます。にもかかわらずヘッドフォンの色に選択の余地がないというのは、何ともアンバランスな仕様と言えないでしょうか。冷静に考えてみればiPod本体は鞄やポケットの中に隠れているので、自らの優れたファッションセンスを他人に誇示するためには、本体を外に出して人目にさらす必要があります。

一方で、本体よりも遙かに人目に触れるはずのヘッドフォンが白単色というのも変な話です。したがって、自由性に富みファッション性重視のiPodを楽しむ人たちが、すべからく白のヘッドフォンを着けている画一化現象が起きているのです。これは一種のパラドックスであり、少なくともヘッドフォンにおいては、ユーザーは「選択の不自由さ」を強いられていると言えないでしょうか。

iPod付属ヘッドフォンは、実は日本の某メーカーが独占生産しているそうです。その某メーカーがカラーバリエーションの開発をあえて怠っているのか、あるいはApple社が白以外のイヤフォンの生産を認めていないのか、真相は定かではありません。それにしても妙な話です。

かつてSONYがウオークマンを開発したときのヘッドフォンは「黒」が基本でした。そして、その後、次第に色とりどりのカラーバリエーションが生まれ、ユーザーはヘッドフォンを選ぶ際の基準としてカラーという選択肢を得ることになりました。これは仮説ですが、ウオークマン本体には「性能」を求め、ヘッドフォンには「ファッション性」を要求するというように購入に当たって意識をそれぞれに分散することもできたはずです。しかし、Apple社はSONYとはまったく別のスタイルを要求しているように見えます。しかも、そのベクトルがSONY規格とは真逆の方向にあるのです。これまでウオークマン文化にどっぷりと浸かってきた人たちが、あっさりとApple規格に対応できてしまうことに、中年オヤジとしては何とも言えない違和感すら感じてしまうのです。

というわけで、初代ウオークマンの洗礼を受けた世代としては、「やっぱりヘッドフォンは黒、ブラックでしょう」という意識がこびりついてしまっているようです。これには男女の性差もあると思いますが、スーツ姿の勤め人としては、通勤時はできるだけ目立たない色を、という意識が働くことも事実です。数年前にウオークマンからiPodに乗り換えたときに真っ先に感じたのは、やはりヘッドフォンの色に対する違和感です。即座に漆黒の別売りコネクタとヘッドフォンを買い求めたことはいうまでもありません。しかし、こんなことを考えるのは、ウオークマン黎明期を体験した世代だから言えるわけで、iPodしか知らない、iPodしか使ったことがない世代が大半を占めるようになれば、「やっぱりヘッドフォンは白、ホワイトでしょう」ということになるのでしょうね。ちょうどCDが出回ったころ、「やっぱりデジタルじゃ本当の音楽は理解できないよ、チミ」とウソブイテいたオヤジと同じような扱いを受けるの でしょう。

ついでに言うと、今度はApple社の「リモコン戦略」にも考えるところがありますが、機会を改めたいと思います。

カバーも黒にしています
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フランスの奇人ギタリスト、Marc Ducretのライブ!

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Musician●Marc Ducret(guitar)
Title●Live(2004年)
■ディスクユニオンで購入

フリージャズ系のギタリストといえば、マーク・リボーエリオット・シャープ、そして亡くなったデレク・ベイリーあたりが有名ですが、現役バリバリという感じのギタリストと言えばフランス出身のMarc Ducret(マルク・デュクレ)が筆頭でしょう(と勝手に断言)。1957年生まれのMarc Ducretはアンディ・エムレールなどとの共演を経て、アコースティック1本だけのソロアルバムを出したり、サックス奏者ティム・バーンなどとの共演など、実に精力的な活躍をしています。

そんなMarc Ducretがリリースした自身初のライブアルバムは完全自主制作で、ライブ会場に本人が持ち込んだもののみしかありません。地元フランスでも店頭流通がないということで、これを買いつけてきたディスクユニオンの慧眼ぶりは大いに称賛に値すると思います。ジャケットデザインも本人が手作りコラージュしたということで、何種類もあるそうです。手持ちのCDには録音日などの詳細なデータはないのですが、どうやら2002年1月ごろ、パリのジャズクラブでのライブを収録したとのこと。メンバーは、Marc Ducret(guitar)、Bruno Chevillon(ブルーノ・シュヴィョン、bass)、Eric Echampard(エリック・エシャンパール、drums)というシンプルなトリオ構成。

