NICO STUFANO / WAITING FOR..(2002年)
Musician●Nico Stufano(guitar)
Title●Waiting for.. (2002年)
■Jazzos comより購入
奇天烈系音楽を探索していると、師匠格のミュージシャンのフォロワーが気になってきます。よく言えばインスパイアされたフォロワー、悪く言えば「そっくりさん」、さらに悪く言えば「パクリ」ということになります。しかし、師匠はもちろんパクリをも含めて愛してしまうのが奇天烈音楽士の哀しい性(さが)です。
ここで紹介するのは、ずっと追いかけている英国人ギタリスト、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)のフォロワーです。ホールズワースは1946年生まれで実際に表舞台に立ったのが1970年代の初頭。ちょうどこの時期にギターにハマっていたギターキッズたちが、「第1次フォロワー」「ホールズワースチルドレン」という計算になります。師匠は相変わらずマイナーな存在ですが、丹念に探していくとさまざまなフォロワーが見つかります。今回紹介するフォロワーはイタリア出身のNico Stufano(ニコ・スタッファノ)です。
Nico Stufanoは自他共に認めるアラン・ホールズワースのフリークです。2002年に発表されたこの作品は、雰囲気としてはIOU やRoad Gamesの頃のホールズワースに似ていますが、その真似ようといったら半端ではなく、何も知らない人が聴いたら十中八九、ホールズワース本人による演奏と疑うことはないであろうという徹底ぶりです。ただ何度も聴いてみると、音はホールズワースよりもさらにアタックはソフトで、かつフレーズも比較的マイルドで、また本家ほどには弾きに弾きまくるというほどではありません。全体としては「心優しいホールズワース」という仕上がりですが、作曲能力は本家よりも数段上で、通しで聴いてもあまり飽きがきません(笑)。もちろん決めるべきところでは、本家に匹敵するほどの超絶技巧を披露しています。
資料がとても少ないのですが、本人は1961年イタリア生まれですから、「フォロワー第1世代」という感じで納得できます。彼自身は1991年に「Trace of Jazz」というアルバムも出していますが、こちらでもかなりのフリークぶりを披露しています。どちらの作品も品薄なようで入手が困難ですが、「Trace of Jazz」はイタリアのジャズ専門サイト「Jazzos com」で今も購入可能です。「Waiting For..」は国内の某レコードショップに入荷していましたが、いまは取り寄せという状況です。ホールズワースフリークの人は機会があれば一度聴いてみてはいかがでしょうか。
●Musicians
Nico Stufano / guitar
Mario Rosini / keyboards,vocals
Paolo Romano / bass
Mimmo Campanale / drums
Maurizio Quintavalle / double bass
●Numbers
1. Secret Mirror
2. Pandi
3. Forever
4. Without Start
5. Waiting for Summer
6. Moontrappers
7. Koi Koi
8. Flying over the coast
9. Funkopen
10. The last room
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