さて、この作品ですがとにかく終始ハイテンションかつ怒涛、変幻自在のフリージャズで充満しています。Eric Echampardのタイトなリズム、とてもアコースティックとは思えないヘビーなベースをぶん回すBruno Chevillon、そして神出鬼没、変幻自在なMarc Ducretのギターと、トリオ構成とは思えないほど変化に富んだ音作りで決して飽きさせることはありません。1曲目から「これでもか!」とぶん回し、2曲目でやや緩和し、3曲目でこの世のものとは思えない雄たけびで圧倒する展開は、まさに悶絶もの。フリージャズファンでなくても、多くのプレイヤーにとってもお勧めです。

完全自主制作ということとで、ディスクユニオンでもCDは即完売、再入荷は無しということでしたが、MP3ファイルでしたらMarc Ducretのレーベルサイト「screwgunrecords」で購入できます。

●Musicians
Marc Ducret / guitars
Bruno Chevillion / contrebasse
Eric Echampard / batterie

●Numbers
1. L'Annexe
2. Une Scene Surtout Se Renouvelait Chaque Jour
3. Dialecte

写真のように組み立て式のジャケットです
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2010年1月13日 (水)

女スコヘンSusan Weinertの初ライブアルバム!

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Musician●Susan Weinert(E Guitar)
Title●Triple Talk - Live(2003年)
■ディスクユニオンで購入

ギターを弾く女性って意外に少ないように思えます。いまでこそMジャクソンのバックを務めたギタリスト、オリアンティさんやクラシックの村治佳織さんなどが活躍していますが、ことジャズ・フュージョンに絞るとかなり少数派です。安達久美さんという人も最近活躍がめざましいですね。なぜ女性ギタリストが少ないかと考えると、いろいろと理由があるかと思いますが、まず手が小さく指が短いために、フィンガリングのうえでどうしてもハンデがあること。また、腕力の関係でカッティングが甘めになってしまうことが大きいように思えます。それでもギターそのものやPA設備の改良によって、女性の進出も以前よりは容易になっていると思います。

今回、紹介するのはドイツ人女性ギタリスト、Susan Weinert(スーザン・ワイナート)による初のライブアルバムです。2003年リリース。メンバーは彼女の旦那でもあるMartin Weinert(ベース)とHardy Fischotter(ドラム)というお馴染みのトリオ構成です。Weinertは私が知る限りでは1990年代からデビューしていますので、それなりにベテランといってもいいと思います。初期の作品は「女スコット・ヘンダーソン」という感じが丸出しでしたが、最近では男性ボーカルを取り入れたり、アコースティックに挑戦したりと独自性を押し出しています。

このアルバムでで聴かれるプレイはその延長線上にありながら、彼女なりの解釈が加わりまさに長足の進歩が見られます。以前はエレキ1本でしたが、さらにここではギターシンセもマスターし、とてもトリオでのライブとは思えない重厚で奥深い音作りに成功しています。Susan Weinertのプレイは、スコット・ヘンダーソンアラン・ホールズワースなどの影響を強く受けてはいますが、独特のフレージングや丁寧なカッティング、そして音に対する強いこだわりは、やはりドイツ人ならではのもの。計算尽くされた楽曲と、メンバーの一糸乱れね緊張感あふれるコンビネーションから繰り出される素晴らしいプレイの数々は、口うるさいジャズフュージョンファンを必ずや納得させるレベルにあると断言できます。それでいて決してテクニック至上主義に陥らない聴かせる作曲能力もあるわけで、絶妙なバランス感覚をもっているプレイヤーだと言えます。ベースもドラムもなかなかです。

特に1曲目「snapshot」ではリズム隊が作り出す独特のポリリズムに乗って、Susan Weinertのギターが縦横無尽に暴れまわり息を飲むような素晴らしい出来に仕上がっています。カッティングも見事。まだまだ日本では無名の存在ですが、スコヘンやホールズワースあたりのテクニカル系ギタリストが好きな方にぜひお勧めしたいと思います。

●Musicians
Susan Weinert / g,guitar-synth
Martin Weinert / b
Hardy Fischotter / dr

●Numbers   
1、snapshot
2、your smile in your face
3、no sellout
4、hopeless case
5、lost paradise
6、the kobayashi syndrom
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2010年1月12日 (火)

知られざる名ギタリストBruce Bartlett

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Musician●Bruce Bartlett(guitar)
Title●Instant Gratification(2000年)
■Tower Record USAより購入

「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と絶賛されるミュージシャンは当たり前ですがそんなに多くはありません。ネットを徘徊していると「尊敬するギタリスト」「俺のギターの先生」などとしばしば登場するのが、今回ご紹介するBruce Bartlett(ブルース・バートレット)です。おそらくアメリカの東海岸で活躍していると思われ、またあの有名なバークリー音楽院でギター講師を務めているようです。なるほど、だから「先生」なのですね。

この作品は2000年3月に行われたライブを収めたもの、という情報しかわからないのですが、ブルースを基調としながらもジャス的な要素をブレンドしたソロは天下一品。中低音の音色が抜群で、妙な色気が漂います。では、なぜ「奇天烈なのか」と問われると困るのですが、マイナーなミュージシャンに日の目を当てるのも、このブログの役割ということで。

ところでクレジットを見るとベース奏者が3人もいますが、録音日や曲によって交代しているはず。基本はギター、ベース、ドラムのトリオ構成です。当たり前の話ですが構成人数が少なければ少ないほど、そのミュージシャンの実力が問われます。「ジミ・ヘンドリックス・エクスペリアンス」「クリーム」「BBA(ベック、ボガート&アピス)」「ジョニー、ルイス&チャー」など、ロック界の歴史を築いたバンドはトリオが多いのです。もちろん「キングストン・トリオ」はこの法則には 該当しないと思われます。

●Musicians
Bruce Bartlett /g
Marty Richards / dr
Marty Ballou / electric and acoustic bass
Dave Zinno / acoustic bass
Oscar Stagnaro / electric bass

●Numbers
1、Instant Gratification
2、Get Out of Dodge
3、Long But Not Forgotten
4、More Lines
5、Slim
6、Three of 12
7、Downtown
8、Slick
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2010年1月11日 (月)

Soft Machine / Land Of Cockayne(1981年)

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Musician●Soft Machine
Title●Land Of Cockayne(1981年)
■ディスクユニオンで購入

1970年代後半の「Alive & Well: Recorded in Paris」をもって事実上、解散状態になったカンタベリー系ミュージックの大御所、「Soft Machine」の再結成アルバムです。1981年のリリース。一応は、ソフトマシーン名義になっていますが、どちらかと言えば「カール・ジェイキンスとその仲間たち」という感じで、全体に緊張感も感じられず、これといった盛り上がりも見せないままに終わってしまうという「怪作」です。

メンバーは、ジャック・ブルース、ジョン・マーシャル、ジョン・テイラー、アラン・ホールズワースと大英帝国を代表するジャズロック界の大物たちが一堂に会していますが、なにせ同窓会的な色合いは隠しようもなく、緊張感がまるで感じられません。これこそ「船頭多くして…」の典型と言えるでしょう。

この作品での唯一の見せ場は、アラン・ホールズワースの超絶ソロが聴かれる9曲目「Sly Monkey」ですが、これはあくまでもダレきったアルバムの中で「喝!」を一瞬入れただけで、ホールズワースにしても入魂のソロを披露しているわけではありません。ソフト・マシーンと周辺に興味がある一部ファンにとっての、コレクターズアイテムと考えたほうが賢明でしょう。これをもってソフト・マシーンの音楽だと思う人はまさかいないと思いますが。しかし、あまりに危険すぎるアルバムタイトルとその中身とのギャップには驚くばかりです。

●Musicians
Allan Holdsworth / g
Karl Jenkins / key
John Marshall /d
Jack Bruce / b
Ray Warleigh / a.sax,b.flute
Dick Morrissey / t.sax
Alan Parker / g
John Tayler / key

●Numbers
1、Over 'N' Above
2、Lotus Groves
3、Isle of the Blessed
4、Panoramania
5、Behind the Crystal Curtain
6、Palace of Glass
7、Hot-Biscuit Slim
8、(Black) Velvet Mountain
9、Sly Monkey
10、Lot of What You Fancy

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2010年1月10日 (日)

JON ST. JAMES / FAST IMPRESSIONS(1986年)

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Musician●Jon St. James
Title●Fast Impressions(1986年)
■ディスクユニオンで購入

今回ご紹介する、アメリカ出身と思われるマルチプレイヤーJon St. James(ジョン・セント・ジェームス)をご存じの方はおられますでしょうか。私は寡聞にして存じません。試しにいろいろと調べてみましたが、やはりよくわかりません。ただ、シンセ、ギター、ドラム、ボーカルなと何でもこなせるマルチプレイヤーということと、「Trans-Atlantic」(84年)と「Fast Impressions」(86年)という2枚のアルバム(いずれもアナログ)を残していることだけが判明しました。個人的に追いかけているテクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が何故だか2枚ともに参加しているのです。

今回、ご紹介するのは2枚目の「Fast Impressions」。リリースと同時期にディスクユニオンお茶の水店で「漁盤行為」に没頭していた時に発見し購入したものです。1986年という時期は、ホールズワースはというとちょうどEnigma Recordsから「Atavachron」をリリースした時期で、賛否両論分かれたシンタックスを導入したころです。このアルバムも同じEnigmaからリリースされていることからして、おそらく何らかの契約条件があったのでしょう。ちょっと手伝ってよ的なバーター取引が。当時はバーターなどの概念を知らなかったのですが、今となってはすごく理解できます。人間、必ずしも好きなことだけして生活はできないのですね。というわけで、ホールズワースは2曲のみ参加。

さて、肝心のこの作品ですが「Electronic Pop」「Synth Pop」というジャンルに分類されているようで、まさにシンセとキーボードによるポップなつくり。かといってYMO初期のような斬新さも感じられず、ただ牛の何とかのようにダラダラと音が連続していき、聴いていると確実に眠りにつくことができます。ホールズワースはギターとシンタックスで臨んでいますが、無味無臭のピコピコサウンドにホールズワース節がうねうねとスネークインしてくるという奇天烈な仕上がりになっています。他にも数人のギタリストが参加していますが、特筆できるほどのプレイは聴かれません。

そんなわけで、どこをどう探してもおそらく現状では入手不可能な「珍盤」ですが、血眼になって捜す価値があるかというとかなり微妙です。私ももう1枚の「Trans-Atlantic」をこの10何年も探し続けていますが、一向にヒットしません。

●Musicians
Jon St.James / guitar,keyboard,drums,percussion
Allan Holdsworth / guitar,synthe axe
Skip Hahn / guitar
Scott Bowers / guitar
Ray Gomez / giutar
Rusty Anderson / guitar
Joe Perez / tenor-sax
Stacey Q / synthesizer

●Numbers
1、The Paris Sanction         
2、Portofino         
3、The Third Man         
4、Fast Impressions         
5、Down Time         
6、Miranda         
7、Rainy Taxi         
8、Club Midi         
9、St. Somewhere
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2010年1月 9日 (土)

日本が生んだハードコアなアヴァンギャルドジャズ「Quartet 99」

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Musician●Trio 96
Title●Quartet 99(1999年)
■ディスクユニオンで購入

とんでもないアルバムを発見してしまいました。日本ではフリージャズというと不当なまでの冷遇されているようでうすが、これほどガチンコ勝負のハードコアなフリージャズをプレイするグループが商業ベースに乗ってくるなどあまり考えられません。

今回紹介するのは、ギターの石川健二を中心に田中康裕(ドラム)、矢野智礼(サックス)、江尻博光(ベース)という4人構成なのになぜか「Trio」を名乗るハイテクジャズロックユニットによる1999年の作品です。なぜかフランスのムゼアというレーベルとの契約のようです。

予備知識もなく帯に書かれていた「4人組パワー・ジャズ・ロック」というコピーに惹かれて買ったアルバムですが、聴いてみてびっくり!4人が全力疾走でブンブン唸り倒すハイテンションな演奏は他に類を見ません。たとえは難しいのですが、かの全盛期のマハヴィシュヌ・オーケストラのようでもあり、またブランドXのようでもあります。

彼らが影響を受けたミュージシャンとして、アラン・ホールズワース、マイルス・デイヴィス、ジョン・マクラフリン、そして意外にもECMレーベルなどのジャズロックの偉人たちがあがっていますが、およそ古今東西のジャズロックのエッセンスをがっちり集めてきて濃縮果汁にしたようなプレイです。日本のジャズロックといえば、個人的にはフラジャイルあたりを連想しますが、フラジャイルのような親しみやすさを彼らに求めることは困難です。妥協をまったく許さないハードコアでエネルギッシュなプレイは、日本のジャズロックシーンでは、異彩を放っています。

いすれにしてもよくありががちの甘ったるい音楽に食傷気味の諸兄にうってつけの作品です。超絶技巧と強烈な衝撃に触れると、いっぺんで覚醒すること確実です。2003年に発表されたギターとドラムだけによるデュオ作品「DUO '03」もお勧めです。こちらはプログレ的な要素が満載の奇天烈な仕上がりになっています。

●Musicians
石川健二 / guitar
田中康裕 / drums
矢野智礼 / sax
江尻博光 / bass

●Numbers
1 Nana(Up)
2. JB
3. 5 Beats
4. 9 Beats
5. Hayai kyoku
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2010年1月 8日 (金)

ROCCO ZIFARELLI / LYNDON(1998年)

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Musician●Rocco Zifarelli(guitar)
Title●Lyndon(1998年)
■Jazzos.comより購入

イタリアつながりで思い出したのがRocco Zifarelli(ロッコ・ジファレリ)です。1967年生まれの彼は影響を受けたミュージシャンとしてパット・メセニー、スコット・ヘンダーソン、スティーブ・カーン、そしてアラン・ホールズワースなどを挙げています。若いころはビートルズ、ツェッペリン、クラプトン、ジェフ・ベックなどを聴いていて、Mデイヴィスを聴いてからジャズの世界へ身を投じたとのこと。

おそらく現時点では唯一のソロアルバム「Lyndon」はイタリアのミュージシャンを中心に構成されていますが、ベース奏者のPippo Matinoはそれなりに有名だし、ジミー・ギャリソンの息子で超絶ベースのMatthew Garissonの名前も見られます。曲のほうはやたらと手数が多くて展開が目まぐるしいジャズフュージョンという感じですが、通して聴くと決してギター弾きまくりというわけではなく、ブラスやストリングスを効果的に取り入れるなどして、聴いてて飽きがきません。冒頭の「Pacman」は超人的なカッティングに感心していたら、突然、ヘンダーソンもビックリの超絶ソロが響き渡ります。ツカミはOKというやつですね。

例によって日本での入手は困難なようですが、イタリアのジャズ系専門サイトJazzos.comで入手できると思います。

●Musicians
Rocco Zifarelli / eg,ag,vg-8,sequence programming,mand-oud,vo
Pippo Matino / b
Stefano Di Battista / ss
Giovanni Imparato / vo
Matthew Garisson / b
Paco Sery / ds
Giovanni Amato / tp
Claudio Colasazza /ep
Sergio Vitale / tp
Simone Salsa / as
Sandro Deidda / ts
Augustino Marangolo / ds
etc…

●Numbers
1、Pacman
2、Difficult Collaboration
3、Preloud
4、Sierra Nevada
5、Sguardi
6、Havona
7、Introduction
8、Sweet Flame
9、Interloud
10、Lyndon
11、Peregrine Flight
Dscf1313

2010年1月 7日 (木)

謎だらけのイタリア人テクニカル系ギタリストUmberto Fiorentino「Ulisse」

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Musician●Umberto Fiorentino (guitar)
Title●Ulisse(1995年)
■HMVより購入

イタリアのホールズワースフォロワーと言えばNico Stufanoがいの一番に思い出されますが、探してみたらもう一人いました。Umberto Fiorentino(ウンベルト・フィオレンティーノ)がその人です。1995年にリリースされたこの作品はおそらく2枚目のソロ。なにかの資料でイタリアのアラン・ホールズワース・フォロワーとして紹介されていました。多分、日本ではほとんど知られていないと思いますし、またほとんどがイタリア人と思われる共演メンバーも誰一人として知っている名前がありません。

恐る恐る聴いてみると、全体の曲調としてはプログレッシヴ・フュージョンという感じですが、ひたすら弾きまくる曲があるかと思えば、なぜかメランコリーな可愛らしい曲があったりと、この作品を聴く限り正体が掴めません。肝心のギタープレイですが、確かにホールズワースの「残骸」をフレーズの端端に見出すことができますが、トーンは本家ホールズワースよりもかなり歪んでいて、キーボードライクなヴォイシングというよりも、曲がりくねった変態フレーズに共通項を見つけることができます。ただ、聴きやすさという点では、楽曲構成の難解さや掴みどころのない作風で、万人が好んで聴くという感じでは決してありません。ほかにも3枚ほどアルバムを出していますが、アルバムごとに作風が変化するという、大変謎めいたミュージシャンです。

●Musicians
Umberto Fiorentino / guitars
Vinne Colaiuta / drums
Ramberto Ciammarughi / keyboards
Dario Deidda / basses
Francesco Puglisi / bass
Fabrizio Sferra / drums
Maurizio Dei Lazzaretti / drums
Stefano D'Anna / sax
Alfonso Deidda / sax
Sandro Deidda / sax
Jerry Popolo / sax
Daniele Scannapieco / sax
Gabriele Mirabassi / clarinet

●Numbers
1. Ulisse
2. Manuale di conversazione
3. La legge di Murphy
4. When i fall in love
5. Effetti collaterali
6. La gran bevuta
7. La variante di Luneburg
8. Footprints
9. La chiave a stella
10.Goedel,Escher,Bach
11.Sign of the times
12.Il collasso dell'universo
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2010年1月 6日 (水)

Arild Andersen / A Molde Concert(1981年)

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Musician●Arild Andersen(bass)
Title●A Molde Concert(1981年)
■HMVで購入

ドイツのレーベルECMを代表するベーシスト奏者、Arild Andersen(アリルド・アンデルセン)がリーダーになって結成されたプロジェクトによる1981年8月にノルウェーで行われた「The Molde Jazz Festival」でのライブ録音です。当初はアナログ盤で発売されましたが、CD化にあたってボーナストラックが4曲も追加されたようです(アナログ盤は持っていないので、何が新たに加わったかは定かではありません)。

メンバーを見ると、ピアノにJohn Taylor、ギターにBill Frisell、ドラムにラリー・コリエルとの共演でもおなじみのAlphonse Mouzonということで、ドラムはさておいてもJohn TaylorとBill Frisellの組み合わせなら、浮遊感あふれるBill FrisellのギターにJohn Taylorの冷徹でリリシズムあふれるピアノが被さるサウンドを勝手に想像していました。ところが、聴いてみるとビックリ!ここで展開されているのは、激しくハードなジャズロックであり、およそECMらしからぬ音がギッシリと詰まっています。フリゼールも今の作風からはとても想像できないロックタッチなフレーズを連発し、テイラーも負けじといつにない激しいフレーズで応酬します。Arild Andersenの手数が多いベースも際立って聞こえます。資料によると当日のライブでのギタリストは本来パット・メセニーの予定でしたが、契約のゴタゴタで急遽、フリゼールにチェンジされたとのこと。奇しくもこの録音がフリゼールにとって初めてのECMでの音源になったということで、何が幸いするかわかりませんね。

とにかくECMのイメージが従来もっている固定観念を180度覆す激しい演奏に拍手喝さいです。それどころか、ジャズロックを代表する名盤であることは間違いありません。しかし、「ECMブランド」に相反することは、なかなか再発売に至らなかったことからして明らかです。事実、ECMの総帥、Mアイヒャー氏はこのアルバムにはノータッチとのことです。

(訂正)記事中、フリゼールのECM初音源と書きましたが、正確には Eberhard Weber 「Fluid Rustle」(1979年)が初音源です。訂正します。ご指摘いただいたjbhさま、ありがとうございました。

●Musicians
Arild Andersen / bass
John Taylor / piano
Bill Frisell / guitar
Alphonse Mouzond / drum

●Numbers
1、Cherry Tree
2、Targeta
3、Six for Alphonse
4、Nutune
5、Lifelines
6、Sword Under His Wings
7、Commander Schmuck's Earflap Hat
8、Koral
9、Cameron
10、Song I Used to Play
11、Dual Mr. Tillman Anthony
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2010年1月 5日 (火)

奇天烈なプログレ系フュージョントリオ Quazi

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Musician●Quazi
Title●The Cookies of Discontent(2001年)
■カケハシレコードから購入

アメリカ出身のプログレフュージョントリオ「Quazi」です。一時期、ネット上で「ホールズワースフォロワー」として話題になっていたので、購入に至りました。どうやら自主制作盤のような雰囲気です。たまにお世話になるカケハシレコードさんから中古で購入。

全体としては、ギターを中心にした奇天烈でハードなフュージョンという感じですが、ギター氏は明らかにアラン・ホールズワースの影響下にあります。実際、ライナーによれば影響を受けたミュージシャンとして、アラン・ホールズワース、ラッシュ、キング・クリムゾンなどの名前が挙がっています。個人的にはやはりホールズワースフォロワーとして知られるスコット・マクギル的なニュアンスも感じます。

曲調としては全体的に暗めで陰鬱とした感じの曲が多く、ホールズワース系のギターが響きわたるわけですが、弾きまくりのギターに対してベースとドラムがいかにも非力。特にドラムはドタバタ、ドカドカと不安定でまるで学生バンドを目の前にしたような不安感に苛まれます。ここら辺りがC級バンドの域から脱出できない理由でしょうね。

ジャケットデザインも実に悪趣味。今では見られなくなった「小人プロレス」のような男があしらわれ、懲りずに中ジャケットにもこの小人プロレスラーを登場させています。駄目だ、こりゃ。

●Musicians
Jason Widen / guitar & guitar synth
Tony "the Snake"Arbonzo / bass
Mathew Lee Helanger / drums

●Numbers
1. A Fitting Demise
2. Smells Like Nail Polish
3. Creepy Little Weirdo
4. Flowers Is Perty
5. Fiesta Ala Carte
6. March Of The Orcs
7. Dark Method
8. Hypocrisy Of The Open Minded
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2010年1月 4日 (月)

エフェクター大魔王、Frank Marino降臨!

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Musician●Mahogany Rush
Title●Frank Marino & Mahogany Rush Live(1978年)
■タワーレコードで購入

ここでは「アラン・ホールズ・フォロワー」をよく登場させていますが、1970年代から80年代にかけてやたらと出現したのが「ジミ・ヘンドリックス・フォロワー」です。元「プロコルハルム」のロビン・トロワー、元「スコーピオンズ」のウルリッヒ・ジョン・ロートあたりが有名ですが、白人なのに顔を黒く塗りたくってアフロヘアーにして登場したランディ・ハンセンなどという奇天烈系ギタリストも登場しました。

今回、紹介するのはFrank Marino率いる「マホガニー・ラッシュ」です。1970年代にカナダで結成されましたが、初期の3枚はフォロワーであることを控えめにしていましたが、4枚目にあたる76年発表の「鋼鉄の爪」あたりから強烈に押し出すようになりました。1978年に発表されたこのライブ盤はその直後の作品です。

リーダーであるフランク・マリノは何かのインタビューで「ジミヘンが死んでから急に指が動くようになってギターを弾けるようになった。彼の魂が乗り移ったのだろう」などとふざけた発言をしていた記憶がありますが、ここで聴かれるプレイはあながち冗談とも嘘とも言えません。ギター、ベース、ドラムというトリオ構成をとっているのも、「エクスペリエンス」を当然意識したものでしょう。オープニングの「Introduction」はキーボードらしき音が聴かれますが、おそらくペダル状のキーボードでは? 続く「The Answer」は女性コーラス的なエフェクトを効果的に使い、スペイシーな音空間を作り出しています。ラスト「Purple Haze(紫の煙)」は言うまでもなくジミヘンの代表曲ですが、本家を遥かに上回るド迫力で聴く者を圧倒しています。

フランク・マリノはギブソンのSGスタンダードを主に使用し、夥しい数のエフェクターで独自のスペイシーサウンドを作り出していました。テクニックとしても当時は「最速」と評価されていた記憶がありますが(あくまでもロック界限定ですが)、これはエフェクターによる恩恵も大きかったのではと思います。

ちなみにマホガニー・ラッシュは1978年に初来日を果たしています。何本かテレビ出演もしていましたが、ありがちのカラオケ&口パクではなく、きちんと生演奏していたのに妙な感動を覚えた記憶があります。番組名は失念しましたが、雪村いずみの娘、朝比奈マリアが司会の音楽番組にも。なぜか海賊版DVDでその模様を見ることができます。

●Musicians
Frank Marino / Guitar,Vo,Key
Paul Harwood / Bass
Jim Ayoub / Drums

●Numbers
1、Introduction
2、The Answer
3、Dragonfly
4、I'm a King Bee
5、Excerpt from "Back Door Man"
6、New Rock & Roll
7、Johnny B. Goode
8、Talkin' 'Bout a Feelin'
9、Excerpt from "Who Do Ya Love"
10、Electric Reflections of War
11、World Anthem
12、Purple Haze
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2010年1月 3日 (日)

Brett Garsedが全曲に参加「Mojo」

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Musician●Mojo
Title●Tapestry(2002年)
■Gemm.comより購入

オーストラリア出身の超絶ギタリスト、Brett Garsedとあのジンジャー・ベイカーの息子、Kofi Baker(ドラム)とRicc Fierabracciというベーシストが組んだMojoプロジェクトによる作品です。2001年に録音され、2002年にリリースされていますが、レコーディング・ディレクターはBrett Garsedと組んで何枚かの作品を残しているあの「両手タップの怪人」T.J.Helmerichが担当しています。「Tapestry」とはつづれ織りという意味だそうです。

一応、3人の共作という形をとっているものの、やはりBrett Garsedの超絶技巧が印象的で、中指とピックを使うという独特の変則奏法から生み出されるレガートフレーズは、流麗かつたとえようもない変態性にあふれています。楽曲そのものは意外にもキャッチーで親しみやすいものが並びますが、底辺に流れる変態フレーズはやはりプログレッシヴ・フュージョンの旗手の呼び名に恥じない不思議な世界を現出しています。Brett Garsedのファンは文句なしに聴くべきでしょう。

●Musicians
Kofi Baker / drums
Brett Garsed / guitar
Ricc Fierabracci / bass

●Numbers
1. Circle
2. Tally Ho!!!
3. Jacob's Ladder
4. Polly Put The Kettle On
5. Mojo
6. Tapestry
7. Jam Donuts
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2010年1月 2日 (土)

近藤等則が作り出すアヴァンギャルド&幻想的な音の世界

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Musician●Phantom City
Title●Shiva Recoil(1996年)
■ディスクユニオンで購入

目立たないながら良質な作品を発信するフィンランド産のアヴァンギャルド系ジャズ。1996年に行われた「Jazz Happening」と名付けられたジャズイベントのメインアクトを務めた「Phantom City」というユニットによる壮絶なプレイを収めたものです。メンバーはギターがフィンランドを代表するアヴァンギャルド系変態ギタリスト、Raoul Bjorkenheim、ベースにBill Laswell、ドラムにDirk Wachtelaer、クラリネットにAlex Buess、キーボードにPaul Schutze、そしてエレクトリック・トランペットの第一人者、近藤等則というひとクセもふたクセもあるプレイヤーが見られます。

曲としてはアブストラクトなアヴァンギャルド系ジャズという感じで、近藤等則がリードする幻想的な世界にサイドを固める若手ミュージシャンたちが負けじと応酬するという構図です。なんとも形容しがたい混沌とした音の世界に突如として近藤等則による叫びが響き渡り、Raoul Bjorkenheimのギターが切り裂くように切れ込んできます。バックを固めるリズム隊による一種呪術的な刻みは、かつてマイルス・デイヴィスが編み出したポリリズムに匹敵するほどの麻薬的な魅力を放っています。

万人にお勧めできる作品では決してないわけですが、その道のマニアにとっては参加メンバーから言って涎が出てきそうな演奏内容です。例によって入手が難しいようですが、たまに中古ショップで見かけることができます。発見次第、即ゲット!をお勧めします。

●Musicians
Paul Schutze / Keyboards, Tapes
Raoul Bjorkenheim / Guitar
Toshinori Kondo / Electric Trumpet
Alex Buess / Bass clarinet
Bill Laswell / Bass
Dirk Wachtelaer / Drums

●Numbers
1、Black Data II
2、Black Data I
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2010年1月 1日 (金)

SNEW WITH ALLAN HOLDSWORTH / HIGHWAY STAR(2009年)

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Musician●Snew with Allan Holdsworth
Title●Highway Star(2009年)
■E Musicより購入(DL)



と書きたいところですが、ここ数年間、個人的にはまるでそんな感じがしません。ここでのネタとしてもまるで季節感がないのでこれでいいのかもしれません。

一部ですでに話題になっているようですが、「Snew」というバンドにアラン・ホールズワースが参加しているということで、早速聴いてみました。おそらくCD化されておらず、現状ではiTunesなどのダウンロードサイトで聴くことができます。私はE Musicという定額制のサイトからDLしました。

まず、この「Snew」ですがまったくもって正体不明の存在です。ホールズワースが参加した経緯もよくわかりません。でもって、聴いてみるとバンドとしてはごく普通のロックバンド。上手いとも、下手だとも言えません。しかし、何でDeep PurpleのHighway Starなんでしょうね。と、訝しく思いながら聴いていると、突然、ホールズワースのソロが響き渡ります。しかも、原曲ではキーボードソロ、つまりジョン・ロードのパートです。では、リッチー・ブラックモアのパート、つまりギターソロでもホールズワースが聴けるのかというと、今度はキーボードが怪しげなソロを弾いています。変なの。個人的には、妙に歌い上げる感じのボーカルが苦手なので、このバンドのほかの曲を聴くことは今後ないと思います。だいたい「Snew with Allan Holdsworth」というクレジットからして怪しげですよね。まるで「敏いとうとハッピー&ブルー」「鶴岡正義と東京ロマンチカ」「ダン池田とニューブリード」と同じテイストではないですか。

ホールズワースはたまに「妙なアルバイト」をするようですが、金銭的に困っている事情でもあるのでしょうか。それにしても変な作品です。まあ、1曲だけだし、タバコ銭にもならないほどたいした出費でもないので、洒落で聴いてみてはいかがでしょうか。

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